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上野鈴本演芸場 令和四年六月下席 夜の部 6月26日 [落語]

上野鈴本演芸場 令和四年六月下席 夜の部 6月26日
於:鈴本演芸場

三遊亭わん丈『喪服キャバクラ』
翁家社中 太神楽
古今亭志ん陽『代書屋』
古今亭志ん五『新作(転校生は火星人)』
林家あずみ 三味線漫談
柳家はん治『妻の旅行』
春風亭百栄『リアクションの家元』
ホンキートンク 漫才
古今亭菊太楼『へっつい幽霊』
アサダ二世 奇術
三遊亭天どん『こわい建物』

兼好追っかけ仲間との飲みの誘いを蹴って上野鈴本に。
昼飯を食いはぐっていたので、30分程で日高屋でタンメン餃子ビール。ラーメンのたぐいは普段ほぼ食わないけど久しぶりに食うと美味い。周り全員昼間っから酒飲んでて草。さすが御徒町。ビール2杯飲んでる俺は人のこた言えないが。

わん丈さん、実は天どん師に再入門するのは圓丈師の生前に「お前らどうするんだ」と聞かれて決めていたという。「なんだお前ら、天どんが好きなのか?」と問われ、新作も古典もやる派としてわん丈さんが「はい」と答えると「俺は嫌いだ」と返されたとか。……不仲だったのはホントだったのかどうなのか。
ネタは志う歌師が見たという夢のタイトルから。なんで夢にタイトルがあるんだというツッコミもあるが、志う歌師は古典だけなので「これでなんか作ってよ」といわれて作った噺らしい。
タイトル通りキャバ嬢が全員喪服で、嬢が遺族で客が参列者の葬儀会場、という設定のコンセプトキャバクラに、わん丈さんと辰ぢろさんのふたりで行くというもの。途中カラオケでX JAPANの『Tears』という歌を歌う場面があり、実際にカラオケで歌い上げる。

はん治師、だいたいいつも『妻の旅行』で、今日もあーまた『妻の旅行』かーと思いつつもやっぱり何度聞いても笑ってしまう。あの切羽詰まったような絞り出されるような苦悩のにじむあの言い方が面白い。

百栄師、なぜ京都弁なのかは分からないが、ああいう理不尽というかシュールな感じを表すのに京都という舞台は向いているのかもしれない。

ホンキートンク、……うーん、利さんの頃は好きだったけど、やっぱりなんかちょっとキツい。スガシカオの『かわりになってよ』の世界を目の当たりにしてる感じ。

菊太楼師、へっついを博打で儲けた金で買うという型で、若旦那も出てこない。寄席でやるための簡略化したものなのか。とはいえこれはこれで幽霊もカラッと明るくて楽しい。菊太楼師のキャラもあるかもしれないが。俺そういやこの人二ツ目の頃結構好きだったんだよな。

天どん師、相変わらず高座の上でぶつぶつと愚痴を垂れ流すが半分はそれを聴きに行っているようなもん。
噺は寂れたレジャーランドのお化け屋敷で働くお化け役のふたりが、現地調査に来ていたリニューアル担当者から聞き取り調査をされるというもの。「昭和のブラック企業」をモチーフにアトラクションの内容案が提示されていく。なぜか仕事中のお化け屋敷の中で聞かれるため、お化けのキャラ設定を守りつつ苦慮しながら会話を続けるお化け役がおかしい。
天どん師のゆるゆるとした雰囲気の中で展開されるセクハラ・パワハラ全開の昭和のブラック企業像がなんともいえない味がある。
やっぱり鈴本だと池袋の芝居よりもみんなややおとなしめな感じを受ける。気のせい?
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第二十五回 東海道神奈川宿寄席 [落語]

第二十五回 東海道神奈川宿寄席
於:桜木町 横浜にぎわい座芸能ホール

三遊亭けろよん『黄金の大黒』
三遊亭兼好『堀の内』
春風亭柳雀『青菜』
春風亭柳雀『お菊の皿』
三遊亭兼好『やかんなめ』

昨日の反省を活かすべく早めに家を出ろ俺。
いや今日は開演時間は間違えてないけど、所要時間を見誤った。
おかげで最寄りの桜木町に着いたのが開演2分前という。
しかもこれまで地下ののげシャーレだったから慌てて地下行ったらすごい小さい子たちがバレエの練習しているところに迷い込んで戸惑う。え、俺またやっちゃった? と思ったら今日は上の大きいホールだった。はあついにここまできましたか。最初は公民館だったのに。

兼好師の一席め、柳雀師について「今はまだ披露目が残ってるようで、疲れてるんだと思うんですよね。けど彼はわかりにくい。彼は私よりも歳がいってから入門してるから疲れが残ってるはずなんですが、『大丈夫?』と聞くと『大丈夫です』って応えるんだけど、それが退院してきた日の朝、みたいな……」。
噺に入ると粗忽ぶりがなんか以前よりもパワーアップしてる気がする。兼好師の粗忽者はみな一様になんかやたらと忙しなく、常になんか動き回っている。その動きがまたいちいち楽しい。
腰巻弁当に怒った主人公が隣の家に怒鳴り込んで自分の家に戻って謝る、という定番のくすぐりも「最近じゃとなりのおかみさんが楽しみにしてる」ところまで行っているのがおかしい。

