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第248回 大師寄席 [落語]

第248回 大師寄席
於:川崎大使前 川中島神社社務所

桂枝平『猫と金魚』
入船亭扇橋『高砂や』
神田松麻呂『仙台の鬼夫婦』
入船亭扇橋『佐々木政談』

昨日は胆石の手術をするかどうか、まずMRIを撮りに行く。脳の検査のために撮ったことは何度かあるが、腹まで入ったのは初めて。別に閉所恐怖症ではないので狭いところは平気なのだが、私は子どもの頃のトラウマで火葬場が怖い。なんか火葬場の釜に入れられるような感覚がしてゾワゾワする。
終わってなんかご褒美ってわけじゃないけどちょっと美味しいものでも食おうかと某水生妖怪の名を冠した回転寿司に入る。実は初めて。くら寿司とかスシローもあったはずだが、とりあえず一番近くにあったので。ちょうど12時だったので混んでるかなーでもひとりならなんとかなるだろと思ったら、ん、ガラガラ? あれ開店直後? ってくらい客がいない。おやおや? と思いながら食べてみると、ああ~……。なるほどなあ~……。いやあの値段でと考えればすごいことなんだろうけど、いやあ~。結構太い道路のロードサイドなんだけど客は正直ですなあ。
そんでもって夕方からは高校時代の友人と飲み会。
コロナも落ち着いてきたということで久々に10人を超す人数が集まった。その中には普段はあまり来ない高校時代に好きだった人も。当時はまったく意識していなかったのだが、大人になってからよくよく考えてみるに、その人の見た目とか言動とかがウチのお袋そっくり。ええー、俺はマザコンじゃないと思っていたのだが……。それに気づいていた上で改めて会って話をしてみるとやっぱりかわいいと思ってしまう。DNAって怖いね。楽しく飲んで案の定二日酔い。
とはいえ焼酎ばかり飲んでいたからかさほど辛くはなく、昼前には回復したのでバイクに乗って川崎まで。薄曇りで上着がないと肌寒い。今年はなかなか暑くならないなあ。湿気のないからっとした暑さを味わえるこの時期が一番好きな季節なのだが、今年は肌寒いまま梅雨に入ってしまいそう。

川崎大師の近くの神社の社務所での落語会。
最近はなくなってしまったが、一蔵師と扇橋師が二ツ目の頃にやっていた駒込のらぐろ亭を思い出す。そういや最近近くを通りかかったときに見てみたら、妙義神社が建て替えられていて社務所があったところがマンションになっていた。

枝平さん、「文生門下の枝平と申します。文生、ご存知ですか。……気を使ってくださーい」。そういわれても。

枝平さんの後に扇橋師。チラシには3人の名前が書かれていたのでひとり一席ずつかと思っていたのだが、二ツ目の松麻呂さんがトリということもあるまいので真打の扇橋師は二席か。これは嬉しい。
扇橋師はこの会に前座の頃に1回、二ツ目の頃に1回、そして真打になって初めてで3回めだという。「呼ばれるたびに名前が変わっている。そうなると呼ばれるのはこれが最後じゃないかと……」。「扇橋」という名前を誰が継ぐのかという入船亭の会議の様子を話し、「扇遊師匠が普段と違った厳しい声で『いいかお前ら、最初はグーだからな』といって、それで勝ったのが私……ウソですよー」まあ信じる人もいないと思うけど。
噺の方はもうさすがに感想は出ないかなあ。

松麻呂さん、イケメンなのだろうがイマドキのシュッとした感じというよりも濃い目のちょっと前のイケメンという感じ。まあ俺はイケメンの歴史なんぞ知りませんが。

扇橋師の二席め、ちゃんとトリネタを持ってくるところがエラい。
利発でこまっしゃくれたな白吉に対して佐々木信濃守が慈しんでいるような雰囲気を出しているのがいい。

終演後に出演者の色紙が当たる抽選会。1/6の確率で当たるはずだがこういうのにほとんど当たったことがない。今日も安定で外す。
川崎っていつも通過ばかりで目的地としてきたことがなかったのでどこか行ってみようかとも思ったが、どうもなにかテンションが上がらないのでそのまま帰る。あっ、先週『大師の杵』聴いてたんだし、川崎大師に行けばよかったなあ。
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人形町噺し問屋 その101 [落語]

人形町噺し問屋 その101
於:人形町 日本橋社会教育会館

三遊亭兼好 ご挨拶
三遊亭げんき『つんぼの小咄』
三遊亭けろよん『元犬』
三遊亭兼好『町内の若い衆』
こ〜すけ ジャグリング
三遊亭兼好『質屋蔵』

3回ぶり、期間だと4か月振りの噺し問屋。
仕事が忙しいのは相変わらずなのだが、もうさすがに3回連続でキャンセルはマズい。印象が悪すぎる。だし、兼好師のホームともいうべきこの会はできる限り行かなければ。
ということで仕事を終わらせるために昨日は休日出勤をする。……が。おい社内システムがフリーズしてて動かないってどういうことだ。システムを管理してるのは外部の業者なので、土日には連絡がつかない。しばらくすれば動くかも……と淡い期待を抱いて他の作業を1時間ばかりしてみるも、まるで動かず。あっ、これダメなやつだ。どうしようもないので2時間足らずで帰る。
なんだよおおおおおお! 最初からわかってりゃ一蔵師が出る黒門亭とピッコロの扇辰師の会行ったのに! ピッコロの会はキャンセル待ちしてて、キャンセル出たと連絡もらったのに「仕事入ったので行けなくなりました」って断り入れちゃったよ! ふざけんなよオイ! これで噺し問屋行けなくなったら機会損失で訴えるぞコラァ!
と怒りのまま超集中してなんとか仕事を今日一日で終わらせて日本橋社会教育会館へ向かう。

