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新宿末廣亭 令和五年二月下席 2月26日 [落語]

新宿末廣亭 令和五年二月下席 2月26日
於:新宿末廣亭

古今亭駒平『寿限無』
春風亭一猿『初音の鼓』
のだゆき 音楽パフォーマンス
金原亭杏寿『熊の皮』
林家たけ平 漫談
マギー隆司 奇術
桂文雀『桃太郎』
むかし家今松『替り目』
ぺぺ桜井 ギター漫談
春風亭一朝『強情灸』
柳亭小燕枝『金明竹』
すず風にゃん子金魚 漫才
蝶花楼桃花『動物園』
橘家文蔵『時そば』
林家正楽 紙切り 相合い傘 ボートレース 雛人形
春風亭一蔵『寝床』

今日の客はすごかった。
ゲラが何人もいたためか、もう全員が大爆笑をとっていた。
とはいえ寿限無を一度言うだけで拍手が起きたりするのでなんか逆に面食らってそうな感じ。小燕枝師なんかは言い立てするごとに中手が起きるので却ってやりにくそうな感じにも見えたかな。
文蔵師も全編爆笑。こんなにウケる『時そば』を初めてみた。

一蔵師、新白河高校OB会のマクラから素人が芸事をやりたいというつながりで『寝床』に。
長屋の住人が全滅した後、奉公人の具合を聞く場面で、「文蔵はどうした!?」「『時そば』がウケて機嫌よく帰りました」という小ネタが挟まるのがおかしい。

会場中が盛り上がるのはいいんだけど、ちょっと疲れるかな……。
でもまあ今日もかなり入ってた上に盛り上がったんだから、そんなに遠くないうちにまたトリのお声がかかるでしょう。
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第百二回 よこはま落語会〜未来の大看板を応援する会〜 三遊亭兼好独演会〜第十五幕〜 [落語]

第百二回 よこはま落語会〜未来の大看板を応援する会〜 三遊亭兼好独演会〜第十五幕〜
於:南太田 横浜市吉野町市民プラザホール

三遊亭兼好『ざるや』
三遊亭兼太郎『五目講釈』
三遊亭兼好『氷上滑走娘』
三遊亭兼好『藪入り』

そういや横浜でカメラの祭典CP+やってるんだよなあ。
ちょうど今日は横浜行くんだし、午前中にCP+行ってから……とも思ったのだが桜木町なんだよな。南太田とは微妙に離れており、まともに見られそうもないので今日はパス。明日もう一回横浜来るか? うーん。行ってもお姉さん撮るだけだしなあ。

兼好師の一席め、最近は地方での会も戻りつつあるらしい。「公民館で100人も入れば満員、という会が3年ぶりにやると嬉しいですね。主催の方も嬉しいんでしょう、すっごい張り切ってるんだけどすっごい空回りしてるの」と地方の会であったエピソードを。「子どもが私の絵を描いてくれているんですが、どう見ても首が離れているという……。思わず『たがや!』と言いたくなるような」とか。
「結婚式の余興なんかに呼ばれることもあるんですが、これはウケない。そもそも結婚式には新郎新婦という『陽』の主役がいるんです。そこに『陽』の落語を持っていってもウケないんです。どっちかというと泣かせるようなものの方がいい」。なるほど。
「それに誰も聴いてないですしね。でも忌み言葉は使えないし……。昔先代の金馬師匠が適当に『桃太郎』でいいだろうと始めたら『去る』とか『去ぬ』とかばかりで、名人がグズグズになったことがあるそうで。そうでなくても我々は縁起を担ぎますから」とする/あたるの言い換えの話も。兼好師で「アタリッパ」は初めて聞いたかも。こういうベタなマクラもいうんだ。
兼好師の『ざるや』は6年ぶり2回め。
売り子の男は雇い主のザル屋が座布団やお茶を勧めてもいちいち言い返してイラつかせるという上方的なキャラ。聞いてみたら前座の頃に雲助師から習ったものだとか。なるほど龍玉師と似ているわけだ。
旦那を気持ちよくさせて、最後に「頭を下げます」と言って慌てさせるパターン。『ざるや』のサゲってたくさんあるな。