柳雀師の一席め、「昨年脛の骨を骨折しまして。(同時に昇進した)昇也さんも骨を折って、芸協は骨折しないと真打昇進できなくなったんじゃないかという……。昨年伊豆で土砂崩れがあったときに現地にいまして。通行止めになっているところを回り道しようとしたら足がツルーッと滑りまして。そこで踏ん張ったら変な方向に足が曲がってそのまま折れちゃった。滑ったときに踏ん張らなければ尻餅だけですんだのに。だから私は学びました。滑っても踏ん張らない!」だそうで。
入院してるときに同室のオッさんにいわれた親父ギャグとまったく同じことを宮治師にいわれたそうで、「してみるとあのオッさんか笑点に出られたんじゃねえかって」。宮治師はどこでもいじられますな。
柳雀師のはおかみさんもノリノリのパターン。「実はどこかのお嬢様じゃねえかって言われるぞ」というセリフに俄然やる気を出す。実はあまり「おかみさんの評価が上がる」というパターンてないんだよな。

二席め、「今日の仕事の依頼は二ツ目の頃に受けていて、ゲストで一席と思っていた。もしかしたら開口一番かとも思ってたくらいで……。まさか二席あるとは思わなかったから着物も一着しか持ってきていない」と確かに一席めと同じもので登場。
お菊オンステージでは助っ人としてフレディマーキュリーがライブエイドと同じEROのコールアンドレスポンスを行うが、さすがにこのご時世客席からのレスポンスはない。マイケルジャクソンも出てきてムーンウォークを行うが、「足がないからわからない」というのがおかしい。というか座布団の上でムーンウォークを表現しようと試みるのがすごいというか。

兼好師の二席め、『やかんなめ』は一年半ぶり。あまりやらない演目だよなーと思いつつ過去のブログを見てみるともうそこには今日と同じ感想が書かれているのでした。やるな過去の俺。
というか当たり前っちゃ当たり前なんだけど、引っかかるポイントはそんなに変わっていない。
いやでもほんと面白いのよ。やっぱり中間の可内(べくない)が終始ゲラゲラ笑っているのがいい。結構ガチのトーンで「お前には暇を出す。とっととどこへでも行け!」とまで言われてしまうのに全然堪えてないところにこれまでの信頼関係がにじみ出る。

終演後、次回のチケットを購入しようかと思ったのだが、その日は小辰さんが披露目の主任の日で時間もかぶっているのでやむなくパス。私は普段は常に兼好ファーストなのだが、さすがに今年のこの時期だけは一蔵ファースト、小辰(扇橋)ファーストにならざるをえない。真打昇進興業は一度きりだし。つーか三人で昇進するうちのふたり追っかけてるんだから、週末は必ずどっちか、下手すりゃ二日連続ってこともあるっていうか実際あるからなあ。
追っかけ仲間から野毛で呑んでいくかという誘いをもらうが、今日はこの後があるのでやむなくパス。立ち飲みでも美味しい刺し身があったりするので行きたいんだけどね。
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彦いち・兼好二人会 [落語]

彦いち・兼好二人会
於:王子 北とぴあ つつじホール

三遊亭兼好『置き泥』
林家彦いち『掛け声指南』

不覚、極めて不覚。
開演時間間違えた。
17時開演のところをネットにあった19時開演というものを鵜呑みにした結果。
家を出る前に「ちょっと早いけど出かけるか」と念のためにチケットを確認したら17時開演の文字が。は? いま18時過ぎなんですけど。
うがああああああああああ!
せめて最後の一席だけでも聴ければと猛ダッシュで会場へ向かう。
仲入りが終わり、兼好師が上がってマクラを話し始めたところで滑り込む。

あーーーもー……。
ネットの情報も公式のものじゃないし、ちゃんとチケット確認しとけってことで悪いのは俺なんだけど。
終演後の演目を見たら一席めは彦いち師は『青菜』、兼好師は『お祭り佐七』、ふたりのトークコーナーもあったらしい。
うあああ。『お祭り佐七』かあ。5年くらい前に一度兼好師で聴いたこともあるし、最近扇辰師でも聴いたばかりだけど。あああ聴きたかったなあ。
ちょっと心と財布のダメージがデカすぎて冷静に感想なんて書けませんわ……。
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第十七回 大師匠噺 [落語]

第十七回 大師匠噺
於:両国 お江戸両国亭

三遊亭ごはんつぶ『新作(オペハラ)』
三遊亭天どん『真景累ケ淵 深見新五郎』
蜃気楼龍玉『真景累ケ淵 豊志賀の死』

中野から両国へ。
以前の職場近くを通過するのだが、近くにあった定食屋で昼食を摂る。何度か書いてる気がするが、ここのメンチカツが最高。今日はチーズ入りチキンカツとの盛り合わせをいただく。12~3年くらい前によくきており、夫婦で営んでいる症駆動だが、その頃からマスターは結構なおじいちゃんだった。……あんまり変わんないな。いつまで食べられるんだろうか。