まずはご挨拶。
「コロナも5類になって少しは状況は変わったようですが……。でも病気が変わったわけじゃないですからね。それなのにもし罹ったら自腹ですから。これはアレですね。『ひとりしか弟子がいない師匠の弟子が二ツ目になった』のと同じですね」といい、会場全体がポカンとした感じに。「うわ、全然伝わってない。アレですよ、他に弟子がいないんで、師匠から『お前ちょっと来いよ』と言われたら行って前座と同じような仕事をしなきゃならない。で、もう後輩もいるんでお金も払わなきゃならない。それでいて別に上手くなっているわけでもない」。わかるようなわからないような……。
「それにしても猿之助さんは残念ですね。私なんか芸能人の裏事情とか別に興味ないんですけど、みんな知りたいんですかね。歌手や俳優さんは大変ですね。ちょっと人気が出るとすぐに暴露されてしまうから、ファンだって気が気じゃないでしょ。落語くらいじゃないですか、安心して聞けるのは。だって皆さん噺家の裏の顔なんて興味ないでしょ。それに噺家って裏表ないんですよ。マクラを振るんで、どうしても素が出てしまう。だから一之輔くんは楽屋でもすっごい生意気。三平アニさんは楽屋でもつまんないの。それに噺家に愛人がいたってねえ。むしろ愛人に『もっといい師匠がいたでしょ』って……」と黒い笑み。
「あまりニュースにはならなかったですが、園遊会が再開したようですね。それにしてもやっぱり皇室の方はいいですね。途中で雨が降ってきたんですが、まるで慌てない。雅子様はお着物を召していらしたんですが、強い雨が降っても『お先にどうぞ』なんて感じで上品ですねえ。反対にイギリスはちょっとね。最後に『国王が永遠に続きますように』みたいなことを全員で唱和するんですよ。まあ宗教的な側面もあるんでしょうけど、なんか言わされているような……。五代目の圓楽師匠が弟子の前で『私はもうダメだね、引退するよ』といったときにどなたかが『師匠、まだまだできますよ。なあ?』と我々に振って『ハイ、マダデキマス』と言わされたことを思い出しますねえ」。黒い黒い。
その他にも奥様とお嬢さんと三人で買い替えに行ったらケータイショップの店員がものの5分で『あ、この和服のオジサンに何をいっても無駄だ』と判断されて1時間半に渡って何も喋らせて貰えなかった話など。

兼好師が袖に引っ込んで出てきたのはマッシュルームカットの若い男の子。噂には聞いていた新しい5番めの弟子のげんきさん。なるほど髪型のセットが大変そうとは聞いていたが噂に違わず。
両国寄席での初高座は済ませているとのことだが、人形町は初めてだろう。圓生一門では最初に教わるという『八九升』の冒頭の親子のつんぼの小咄。しかし兼好師はずっと前座が切れないな。ここ最近の圓楽一門の前座の半分は兼好一門なのでは……。

けろよんさん、「そんなに簡単に師匠は出てきません」と兼好一門の看板的な噺(?)の『元犬』を。相変わらず達者だが、なんかこう……遊びがないというか……キッチリし過ぎな感もないではない。

兼好師の一席め、「仕事を引退して旦那さんがずっと家にいるようになると、ある家庭ではこれ以上なく幸せなんでしょうが、ある家庭では地獄なんでしょうね。だから奥さんがダンナに『週に3日は外に行ってちょうだい』なんていわれるそうですよ。……そう考えるとここにいるみなさんは落語が趣味でよかったですね。チケットは芝居ほどは高くなく、寄席なら4時間は潰せる。しかも2時間は寝られる」。早くそんな日がこないものだろうか。
「私のお客さんの中で、もう家庭内別居状態の方がいるんですが、その夫婦の唯一の共通の趣味が私の落語を聴くことなんですって。同じ家に住んでるのに連絡はスマホのメッセージでやり取りしてるそうですが、チケットを買うのも別々なので席も離れてる。でも行き帰りは同じタクシーに乗ってるそうですよ。その車内では一言も発さないんだって。……面白いですねえ」って黒いってば。
そんな夫婦の話から『町内の若い衆』に。
主人公の金ちゃんがなんであの悪妻と一緒になったのかと回想するシーンで、「蛇が嫌いな俺が共同弁所で蛇を見つけて『助けてー』って叫んだときに助けに来たのがアイツだったんだよな。石を投げて蛇に当てて、その後薪ざっぽうで打ち抜いて……二刀流!?」というときにちゃんと右投げ左打ちで大谷になっているのが細かい。
金ちゃんに頼まれて「何かを褒め」にきた半公が「うわあすごい。うわ。でもあのカミさんのお陰でこの町内は離縁とかがないんだよな。どんなカカアでもあのカミさんをずっと見て、家に帰ればカカアがお雛様に見え」「聞こえてるよ!」というやりとりがおかしい。

こ~すけさん、両国の狭い高座ではできない大技も多数披露する。
いろいろすごいんだけど、観客参加型の芸の時間が長いのがちょっと……。なんか個人的に素人が高座に上がるのは好きじゃないんですよね……。

三席め、番頭さん、小僧の定吉、長屋の熊さんといろんな人が出てくるが、みんな「余計なことばっかりべらべら喋る」という噺の構造がもう面白い。噺の七割八割方が余談という。
こういう「話の本筋には関係ない」ことを話している兼好師の楽しそうなことといったら。そのガチャガチャとした雰囲気がとにかく理屈抜きに楽しい。

とにかくこられてよかった。また明日から長時間残業かねえ……。
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上野鈴本演芸場 令和五年五月中席 夜の部 5月20日 [落語]

