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TOIRO寄席10周年記念 第60回TOIRO寄席 真打カウントダウン!期待の三ツ星落語会 [落語]

TOIRO寄席10周年記念 第60回TOIRO寄席 真打カウントダウン!期待の三ツ星落語会
於:さいたま新都心 さいたまスーパーアリーナTOIRO

入船亭小辰 三遊亭好吉 雷門音助 オープニングトーク
桃月庵あられ『堀の内』
入船亭小辰『替り目』
雷門音助『長短』
三遊亭好吉『甲府い』

先日家の水道が漏水しているという通知があったため、よくチラシが入っている近所の水道屋に見積もりを頼む。まあ水道局にも紹介されている業者だし大丈夫だろと思っていたら、約7万円の見積もりが上がってくる。おおん? おいトイレのタンクの水がチョロチョロ止まらないだけだぞ!? しかもそのうち人件費が約4万。おいそれ職人何人がかりで何日やるつもりだよ。ダメだ話にならねえ。
そういや東京ガスが水道のトラブルにも対応してたな、うちはガスも電気も東京ガスだからと思って連絡してみたら部材が1万で人件費が約5千円との見積もりが。おおい。やってくれたなあ。「近所の水道屋では7万って言われた」といってみたら、驚いた顔で「いまだにそんな業者いるんですねえ」ですと。
その後水道屋から「どうですか?」と言われたが、「ちょっと見積もりにびっくりした」と言ってみたところ、「それくらいかかるんですよねえ」としれっと言ってきやがった。「ちょっと相見積とってみる」といってみたら「あ、そうですか」とさっさと電話切られたから、やっぱりやってやがったんだろうな。2~3万て言われてたら素直にやってもらってたのになあ。欲のかき過ぎはよくないってことだね。

今日はさいたままでちょっと遠出。最近都外に出る場合はその近くの温泉に寄ってからいくことが多い。
さすがにさいたま新都心には天然温泉はないのでスーパー銭湯みたいなところに。サウナが混んでて特に上段は取り合い。上の段の人が出たら即座に移動しようとみんなが虎視眈々と狙っている。入ったときは最下段しかあいてなくても、少しずつ上へ行き、最上段に登り詰める。ただその頃には7~8分経っており、最上段の熱気が楽しめるのは数分程度。
時間の都合で1時間ちょっとしか入れず、少し消化不良気味。やっぱり最低でも2時間はとりたいところ。

湯上がりで会場まで着くも……出たよバイクの駐輪場初見殺し。バイクの駐輪場は目立たないところにあることが多いので、初めて来た会場だと探せないことがある。そう思って風呂を早めに切り上げたのに……。だいたいHPとかみても駐輪場の場所は書いてないんだよなあ。しょうがないので他の商業施設の駐輪場に停めて会場まで歩く。おかげで着席は開演30秒前。

まずは3人揃ってオープニングトーク。「真打カウントダウン」と銘打たれているが、好吉さん小辰さんはわかるけど、音助さんてもうそろそろだっけ? と思っていたら、音助さんは「なんで自分が呼ばれたかわからない。まだなにも決まってないし、かなり先ですよ?」だそうだ。まあ最近は芸協も抜擢があるから、もしかしたら……なんてあるかもね。
オープニングでは好吉さんが好一郎になる経緯などを。しかし好太郎好二郎がいるところに好一郎とはね。
好吉さんは「小辰アニさんは名前なんになるんですか、なにも知らないんで」とは言ってたけど、いくら他協会だからといってさすがに扇橋継ぐことを知らないとは思えないんで単純な呼び水だったのだろう。ただ小辰さんはずっと高座で好吉さんのことを「六代目圓楽一門会」っていってたけど、「五代目圓楽一門会」だからね。
オープニングトークでは出番順を協議。好吉さんは今日が二ツ目ラスト高座だそうで、トリ。仲入りとクイツキをどっちがやるか、ということで「クイツキは若手の真打がよくつとめるところ。ざわつくお客さんをまた高座に引き戻さなきゃならないから腕がいる」と音助さんに。消去法で小辰さんが仲入りみたいになってるけど、多分音助さんが気を利かせたんだろう。

あられさん、オープニングトークでは小辰さんに「あられさんはこの会は3回めだそうで、初めての我々をバカにしてる。『トイレの場所も知らないんですか』みたいな」といじられていたが、それを受けていじり返す。なかなか肝の座った前座さんのようだ。
11月に二ツ目昇進が決まっているそうで。師匠譲りなのかややふてぶてしそうな雰囲気と話し方を持っている。

小辰さん、今日は落協、芸協、圓楽党が集まっていることから各協会の違いなどをマクラで話す。
噺は久しぶりに『替り目』。一時期毎回のように掛けていたけれども。
今日は俥屋とのやりとりはなく家の中からスタートとし、うどんやのサゲまで。やっぱり上手いよねえ。
うどんやに海苔を炙ってもらってるけど、つまみあるじゃんって突っ込むのは野暮か。「パリパリにするなよー!」と怒りつつも食べて「……美味い」とつぶやくのがおかしい。