ごはんつぶさん、長い間同じ美容院で髪を切ってもらっているときに他の美容院で切ったら浮気のようにとられるということと同じノリで、出張先で盲腸の手術をした男がかかりつけ医に嫉妬されるという噺。

天どん師、「今日は『真景累ケ淵』のリレーってことでね。僕のパートは怪談っぽくもないし特に面白くはないですよ。半分漫談みたいなものでね」。漫談?
悪人の深見新五郎が女中のお園に恋慕し、病気になったお園を看病にかこつけて口説くという筋書きだが、天どん師なのでその口説くさまがキモチワルイ。もちろんそれが面白い。
まさに「因果は巡る」というようなストーリー。

龍玉師、客席を暗くし、高座もスポットライトのように当てる。いよいよ怪談噺っぽくなってくる。
『豊志賀の死』は高座では2回めかな。龍玉師ではもちろん初めて。
いやもうさすがというか。
新吉がつけあがっていったり豊志賀を気遣ったり、ワルにもなりきれない人間臭い感じがいい。
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実力派二ツ目独演会 らくご長屋 小辰独演会 [落語]

実力派二ツ目独演会 らくご長屋 小辰独演会
於:中野 なかの芸能小劇場

入船亭小辰『千早振る』『尼狐』『百川』

今日は会を3つハシゴする予定。
我ながら頭おかしい。

毎度のことながら、「朝10時の会だと終わる頃にようやく目が覚めてくる。皆さんもそうでしょ?」というがそんなことないよ10時つったらもう仕事始まってるからね。
そんな調子でマクラを語り始めるのだが、話があっち行ったりこっち行ったり、「天気が空気を読んだ」とか「歴史は全部ウソです」とか。しまいには小辰さん自身が「私は何を言ってるんでしょう」と混乱の様子。知らんよ。そんな様子を面白がりながら眺める。
「情報を鵜呑みにしてはいけない」といった話から「いろいろ知ってるからこそ『知らない』ということが言えない」と知ったかぶりの噺に。上手くつながってるのかどうか。
なんというか、知ったかぶりの旦那の話には全体的にリズムがあり、そのリズムに乗ってセリフが紡ぎ出されていくような感じ。千早花魁がうらぶれて竜田川の豆腐屋に来たときはまたそのリズムが変わっていく。たまにそのリズムから離れると噛む。なんか今日はそういう感じを強く受けた。

一度袖に引っ込んで羽織を変えて登場。
6月は半分くらい旅の仕事が多かったといい、新版三人集で長野に行った話をマクラに。
市弥さんが酔い潰れ、一蔵さんと小辰さんでホテルの部屋に運び、その後一蔵さんの部屋で飲み直していたら、起きた市弥さんがバスローブに着替えてコンビニに行き、カップ麺と酒を買ってきたのだとか。カップ麺にもお湯が半分しか入っておらず、さらに箸をどこかに落としてきたらしい。「市弥アニ、ホテルに備え付けの櫛で食ってました。また麺がよく絡んで食べやすそうなの。こういうこというと怒る人もいそうなので黙ってりゃいいのに、それを一蔵アニさんがブログにアップしちゃうから」。ホントだ。
旅の話題から東海道を旅するふたりの噺に。小辰さんで『尼狐』は初めて。というかほとんど聴いたことない。遊京さんで何度か聴いたことがあるかな。少し調べてみたら喜多八師が『七度狐』をアレンジして作った噺だとか。
怪談チックでもドタバタした感じが確かにそれっぽい。

三席め、今年は謝楽祭はネットでなはく現地で行われるらしい。とはいえ食べ物の販売はNGらしく、物販がメインだとか。「こないだ遊京と話をしていたら、『お面を売りましょうよ』っていうんですよ。『二ツ目の顔写真をお面にするんです』って。『それなにで作るの?』『ダンボールに写真を貼ります』『目の部分とかくり抜かれるの?』『くり抜きます!』『絶対やだ』『つれないなあ』『それいくらで売るつもり?』『500円』『お前それは詐欺だ』って……」。うーん。まあさすがに買わないかな……。
祭りの話題から『百川』に。冒頭の百兵衛はまんま扇辰師。やっぱり似てんなーと思っていたのだが、噺が進んでいくにつれて扇辰師から離れて小辰さんになっていく。さすが真打間近。
タグ:入船亭小辰
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某二ツ目勉強会 [落語]