上野鈴本演芸場 令和五年五月中席 夜の部 5月20日
於:鈴本演芸場

ストレート松浦 ジャグリング
柳亭こみち『あくび指南』
三遊亭わん丈『紙入れ』
柳家小春 粋曲
三遊亭天どん『いつもの歌』

三郷から帰ってくるも、落語欲がやや満たされていないような気がしてならない。
じゃあ鈴本が仲入り後割引の幕見券てのをやってるようだから天どん師を聴きに行こうか。『いつもの歌』は好きだし。
末廣亭だと仲入り後割引が結構ゆるくて、仲入りの師匠の噺の途中でも入れてくれる(もちろん後ろで待機しているようにいわれる)のだが、鈴本はしっかり外で待たされる。
席を確保してトイレに行き、客席の入り口に戻ってきたところにスーツ姿で大きめのゴロゴロを引いている人がいて珍しいなと思ったらわん丈さんだった。思わず小さく「お、わん丈さん」と漏らしたのが聞こえたらしく、笑顔で会釈してもらう。あ、おめでとうございます。

ストレート松浦先生、ジャズスタンダードナンバーに乗せてのジャグリング。なんだけど、『Sing Sing Sing』とか『Let's Dance』とかで、ベニー・グッドマンファンとしてはそっちに気を取られてしまう。というか曲の構成に合わせてジャグリングしてるんだな。今まで気づかなかった。

こみち師、女性が女師匠のところに習いに行くという『あくび指南』。
これまでに行ったお稽古が「お辞儀のお稽古〜梨園の女編」とか「居眠りのお稽古〜寄席のお客さん編/寄席のお囃子さん編〜」というのがすでにおかしい。こっちの稽古風景も見てみたい。
で、あくびも「遊女編」「老婆編」「北条政子編」とあり、それがまたそれぞれ面白い。

わん丈さん、「本来ならこんな出番に出られる身分ではないんですが、席亭のお計らいで特別に出させていただいています。というのも来年の春から真打に昇進させていただくことになりました。師匠から電話をもらいまして、『お前昇進することになったからなー』って。考えてもいなかったんで、『抜擢ってどうすればいいんですかね』って聞いたら『知らねーよバカヤロー。俺は抜かされた方だからな。一之輔くんにでも聞けばいいんじゃないですかー』って……」。スゲーいいそう。口調が容易に想像できる。
「だけど師匠が後押ししてくれてこういうことになったんだからありがたいことです。しかしなんですか今日は。『寿限無』2本に『あくび指南』2本て。みんな自由にやりすぎでしょう。ウチの師匠のことなんだと思ってるんですか」。仲入りの前にそんなことがあったのか。
「普段なら前座は前座噺、二ツ目も二ツ目らしい噺というものがあってあまり色っぽい噺もできないのですが、今日は昼席で玉之輔師匠がやられていた『紙入れ』をやります」と被せてくる。
菊之丞師から教わったという『紙入れ』は福袋演芸場でも一度聴いている。ハメモノも入り、普通のものよりも派手な感じに。最後の場面でおかみさんが「そこは抜かりはないと思うよおぉ~」と懐から紙入れをチラチラ見せてくるのがしたたか。サゲは以前聴いたときはちょっと変わっていたんだけど、今日は寄席だからかスタンダードなものに。

天どん師、「ちょっと前の人たちやりたい放題ですね。僕のことナメてるんですよね」とまずはひと愚痴り。まあこれが上の人たちからはかわいがられ、後輩からは慕われているという証拠なんじゃないですか。
どこでどうなってそうなったのか忘れてしまったが、「〇〇をブッこ◯したくなりますよね」という物騒なワードが飛び出し「あれ、こういう話お嫌いですか。なに『傷ついた』みたいな顔をしてるんですか。でもこれが僕なんでね。ふらっと入ってきた人はごめんなさいね。『一生の思い出に』なんて初めて寄席にきた人はお気の毒ですよ。でもね、表にデカデカと『天どん』なんて出ていて、ネタ出しもしてるんですからこれで入ってきた方の自己責任ですよ」などと手を緩めない。
「毎回天寿々さんに天丼弁当をお願いしてるんですけど、天寿々さんは水曜日定休なんですよね。そしたら水曜日お客少ないの。もうこれは僕の高座に天丼がついてるんじゃなくて天丼に僕の落語がついているようなもんですよ」と笑いを誘う。実際仲入りで天丼食べてる人結構いたようだ。
噺はいつものとおり。「(武田)鉄矢の歌詞を(長渕)剛の歌い方で(さだ)まさしの尺で歌うんじゃない。九州コンプリートか」というのがおかしい。剛の歌い方は『Captain of the ship』の頃ので結構前だけどね。

明日は休出。
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ワンコイン寄席 第10回記念公演 春風亭一蔵・田辺いちか二人会 [落語]

ワンコイン寄席 第10回記念公演 春風亭一蔵・田辺いちか二人会
於:三郷 鷹野文化センター

春風亭一蔵『大師の杵』
田辺いちか『名医と名優』
田辺いちか『山内一豊と千代』
春風亭一蔵『堪忍袋』

疲れが取れない。ってまあそりゃそうだ。毎日家に帰るのが12時を過ぎ、猫の世話と飯食ってシャワー浴びるだけで2時を越える。そんで9時前には家を出るんだから。
今は鈴本夜席で天どん師、末廣亭夜席で一之輔師、池袋昼席で扇辰師かトリを取っていて、元気があれば土日は寄席の掛け持ちをするところだが、さすがにムリだ。というかどれか行きたかったなあ。いっこも行けないまま明日も仕事だ。
天どん師の鈴本ならこの会が終わってから行けなくもないが、ネタ出しで『いつもの歌』なんだよなー。何度も聴いてるから他のネタの日がよかったんだけど……。