さて次はけろよんさんかと思ったらなんと兼太郎さん。
「お久しぶりです。今日は前座がいないということなので私がきました。(兼好師が最初に一席やるスタイルは)以前は『前座殺し』と呼ばれていて、二ツ目になって変わるのかと思ったら……全然変わらないですね。あれだけ沸かせた後に上がるのは……」。修行修行。
「二ツ目になったら師匠の着替えを手伝ったりとか着物を畳むとかもないんですよ。なのでめくりをめくり忘れそうになった。師匠に謝ったら『いいんだよ、こないだなんかめくりが"仲入り"のまま出たから』って……」。あー、こないだの紀尾井町のヤツだったかな。んん? ……ええと時系列どうなってんだ? めくりをめくり忘れそうになったてのはいつの話だ? よくわからなくなったけど……まあいいか。
「コロナで大変でしょうってよくいわれるんですけど……別にコロナじゃなくても大変なんですよ。若手はいつだって緊急事態なんですよ」という訴えがなんともおかしい。笑ってもいいものかわからんけど。
講釈は神田伯山のモノマネらしいけど私は知らないので似ているのかわからない。でもなんとなくそんな感じはする。
高座を降りるときにちゃんとめくりをめくる。
兼好師の二席め、「もう一回めくりをめくり忘れたら前座に戻そうと思った」とニヤリ。
羽生結弦が東京ドーム公演を行うことに触れ、「いろんな世界に追っかけがいますけど、その中でもフィギュアが一番お金がかかるんですって。ロシアとかへの遠征にも行っちゃう。で、この前見たのは私よりも大きいんじゃないかっていうプーさんのぬいぐるみを投げ入れてた。……下半身裸のくまをを……」とフィギュアに関するマクラを振り『氷上滑走娘』に。
だいたい2~3年に一度聴くというレア噺。
ヨボヨボのお婆ちゃんがスケートを滑る噺なのだが、座布団の上で回転を表現するのがすごすぎる。見るたびにスムーズになっているような気がする。

三席めは「春は新しい環境に変わる時期」と昔の労働環境を話して『藪入り』に。
父親が息子の顔を見られずにヤカンに語りかけるという小ネタがおかしい。
おかみさんに「がまぐちに15円入っている」といわれて割とすぐに「やりやがったな」となるのがおかしい。とにかくこのおとっつぁんは素直でストレート。だから誤解が解ければすぐに謝るし、亀吉もすぐに許す。その真っ直ぐさが心地良い。

夕方には別の予定があるのでCP+にも新宿末廣亭にも寄らず。
末廣亭には明日行きます。
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某真打勉強会 [落語]

某真打勉強会
於:都内某所

某真打のシークレット勉強会。SNSなどにもポスト禁止ということなので、とりあえず年末の集計するときの行ったという記録として。
「ネタおろしをしたりしなかったり、蔵出しをしたりしなかったり、虫干しをしたりしなかったり、落語をしたりしなかったり、愚痴を言ったり言ったり」の会。

普段は平日の19時開演なのだが、今日は祝日ということもあってか1時間早く18時開演。
兼好師の会が終わったときにあと20分しかなかったのでやや急ぎ気味で会場へ。それほど遠い位置ではなかったので5分前には着いた。
……が。18時にスタッフが「えー……。開演時間となりましたが、師匠がまだ楽屋にいらしてません。少々お待ちください」とのこと。
おやおや? これはもしや時間を変えたことを忘れたパターンでは? いやまさかそんなベタな……と思っていたらスタッフが「えー、今ご自宅を出られたそうです。こちらまで30分ほどかかるとのことです」。やっぱりかい!
「もし待てないという方がいらっしゃいましたら本日は返金いたします」とのことだがまあもう今日はこれしかないしなあ。結局誰ひとり帰らなかったようだ。
18時50分近くに「すみませんでしたぁ! すぐに!」とご本人が登場し、5分ほどで開演。着物ってそんなに早く着替えられるんだ。
案の定開演時間を間違えたらしい。「すみませんでした! 仕事が押したとかじゃなくて家でマンガ読んでました! 『Blue Giant Explorer』の7巻読んでました!」。
「いや、さすがにこれだけ遅れたのは初めてです。二ツ目の頃に道楽亭の会で開演時間を30分間違えたことはありますが、それ以来です。……これはお客様の前で絶対に言っちゃいけないんですが、まだこの会でよかったと思ってる自分もいます。宣伝してるわけでもなく、他の演者に迷惑をかけるわけでもなく……」。まあね、ここにいる人はブログ見てきてるから絶対一見さんはいないしね。
普段は愚痴やボヤきの多い会なのだが、さすがに入門直後の見習いの頃に遅刻した話とか、しくじった話がメインに。「なんでこんなに自分の傷を抉るような話ばかり……。でもこんな状態で落語なんてできませんから……。いやー、なにかお詫びの品をお渡ししたい。手ぬぐいを人数分持ってこようかと思ったんですが、そんなんで喜ばないなと。もう持ってるでしょ?」。うん。「カレーのチケットとかない?」とスタッフに尋ねるもそんなものはない様子。別にいらないけどね……。「お客様はこういうとき『高座で返してくれればいいよ』って言ってくださるんですけど、何かしたいんですよ!」。まあ俺も遅刻したことはあるからわからなくはないけど。
とはいえ確かに落語聴き始めて20年近く経つけど、本当にひとりしか出ない独演会で演者が開演時間に来なかったのは初めてかな。黒門亭で目当ての人が来なかったこととかはあるけど……。
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第8回そば打ち体験・兼好落語 [落語]