某二ツ目勉強会
於:都内某所

某二ツ目さんのシークレット勉強会。その人のブログとか見れば情報は出てるけど、かわら版などには掲載させてない。SNSなどにもポスト禁止ということなので、とりあえず年末の集計するときの行ったという記録として。
連日平日に落語行くとは。
「ネタおろしをしたりしなかったり、蔵出しをしたりしなかったり、虫干しをしたりしなかったり、落語をしたりしなかったり、愚痴を言ったり言ったり」の会。今日もとりとめのない愚痴などを長々と。でもこれがなんだか面白い。
あーなんかいろいろブログ書かなくていいとなると楽だなー。いやまあ別に誰に頼まれてやってるブログじゃないんだから、嫌ならやめりゃいいだけの話なんだけど。
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けんこう一番!第二十一回三遊亭兼好独演会 [落語]

けんこう一番!第二十一回三遊亭兼好独演会
於:国立演芸場

三遊亭兼好『子ほめ』
三遊亭けろよん『転失気』
三遊亭兼好『花筏』
田ノ岡三郎 アコーディオン
三遊亭兼好『妾馬』

今日は健康診断。うちの会社は健康診断の日は有給を取れという方針なので、いろいろ忙しいんだけど休み。たまたまけんこう一番と重なっていたのでちょうどいいけど。
昨日の夜から絶食した反動で、検査終了後に病院のある新橋で有名な唐揚げ食べ放題の店に行ってランチビールとともにたらふく食らう。あんまり美味しくはなかった。来年は違うとこで食おう。
検査結果は胆石が育っているので再検査したほうがいいと言われた以外は健康。胆石なあ。たまに胸がぎゅうっと痛くなるのは胆石のせいではないかという噂もあるし。
せっかくの有給なのに結局家に帰って昼寝してたら家を出る時間に。もったいないような、休みを満喫しているような。

兼好師の一席め、最近ではマスクを外す方向へ行き始めているが、若い人を中心に外したくないという人も増えているという。「マスクをしている状態というのが普通になっていますから、進学や就職で環境が変わると周りの人に顔、私のいうところの『生くちびる』を見せたことがない」。生くちびるって。
「でもマスクをしているとみんな美男美女に見える。逆にちょっと昔の週刊誌に載ってた容疑者のように目を隠されていてもよく見える。全部見えるとそれほどでもなくなる。要はバランスなんでしょうね。人間は隠れているところを良く想像するんだそうで、『わ、凄い美人』と思っていたのにマスクを外すとがっかり、なんてことがよくある。けど、それは相手にも伝わっています。だからこれからはマスクを外した顔を見てもがっかりした表情を出さずに『想像よりも良かった』とちょっと驚いてみせるのがマナー」と自説を繰り広げる。あながち間違ってないというかホントにそうなりそう。
「最近は寄席の楽屋も変わってきて、芸協の末廣亭に出ることがあるんですけど前座さんが全員女性ということがある。男締めで着物着た女性が手をついて『おはようございます』とか『お茶でございます』とか、老舗割烹にきたみたい。そうなるとパワハラ・セクハラはダメだという空気が寄席の楽屋にも漂ってる。落語界ですよ? 私が前座の頃は先輩が袖から客席を覗いて『今日は酒の噺がウケそうだな』って言われて、口答えできないから『ハイ』って答えて。で、ウケなかったら『ウケねえじゃねえか!』って殴られた。『お前の実力!』とはいえなかったですねえ」ご無体が過ぎる。
「そうなると前座さんを叱るのも難しい。叱るのもそうだが褒めるのも難しい」と『子ほめ』に。
兼好師の『子ほめ』は初めて。
いや、これは……。
テキストに起こせば数多くの前座さんが演っているものとほぼ同じ。
なのにこの軽やかさとリズム感、テンポの良さは一体何だ。え、『子ほめ』ってこんなに面白い噺だったの? 聞き飽きたと思っていた噺をもう一度新鮮に思わせてくれるのはさすがとしかいいようがない。

けろよんさん、珍念がお店と花屋へいく場面をカットし、「行ってまいりまーす……只今戻りましたー。お店では売り切れたそうで、花屋では……」とつなげる。なるほどこういう切り方もあるのか。

兼好師の二席め、最近の体組成計はすごいらしく、身長と年齢を入れて測ると、体型を割り出してそれに似合う服装のコーディネートをしてくれるサービスを服屋と共同開発したのだとか。そらすごいなあ。
「でもイヤですよね、もし体重を測って『似合う服装』としてまわしとか出てきたら。『えっ、まわし!?』ってなる。両国で相撲をやっているときは1回くらい行くようにしてるんですが、こないだ行ったときは浅丘ルリ子さんがいらしてた。ただでさえ細い方なのに、砂かぶりでお相撲さんの横にいるもんですからものすごく細く見える。しかも土俵の脇にお相撲さんがいるのでそれを避けて土俵を見ようとするから身体が斜めになる。そうするときなこもちに刺さってる楊枝のような……」。すごい表現するなあ。
相撲のマクラなので『大安売り』か『花筏』だろうなとは予想がつく。
毎度のことだが、相撲の勧進元が「花筏と千鳥ヶ浜大吉の取り組みをしてくれ」と頼みに来るときに、「花筏は病気ではない」という根拠をいろんな人にインタビューし、それを再現するという演出がおかしい。今日は酒屋の小僧が「知らない人と話しちゃダメって言われてるんで……」とか、芸者が「お客様のことは……え? ……こんなにいただいてよろしいんですか……?」とかインタビュー直前の様子まで再現しているのが最高。
提灯屋が土俵入りする際にお焼香スタイルで塩をまき、取り組み間際に「南無阿弥陀仏」とこぼしたのを大吉が聞いて「やっぱり俺を投げ殺す気だ、……だからお焼香を……!」と伏線回収するのも楽しい。