さてこの会は約1年ぶりか。
空模様が怪しいが、バイクで。上着ないとまだちょっと寒いな。

「真打になって帰ってまいりました!」と高らかに声を上げて大きな拍手をもらう。
「この会も10回ということで、記念として普段は独演会なのですが今日は私といちかさんの二人会。この後講談界一の美人が出てきますから。この会も年4回に増えるそうですから、皆さん欠かさず通ってくださいますよう……」。次回が朝之助さんでその次が一花さんて一朝一門すごいな。その次は朝枝さんだったりして……。ん、誰か足りないような……。……。
「最近はようやくコロナも5類に変わって旅の仕事も増えてきた」と鉄板の落語会にお茶をもらいにきた婆さんのマクラを振ってから『大師の杵』に。
2月の新版三人集でも聴いたのだが、聴いてる途中で胆石の発作が出て結局救急車呼ぶことになったんだよなあ……。いやまあもちろん一蔵師のせいではないのだが。
一蔵師の地噺は珍しい気がする。弘法大師の逸話をすると割とそこかしこで「へえー」と声が上がる。
オチ、伝わってたかなあ……。

いちかさん、「こうやって出てきて皆様の顔を拝見して、思われていることがよくわかります。『それほどでもねえじゃねえか』と……。期待のハードルをすごく上げられてしまって」と苦笑い。
で、このいちかさんの声の質とか声の圧とかがすごく心地いいんだ。さらに講談は語りのテンポもいいので、疲れや昼食直後もあり、あっという間に夢の世界へ連れていかれる。
二席めはちゃんと聴いたが、一席めもったいないことしたなあ。

一蔵師の二席め、『堪忍袋』は一蔵師で初めて聴いた。
愚痴を堪忍袋に吐き出してパッと明るい顔になるところはいかにも一蔵師らしくて楽しい。
個人的には夫婦喧嘩を大家さんに止められているときの亭主と女房のやりとりにもう少しメリハリがあるといいなと思った。

二席ともちょっとネタとしては小さめかとも思ったが、ちゃんと2時間キッチリ。これで500円なんだから文句言ったらバチが当たりますな。
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第201回 柏落語会 [落語]

第201回 柏落語会
於:北柏 たんぽぽホール

三遊亭萬丸『近日息子』
三遊亭萬橘『幇間腹』
三遊亭萬丸『やかん泥』
三遊亭萬橘『次の御用日』

1年ぶりの柏落語会。
昨年も母の日に萬橘師の会だった。
昨年と同様に会場近くの温泉に行ってから落語会に。昨年はバイクだったのだが、今年は空がぐずついているので車で。やっぱりこの時期の風呂上がりはバイクの方が爽快感が桁違いですな。しかし今の季節がいちばん露天風呂とかサウナ後の外気浴が気持ちいい。

最初に世話人の方の挨拶があるのだが、なぜか『たんたんたぬきの』の出囃子つき。「あのお囃子のお師匠さんだけ私に出囃子をつけてくれる」と嬉しそう。

萬丸さんの一席め、「携帯電話の音を」のお決まりの注意喚起からだが、「よく『わからない方はこちらまで持ってきていただければ』っていうんですけど、こないだホントに持ってきた方がいらして。……ホントにわからなければ裏手に川がありますんで、えーいって投げてもらえれば……」。
デング熱や糊屋の婆さんの話が入ってるから兼好師の型だとは思うのだけど。言い間違いにぷりぷりと怒る男のキレっぷりがおかしい。

萬橘師の一席め、「今ね、もう落語をやるコンディションじゃないんですよ。昨年も言ったんですけどね、皆さん常連だからおわかりだと思うんですが、そのー……受付のお姉様方がね、もううるせーのよ。受付のすぐ脇が楽屋になってるんですけど、お客さんとのやり取りが全部聞こえるんだよ。それに5分ごとに楽屋にサボりにきてわーっと私に喋ってくる。これが3人いるんだよ。もう私この会場についてから落語のことなんにも考えられない。『いつもこうなんですか?』って聞いてみたら、『いつもはこんなにひどくない』だって。皆さん柏落語会は先ほどの世話人の方がまとめてると思ってるかもしれませんがそれは間違い。あのお姉様方が力を持ってるんだよ!」だそうで。
「まったく噺家という職業は尊敬されない。まあ我々噺家はそうはいってもお客さんとは一線を引いている。高座に上がって扇子を前に置いてお辞儀をするのは『そっちとこっちは違いますよ』という一種の結界を張ってるんです。これが幇間という芸人になるともっと大変なようで……」と噺へ入る。
萬橘師の『幇間腹』は初めて聴いた。前半部の若旦那のモノローグというか独学風景はなく、一八がお茶屋に呼び出されて女将に世辞を言っているところから始まる。この一八はあまり若旦那のことを警戒していなさそう。能天気に若旦那の凝っているものの話に合わせてヘラヘラしているが、自分に危機が差し迫っていると気づき始めたあたりの焦りの表情がおかしい。若旦那が鍼を打ってみたものが壁枕バナナで、自分にも打ってみたというのがエラい。ただし「激痛」だったそうで、それを一八に打とうというのだからタチが悪い。

萬丸さんの二席め、泥棒の小咄をふたつみっつ振って『やかん泥』に。普段あまりお目にかからない噺だが、こないだ貫いちさんでも聴いたばかり。珍しい。
なんだかんだで仲の良さそうな親分子分は萬橘師との関係をなんとなく連想させる。ホントにこんなほんわかしてるのかは知らないけれど。ところで最近楽太さん見ないような……。たまたまか?