音助さん、新宿で入門志願をしたそうで、その時の思い出話などを。静岡出身で京都の大学へ行き、東京で落語家になったそうで、「あっちこっちいってる」とのこと。
噺は大阪の気の長い男と江戸っ子の気の短い男のやりとり。京都にいた経験からか、関西弁にも不自然さはないように思う。大阪弁と江戸弁が交互に混ざるから大変そうだけれども。

好吉さん、冒頭で「今日は『甲府い』という噺を掛けます。これはすごく地味な噺で、特に盛り上がりもなく……」と言っていたが……。
うん、ほら風呂って実は結構体力使って疲れるんだよねえ。だからまあ半分くらい意識がないのは仕方ないんじゃなかろうか。

チラシに「全員にお土産つき」とあり、まあクリアファイルとかだろ、とか思っていたら会場のTOIROのロゴが入った折り畳み傘と多色ボールペンとメモ帳。え、2000円の木戸銭でこんな立派なもの貰っちゃっていいの? 木戸銭より高くない?

帰り、ようやくバイクを置ける駐輪場を見つける。7月に開かれる兼好師の会の前売りも買ったことだし、次回はここに停めよう。
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人形町噺し問屋 その91 [落語]

人形町噺し問屋 その91
於:人形町 日本橋社会教育会館

三遊亭兼好 ご挨拶
三遊亭けろよん『雑俳』
三遊亭兼好『四段目』
岡大介 カンカラ三線
三遊亭兼好『居残り佐平次』

1年3か月ぶりとのことだが、確か2020年の3月は中止になってるはずなので、実に1年5か月ぶりの人形町噺し問屋。
ちょっと仕事忙しくなってきたんだけど、今日ばかりは早めに上がる。ま、先週の火曜も早めに上がったんだけど。
会場はギッシリのお客で、皆待ってたんだなあ。

まずはご挨拶。
仕事の打ち合わせで「株はやらないんですか?」と聞かれ、全然知らないと答えると最近は変わったんだと教えられたという。東証一部とかではなく、プライム、スタンダード、グロースに分けられ、「プライムは『どこに出しても恥ずかしくない』、スタンダードは『まあいいんじゃない』、グロースは『これから伸びる』会社なんですって。『わかりやすく言えば真打、二ツ目、前座みたいなものですよ』と説明された」らしい。なるほど。「でも落語界には『どこに出しても恥ずかしい真打』がいますよ、といったら『株も同じです』といわれた」そうだ。うーむ。正直銀行の資産運用のファンドとかも日本企業は相手にされてないもんなあ。
「噺家も階級を『プライム』『スタンダード』『グロース』にするってどうですかね。『お宅は株やってるんですか』『もちろん。三三、白酒、一之輔、ちょっと高かったけど喬太郎……』『手堅いですな』『あなたは?』『ふふ、私はこれですよ』『おお、宮治株!』『スタンダード時代から持ってましたから』なんて。中には『私はこれしか持ってなくて……』『うわあ三P株!』みたいな」と盛り上がる。まあ師匠はプライム確定でしょうから。ちょっと話はそれるが、今日のチラシに某イベント会社の○周年記念落語会が入っていたのだが、いくつか会を開くうち、兼好師の会は独演会で前売り4000円当日4500円。これは喬太郎師と同じ値段。他の人は3000円とか若手ふたりで2500円とかなのに。兼好師の人気と実力なら当然と思う反面、これが標準価格になるとちと辛いなあとも。スタンダード株からの株主優待はないものか。
種田山頭火の足跡をたどるという雑誌の企画で、佐賀の温泉へ取材旅行へ行った話も。武雄温泉で殿様の湯に入ったり、嬉野温泉で名物の湯豆腐を食べたりという話を。嬉野は玉露発祥の地だそうで、旅館に置いてあるお茶さえも美味しく、飲みすぎて眠れなくなったとか。

けろよんさんはいつもの『雑俳』なのだが、今日はなんかいつもとちょっと間が違っていたり、抜けてるところがあったり。……というかまだ1年めの前座なんだからそっちのほうが当然なんだよなあ。いつもよりも客がぎっしりみっしりで当てられたか。

兼好師の一席め、コロナの間は客席が空いており、また声掛けもできないので芝居も締まらなかったと芝居の噺に。
旦那の小言をのらりくらりとかわそうとするもすべて潰され、呻吟する定吉の様子がたまらない。
また蔵の中で芝居の真似事を始めるが、仮名手本忠臣蔵の薬師寺次郎左衛門の表情がまた素晴らしい。本当に歌舞伎の隈取が見えるようだ。いや歌舞伎見たことないんだけど。劇中劇というか落語中劇でも楽しめるんだからやっぱりすごい。
最後、旦那がお櫃を蔵に持っていくときも芝居仕立てになるのもおかしい。

二席めの『居残り』は3年半ぶりくらいか。
いや、これはホントに素晴らしい、名演だよ。兼好師はどの高座もほぼ外れはないけれど、今日のこの高座は特によかった。
見世の若い衆との攻防もいいが、やはり「いのどん」として見世の客を取り巻いていく場面が圧巻。押し付けがましくないのにみるみるうちに客を持ち上げまくる様は、人たらしである兼好師だからこその怒涛の技。聴いているこっちまでいつの間にか噺の中の座敷の客と同じように気持ちよくなって、祝儀を切りたくなってくる。
サゲも「おこわにかけた」よりはわかりやすく、でもある程度落語を知らないと面白くないという絶妙な加減。
いやあ週の頭からいいもん聞きましたわ。