先日の読み通り広瀬和生氏がきていたので仲入り時にサインを入れてもらう。
広瀬氏は落語の最中にはメモを取っていないのに、なんであんなにこと細かに詳細を覚えてるんだろう。やっぱ東大卒の人の頭脳は違うんだろうか。
と思って聞いてみたら、「終わった後にメモはとってますよ」とちらりと見せてくれた。「自分でも読めないんですけどね……」と笑っていたが、ひとつの会にそんなびっしりとっているようにも見えず。それであれだけの内容の本を書くんだからなあ。俺なんかこのブログ書くのにも「何話してたっけ」と思い出すのを苦労するし、書いたら忘れちゃうのに。

アコーディオンの田ノ岡三郎さん、この会のゲストでは最多の三回め。
『愛の讃歌』『二人でお茶を』に続いて渋谷駅の東急東横線下りの発車メロディ(元カシオペアメンバー作曲だとか)、オリジナル曲の『KITE』、最後に『上を向いて歩こう』。
アコーディオンの右手のボタンはひとつで和音が出るんだと初めて知った。

三席め、正月以外では珍しい黒紋付に袴姿で登場する。
最近はお賽銭もキャッシュレスになってきているとかで、「そんなので御利益あるんですかねえ……」と懐疑的。
出雲大社ではあのしめ縄に五円玉を投げて刺さると良縁に恵まれるという言い伝えがあるらしく。「あれをやってみると自分のが刺さる代わりに落ちてくる五円玉もある。てことはどこかで別れてる人がいるんでしょうねえ」と黒い笑みを見せる。……でも五円玉ってことは最近できたジンクスなのでは……。
昔は身分制度があったので結婚も簡単ではなかったと『妾馬』に。今日は『子ほめ』といい『妾馬』といい、兼好師では珍しい噺が聴けて嬉しい。
冒頭の大家とのやりとりも楽しく、「うまくすれば侍になれる」といわれたときに「えー、侍? でも俺は大工って仕事好きだからねえ。じゃあ二刀流で行こうか。あのしゃっちょこばった服を着て腰にノコギリを挟む」という反応がおかしい。
この八五郎が単なるガサツなだけでなく、幼い頃から苦労を重ねており、気を利かせたりするのが兼好師らしい。「殿様、お土産。大家には『いらねえ』っていわれたんだけどさ」とたもとから佃煮を出すのも楽しい。
そこここに母思い妹思いなことを言ったり、母親も女手ひとつで八五郎とおつるを育てたという設定も加わり、八五郎一家の家族の物語にもなっていた。楽しいだけでなく、ほんわかと心が温まる一席。今はほとんどだれもやらないという八五郎が出世をした後半部というのも聴いてみたいものだ。
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扇辰日和 vol.83 [落語]

扇辰日和 vol.83「扇辰、胸を貸す!」
於:中野 なかの芸能小劇場

入船亭辰ぢろ『十徳』
入船亭扇辰『お祭り佐七』
柳亭市弥『猫の災難』
入船亭扇辰『五人廻し』

金曜に会社の後輩に誘われ飲みに行く。
終電逃すわ二日酔いだわでもう。昨日は一日調子悪かった。
昨日は車検。二時間ほど車屋で待ち時間があるので図書館で借りた『同士少女よ、敵を撃て』を読む。さすが本屋大賞獲るだけあって面白いわ。……いや、これを「面白い」といっていいものか。第2次世界大戦時の独ソ戦争が舞台で、主人公がロシア側のなのでそちらの視点がメインだけれども、単純な善悪ではない。まあ大概の戦争小説はそうなんだけれども。これと同じようなことが今現在ウクライナで起こっているのかと思うと胸が痛む。通勤の往復中に読んだが、読了まで1週間かかった。図書館で俺の後ろにあと530人待ってるんだって。もう一度じっくり読みたいし、文庫版出たら買おうかなあ。

さて辰ぢろさん、「えー、私事で恐縮ですが、本日は両親と弟夫婦がきております。……この歳になって父兄参観とは……」。あー、俺の真後ろにいらした方々かな。開演前に「いやあ初めてみたときは顔が見られなかったよ」という声が耳に入ってきたもので。
そんなプレッシャーの中、見事一席演じきる。弟もキツいけど、なにげに弟の嫁さんの前でやるのってキツそうだなあと思った次第。