萬橘師の二席め、珍しく袴姿。マクラで子どもの噺を振っているので『佐々木政談』かと思いきやとにかく小僧の常吉の異常なほどにペラペラとまくし立てる割に中身が何もないお喋りと、お白洲の場での臥煙とお奉行の「ゔぁあ゛あぁあ゛」の言い合いという力業の極地ともいうべき噺。シンプルに会場を爆笑の渦に巻き込むのは萬橘師のキャラだからか。

夕方だからか、帰りは道がやや混み。というか千葉県て結構大きな道の交差点でも右折信号と右折レーンがないのはなんでだ。片側2車線で右折レーンがなくて右折待ちの車がいるときに、うまくかわせればいいけど隣の車線に車がいて車線変更できないとたちまち詰まる。そんなの運ゲーじゃん。というか前も書いた気がするけど道狭すぎだろ。東京より狭い気がする。いつも結構緊張しながら走ってます。
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第8回 兼好集 [落語]

第8回 兼好集
於:水天宮前 日本橋劇場

三遊亭けろよん『黄金の大黒』
三遊亭兼好『看板のピン』
入舟辰乃助『茄子娘』
三遊亭兼好『ちりとてちん』
三遊亭兼好『竹の水仙』

ここふた月ばかり22時以前に退勤できたことが数えるほどしかなく、人形町噺し問屋でさえ行けていないこの状況であるが、今日は早く上がる。だって前売りチケット買ってあるんですもの。辛いのは明日の俺に押し付ける。大丈夫か俺。そろそろ胆嚢も限界が近い気がするんですが。ていうかこないだロキソニンが処方されたんだけど、胆石の発作にロキソニン効くの? 早く言ってよこれまで出されたことがなかったから効かないのかと思った。ロキソニンなら薬局で買えるじゃん(社畜の発想)。

兼好師の一席め、「今年のGWはコロナの影響もなく、いろんな落語会やいわゆる定席の寄席などもたくさんのお客さんが入っていたと仲間の噺家からよく聞きました。私は圓楽一門で両国寄席もやっていたのですが……これがまったくいつもと変わらないの。まあ30人入れば『今日は多いね』って感じで、15日の開催中、半分は出演者の方が多いんですけど、これがまあまるで変わらない。ただそのかわりまったく人がいない、ということもない。不思議ですよねえ。他の寄席ならたとえばW杯の決勝の日なんて全然入らないのに両国寄席はいつもと変わらない人数が入ってる。かといって『俺は両国寄席がなくなったら困るんだよ』というご近所の常連さんもいない。とはいいながら『もうダメだ、みんな個々で頑張っていこう』となるほど人がこないわけじゃない。……なので常に『微妙に赤字』って感じなんです」。なんか言い得て妙というか。
「落語って歌のコンサートや芝居のように友人に勧めにくいですよね。歌ならツアーの最中にいきなり音痴になることはない。芝居も初日に面白くて千秋楽はつまらないということもほぼない。でも落語はその日に行ってみないとわからない。名人といわれる人でもその日だけはまるきりウケない、なんてことも普通にありますから。だから落語はギャンブルみたいなものなんです。ギャンブルは8割方負けるんです。負けるのが普通で、勝ったときにとても喜ぶ。落語もそういうものじゃないんですか。……全然賛同を得られないようなんですが」。だから我々は少しでも勝率を上げるためにハズレのない人を血眼で探しているのです。私の中で一番勝率の高いのは兼好師匠、あなたです。
とまあギャンブルの話題から『看板のピン』に。
兼好師では約2年ぶり。
なにしろ親分のかっこよさが際立っている。壺皿を振る仕草ひとつとってもシュッとスマート。これが明らかにオウム返しの若い衆との仕草の野暮ったさと異なっている。その落差が楽しいし、兼好師の芸の細かさがうかがえる。

辰乃助さん、「兼太郎アニさんとは学校は違えども学生時代に一緒に落研でやっていた。そのときに兼好師匠をポッドキャストで聴いていたので、その人と一緒の会に出られるなんて……」と感慨深げ。『看板のピン』はそのポッドキャストでも配信されてたネタだしね。
『茄子娘』は先日扇橋師でも聴いた噺。なんだろうな、扇辰師や扇橋師とテキストや仕草はほぼ同じなんだけど、どこか軽さが足りないというかベタっと重い感じがするんだよね。初夏の爽やかさではなくて盛夏の蒸し暑さというか……。とはいえ以前に聴いたときよりもだいぶ生々しさは抑えられていた気がする。

兼好師の二席め、「辰乃助さんはいい子なんですよ、でもなんというかふてぶてしいというか……。ああいう顔はちょっと羨ましいですね。一之輔くんなんかは一朝師匠にもにも『ああ?』みたいな顔をしますけど、最近はああいう感じがウケるじゃないですか。私なんか初めて会う人にも『どうも、ダンナ!』みたいな感じなので……。愛想のいい人と悪い人、短期的に見れば愛想のいい人の方がいいのかもしれませんが、長期的に見ると愛想の悪い方が逆に信頼を得たりしますから」と両者が出てくる『ちりとてちん』に。
愛想のいい金さんは旦那から「○○をおあがり」と勧められるたびになぜか身体をバスケのフェイントのように前後左右にキュキュッと揺らすのがおかしい。
旦那は愛想の悪い六さんを「悪い人ではない」と仕事の世話もしてるのに、すぐに知ったかぶりをして周りと問題を起こして辞めてしまうのを懲らしめるために腐った豆腐を食べさせるのだ、という。なるほど一応単にイヤなヤツだからという理由よりは正当性があるようにも思える。しかしその後の六さんの知ったかぶり具合がものすごく、まったくかわいげがないのでやっぱり単なる腹いせのようにも思える。
六さんが「おう、こんなもんは……」と気軽に「ちりとてちん」のビンを開けたときの衝撃ぶりがものすごく、殴られたかのようなのけぞりぶりがおかしい。ビンを持て余して手を右往左往させ、顔がその反対側に行ってしまう動きの細かさがたまらない。