昨日の一蔵さんもそうだったが、今日は兼好師もお見送りを復活。いよいよアフターコロナに向かっていくのかな。うちの会社ではまた先週出たけれど。
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第百九回 一蔵ひとりの会 [落語]

第百九回 一蔵ひとりの会
於:神保町 らくごカフェ

春風亭一蔵『厩火事』『野晒し』『阿武松』

昨日は高校の時の友人たちと飲み。そこで友人のひとりが上野動物園のパンダ観覧に当たってひとり分余っているというので便乗させてもらう。友人のダンナと子どもとお母さんに俺が加わるって。と思ったら子どもがグズったらしく、ダンナと子どもはこないらしい。んん? 女性の友人とそのお母さんと一緒にパンダ見に行くってどんな状況だこれ。まあ友人一家についていくっていうのもなかなかおかしいんだけれども。
初めてシャンシャンも見ることができ、双子パンダと母親のシンシンも見ることができた。ふおおおおかわええ。シャンシャンは見るだけの列と写真撮影可の列に分かれ、写真撮影の列は80分待ちだという。おおう。いつもなら待つんだけど、一蔵ひとりの会が控えてるからなあ。
というかせっかく完全予約制になった上野動物園に入れたのに、パンダを見終わったところで友人と分かれて速攻で出る。もったいないけど仕方ない。

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Nikon Df

上野から神保町までバイクで10分ばかり。結構飛ばしたが、らくごカフェに着いたのは開演5分すぎ。始まってるかと思っていたらまだ始まってなかった。まだ他にもきていない人がいたようで、ちょっと待っててくれたのだろうか。

一席め、春の真打の披露目も終わり、いよいよ秋の真打のポスターが解禁になったそうだ。
これまでの一蔵さんの来し方の話から出身中学に落語をしに行った話に。当時は不良だらけだったそうだが、最近はもう不良自体がほとんどいないそうだ。
よくある感想文などもよく『生徒の作文』風にネタにされているが、そういうネタにもならないほど真面目なものだったそうだが、ひとりだけ「お母さんが一蔵さんとクラスメイトだったそうです」という感想文があったという。
「こういうのも縁ですね。でも一番不思議なのが夫婦の縁」とまあよくあるつなぎ方で『厩火事』に入る。
おさきさんは愚痴を聞いてもらいたいだけで別れるつもりなんかなかったのに、いつの間にか旦那に追い込まれているのがおかしい。
今日は噺のブロックがちょいちょい順番が変わっている。

二席め、噺家になって一番残念なことは趣味がひとつ減ってしまったことだという。
トラック運転手をしていた頃はトラックで名人上手のCDをよく聴いていたそうで、圓生師は眠くなるので運転には向かず、志ん朝師はアクセルを踏みたくなり、談志師は……とサゲる。
仕事が午前中で終わることもあったそうで、そうすると池袋演芸場に通っていたという。池袋は途中で外に出ることができるので、昼席がハネた後に外で5~6杯のみ、酔った状態で戻ってくるのが最高だったそうだ。それができなくなったのが寂しいという。
客の趣味につきあっていろいろなものを経験したそうだが、釣りは性に合わなかったらしい。そもそも生きた魚に触れないんだとか。魚だけでなく生き物全般がダメで、自分ちの猫以外は怖くて触れないんだそうだ。ちょっと意外。餌のゴカイなども自分ではつけられないのに、ビギナーズラックで一蔵さんだけがヒラメを釣ったこともあるそうで。「ゴルフなら客がOB打ったら私も横に打つとかできるけど、釣りはヨイショができないからダメ」だそうだ。そんな理由あんまりないけどね。
釣りの話題から『野晒し』に。
「ハゼを釣ってくるから大根でも煮て待ってなさい」という隣の先生のお決まりのセリフだが、「先生ね、ハゼ釣ってきたことなんて10回に1回じゃないですか。いつも俺は大根だけ食ってんだ。昨日も大根食って腹一杯になって寝ていたら……」と大根を掘り下げる。大根について言及しているのは初めてだな。こういう小ネタがあると楽しい。
やっぱりさいさい節は控えめに。

三席めは相撲の夏場所が千秋楽だったことから相撲の話に。両国には「噺家席」というのがあるようで、おそらく永谷だと思うけど企業が噺家にチケットを回してくれるのだそうだ。たまに市馬師などが写っており、マスク越しにも嬉しそうな表情が伝わってくるという。ただこの席は真打のためのものなので二ツ目には回ってこないそうだが、他の席を譲ってくれる人もいるのだとか。そのときに噺家席にいる師匠を見て、市馬師などであれば挨拶に行くが、中には敬して遠ざけられている師匠もいるようで。
長吉が最初の親方である武隈をクビになる際に、武隈のおかみさんが「アイツをクビにしないならもうお尻触らせてあげない」という脅し文句がおかしい。

真打披露のチラシも入っており、日程も書かれている。9月21日の大初日は一蔵さんがトリのようだ。午後休取れるかなあ。あと土日の一蔵さん小辰さんトリの予定を入れておかないとな。
タグ:春風亭一蔵
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らくごカフェに火曜会 5月17日 [落語]