扇辰師の一席め、「えー、先ほどは辰ぢろでした。彼は最近良くなってきていて……」と明らかに辰ぢろさんの親御さんを意識したホメ言葉。いつもは弟子に厳しいのに。とはいえまあそこらへんはやってる方も聴いてる方もわかってやってる感が漂う。
続いて今回のゲストの市弥さんについても。「よく覚えてるのはね、『市馬師匠がまた弟子とったらしいよ。今回のはまともみたいだ』って楽屋でいってたことですなあ」。上の兄弟子ふたりってなにやったの?
「まあ今が一番いいときでしょうなあ。芸も右肩上がりによくなって……。あれで飲まなきゃもっといいんだけど……」とポツリとこぼし、拍手が起きる。まあ小辰さんもよくいってるけど新版三人集はみんな酒癖よくないっぽいからねえ。
「今日はね、全員柳家の系統なんですよ。亭号は『柳家』じゃないですけどね」というところから噺家の系統や亭号のうんちくが披露されていく。会場からは「へえ~」という声が漏れ、「くう~、いいなあー、この反応!」と扇辰師もノリノリでいろんな話に広がっていく。つーか小辰さんもこういう話よく知ってるし、師弟で研究者肌なのか。
「今日は寄席の出番があって『団子坂奇談』をかけたんですが、楽屋に正雀師匠がいらして『あれ岸さんでしょ』っていわれるんですよ。岸さんは元噺家で、後に落語協会の事務員になった方。その方が師匠の扇橋に噺を教えたそうです。『茄子娘』なんかもそう。で、その岸さんが噺家時代に名乗っていたのが『市馬』なんですよ。でもね、亭号は柳家とか柳亭じゃない。三遊亭。昔は亭号とかぐちゃぐちゃだったんだよ」。へえーへえー。
そういう昔のうんちくから「掘り出してきた珍品」ということで『お祭り佐七』に。ん、これこないだの『扇辰日和』で掛けなかったっけ、この会場で聴いた覚えがあるんだけど、と思ったらそっちはオフィス10の会でした。
こないだ聴いたばかりなのにストーリーはほとんど覚えてなかった……。なんでだ。
『船徳』と同じく居候先のカシラとそこの若い衆たちとがワイワイやりながら自分たちの悪さを白状していく。若い衆の軽薄さとカシラの小言が楽しい。

市弥さん、すごいガラガラ声。
前日唄の入った噺を掛け、「師匠が唄うもんですから私もって。いけるかなーと思ったんだけど朝起きたらこんな声になってました」だそう。
小燕枝を継ぐにあたり、それが決まるまでの経緯と先代小燕枝である現さん遊師へ挨拶へ行った話を。師匠の市馬師が決めたのかと思ったら、市弥さんから案を出したそうだ。
「さっき扇辰師匠に『あいつも酒を飲まなきゃもっといいのに』って言われましたが……。それは仕方ないとして、何人か拍手してたでしょ! ……覚えてろ」と苦笑い。
「でもねえ、……好きなんですよね。ビール、焼酎、日本酒、ウィスキーとなんでも。やっぱり酒はいいですね」と噺へ入っていく。
仕事がはんちくになったとかサボったではなく、「久しぶりの休み」というシチュエーション。まあそっちの方が心置きなく飲めるので心持ちとしてはいいんだけど、そうすっとそんなに忙しい職人が手持ちの金がないっておかしくない? と余計なことが気にかかる。まあそもそもこの噺自体いろいろ細かい変なところが多いのだけれど。
酒好きの市弥さん、徐々に目が据わっていく様子がリアル。一蔵さんは「あにい」としてこの様子をリアルに目の当たりにしているのだろうか。それとも小辰さんが潰れていく様を観察してそれを演じてるだけだったりして。
「片身ィ猫に盗られたって、もう片身残ってんだろ。それどうした」と聞かれ、「えっ。……こう(脇に抱える)……イヤこんな(肩に担ぐ)……」という微妙な仕草が妙におかしく、それで騙される兄貴分も呑気で楽しい。

扇辰師の二席め、背負い投げを喰らわされてずっと苦悩するひとりめの客の煩悶ぶりをたっぷりと。
ふたりめの客の軍人か役人の固い口調と表現ながら、妻とのやりとりを切々と語る場面がなんともアンバランスで、しかも話してるのは「女がこない」という極めて即物的な内容で、その落差が楽しい。
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人形町噺し問屋 その92 [落語]