第8回そば打ち体験・兼好落語
於:本所地域プラザ・BIGSHIP

三遊亭けろよん『子ほめ』
三遊亭兼好『饅頭こわい』
三遊亭兼好『茶の湯』

久しぶりのそば打ちの会。
前回は平日だったので参加できなかった。なので4年振りにBIGSHIPにくる。
ここ毎回だがそば打ちはパスで落語のみの参加。兼好師の蕎麦打ちしてるところを写真に撮る機会ではあるが、知らない人たちと一緒にそば打ちとかムリです。

兼好師も久しぶりで行き方を忘れてたそうで、浅草でバスを降りてけろよんさんと歩いて来たらしい。浅草からだと結構遠い。「ホントは駒形とか蔵前から来ればよかったんですよね。大変な目に遭った。それにしても浅草は人が戻りましたね。外国の方も増えて。『この時期に浴衣!?』って人もいますけど」。浅草は道も混んでてバイクでも抜けるのに時間がかかった。
「噺家はカレンダーをあまり気にしないので、人出の多さにようやく今日が祝日だと気づいた。今日は天皇誕生日だったんですね。今の陛下は63歳。落ち着いてますよね。噺家で同い年って誰だろうと思ったら昇太師匠。あんな落ち着きのない……。あの方は多趣味ですから、いろいろなことをなさってる。最近ではお洒落な米丸師匠に影響されて、服を直したりしてるんですって。自分で。『せっかく嫁もらったのに』っていったら『うるせえ!』ってめちゃくちゃ怒られた」そうで。
昔は誕生日という概念がなく、年が明けたらみんな一律で歳を取るものだった。それが変わった頃のお話で……と兄貴分の誕生日が舞台の『饅頭こわい』に。
兼好師のは3年半振りくらいか。
それにしてもあの兄イの家はあれだけ若い衆が集まって、次の間もあって、どんだけ広いとこに住んでんだって話ですな。冒頭に「大家さんに騒ぎを起こすなと釘を刺された」ってセリフがあるんだから長屋なんだろうが……。
アリを怖がる男の蟻の行列の仕草がおかしい。このくだりでそんな仕草をしている人を他に知らないし、なぜかアリが「兄イの酒を盗んだのはコイツダヨ」とドサクサに紛れて告白するのも他にいないよなあ。

二席め、「この後はそばを食べる時間ですのでそれをお楽しみに」。まあ俺は参加してないのですが。
「ただそば打ちを趣味にするのはやめたほうがいい。食べ物を作る趣味っていうのは家族が大変。毎日そばを食べさせられて『どうだ、うまいか?』って聞かれたりするから」という。そういや子どもの頃、普段は料理をしない親父が一時きんぴらごぼうを作るのにハマってた時期があってやたら食わされたっけ。毎回「美味いか?」って聞かれたなあ。子どもがきんぴらごぼうなんて好きなわけないじゃん。きんぴらごぼうが美味いと思ったのは大人になってからだし、今だって別に食わなくてもなんの支障もない惣菜だしなあ……。
「趣味の最後に行き着くところは茶の湯なんだそうです」と噺へつなげていく。
普通の話の流れだと「ご隠居と定吉のふたり」→「長屋の三人」→「知り合いとか町の人」と被害者が増えていくのだが、今日は「ふたり」→「町の人」→「長屋の三人」の順。でも考えてみれば長屋の三人のところがこの噺は面白いので、サゲに持ってくるのは正しいのかも。
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新宿末廣亭 令和五年二月下席 2月21日 [落語]

新宿末廣亭 令和五年二月下席 2月21日
於:新宿末廣亭

柳亭小燕枝『紙入れ』
ホームランたにし 漫談
蝶花楼桃花『ん廻し』
橘家文蔵『千早振る』
翁家勝丸 太神楽
春風亭一蔵『笠碁』

記念すべき一蔵師の初トリ初日。
23日と25日は別の会や用事があるので、今日を逃すと26日だけになってしまう。
今日くらいは定時で上がっても大丈夫そうだったので仲入り後に割引で入る。小燕枝師の高座が始まっていた。

桃花師、『寄合酒』に『浮世床』の隠し芸パートを組み合わせたような珍しい形。これは初めて聴いた。
こないだテレビのニュースで一朝師から『尻餅』を習ってるところが映っていたが、その流れなのか敢えてセクハラっぽいネタをぶっこむ。案の定微妙な雰囲気に。
なまじ見た目がフェミニンなだけに迷いがあるのだろうか?