らくごカフェに火曜会 5月17日
於:らくごカフェ

入船亭小辰『初天神』
春風亭一蔵『井戸の茶碗』
春風亭一蔵『親子酒』
入船亭小辰『鰻の幇間』

久しぶりの一蔵小辰二人会じゃなかろうか。
特に一蔵さんは桃花師の総番頭を務め、ずっと忙しかったようで、だいぶ痩せた様子。

小辰さんも「いつも一緒にいるとわからないけど、ちょっと間が開くと痩せたなって思いますよ。なんか痩せると優しくなるんですかね。今日殴られてない」と物騒な評価を。
一蔵さんの娘さんの話になり、「上の娘さんは大学4年生で、キレイになってるんですよ。顔は一蔵アニさんなんだけど。でもキレイなの。わかるかな、わかんないですよね、高座に上げたい」。男顔でキレイな人っているからね。以前池袋かどこかでチラッと見たことがあって、なんかわからないでもないような。
娘さんが免許を取ったそうで、三人集が車で送ってもらった話などを。
今日は喜多八師匠の命日ということで、喜多八師の思い出話も。
鈴本でももクロが出たときに小辰さんが立前座だったそうで、周りは浮ついたりピリピリしたりする中、喜多八師だけはいつもと同じくパンツ一丁でヒゲを剃っていたとか。楽屋で当時5人だったメンバーに囲まれ、あの決めゼリフを受けたらしい。
「今日は喜多八師匠から教わった噺をやろうと思ってたんですけど、アニさんの娘さんの話とかしちゃったから親子の噺をします」と『初天神』に。
今日はいつにも増してエッジの効いたハキハキとした語り口で、爽やかに聴こえる。
屋台を「あっ、〇〇がある」のような表情で眺めた後に無言で見た後に父親の顔を窺い見る視線の動きがなんかすごいリアル。

一蔵さんの一席め、「ひとの娘をマクラに出してスベるな!」とクレーム。
扇辰師のお旦が福島の教習所の社長らしく、以前に一蔵さんもその教習所で落語会をやったことがあるそうだが、その教習所に娘さんが合宿で免許を取りに行ったそうな。近くの会場に落語に行ったついでに娘さんたちの顔を見に行ったときの話などを。
一蔵さんの『井戸の茶碗』は久しぶり。7年ぶりくらい。
仏像を磨くのが中間というのが珍しい。
くず屋の清兵衛さんが侍たちに対して結構強気というかふてぶてしい感じなのが一蔵さんぽい。
細川のお殿様が井戸の茶碗に目をつけたときのシーンで「鑑定家といえばあの番組。私があの番組に出て……」って出たの? 知らなかった。以前にお客から貰ったものを鑑定団に出したら予想以上に高額の値が出たらしく。その後日談までを暴露していた。

二席め、桃花師の総番頭はさすがに大変だったらしく。「次の真打が番頭って今までにないよ!」とぼやく。前座の頃もスーパー前座過ぎて二ツ目昇進が遅れたそうだし、そういう裏での回しが上手いのだろう。
いまだに表立って打ち上げはできないらしく、そこはちょっと不満らしい。とはいえ寄席で感染者が出ると大変だそうなので、そこは気を使っているようだ。
酒の話から『親子酒』に。
噺に入って羽織を脱ぎながら「今日は寒いね」と切り出し、「……羽織脱いだからじゃないですか」という返しがおかしい。
どうしても酒が呑みたい大旦那が「婆さんキレイだね」と持ち上げ、おかみさんが折れたところで顔が一気にパッと明るくなるところは一蔵さんらしくて楽しい。
酒を一合ではやめられない理由として「八勺しか入ってなかった。あと二勺だけ足すとかそんなのはダメだ」とか「つまみの塩辛が余った。これは私のだから婆さんにはやらないし、アタシは江戸っ子だから明日に持ち越すことはできない」とか子どもっぽい強弁がおかしい。
……あまり関係ないけど「強弁」ってこれまで「ごうべん」だと思っていたら「きょうべん」なのな。……えっ? いやいや俺子どもの頃になんかの本のふりがなで覚えたはずなんだけど、「ごうべん」と入力してもパソコンが変換してくれない。ええーっと思って検索してみたら俺と同じ人がたくさんいた。もう修正は効かないので俺の今後の人生は「ごうべん」だと強弁していきます。

小辰さんの二席め、「一蔵アニさんのことはうちの師匠も信頼してますから。『アイツは座持ちがいい』って。……それ幇間の褒め言葉なんだけど……」と『鰻の幇間』に。これは権太楼師のはずだから、喜多八噺はまた今度か。
すっかり騙されたと気づいたときの一八のやりきれない表情がせつなく、これを何度も繰り返すのがショックの大きさを物語る。
女中に「仕事に対して言い訳するな」と小言をいったあと、「私が言ってることわかんない? 君には難しすぎたか」と嘆いたところで「言い訳しないでください」とやり込められるのがおかしい。
しかしこの一八をハメた男は何者なのか。オチとなる嫌がらせも通常のものよりもさらにもう一段階パワーアップしており、一八に対する悪意さえ滲んでいるように思える。
ここから男サイドの視点からの噺ができそうなミステリっぽさを感じる。
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紀尾井らくご 三遊亭兼好独演会 [落語]