人形町噺し問屋 その92
於:人形町 日本橋社会教育会館

三遊亭兼好 ご挨拶
三遊亭けろよん『黄金の大黒』
三遊亭兼好『あくび指南』
ダメじゃん小出 パフォーマンス
三遊亭兼好『文違い』

なんかいろいろ仕事も立て込んでいるけれどもむりくり早めに上がる。今日もほぼ満席だがど真ん中の良席が取れた。

まずはご挨拶。
兼好師は占いにはあまり興味がないそうだが、先日やたら干支を気にするご婦人に捕まったという。「兼好さん52歳っていってたから酉年でしょ。酉年はしゃべる仕事はいいのよー。あと風邪ひきやすいっていってたのも酉年の人はそうなの」などのようにまくしたてられたとか。
「ただ私は早生まれなんで、本当は戌年なんですよね。でもどうにも言い出せなくて……。ずっと話しながら『ホントは戌年なんですけどね』って思ってた」。
さらにその後、家族で浅草寺にお参りに行ったときに台湾の方に絡まれ(兼好師曰くそういう人に絡まれやすい親子なのだとか)、干支は旧暦で考えなければいけないと教えられたという。そう考えると兼好師は酉年になるのだとか。「あのおばさんは正しかった」。

けろよんさん、圓生系小咄や『雑俳』『転失気』以外のネタは初めて聴くかな。
多分兼好師から教わったんだろうなあってのが伝わってくる。時間の都合かお祝いの口上の場面から直接サゲのシーンへ。

兼好師の一席め、先日八王子でチンピラに絡まれて怪我を負わされた上に車を奪われ、「八王子なめんな」と捨て台詞を吐かれたという事件があったそうで、「八王子にはまだそういうのがいるんですねえ。……さっきのけろよん、アレが八王子出身で……。だから最近優しくしてるんです。『ああん!? 八王子なめんな』っていわれたら嫌ですから。……でもキレるなら『けろよん』って名前つけられた時点でキレますよね。……危なかった」。八王子怖い。
最近は不良が少なくなったような気がする、昔は不良のほうがモテたから、本当は不良でもないのにそれっぽい真似をする子が多かった、という。たしかに私の中学時代はヤンキー全盛で、ひとつ上の代は給食の時間にしかこないヤンキーが自分の分のカレイフライを食われたと激昂して教師を殴って新聞沙汰になったバカがいたっけ。そんなのがモテてたらやだなあ。
江戸の昔も男はモテるために努力をしており、そのひとつが習い事だったと『あくび指南』に。
あくびの稽古がどんなものかを予想しているうちに、「女のお師匠さんが耳元で『はぁーあ』ってあくびして、俺も『はぁーあ』って。お互いに『はぁーあ』『はぁーあ』ってやってるうちに『本当に眠たくなっちまったねえ、寝ましょうか』って隣の座敷に布団が敷いてあるような……!」と妄想が繰り広げられていくのがおかしい。
またあくびの実演をするときも、いちいち師匠が「〇〇のあくび」とタイトルを宣言してから始めるのが面白い。言い方は厳かなのに、その後のあくびの前フリ部分は江戸っ子の軽薄な感じなのがまた落差が激しくておかしい。「風呂に入って都々逸からあくびが出て念仏を噛み殺す」というネタはなんとも芸が細かすぎてすごい。
夏のあくびのお手本を見せる前にシチュエーションの説明をするのだが、その状況説明が上手くて夏の風景が見えてくるのもお見事。

二席目の『文違い』はネタおろしか蔵出しか。少なくとも私は兼好師では初めてだし、終演後に周りの人も兼好師に「あのネタ何?」と聞いている人もたくさんいたのでレアネタだろう。そもそも『文違い』自体私は10年前に金八師、6年前に白酒師での2回しか高座で聴いたことがない。
複数の男から手練手管で金を巻き上げる内藤新宿の遊女おすぎが、結局は自分自身も同じ手口で情夫に金を奪われるというストーリー。情夫が落としていった手紙を読んだおすぎが、金をだまし取られたと気づくまでの感情の移ろい方の表現が秀逸。薄々は気づいていながらも、それを認めたくないという嘆きとその後のやさぐれぶりがリアル。

終演後、兼好師がイラストを描いた広瀬和生氏の著作『落語の目利き』を購入。後日サインを入れてもらおう。今日は広瀬氏もきてたから、仲入りとかで買えばよかったなあ。まあ来週の「けんこう一番!」にきてたらサイン入れてもらおうかな。
それにしても兼好師の落語家似顔絵ホントよく似てる。パッと見ただけで「あ、あの人だ」って瞬間的にわかるもんなあ。
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桃月庵白酒 三遊亭兼好 二人会 夜の部 [落語]

桃月庵白酒 三遊亭兼好 二人会 夜の部
於:三鷹市芸術文化センター 星のホール

桃月庵あられ『真田小僧』
桃月庵白酒『風呂敷』
三遊亭兼好『藁人形』
三遊亭兼好『新聞記者』
桃月庵白酒『青菜』

昼は和食ヌーベルキュイジーヌというかなんかよくわからないまま派手なものを食ってややもたれ気味なので、夜はビシッと本格派の会へ。
この会はいつも会員発売期間で売り切れてしまうためチケット救済サイトで購入したのだが、夜席は普通に買えたらしい。

先日も聴いたあられさん、やっぱりなんか妙にベテラン感がある。見た目も老けてるし、実は結構歳いってるんだろうか? 高座姿も落ち着いてるし。
『真田小僧』で親父から金を巻き上げる前半部をバッサリカットして『真田三代記』の後半だけをやるというのはかなり珍しい。大半の人が「面白くないから」と切ってしまう部分だけをやるとはよほど自信があるのか。