三席め、「最近は『かわいい子には旅をさせよ』とはいわないですね。昔は街道の宿場以外では宿がなかったので日が暮れてくると大変だったようで」と宿の客引きの場面に移る。
兼好師の『竹の水仙』はちょうど一年ぶり。亭主が宿代のことを切り出せず、女房が怒って取り立てに行くというのは兼好師でしか聴いたことのない演出だが、この女房が甚五郎の口車にコロッと乗せられて手のひらを返すチョロさは何度聴いても楽しい。

次回は会場が浅草見番になるという。会社からまた遠くなるじゃん……。でもまあその頃には仕事も落ち着いてるだろう! とまた前売を買う。フラグにならなきゃいいが。
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小辰改め入船亭扇橋 真打昇進祝の会 [落語]

小辰改め入船亭扇橋 真打昇進祝の会
於:中野 なかの芸能小劇場

入船亭辰ぢろ『寿限無』
入船亭扇橋『あくび指南』
入船亭扇辰『蕎麦の隠居』
質問コーナー
入船亭扇橋『五人廻し』

昨日は横浜の中華街で大学時代の飲み会。紹興酒をしこたま飲み二日酔い。醸造酒の二日酔いはキツい。
というか人生で二日酔いほど無駄な時間はないよなあ……。
ここ数年はGWに大掃除をするのだが、今年は何にもできてない。コタツすらかたしてないし。うーむ。
というか今年って微妙に夜寒いような。

ギリギリまで寝て回復を図るがどうにもしつこい。
とりあえず落語聴くには問題ないレベルまでは持ってこれた。この時間に掃除できてればなあ。

辰ぢろさん、「今日は兄弟子の扇橋の祝いの会なのですが……私からは何もないです。この間、寄席で扇遊師匠の着付けの手伝いをしていたら、股引きを穿いた師匠が『この股引きだと股間が大きく見えるな』と仰って、思わず『ハイ』と答えたところそれを見ていた市馬師匠から『お前はとんでもないヨイショ野郎だな』といただきました。落語協会会長お墨付きのヨイショ野郎です。五代目の○○に一番近い男です」。

扇橋師の一席め、「辰ぢろは自分で何言ってるかわかってるんですかね。私には何もないって……辰乃助もそうなんですけど、私に何言ってもいいみたいな。袖から扇子投げてやろうかと思いましたよ。五代目の話にしても一門の人が聞いてたらマジでブッ飛ばされますよ」と苦笑い。
GWは噺家は結構暇だそうで、子どもと遊ぶ時間があったという。近所の公園で息子さんの友だちとも相手をしていたというような話から習い事の話題に。
水泳とサッカーを習っているそうだが、友だちと遊んでいる方が楽しいようで、おかみさんが「そんなんだったらやってる意味ないよ」とお小言をしているのを聞いてなぜか扇橋師の方が「稽古しよ」とダメージを受けるのだとか。
習い事から昔のお稽古ごとにつながって『あくび指南』に。真打に昇進してからは初めて聴く。
お師匠の実演を見て心を入れ替えるのだが、それを見たお師匠が満足げに「……おわかりいただけたようですな」とドヤ顔をするのが楽しい。

扇辰師、GWは寄席の出演があったらしく、「今日は浅草の出番だったんですがね、久しぶりだったなあ、早い時間から1階はいっぱいになってね、2階まで開けて……。しかも浅草のお客さんだから『思う存分楽しもう』って感じでね、前座からドッカンドッカン受けるんだ。アタシも浅い出番だったんですが、『千早』だよ!? それで大ウケ。気持ちよかったですなあ。でね、アタシの出番の前にアナウンスを入れさせてくださいっていわれて。まあ『写真撮影は禁止です』とか最近だと『マスクしてください』とか注意をしたり、昔なら『〇〇様、お電話が入ってます』とかあったんで珍しくはないんですけど、今日のは『先ほどチケット売り場でお釣りを渡し忘れました。お心当たりの方は……』だって。この商売35年やってるけど初めてだよ」だそうで、浅草は相変わらずのようで。
『蕎麦の隠居』は後の質問タイムの扇辰師の回答によれば、今一番やってて楽しい噺だそうだ。
毎日蕎麦屋にきて何かしら小言を言っていくご隠居だが、その目的がわからないうえ、飄々とした雰囲気で掴みどころがなくどこかミステリアスな感じ。とはいえこれも『団子坂奇談』と同様に解答なんかないんだろうなあ。

主催のオフィス10からは口上みたいなことをやってほしいといわれたようだが、先ほどの扇辰師によれば「もう飽きたし言うこともない」とのことで、扇辰師扇橋師ふたり並んで質問コーナーに。
仲入りまでに集められた質問を辰ぢろさんが箱から引き、それを両師が答えるというもの。
なんと私の書いた質問が最初に読み上げられる。が、なんかかるーく受け流される。むう。
出囃子に関する質問も出て、扇橋師が二ツ目に昇進した頃に扇辰師に「『からかさ』使うか?」といわれたこともあるそうな。「え? 俺そんなこと言った?」「ええ、でもまあ二次会とか三次会のときですけど……だから後日確認したんですよ、ホントに『からかさ』使っていいんですかって。そしたら『ダメだよ俺が使うんだから』って……」「全然覚えてない」「それが3回くらいありました。で、『からかさ』を使うつもりだったから何も考えてなくて。お囃子のお師匠さんから『これから選んだら』って音源渡されて、唄入りのがよかったんで『いっさいいっさいろん』にしました」とのこと。扇橋師は自分で選んだようだが、普通は下座のお師匠さんが決めてくれるのだそうで。ちなみに扇辰師の『からかさ』は「空いてたから」だそうだ。前は歌る多師が使ってたとか。

扇橋師の二席め、『五人廻し』も真打になってから初。というか前回は3年以上前でコロナが流行る直前のマスクが品薄になってきたあたり。あの頃はその後あんなに大変なことになるとは思っていなかったなあ。
『酢豆腐』の若旦那みたいな4人めの客の、キザの中にたまに見せるイラついたイヤミにトゲがあってそれがなんともスパイシー。