紀尾井らくご 三遊亭兼好独演会
於:四ツ谷 紀尾井ホール

三遊亭兼好『たがや』
三遊亭まんと『寄合酒』
三遊亭兼好『お見立て』
三遊亭兼好『竹の水仙』

連休明けからの仕事疲れた。
さらにどうやら家が漏水してるらしい。もー。まあ建てて12年とか経ってるからなあ。
いろいろ家事とかこなして昼飯食いながら野球見てたら5点差をつけられ、もーと思いながら昼寝してたらいつの間にか逆転してた。明日またドーム行くんで明日もよろしくお願いします。

さて兼好師の一席め、最近は悲しいニュースが多いといい、「本当に悲しいときには落語はダメ。音楽やお芝居なんかはまだいい。たまに『落語聴いて立ち直れました』とか聞きますけど、それはもうすでに立ち直ってたんです。だって『つるは昔は首長鳥っていったんだ』『なんでつるになったんですか『オスがつーっと、メスがるーっと』……ムカつくでしょう」。ホントはもっと長く『つる』をやってた。
人は上を見ると明るくなるそうで、「昔は子どもに凧揚げや羽つきをさせたのは顔が上に上がるかららしい。寄席も同じで、演者がつまらないからと下を向くと余計つまらなく感じる。上を向いて聴くと面白く感じる。前座の頃に志ん朝師匠の出る会に入ったことがありますが、その日はあまりウケが良くなかった。けど志ん朝師匠が高座に上がった途端に大通具さんが『あれ、照明変えた?』って聞いたんです。皆さん顔を上げたんでしょうね」だそうで。生で聴いてみたかったなあ。
上を見るというということで花火は楽しみとしていい、というところから『たがや』に。
昔は玉屋は職人や貧乏人が、鍵屋は武士や金持ちが応援していたというところで小芝居があるのだが、それが江戸の料理屋の情景が見えるよう。

まんとさん、最近よく『寄合酒』に当たるなあ。流行り廃りはあるのだろうが、最近は『金明竹』とか『牛ほめ』とかほとんど聴かない。

兼好師の二席め、イーロン・マスクが「このままでは日本は消滅する」といったそうで、少子化により人が減っていることらしい。「人口は今の半分でもいいと思うんですけどね。落語ファンてのは人口に比例しないので、母数が多かろうが少なかろうが数は一定ですから。でも今の若い人はおとなしいというか草食系ですからね。私が18歳の頃なんて女性のことしか考えてなかった。昔の江戸は男性が多かったので遊郭ができた」と廓噺に入る。
すでに「花魁は病気です」まで済んでいるところから始まるパターンもあるが、今日は最初から。
喜瀬川花魁に無茶を押し付けられて「涙を流せばいい」といわれ、「私はもしあなたが本当lに死んでも涙なんか出ない」とぶっちゃけられるのがおかしい。

三席め、旅の話題から小田原宿の噺に。
宿の主人の人の良さが際立つ一席。宿のおかみがおだてに弱く、「ここは竜宮城のようだ。酒があってタイやヒラメがあって、それに何よりおかみ、お前が乙姫のようだ」という甚五郎のセリフにコロッと言いくるめられるのがたまらない。そういや竹に囲まれて「かぐや姫かと思った」というくすぐりが今日はなかったような。
そのおだてを真に受けた宿の主人に「俺を殺して女房を取るつもりだろう」と迫られても「どんなに辛くてもあの女はいらん」とバッサリなのも何度聞いても笑える。

会場では他の落語会のチケットを売っていたのだが、……最近チケット代高いよなあ……。4千円超えとか普通だからなあ。白酒兼好二人会のチケット買いたかったけど、手持ちの現金が少なかったのでとりあえずパス。二階席なら3500円ねえ。うーむ。
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第189回 柏落語会 [落語]

第189回 柏落語会
於:北柏 たんぽぽホール

三遊亭萬丸『無精床』
三遊亭萬橘『稽古屋』
三遊亭萬丸『小言念仏』
三遊亭萬橘『大工調べ』

約2年半ぶりの柏落語会。
GWもいよいよ最終日か。休みの間は仕事のことを一切思い出すこともなく、明日会社行って何するか思い出せるだろうか。
GW中はほぼ近場で、一度鎌倉には行ったが大雨でなんの観光的なこともできなかった。今日がバイクでの一番の遠出かな。
朝早めに家を出て、会場近くの温泉へ。正直千葉で温泉はあまり期待していなかったのだが、ここはよかった。この風呂なら永遠に入っていられる。今度から柏落語会にくるときは必ず寄ろう。
もう少し入っていたかったが、昼メシの都合などもあるので2時間ほどで上がり、湯ざましがてらバイクでのんびりと走るとかなり気持ちいい。

開演前に世話人の挨拶。今日は母の日ということで、常連のお客ふたりにカーネーションの贈呈がある。

萬丸さん、師匠同様マクラの間は眼鏡をしたまま。
「世話人さんは私たちの紹介よりお客さんの紹介の方が丁寧で……。私たちは『今日はふたりが話します』くらいしかいってくれなかったのに」といじる。
メガネを外して噺に入る。
小僧が仕事を嫌がり、「無理に奴にやらせようとすると刃物持って暴れるぞ」という物騒な床屋。