文蔵師は恒例なのかサゲをトリにぶん投げる千早を。
結構相撲のブラックなネタをガンガン突っ込んでくる。「どうせここには関係者いねえだろ!」。

一蔵師、末廣亭は初高座を勤めた思い出の寄席だという。
「その末廣亭で初トリを取れるのは嬉しい。それにしても今日は高座がない交互の扇橋さんも楽屋にきてる。今日はうちの師匠も残ってくれてるし、仲入り後で帰ったのは桃花だけ! ……打ち上げへの圧がすごいんですよ。それにしてもやっぱり真打になるといろいろ変わりますね。楽屋で座る位置も違えば前座さんが淹れてくれたお茶の味も違うし、着付けもしてくれる。慣れてないのを悟られないように鷹揚に構えたり、小言めいたことを言ってみたり。これを小燕枝さんと扇橋さんと『真打ごっこ』と呼んでる。今日からは『トリごっこ』が始まるんですよ!」といろいろトリの師匠が前座さんや下座の師匠へやらなければならないしきたりがあるそうで。知らなかったなあ。
「今日は長くはやりません。なぜなら蒲郡のボートレースをガチで買ってるから!」と初トリだろうが相変わらず。
「博打や碁将棋に凝ると親の死に目に会えない」とやや強引に話をまとめて『笠碁』に。
一蔵師は一時の押し一辺倒の強引な落語から、軟投派っぽいあまり声を張らない噺を掛けるようになった。この噺もその方向なのだが、そのせいかふたりのお爺ちゃんが似た感じになってしまい、今どっちが話しているのかちょっと分かりづらいかな。もう少し性格に差があってもいいように思った。まあ結局最後の方の場面では声を張るんだけど。

久しぶりに夜の新宿に電車で来たので一杯飲んでいこうかとも思ったが、寒いし割りとどこも混んでいるのでさっさと帰る。
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紀尾井らくご 三遊亭兼好独演会 [落語]

紀尾井らくご 三遊亭兼好独演会
於:四ツ谷 紀尾井ホール

三遊亭兼好『万病円』
三遊亭けろよん『出来心』
三遊亭兼好『七段目』
三遊亭兼好『三枚起請』

上野から四谷まで。

兼好師の一席め、「今日は暖かくていいですね。人間て寒いと笑わないんですよ。こないだの大寒波がきたときに寄席の出番があったんですけど、まあ笑わない。そもそもみんな寄席に来ようとして来ていない。あまりに寒くてビバークしにきている。しかも『寝たら死ぬぞ!』と思っているのか笑わないくせに寝ないの。寒いと暗くなりますよ、ロシアなんかも暗いでしょ。でも生きるために頭を使わなかならないから頭がいい。反対に東南アジアなんかは明るいけど特に頭を使わなくても作物ができるからおバカ。日本は厚くもなく寒くもなくちょうどいいと思っていたんですが、最近の温暖化で東南アジア化してますからね、バカで暗い、という最悪なパターンになるかもしれない」。頭の善し悪しはともかく、東南アジアは明るいというか楽天的なのはありますわね。
「回転寿司が話題になっていますけど、私あまり回転寿司って行ったことないんですよね……。私の出身の会津若松にはあまりなかったもので。でもあのシステムは面白いですね。ちょっと思いついたんですけど、あれで寄席をやったらどうだろうと。いろんな芸人が流れてきて、『お、笑点レギュラーになった一之輔か、ちょっと聴いてみるか』なんてその人の噺を聴きたい人だけが集まるという……。『落語ふたつ聴いたから次は色物で……あ、ナイツ!』みたいな。でもそうするとなかにはまるで人が集まらない師匠が出てくるでしょうね。それを前座さんが影で見ながら『あの師匠もだいぶ乾いてきたな……』なんていうんでしょうね」。そりゃ兼好師は客が途切れないでしょうけど……。
そろそろ確定申告の季節に、と二ツ目の頃にバイトでNHKのドラマにエキストラで出たときの再放送分のギャラがいまだに振り込まれるのだとか。「でもそんな仕事のギャラですから年に60何円とかなんです」とのことだが、ドラマの再放送でもギャラって発生するんだ。しかもエキストラにまで。「二本刺しが怖くて田楽が食えるけぇ!」と落語でよく聞く啖呵を切る役だったらしく、そのときの苦労話なども。
一席めからたっぷりとマクラを振って『万病円』に。なんと4年以上開いている。侍が町人をからかうつもりで結局へこまされているというこの噺、結構好きなんだけどあまり当たらない。
町人をからかうネタを見つけたときのニヤッと笑う表情と、カウンターを食らって怯む表情の差が面白い。

二席め、新しい着物かな? ピンクとオレンジの中間のような色で、初めて見る。
昔は娯楽が芝居しかなかった、それを真似する人たちもいたと『七段目』に。
若旦那がどれだけ芝居狂かを大旦那が番頭に説明するシーンがあるが、そこで若旦那の芝居を再現できる大旦那も相当だと思うのですが。
この噺でも芝居の真似事に夢中だった若旦那が、番頭や定吉に芝居の真似事で話しかけられたときに一瞬見せるハッとした表情がリアル。