今日は久しぶりに聴く噺だったし、師弟トークも聞けてかなり私的にはオトクな会。
さて今日は高校時代の友人と飲み。二日酔いもようやく抜けてきたのにまた飲むのかという。まあGWだしね。
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瀧川鯉昇 三遊亭兼好二人会〜けんけんと鯉のぼり〜 [落語]

瀧川鯉昇 三遊亭兼好二人会〜けんけんと鯉のぼり〜
於:清澄白河 深川江戸資料館

三遊亭まんと『雷月日』
三遊亭兼好『湯屋番』
瀧川鯉昇『餃子問答』
瀧川鯉昇 三遊亭兼好 お喋り
瀧川鯉昇『粗忽の釘』
三遊亭兼好『壺算』

昨日は今さらながら『THE FIRST SLAM DUNK』と話題の『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』を観る。アニメには詳しくないけれど、どちらもすごかった。
『THE FIRST SLAM DUNK』は原作を連載当時にジャンプで読んでいただけだったのでストーリーはほとんど覚えていなかったのだけれど、登場人物のことをなんとなく覚えてるだけでも全然OK。基本的に原作にあった試合をベースに、映画オリジナルのストーリーを混ぜ込んで作るという手法で、試合内容は多少原作と異なる部分もあったようだが細かい部分は覚えてないので全然気づかなかった。むしろ試合結果さえなんでか逆に覚えてたので、「あれ、そうなるんだっけ!? ……あー、そういやこのシーンは覚えてるわ」と新鮮だった。試合シーンのリアルさとか、とにかくいろいろとすごかった。絵も原作と全く同じ。というか作者の井上雄彦氏が脚本と監督やってるなら当然か。
『スーパーマリオ』はマリオがスーパーマンではなくむしろ陰キャ?寄りに描かれているのが驚き。ブルックリンからキノコ王国に引きずり込まれ、ピーチ姫に特訓してもらって私が知っているマリオになっていく。基本子ども向けなのでストーリーに複雑さはないが、もう単純に楽しい。特にアクションシーンは爽快。CGのリアルさもものすごい。……ただピーチ姫がアメコミ風で、3DCGのアメコミの女性キャラってなんかこう……あんまりかわいくないというか……なんで基本片方の眉毛がハの字で「フフン」と見下ろし系になるんだというか(わかる人いるかな)……。まあとにかくすごい。

と一日2本映画観るのも久しぶりだなー。でも水曜日だから1本1200円で2本観ても落語1回よりも安いなーなどと思いつつ合間にマックなんぞに入ってセットを食べる。
多分これが良くなかった。
夜、腹部に違和感があり胆石の発作が出そうだなと思いつつ、頓服薬を飲んで早めに就寝。……だがやはりヤツはやってきた。結局夜中に激痛になり、救急病院などに電話してみるもののすげなく「救急車を呼べ」といわれて仕方なく救急車。もうこれで胆石で3度めだ。
痛み止めの点滴をしてもらえばいいんだけどなー……と思いながらCTやら超音波やらいろいろと検査をされ、明け方に痛みが引いて2万超え。医療費が大変なことになってる……。

となぜこう長々と書いているかというと、発作がおさまってしまえばまあ普通に過ごせ、なおかつチケットもすでに購入してあるのでまあ行きますよ。鯉昇師は久しぶりなので楽しみにしていたし。
けどね、真夜中からの痛みでずっと起きてた上、やっぱり体調があまり良くないので体が休息を求めていたのであろう、なんか噺の途中でスッと意識が遠のくことが多くて全然覚えてないのよ。
いや鯉昇師の一席めは出身の浜松市が餃子都市を宇都宮と宮崎と争っているというマクラから『蒟蒻問答』の餃子版の『餃子問答』だったとか、仲入り明けのトークでは鯉昇師の昔の寄席の楽屋の話など兼好師も興味深そうに聞いていたとか、鯉昇師の『粗忽の釘』はほうきをかけるために釘を打つんじゃなくてロザリオをかけるために釘を打ったら隣の仏壇の阿弥陀様の股間に釘が出てきたすげえおかしいとか要所要所は覚えてるんだが、途切れ途切れなのがすごく悔しい。
もちろん兼好師も相変わらず面白く、ここになにか書くことあったはずなのによく覚えてない。

悔しいなあ。さすがにやっぱり手術しないとダメかな。
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プチ人形町落語会 [落語]

プチ人形町落語会
於:人形町 日本橋社会教育会館

笑福亭たま『月並丁稚』
三遊亭遊馬 『鮑のし』
三遊亭兼好『高砂や』
旭堂南湖『鼓ヶ滝』
春風亭一之輔『反対俥』
柳家三三『たけのこ』
怪談をぶっ壊せ!

GW恒例、年に一度のお楽しみの会。
2009年に始まったときは真打が三三師がおらず(上方勢は除く)、それも昇進後数年の「期待の若手」みたいな感じだった。
それが今やそれぞれが各所属団体を背負って立つ看板となってるんだからなあ。今年はついに笑点メンバーまで出てきたんだからすごいこってす。
いつもなら毎年ネタ出しと大喜利のネタを発表しているのだが、今年はなし。

まずは恒例の全員揃ってのオープニングトーク&出番順決めのじゃんけん。
自己紹介で一之輔師は「どうも、『笑点』に魂を売った一之輔です」とひとこと。笑点メンバーになってからは私は初だな。
じゃんけんは兼好師、遊馬師、南湖先生、一之輔師、たまさん、三三師の順に勝ち、上のような順番に。