萬橘師の一席め、今日が復帰高座で12日ぶりだという。俺より休みが長い。
「これだけ空くとどうやって仕事をしていたか忘れますね。『どうやって話してたっけ』みたいな。それと今日ここにきたら、スタッフさんからお土産をたくさんいただいたんですけど……、あのーすみません、柏落語会のギャラって現物じゃないですよね? お金、っていうとやらしいけどお金もらえますよね? 世話人さんからお金をいただける雰囲気がなかったので……。こういう風にどうやってギャラもらってたのかも忘れますね。2年前の自粛期間はもっと長い間仕事がなかったんでもっとひどかった。『萬橘さん、ここで落語演るんですよ』『落語……落語ってなに……?』みたいな。まあ嘘ですけど」。俺も仕事どこまでやってたか覚えてないんだよなあ。
萬橘家のコロナ騒動なども。お子さんが兄妹で連鎖して感染したらしく、特に下の子は元から体調を崩しがちなので大変だったようだ。しかし感染すると病院に行くにも公共機関を使えず、タクシーも使えないので特別なタクシーで行く必要があるという。それが片道3万以上するんだそうだ。ヒエッ……。「しかも俺仕事してないんだよ!?」ってそら怖いなあ。
『稽古屋』は以前に鈴本の志ん輔師で一度聴いたことがあるだけ。定席の浅めの出番だったのでさらっとやっていたような気が。あんまり覚えていない。
今日は『色事根問』部分から入り、お囃子さんもいるのでハメモノを入れて音曲噺本来の形で演じる。
萬橘師は普段あまり唄を歌うイメージがない。「ちょっと頑張ってやってる」感があるようなないような。でもそれが稽古にきた人が頑張ってやっているように見える。

萬丸さんの二席めは眼鏡をしたまま噺に入る。
名前からなのか、黒縁の丸メガネなのだが、それで念仏を唱えているとお爺さんぽく見える。
途中で「どじょうや!」と「なむあみだぶ」が入れ替わる小三治スタイル。
ただしサゲは泥鰌が死んで喜ぶのではなく「かわいそうなことをした」といってもう少し変わっていた。

萬橘師の二席め、「これだけ長い休みがあると、周りから『稽古する時間があっていいですね』と言われることがある。確かに時間はたくさんあったけど、稽古するかっていうとね……」みたいな感じで言葉を濁す。で、『大工調べ』とは。
復帰明けだからか、とにかく早口さはすごいが、起伏が少なくやや聞き取りづらいようにも思えた。
大家は八百足りないことと棟梁の口のきき方に怒っているのは他の人と同様だが、それを機に与太郎の仕事ぶりまでを中傷し始め、それに対して棟梁がキレる。これは「そもそも八百足りてないのに逆ギレする」というこの噺の難点をうまく回避しているように思う。
それと大体は与太郎は「頭は馬鹿だが大工の腕はいい」というのが定番だが、萬橘師の場合は「こいつがいると現場が明るくなる。釘抜きは誰よりも上手い。目の前にあれば抜いちゃいけない釘まで抜く」と腕もいまいちだけどムードメーカーぶりを評価しているというのもリアル。

帰り道、国道だと代わり映えしなくて面白くないので、せっかくだから裏道を使って帰ってみようと思ったのだが……。どこも片道一車線の道路に車がびっしりと並んでいる。行くときも思ったのだが、千葉のここらへんは道の広さと車の量が合ってないんだよな……。片道一車線だからバイクなのにすり抜けもできないし。結局は国道で帰るのが一番早く帰れるんだな。ツーリングとしてはあんまりだけど。
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両国寄席令和4年5月7日 [落語]

両国寄席令和4年5月7日
於:お江戸両国亭

三遊亭道楽『かぼちゃや』
三遊亭全楽『狸鯉』
三遊亭圓福『看板のピン』
三遊亭兼好『紀州』

2日連続の両国寄席。今日は萬橘師の代演としての兼好師を目当てに。
サラ口がぽん太さんだったので最初から行こうかと思っていたのだが、猫と一緒に昼寝していたら間に合わなかった。だって俺の体の上で猫がヘソ天で寝てるんだよ!? 起こせるわけないじゃん。
と思っていたらサラ口は鯛好さんが代演だったらしい。おっとっとおやおや。

圓福師、着物と羽織が黄色と青のウクライナカラー。
コンビニでのバイトを週6で入っていると言っていたが、どうもガチっぽいんだよなあ……。
テツandトモのような風貌でなんとなく憎めないような雰囲気。
Wikipediaによれば新作派だそうだが私が聴いたときはいつも古典。

兼好師、今日は萬橘師の代演なので昨日の梅屋敷寄席と同様に萬橘師のワルグチを楽しそうに話す。「家族が感染したそうですけど本人は元気らしいですよ。……まあ彼の場合鳥インフルエンザのほうが罹りそうですが」「最近は落語界もコロナが蔓延している。仕事の量の割に罹らないのが一之輔くん、萬橘くん、あと白鳥師匠。……周りに気を使わない人は感染しない」などなど。
兼好師の地噺は結構珍しい。
徳川家継が4歳で任官したことに触れ、「4歳ですよ。皆さんなにしてました? 私4歳の頃の写真を見てみたら、スリッパくわえてました」という小ネタがおかしい。