三席め、受験シーズンになり湯島の天神様が人気だが、もし普段から信仰している神社などがあるのであれば、そちらにお願いしたほうがいいという。「それはそうですよね、普段は自分のところに来ているのに、受験になったら他の神様に行かれてしまっては神様だって面白くないはず。なのでいつもの神様のところにお願いに行けば、『おう、得意じゃないけど頑張るよ』くらいいってくれるはず」なんだとか。
「約束事を守らせるのにご利益があるのは熊野神社だそうですよ。お使い姫が八咫の烏で、サッカーの日本代表のエンブレムにデザインされていますよね。……カラスといえば、私の自宅がマンションの5階なのでちょうどベランダから外を見ると電線に止まっているカラスと目が合うんです。女房はカラス嫌いなんで、ベランダに罠を仕掛けていたんですが奴らは頭がいいんでぜんぜんかからない。その罠に最初にかかったのが私……」だそうで。
熊野神社の起請文と「三千世界の鴉を殺し 主と朝寝をしてみたい」の解説の後に『三枚起請』に。これも2年以上開いている。
この噺も起請文の書き手が自分の敵娼だと気づいたときの表情リアクションが絶品。
特に吉原に乗り込んで、喜瀬川によく扱われて思わず顔が緩んでしまう棟梁の表情が楽しい。
振り上げた手を「その手はなんだい!」と喜瀬川に凄まれ、苦し紛れに時事ネタでごまかすというくだりがあるのだが、今日は「中国からこんな気球が……」と特に苦しいのが面白い。

帰り道、国道をバイクで走っていると尻ポケットから財布が落ちた。危ねえ……。幸いすぐに気づき、後続車もなかったのでUターンして拾いに戻る。多分交通ルール的にはかなりグレーな動きをしたと思うが……。俺財布に免許やらカードやら全部入ってるので、落としたらかなりヤバかった。というか家の玄関のカードキーも入ってるから、家にさえ入れないんだ。ホント冷や汗モン。
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黒門亭 第二部 3670回 [落語]

黒門亭 第二部 3670回
於:落語協会2F

柳家しろ八『牛ほめ』
入舟辰乃助『シュウヘイ』
林家鉄平『竹の水仙』
古今亭志ん彌『湯屋番』
春風亭一蔵『死神』

先日の不調は急性胆嚢炎だったようで。もともと胆石があって、たびたび胆石が胆嚢に詰まる発作が起こると胸が痛むことがあったのだが、1~2時間ほど経てば治まっていた。ところが日曜は小燕枝師の高座中の15時半くらいから痛みだし、なんとか家に戻るもまったく痛みが治まらず、頓服薬を飲んでもまったく効かず。かかりつけ医に電話して聞いてみるも「救急車を呼んだ方がいい」と言われ、結局救急車騒ぎになってしまった。とはいえ救急車で病院に運ばれたところで特にできることはないらしく、点滴するくらい。つーか胆嚢炎に効く痛み止めってないのかい。結局12時過ぎに痛みが去るまでずっと耐えるだけという苦行。
とはいえ胆石の詰まりさえ外れてしまえば痛みもなく普通の状態。しかし実は救急車呼ぶのも今月2回めなんだよなあ……。あまりひどいようなら胆嚢を取る手術をしたほうがいいという。手術とはいっても開腹手術ではなく、内視鏡手術なので日帰り入院や2泊程度の入院でも済むのだとか。てなことを社長に報告したら、「じゃあ1週間くらいは会社こないでいいよ。入院していない期間はリモートでいいから」といわれる。……ん? 俺手術しても入院した日以外は仕事しないといかんの? ブラック怖あ。

午前中に再びかかりつけ医に行って今後どうするかを主治医に相談する。新しい頓服薬を処方されたが効くかどうか。そんなことをしていたらあっという間に出かける時間に。
こないだまで黒門亭は予約制だったのだが、最近は以前同様に当日並ぶ方式になったらしい。客は30人限定だというので、一蔵追っかけだけで埋まってしまっているんじゃないかと心配していたのだが、そんなことはなかった。

前座のしろ八さん、ご隠居のところに八っつぁんがやってきてやや噛み気味に「まあまあお上がり」といったところで「……今私は間違いを犯しました。本当は今日は『牛ほめ』をやろうと思っていたんです。なのに『道灌』に入ろうとしています。……なので最初からやり直します」と珍しいケース。そこまでやっちゃったんなら『道灌』やればいいのにと思うのだが。
そこ以外にも結構あからさまな間違いが多く、メタ的に「今日は間違いが多いなー」と与太郎にいわせる。

辰之助さん、前座時代の一蔵師や新版三人集の思い出から師匠扇辰師をしくじった話をマクラにたっぷりと。
マクラを話しすぎたのか噺は短め。バーに入ってみたら「シュウヘイ」という人物に間違われ……という噺。ほんとそれだけ。うーーーん、辰之助さんの新作は割りと好きだけど、この噺についてはひねりもほとんどなく、なんかオチを聴いても「ああそうですか」という感じ。声をずっと張りっぱなしなのもこの空間ではツラい。

鉄平師、うろ覚えの噺をなんとなく聞いたことのあるギャグを盛り込みながらなんとか進んでる、って感じ。とっちらかってる割には重要なはずの仕込みが適当だったり、稽古してない噺をいきなりやるとこうなるんだろうな、という印象。