出囃子『正札付き』で白酒師が登場。「圓生師匠の出囃子なんですけど、出にくいですね。談志師匠の『木賊刈り』とかも。性格に難のある人の出囃子は出にくいのかもしれない」といつものように毒を吐く。
「今日は昼夜公演なのでどちらもきているという人もいるでしょう。気をつけてください、そういう人はいつの間にか入門してますから。私のところにも入門志願がきますが、学校出たての子には必ず見聞を広めるために他の分野も見てくることを勧めます。……そうするとだいたいそっちへ行っちゃう」だそうで。
教養があるという触れ込みの兄貴分が出てくる噺に入っていく。
この兄貴分はだいぶ学があるということをひけらかすタイプで、周りをバカにするタイプ。もう少し歳を取ったら「竜田川は相撲取り」と言い出すんだろうと思わせる。
「女三界に家なし」を知ってるか、と吹っ掛け、結局は「女は三階に家がない」とそのままの解釈を披露して「じゃあ最初から『家がない』って言えばいいじゃないですか。なんで『家なし』なんですか?」と突っ込まれ、「これは強調の『し』だ」と言い張るのがおかしい。

兼好師が一席め、「あの出囃子を使われると『お前も圓生狙ってるのか』と思いますね、圓生を狙ってる身からすれば」。本当かなあ。一応五代目圓楽一門と考えれば系列だけど、好楽師が外様だからなあ。
「最近は落語会も一席おきをやめていっぱいに入れるようになりましたね。こないだ知ったんですけど、裁判所の傍聴席も一席おきをやめたらしいですよ。……空ける意味あります? 落語とかお芝居とかならまだ『プッ』って笑っちゃうとか思わず声が出ちゃうとかわからなくもないんですけど……。裁判所でそんな声上げることとかないと思うんですけどねえ。『よっ名奉行!』とか声掛けがあったらちょっと面白いですけどね。新内みたいに『女殺し!』とか。そんで弁護士が『いや、女は殺してないんです』なーんて」と楽しそう。
「梅雨でじめじめしているので暗い噺を」と『藁人形』に入る。
兼好師のは約4年ぶり。兼好師よれば「1年に1回くらいはやらないと」とのことなので、まあ当たるのは珍しいんだろう。
おくまが金をむしり取ったあとに西念から「あの話どうなりました……?」と聞かれたときにあっさりと「ああ、アレやめにしたのよ」だけで終わらせる酷薄さがゾクッとさせる。

二席めでは「大丈夫です、もう暗い噺はしません」と宣言。
最近新聞を読まないようにしている兼好師だが、スポーツ面くらいしか見ていないという。「私あまり日本の野球に詳しくないんですが、今年は完全試合とかノーヒットノーランとか多くないですか? これはピッチャーがすごいのか、バッターが情けないのか……。こないだの佐々木朗希君なんて2試合連続で完全試合目前だったんですよ。でも2試合目は球数的なこともあって身体優先ということで途中で交代。考えられます? 昭和だったら『腕が折れても!』っていうでしょ。令和だなあと思いましたね。彼も多分なんとも思ってないと思いますよ。『交代な』『はーい』みたいな。噺家も途中でやめる勇気を持ってもいいんじゃないかと思いますね。『叔父さんなんで釘じゃねえんだい』『……(おじぎ)』みたいな」。さすがに「令和だから」ではすまないような。
新聞の話から『新聞記事』に。
ご隠居に引っかかった手を他の人にやろうとして、「天ぷら屋の竹さんが殺された」というところでどうしても笑ってしまう表情が秀逸。『崇徳院』の恋煩いを打ち明けられたときの熊さんの表情にも通じる。
「恵比寿様の持っているもの……」「竿?」「じゃなくてその先に……!」という一連のやりとりでかなりオーバーアクションで飛び跳ね、「『藁人形』の分」というのもおかしい。

白酒師の二席め、「師匠が『俺ももうそろそろだ』とかいうんですよ。まあ弟子ですから『そうっすね』とか答えてるんですけど」。軽い。「師匠そうやって寄席の出番を15分のところ10分で降りてくる」そうで、老獪?なテクニックを使っているようだ。
今シーズン初の『青菜』かな。今年は全然暑くならないのでちょっと掛けづらいのかもしれない。
白酒師の『青菜』はおかみさんがノリノリなのがおかしい。しかも自分の用事を全部長屋の他の住人にやらせている独裁者のようなキャラなのに、「『元は武家の出だ』とか思わせられればもっと長屋の連中をこき使えるかも!」という理由なのも強烈。時々出てくる隣の婆さんがすべて「おおせのままに」と答えるのもヤバい。

今日は電車なのでぷらぷらと歩いて駅まで。会場は駅から結構遠いのだが、三鷹の街を歩くのも初めてかも。というか結局雨降らねえじゃん。
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