昨日は通しで居座ったけれども今日はサクッと。
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両国寄席令和4年5月6日 [落語]

両国寄席令和4年5月6日
於:お江戸両国亭

三遊亭けろよん『転失気』
三遊亭楽㐂『新聞記事』
三遊亭楽花山『真田小僧』
三遊亭真楽『狸賽』
三遊亭丈二『後生鰻』
三遊亭鳳笑『道真公』
三遊亭兼好『近日息子』
丸一花仙 太神楽
三遊亭小圓楽『火焔太鼓』

変に間が空き、昼食を摂ってユニクロでシャツを買い、神社にお参りに行ってもまだ時間が余る。仕方ないので一度家に帰り、30分ばかり休んでまた外出。

楽㐂さん、「楽に㐂ぶと書いて『らっきー』。『けろよん』……。明確なパワハラです」。ニコニコと無邪気な顔で毒を吐くスタイル。

楽花山さんは上方版の『真田小僧』。下ネタが江戸よりもエグいというか直球。

丈二師、なんでか知らんけど両国寄席のチラシで今日の出演者を見てたときに丈二師のことを立川笑二さんだと思い込み、出番直前に「ん、三遊亭?」と人違いに気づく。なんで笑二さんと間違えたのかなあ……。「二」しか合ってないのに。多分縦書きで書いてあるので、隣の鳳笑師の「笑」と並んでいるので無意識に頭に刷り込まれたのか。

三三
遊遊
亭亭
鳳丈
笑二

しかし亭号も違うのになあ。

梅屋敷寄席に続いて兼好師、今年は『近日息子』によく当たる。今年ですでに3回めというのはなかなかないハイペース。今日は寄席だからか、普段では入れている細かい描写をちょっとずつ刈り込んでいる感じ。「満足度はそのままにカロリーだけカットしました」みたいな。

しかし今日はあの相撲の銅像の脇の席に座ったのだが、あの席は銅像との距離が近すぎて脇腹に台座が食い込んで左腕が台座の上に乗るような形にしかできず、台にひじを乗せているような感じになってしまう。まあ隣があいているんだから移ればいいのだが、そっちの席のほうが高座がよく見えたので。選んでその席に行ったからいいんだけど、高座から見たら片肘ついてヤな客だったかな。
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亀戸梅屋敷寄席 令和四年三月十日 [落語]

亀戸梅屋敷寄席 令和四年五月六日
於:亀戸 亀戸梅屋敷 藤の間

三遊亭けろよん『雪てん』
三遊亭楽花山『江戸荒物』
三遊亭兼好『天狗裁き』
三遊亭道楽『弥次郎』

濃厚接触者となってしまった萬橘師に代わり、兼好師が代演。
2月に兼好師が妖精(いつも兼好師は「ようせい」というところで腰に手を当ててピロピロさせる)になったときは萬橘師が代演だったので、その借りを返すときがきたようだ。
GW後半は萬橘ウィーク予定だったのが、一気に兼好一色に。これはこれで大変結構でゲス。
さすがに平日だからか、兼好師が代演ということがあまり知られていないのか、⅓から半分くらいの入り。
萬橘師のGoogleカレンダーアカウントを見ていればわかるけど、あまりいないのかな。あれ超便利だから他の人もやってくれればいいのに。
萬橘師の他には小辰さんも公開しているので、このふたりに関してはかわら版いらず。
自分のGoogle Calendarに同期すれば、勝手に予定が表示される。

さてけろよんさん、いつもの『雑俳』かと思ったが、今日はフルサイズで最後まで通す。そうすると『雪てん』という噺になるそうだが私は初めて聴いた。

楽花山さん、上方落語には珍しい「江戸に憧れる関西人」が出てくる噺。
知ったかぶりと同じことを延々と繰り返すというあまり好きではない型の噺ではあるけれど、初めて聴くという物珍しさと、最後の田舎者の娘さんの強烈さで楽しく聴けた。

兼好師、「萬橘くんが濃厚接触者になりまして代演です。お子さんが感染したようで、ただ1日2日熱があったそうですが今は元気だそうです。萬橘くんも感染はしてなくて元気だそうですよ。……ウィルスも人を選びますよねえ」と悪い顔でほくそ笑む。
「握手とか触れただけで感染するならともかく、口からウィルスが入って感染するんですよね。そしたらウィルスだってあの口には入らないでしょう。あの唇……。『お前いけよ』『やめろよ』みたいなやりとりしてるじゃないですか」と嬉しそうにワルクチを並べ立てる。
体を癒やすには寝るのが一番、と『天狗裁き』に入る。
兼好師の『天狗裁き』は6年ぶり。久しぶりすぎる。
いろいろとその間にアップデートされている。
夫婦喧嘩に出刃包丁が使われていたり、隣家の男との喧嘩では「お前そういうこというのか。だったら3年前のうどん代返せ」とセコすぎる啖呵だったり。
「夢なんか見てねえ」といわれたときの女房の思い詰めたような悲しげな表情をたっぷりと見せるのがたまらない。
また、天狗のセリフに「ここは高尾の山中だー山中だー山中だー」とエコーがかかっており、こういう小ネタが全編に散りばめられていて聞き手を飽きさせないのはさすが。
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五月猫同窓会 昼の部 [落語]