志ん彌師、花粉症でやる気が出ないといいつつキッチリとした一席。居候の若旦那と棟梁のおかみさんとの攻防を久しぶりに聴いた気がする。

一蔵師、「真打に昇進してから最初の黒門亭はトリだからネタ出しをといわれて、そういえば披露興行では『死神』できなかったなと思って出したんですけど……ネタ出しって嫌なんスよぉ。お客の反応とか見てネタを変えることができない。ちなみに今日のこのお客さんと雰囲気だったら絶対にやりません!」だそうで。
「『死神』って要はツイている男の噺なんですけど。ツイてるといえば私ですよ。落語好きになって入門したのが落語界でも5本の指に入る優しい師匠。それに同期にも恵まれた。同期三人で真打昇進しましたけど、これも一蔵、小燕枝、扇橋の順じゃなきゃダメだった。扇橋さんは本名の太をもじって『こだわり太』といわれるほどこだわりが強かったんですよ。これを我々ふたりが抑える形だからよかった。これが扇橋さんが一番上だったらまとまらなかったし、後輩は逆らえない。いつかケンカになってたでしょうね。小燕枝さんは上にはすごく懐っこいんですけど、下には厳しいところがあるので、彼が一番上でもうまくいかなかったでしょうね。こういうところもツイている」と噺に入る。
とはいえ一蔵師の『死神』はツイているのは男ではなく、じつは男のおかみさんの方だったというどんでん返しがある珍しい形。男を結構なやさぐれたクズに描いているのが一蔵師っぽい。
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東大島亭 真打昇進特別公演 春風亭一蔵 柳亭小燕枝 入船亭扇橋 [落語]

東大島亭 真打昇進特別公演 春風亭一蔵 柳亭小燕枝 入船亭扇橋
於:東大島 東大島文化センター

オープニングトーク
入船亭扇橋『不動坊』
春風亭一蔵『大師の杵』
柳亭小燕枝『お見立て』

すみません途中で具合が悪くなり始め、家に戻ってきたあたりで猛烈に胃の周辺が痛むので演目だけで。
体調が戻ったら書き直すかもしれないけど、覚えてるかな……。

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第45回 僕のらくご道 三遊亭天どん独演会 [落語]

第45回 僕のらくご道 三遊亭天どん独演会
於:中野 なかの芸能小劇場

三遊亭天どん『氷の上』
三遊亭ごはんつぶ『星レビュー』
三遊亭天どん『新作(転売ヤー)』
三遊亭ごはんつぶ『権助提灯』
三遊亭天どん『帯久』

こたつで昼寝してパッと起きたら家を出る予定の時間。急いで準備して必死で走り、開演時間ギリギリに会場に着く。
受付の人が席を外しており、たまたま近くにいたごはんつぶさんに受付をしてもらう。とそこに天どん師がふらりとやってきて、「もう出ていいの? あ、どーも。大丈夫ですよー。僕が行かない限り始まりませんから」と言ってもらう。
席に着いたところですぐに開演。まずはご挨拶。「なんかねー、袖で見ててもこの会には『これから始まる!』っていうワクワク感がないんですよ」と客にダメ出しから始まる。
「この会ももう45回ですよ。ということは45本新作を作ったってことですよ。もっと褒めてほしい」。相変わらずストレートですな。
ちょっとニヤニヤしながら「出世の話ししましょうか。欲しがってるんでしょ?」。
「あ、出世といえば弟子のことを褒められることが結構あるんですけど、そのとき必ず『天どんさんの弟子なのに』っていわれるんですよ。どういうことですか。弟子の顔面殴ってやろうかと思いますね」とバイオレンス。
「笑点、一之輔くんがレギュラーになりましたね。宮治なんか前は一之輔くんにべったりくっついて『師匠、師匠……あ、天どんアニさんチース。……師匠師匠』ってやってて『いいねえ、あからさまだねえ』と思ってたら先にメンバーになって、立場が逆転しそうになりかけてた。それをまた戻したのでよかったんじゃないですか」などといかにも天どん師らしいシニカルというかひねくれてるというか。
「僕としては三平アニさんを推してたんですけどね。鎧武者姿で『武者修行から戻ってまいりました!』って。……ほらこういう空気になるでしょ。ただひとりをのぞいて日本中が『お前じゃない!』ってまとまるんですよ。 こんなことできるの三平アニさんしかいませんよ。戦争がなくなりますよ。で、次の週から別の人が出てる」。面白いといえば面白いけど……。
その後も一之輔師の二ツ目時代の思い出話なども。おそらくここらへんの話は配信の会でも話すのかな。

