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三遊亭兼好 独演会 [落語]

三遊亭兼好 独演会
於:三鷹市芸術文化センター 星のホール

桂伸ぴん『あわてもの』
三遊亭兼好『王子の狐』
寒空はだか 歌うスタンダップコメディ
三遊亭兼好『寝床』

新真打の披露目はできるだけ行く
兼好師の会へ行くペースも守る
両方」やらなくっちゃあならないってのが
ファン」のつらいところだな
覚悟はいいか? オレはできてる

とブローノ・ブチャラティばりの覚悟を決めてチケットを取る。まあ別に辛いわけじゃないんだけど。ここでいう「覚悟」ってのは「財力」とほぼ同義です。
とはいえ浅草から三鷹まで約1時間半しかなく、結構ギリギリ。夕方の都心を横断しなければならず、あまり行儀はよくないが車の間をすり抜けて向かう。無事開演5分前に席に着く。

伸ぴんさん、噺の筋は『堀の内』とほぼ同じだが、お参りに行くのは浅草の観音様で、金坊と行く風呂屋がメイン。粗忽とはいえ女湯に入ったり他人の女の子脱がして「うちの子にしちゃついてるものがついてない」とか今なら確実に事案になることばかりで、時代を感じさせる。

兼好師の一席め、金翁師や圓楽師など、ここ最近であちら側へ行った師匠たちの話に。
「あの方たちは若い頃から第一線で売れ続けて、売れない時期がなく売れっ子のまま亡くなった。ああいう人は今後出てこないでしょうねえ。▲▲師匠はxxだし、〇〇師匠はxxだし、■■師匠はxxだし」と大御所を斬る。「宮治くんなんかも今頑張ってますけど、彼はすごく周りに気を使う八方美人ですからストレスは半端ないはず。だから長生きできないんじゃないですか。一之輔くんは大丈夫そうだけど途中でなんか捕まりそうだし。ちょっと違うけど伯山くんはあんな高座でぐわっとやってるんで、いつか血管切れそう」。
どういう話の流れか忘れてしまったが、「私の大好きな動物にウォンバットっているんですけど」と軽く握った拳を鼻の前に持っていく。「通じないと思うんですが」というが、おそらくあれはウォンバットのでかい鼻を表してるんだろうなあ。
ウォンバットという動物は人が大好きで、野生下にいるときよりも寿命が5倍も伸びるのだという。その他にも足立区の荒川河川敷に現れたシカなどの動物の話から『王子の狐』に。
狐を騙して扇屋に連れ込んだ男が、頼んだ酢の物を食べるときに必ずむせるのが芸が細かい。
狐を見つけた仲居がパニクってろくに話すことができず、身振り手振りで旦那に伝えた挙げ句「これなーんだ」と謎を掛けるのがおかしい。

はだか先生はいつものように。
久しぶりに見たが、いつも若々しくて見た目が変わらないのはすごい。

兼好師の二席め、宮内庁に務めるご贔屓の結婚式の司会をしたことがあるそうで、新婦がはだか先生の大ファンだったそうだ。新郎新婦入場ではだか先生の東京タワーの唄が流れたそうで、会場はぽかんとした空気が流れたらしい。そりゃそうだ。
噺に入り、重蔵が旦那に報告をする場面では「岩田のご隠居はどうした?」などと聞かれた後に一瞬考え込むような素になる間が入るのがおかしい。この間のタイミングが絶妙。
提灯屋の行かれないワケとして「すべての提灯に『鬱』って文字を入れるように頼まれた」という無茶苦茶な理由がすごい。
だんだん旦那が不機嫌になっていき、無言の間が長くなっていくのが上手い。
旦那が癇癪を起こした後に重蔵がおだてにかかるのだが、このときの「旦那が仏頂面を貫こうとしているのに思わず笑ってしまう」という表現がとにかくすごい。この「溢れ出る嬉しさを抑えきれない」という表現が自然で、見ているこちらが思わず旦那に「無理すんなよ」といいたくなってしまう。
やっぱりこういう感情の動きのグラデーションが見事だと思う。


ジョジョの奇妙な冒険 53 (ジャンプコミックス)

ジョジョの奇妙な冒険 53 (ジャンプコミックス)

  • 作者: 荒木 飛呂彦
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 1997/06/04
  • メディア: コミック



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真打昇進襲名披露興行 令和四年十月十五日 [落語]