五月猫同窓会 昼の部
於:なかの芸能小劇場

春風亭枝次『浮世根問』
古今亭駒治『最終列車』
柳亭こみち『壺算』
林家ひろ木『師匠と私』
三遊亭兼好『館林』
春風亭百栄『船越くん』

午前中は家の掃除。ようやくコタツを片付けたが、夜とかまだ肌寒いんだよな。猫たちが文句言いそう。
昨日の人形町落語祭と同様、この会も3年ぶりの開催。
まずは共催者の恩田えりさんが登場。あの特徴的なおかっぱをバッサリ切ってかなりの軍人みたいな短髪になっている。

噺家トランプを引いて順番決め。数字が大きい人から希望の順番を取れるシステム。
こみち駒治兼好ひろ木百栄の順。兼好師が仲入り後を取ったときにけい木師が「えっ、私色物のヒザのつもりで今日来てるんですけど」と焦る。それを聞いても兼好師は「んー、でも仲入り後のほうがラクだよね。いいじゃない、三味線で仲入りでも」と取り合ってくれない。
トランプには過去の名人の写真が貼られており、百栄師が志ん生、駒治師は志ん朝。周りからそれぞれ寄せて演れと言われ、駒治師は「できるか! そもそも古典は三席しか持ってない」とぶっちゃける。

こないだ聞いたばかりの枝次さん、いろいろご隠居に質問を重ねるが、それぞれ聞いたことがない問いかけ。いろんなバリエーションがあんのね。

駒治師は実在の企業や団体をモデルにそのまま落語にすることが多いので、しばしばその登場人物と同じ立場の人に遭遇するという。『十字打ち』という上野駅長を悪役にした噺を作ったら、元上野駅長と話す機会があったり、スワローズの応援団の話をしたらトランペットを吹いている人と知り合ったりすることがあったとか。
噺は横浜から高崎線経由の湘南新宿線に乗った主人公が、前橋の車庫で目を覚ますというもの。同じく車庫まできていたのが電車の中で呑むのが高じて車庫呑みが病みつきになったという鉄ヲタとの一夜を描くもの。「ふざけんなよ湘南新宿ライン、高崎の信号機の故障で熱海止まりやがって」という湘南新宿あるあるがおかしい。

こみち師、早稲田の校歌替え歌で恩田えりさんのことを歌ったり、今日の他のメンバーとの思い出をそれぞれ話す。
兼好師については「こないだ私の会にゲストできてもらった。そのときに『これ打ち上げ代』2万円くれたんですよ。やっぱりお金くれる人って覚えてます。逆に昔xx師匠がお年玉くれなかったってことも覚え得てます」だそうで。
噺の大筋は普通の『壺算』と変わらないのだが、兄貴分が根岸律子、略して「ねぎり」の関西人のおばちゃん。「値切るのに何がいちばん大事かわかるか。気合!」というのがおかしい。
いちいち値切るときにいかにも「関西人のおばちゃん」が出てくるのが面白い。

ひろ木師、こみち師からも「よく絶句してた」とバラされており、今はもう落語はやっていなさそう。「師匠からは『君は三味線を頑張りなさい』といわれた。『三味線も』じゃなくて『三味線を』ですからね……。私の名前が赤くなるのもそう遠くないような……いやホントに……」。
主に木久扇師とのエピソードを話してそれに則した曲を三味線で弾くという形式。微妙にアヤシイところはありつつも「おお~」と中手が起きるところも。

兼好師、「おかしいな、3万渡したと思ったんだけど」とこみち師の話したエピソードについて物言いを入れる。3万も渡してたらギャラと見合うのだろうか。
ひろ木師についても、一緒にドイツ公演を回ったそうで、「以前は『できない』ことが笑いになっていたのに、普通にできるようになっていた。彼は5年くらいあけて見てみると面白いかもしれない」だそうだ。
噺は典型的なオウム返しなのだけれど、八っつぁんの底抜けのポジティブさが際立っていて、道場の先生の話とかけ離れた差が楽しい。

百栄師、いつものふにゃふにゃとした「こんにちは~」とくるのかと思ったが、「ええ、噺家というものは、どうにもこのお」のような志ん生師っぽいものまねを。「みんながやれっていうから練習してみたんだけど、それでこれですから。向いてないんですよ……」と苦笑い。
『船越くん』は聴いたことがあるような気がするんだけど、どうも初めてっぽい。元カップルだった友人ふたりを断崖に呼び出し、ふたりが別れた理由などをほじくり出す噺。
男はあっという間に雰囲気に飲まれるが、女の方は飲まれ切る前にハッと我に返るのがおかしい。

せっかくの連休中に14時開演ってちょっと半端だな……。午前中は使えるんだけど、夕方が少し時間が余る。その短い時間じゃできることもないので、特に何もせず家に帰る。電車でいってたらどっか飲みに行っちゃうけどね。
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