まず一席め、「今日しかできない噺をやろうと思いますよ、これで季節を感じてもらえれば」と雪が降った次の日に氷の上で滑って転んでいるおじさんの動画を撮ろうとしている男の噺。しかし同じ趣味を持つ会社の部長と鉢合わせ、お互いがお互いを転ばせてその動画を撮るためににらみ合うという手に汗握る、というかくっだらないといえばくだらない、いかにも落語らしい噺。
相手を滑らせるためにクオリティの低い猪木のものまねや、滑舌が悪すぎてもはや「だばせだびで」になっている山瀬まみのものまねなどが楽しい。
結局はふたりとも同時にコケ、天どん師は高座の上で大暴れ。ある意味予想通りではあるが。

ごはんつぶさん、高座に上る前に山台や緋毛氈や座布団を直す。そのため拍手をするタイミングがつかめない。「師匠のあとに上がることは前座の頃からよくあったんですが、師匠のあとは高座が乱れてることが多くて……。拍手しづらくてすみません。しかし最近、協会でああいうことがあって、活動家が頑張ってるというのに『顔面殴ってやろうかと思った』とかいっちゃうんですから……」としれっとこする。
噺はレストランで食事をしているカップルの女性の方がレビューをすることにハマっており、そのレビューをする際の基準について話し、「先輩にすごいイケメンがいて、(彼氏の)タカシくんを星1とすると……」などとなぜか基準値が低い。
よくこういうことを思いつくなーと思う。

天どん師の二席め、「弟子の噺を袖で聞いてたら、師匠と弟子って似るんですかね、僕のネタおろしの噺と構成がほとんど同じなんですよ。でもやるしかないんですけどね。でも僕も師匠が死んでからすごく楽しいんですけど、『師匠がやりそうだな』って噺を作ってきました」と最近それよくいうよね。結局のところなんだかんだいいつつ圓丈師の影響は大きいんだろうなあ。
「天然というか素直な人ってすごいなと思いますよね。〇〇師匠のところの□□くんっているんですけど、師匠が浅草によく出ている関係もあって、小朝師匠から『□□くん、浅草でトリとりなよ』っていわれたんですけど、『この時期だと赤字になるから嫌です!』って答えたんですよ。考えられます?」。すげ。
噺にはまず男女が登場し、プレゼント交換を始める。ホントにごはんつぶさんの噺とシチュエーションが似ていて会場から笑いが漏れる。
男はプレゼントのバッグを転売ヤーから買っていて、それを詫びていたら実はその出品者が彼女だった、というもの。
彼女が転売行為を正当化するために大演説をぶち、男が素直に洗脳されていく様がおかしい。マクラはその仕込みだったのね。その話の節々に「5段階でいうと」とごはんつぶさんのネタで繰り返し使われていたフレーズを織り込む。噺が似ているとこういう親和性も高い。

仲入りを挟んで再びごはんつぶさん。二ツ目になって出番を増やしてもらえたということか。
「後半は古典の部ということで……」と『権助提灯』。前座の頃も何席か古典を聴いたことがあるが、古典派にまったく引けを取らないキッチリとした一席。権助の吐く毒も辛辣でおかしい。これも天どん師の教えの賜か。

天どん師の二席め、「ホントは袴を履いてやるような噺なんですけどね、袴忘れちゃったんですよ。なので皆さん『袴を履いてるもの』として想像してくださいね」と無理難題を仰る。
『帯久』を聴くのは初めて。天どん師は「僕は名演を次世代に引き継ぐような役割じゃないんで。『こんなのもあるんだ』っていう程度に聴いてください」と謙遜するが、あまり爽快ではない内容の噺でもあの朴訥としたというか飄々とした語り口だとそれほど陰鬱とせずにサラリと聴ける。
泉家が帯屋に罵倒されて帰るシーンでは「あー嫌ですねーこういうの本当にやりたくない」と優しい一面も。
お裁きの場面では「ああーこれはしまったー。いやあ奉行うっかり(棒)」とかやたら軽い大岡越前がいかにも天どん師らしい。
確かに人情噺の味わいが高く、さん喬師などが掛ければ重厚になるんだろうと思うが、天どん師の軽くサラリとした味わいも楽しい。
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けんこう一番!第二十三回三遊亭兼好独演会 [落語]