というかオープニングトークだけは撮影OKに。えー! そんなこと初めて。いってよーそしたら一眼レフ持ってったのにー! まあ一眼で撮ったからなんだって話なんですけど。兼好師はこれまで何度か撮る機会はあったのだが、遊馬師や一之輔師を撮ったことないからなあ。
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うーん、いくらiPhoneのカメラが進化してるとはいえ、やっぱりズーミングして撮影するとなるとまだまだ一眼にはかなわないですな。シャッタースピードや絞り値も思うようにすぐには変えられないしね……。

たまさん、いきなり東京の落語界ではタブー(?)のパワハラ問題に斬り込んでいく。「師匠にとって弟子は『ええ弟子』と『破門』のふたつしかなくなった。昔はその間に『どつく』というものがあったんです。ええ弟子ではないけど、破門にするほどでもない、そういう弟子をどついたんですわ。今ではダメですよ。でも昔はあった」とかなりギリギリのことをぶっ込んでいく。「今の会社は反社とカタギしかない」とか結構アブないことをいってたような。
噺は『粗忽の使者』とそっくり。主人の言付けを忘れた丁稚が、お尻をつねってもらって思い出すというもの。つねられている間だけ思い出すので、つねられながら伝言をし、釘抜きを放すと「アカン、放したら忘れる!」と叫ぶのがおかしい。

遊馬師、「一席めからあんなに登場人物がたくさん出る噺をしなくても……。おかげでできる噺が限られる」とひとボヤきしてから甚兵衛さんポジションの人がいなかったからか『鮑のし』に。……でも「教えられた口上を伝えに行く」ってのでついてない?
まあそれはともかく、久しぶりになんというか寄席用じゃない噺というか、ちょうどいいサイズの噺を聴いた気がする。寄席だとどうしてもトリだと大ネタ、その他の出番だと軽めの噺、って感じになるので。
遊馬師の『鮑のし』は魚屋の親方が親切でのしの根本も親方が教えてくれる。大家さんも悪い人ではないので、登場人物にトゲのある人がいないのがいい。

兼好師、「明日から本格的にGWの連休に入ろうというウキウキするこの日にわざわざきてくれることがありがたい。だから『ちゃんとやらなきゃ』とか『楽しませなきゃ』と思わなくちゃいけないのに、そういうことを楽屋の誰も思っていない。たま兄貴なんて皆さんからお金をもらったらもう仕事おしまい、と思ってますから。楽屋でお金数えてた。私くらいじゃないですか、かろうじて皆さんのことを考えているのは」。かろうじて?
二ツ目時代には結婚式の司会で食っていたという話題から『高砂や』に。今度は結婚つながりで遊馬師とついているような。リレー? まあ単なる偶然でしょうが。
婚礼に着る紋付袴を大家さんから借りに来たついでに高砂やを教わるのだが、その紋付がしまってある場所についてのひと騒動が楽しい。
豆腐屋の真似をしたり、覚えるまでのしくじる回数などもほとんど繰り返さず、テンポよく進む。それでも手数は多いので笑いが多いのはさすが。

南湖先生、落語と同じストーリー。
南湖先生の落ち着いた優しい語り口がよく合っている。
毎年書いているような気がするが、南湖先生の声を聴くとGWだなあと思う。

一之輔師、「出囃子がね……、たまアニさんが編集してCDにしてくれたんですけど、『頭っから順番にかけてくれたらエエわー!』って。だからメチャクチャなんですよ。南湖先生はたまアニさんの出囃子で出てた。この会ずっとやってますけど、どんどん適当になっていくんですよねぇ」。確かにそんな気もするけど、最初からこうだったような気も……。
「昔のままのほうがいいものもありますけどね、車とか……」といったところで会場から笑いが起きる。これは最近よく『反対俥』を掛け倒していると聞いているから一之輔ファンからの「またかお前」という笑いなのか。「……なんですか。『反対俥』やっちゃダメなんですか。面白いよ。愉快ですよ」。私は一之輔師が久しぶりだし『反対俥』も初めてなのでまったく問題ないのですが。
一之輔師のはひとりめの車夫をフィーチャーしたもの。50年前にひと月だけ車夫をやり、その後はずっと先生として生きてきたのに、孫に「おじいちゃんの車夫姿が見たい」といわれてムリヤリ復帰した嫁との折り合いが悪い車夫が、孫に見守られながらゆっくり進んでいく。……情報量多いな! まあほぼほぼ原型はないが、全編爆笑というカロリーの高い噺。「らーらーらーらーらー!」とかドラム缶飛びとか一切出てこないのに。

三三師、「ちょっと時期は過ぎてるかもしれませんが」と春の噺を。
中間の可内(べくない)の不心得を叱る四角四面さと、「なに、まだ獲っておらん? はよう獲って参れ」と命ずる落差がおかしい。
こういう若侍の姿はキャラにはまっている気がする。

大喜利は怪談師としても活躍する南湖先生が怪談を語り、その他の人が噺に対してがやがやとツッコミを入れるという怪談ブレイキングチャレンジ。
怪談は一応ノンフィクションらしく、南湖先生の著書にも書かれているものらしい。
ただやはり怪談、しかもノンフィクションとなると結構つじつまが合わないというか、「え、なんでそんなことになんの」という流れも多く、ツッコミどころが多い。
案の定、主に三三師にガンガン茶々を入れられる。毎年思うが、この大喜利で一番張り切ってるというかノリノリなのが三三師なのが面白い。遊馬師は毎年おとなしいのだが、今年は三三師に次いでツッコミを入れていたように思う。
一之輔師は数はそれほど? 兼好師にいたっては周りのツッコミにツッコむということが多かったような。
最後にアンケートを拍手で取るが、「南湖先生の怪談が怖かった人」が少量、「怖くなかった人」が多数、「ツッコミが邪魔でちゃんと聴きたかった」が大多数という結果に。

恒例の三本締めで幕。来年もあるといいなあ。
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