けんこう一番!第二十三回三遊亭兼好独演会
於:国立演芸場

三遊亭兼好『犬の目』
三遊亭けろよん『桃太郎』
三遊亭兼好『だくだく』
佳代子と陽子 トロンボーンとチンドンと歌
三遊亭兼好『火事息子』

なんとか定時内に仕事をやっつけ会場へ。

まずは兼好師の一席め、「この時期はいろいろと状況が変わることが多くてお忙しいなか、ありがとうございます」と挨拶。
「状況が変わるといえば、一之輔くんね」とニヤリ。
「今でもあんなに忙しいのに、さらに忙しくしてどうしようっていうんでしょうね。たとえば面白いこといえるのに実はそんなに忙しくない、天どんアニさんとかだっていいじゃないですか」。ああー、確かにあのキャラは笑点に向いてるかも。言われて気付いた。まあそこそこ失礼なジャブではあるけれど、悪くないように思う。ああ、でもこれ以上天どん師が売れるのもちょっと複雑だな……。
「それにしても、全然教えてくれないの。そりゃテレビのエラい人に口止めされてるのはわかりますよ、でも口では『いやー俺じゃないっすよー』とかいいながら手の仕草とかで教えてくれたっていいじゃないですか。エラい人と我々との友情とどっちを取るかって話ですよ。それにこないだなんか一之輔くんと宮治くんと3人で仕事があって、一之輔くんに『お前なんじゃないの?』『違いますよ、アニさんなんじゃないですか?』なんていっちゃって。宮治くんもメンバーなんだから絶対知ってたはずなのに『こんな怖いアニさんと一緒なんて嫌ですよー』なんて……」。確かにその状況を考えるとすべてを知っている笑点メンバーふたりが、何も知らない兼好師ひとりに対してとぼけてるという、今の兼好師からしたらちょっと恥ずかしい状況。その仕事の兼好師の高座のときに楽屋で「危なかったな」「そっすね」みたいな会話があったのかもなあ。
「私はてっきり桃花ちゃんだとばかり思ってたので、彼女に優しくしてたのに……」と苦笑い。というか兼好師は笑点の新メンバーふたりとは以前から付き合いが深いんだから、一緒の仕事とか増えそうな気もするが。しかし一之輔師が新メンバーに加わったことで「すでに売れている噺家が今さら笑点には出ないだろう」という考えはなくなったわけだ。てことは好楽師の後釜に兼好師ってことだってあながちないわけじゃないのかもね。
さて「笑点メンバーはみなタフで健康。健康でなきゃあんなに仕事をこなせない」というところから医者の話になり、『犬の目』に。兼好師では久しぶり。
目医者のところにやってくる犬の名前は忠四郎さんで、兼好師の得意ネタ『元犬』とつながっていることを匂わせる。
犬の目の他にも魚の眼やカエルの目などが用意されているが、それぞれメリット・デメリットをちゃんと説明してるのがバカバカしくて楽しい。

二席め、「最近は物騒で、金を持っていたら強盗に狙われるし、金を持ってなかったら裏バイトで犯罪に誘われる。金がすべての世の中になりましたね。しかし闇サイトってアクセスするのも難しい。そんなスキルがあるなら普通に仕事すればいいのにと思いますが……」と犯罪の話からいつものように足立区の犯罪いじりがあって泥棒の噺に。『だくだく』も久しぶり。
壁の絵に「女房を描いてくれ」というのは初めて聴いたかも。しかも「ちょっとすねて寝ている女房」で、その架空の女房とイチャイチャする様子を楽しそうに語るのがいかにも兼好師らしい。
考えてみると「目を病んだ人が出てくる」ということで一席めとついているような気もするが。
その泥棒が絵であることに気づかずに箪笥の引き出しを開けようとしているところなどは完全にパントマイム。こういうことができるってのはやっぱり器用なんだろうなあ。

ゲストはトロンボーン湯浅佳代子さんとちんどんパーカッションの織田陽子さん。
織田さんはちんどんバンド☆ざくろのメンバーで、10年近く前に遊馬師の会のゲストで聴いていた。
ふたりが初めて組んで演奏するそうで、今後はユニットとして活動するとか。
『聖者の行進』で高座に上がり、『リバーサイドホテル』、『ミネソタの卵売り』、『ラヴィアンローズ』、『好きになった人』を。

兼好師の三席め、最近のスシローの騒動に触れ、「萬橘くんなんか舐めそうなんで、『舐めちゃダメだよ』っていったんですよ。そしたら『俺は舐めませんよ。どっちかっていうと俺がナメられてるんだ』って……」。ホントにいったかは分からないが、萬橘師ならいいそう。それにしても兼好師、萬橘師のことが好きすぎなのでは!?
「ああいうのは親が大変ですね。昔は子の不始末は親も同罪ということになったので、不始末を起こしそうだと思ったら勘当して籍を抜くということをしていた。勘当していれば子どもがなにをしようが親は関係ない」と『火事息子』に。
これは昨年の昼に開かれた噺し問屋で掛けられたもので、さすがに昼の会には行けずに聴けなくて悔しかったので嬉しい。もちろん初めて聴く。
兼好師らしく火事の場面で蔵の上で番頭さんが困っているコミカルなシーンを厚くしており、大旦那が臥煙となった若旦那に小言をいうシーンや母親が若旦那をかばうところなどのいわゆる泣かせるシーンは逆にあっさり。
噺し問屋がネタおろしだとしたら、おそらくその後はせいぜい地方で1、2回掛けたくらいか。兼好師にしてはまだ硬くこなれてないような印象を受けたかな。
噺の冒頭に「臥煙になる条件」という説明が入っており、その中に「江戸っ子であること」というのがあったそうだ。「なぜかはわかりませんが、緊急時は江戸っ子が威勢よく江戸弁で話すのが良かったんでしょう。田舎者だとそうはいかない」と東北訛の火事現場を描くのは兼好師らしくてとても楽しい。
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