真打昇進襲名披露興行 令和四年十月十五日
於:浅草演芸ホール

入船亭辰ぢろ『道具屋』
柳亭花ごめ『魚根問』
柳家権之助『真田小僧』
ジキジキ 漫才
春風亭一蔵『狸札』
柳亭左龍『馬のす』
林家楽一 紙切り 土俵入り 運動会 エリザベス女王
入船亭扇里『雪隠や』
三遊亭歌る多『片棒』
マギー隆司 奇術
五明楼玉の輔『マキシム・ド・呑兵衛』
鈴々舎馬風 漫談
すず風にゃん子金魚 漫才
柳亭市馬『山号寺号』
真打昇進襲名披露口上
柳亭市弥 改メ 柳亭小燕枝『高砂や』
ロケット団 漫才
入船亭扇辰『道灌』
柳家小里ん『手紙無筆』
ぺぺ桜井 ギター漫談
入船亭小辰 改メ 入船亭扇橋『転宅』

猫に本意気で指を噛まれた。
羽つきのおもちゃに興奮しているところで羽を飲み込んでしまいそうなので取り上げようとしてガブリと。うちの子たちは大変賢いので、噛まれたり引っかかれたりということをほとんどされたことがない。一度あったのは病院で注射されるときに嫌がって噛まれたくらいか。
今回は結構長い時間噛み締められて放してくれなかったので前回よりもダメージがでかい。右手の人差し指先端の感覚がちょっと麻痺していて、なんだか絆創膏を貼っているような異物感がある。まあ病院行って抗生物質ももらったので大丈夫だとは思うけど……。
なんかねえ、愛猫に手を噛まれて1週間後に亡くなった人がニュースになってたらしく、会社の人達から散々脅された。噛まれて2日経ったがまだしびれが取れない。

さて会場を浅草に変えていよいよ披露目の興行も折り返し。
浅草演芸ホールに確認したら整理券は出ないとのこと。落語協会は芸協と違ってチケットを日付で販売しているから、整理券がなくても入れないということはないのかもしれない。10時半ごろに行ってみると行列は20人ちょっとくらいか。
開場すると最初はさほど混んでいないようだったが、なんだかんだで2階席も開くほどの大盛況。上野や新宿に比べ、「初めて落語を聴きにきた」というような人が明らかに多い。さすが浅草。初心者にも敷居が低いというのはとてもいいことだと思います。

一蔵師、またもや喉の調子がヤバそうな感じ。
……ていうか一蔵師の『狸札』初めてじゃないか!? 朝呂久時代を含めても初。前座から聴いてるのにこんなネタもあるんだなあ。……まああんまり似合わないっちゃあ似合わないネタかな。

楽一さん、久しぶりに見たけどなんかすべてにおいてすごくレベルアップしてる……! お題をもらってもちょっと考えただけですぐに切りにかかり、仕上がるまでが速い! それに細部まで表現されている。

市馬師、山号寺号の中にいろいろな噺家を盛り込む。その中には新真打3人も含まれ、「扇橋さん いい感じ」「一蔵さん 健康優良児」に続き、「小燕枝さん 問題児」。弟子に厳しい。

口上は玉の輔師を司会に上手から市馬師、馬風師、扇辰師、扇橋師、歌る多師。
新宿ではなかった馬風ドミノが復活。
扇辰師が「噺によってはアタシよりもいいんじゃねぇかと……」といったときに馬風師がウンウンとうなずき、扇辰師が困っていた。

小燕枝師、「問題児の小燕枝です。師匠にそんな風に思われたたとは……。でもね、師匠にこないだ色紋付を作っていただいたんですよ。いただいて家で着てみて次の日に電話でお礼を言ったんです、『サイズぴったりでした』って。そしたら師匠にめちゃくちゃ怒られて。『お前な、噺家が着物で”サイズ”なんて言うな! こういうやつが噺の中で厠のことを”トイレ”とか言うんだ!』って。ここが地雷だったかー! とすごい謝って許して貰ったんですが、『お前、洗濯機で洗えるようなモンじゃないんだからな。ちゃんとメンテナンスしとけよ』って言ったんですよ! さすがに『師匠、そこは”手入れ”って言ったほうがいいんじゃないですか?』って……」といったところでシャツに股引姿の市馬師がほうきを持って乱入。ほうきでシバかれる小燕枝師。「ビックリしたー!」と大笑い。真面目な市馬師が乱入するのは弟子の高座だからか。

ロケット団も安定の面白さ。

扇橋師、「今日はお子さんもいらっしゃるんで……。お妾さんの出てくる噺をしようと思います。あとでお母さん困るでしょうねー」。そういうところが小燕枝師に「ネチネチ扇橋」と言われるのでは……。
ウブな泥棒の純情をもて遊ぶ色っぽいお菊とのコントラストが楽しい。
「お前さん、私たちはなんだい? 夫婦じゃないか。呼び捨てで呼んでおくれよ」と言われて「高橋!」と苗字で叫ぶ泥棒がおかしい。
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両国寄席令和4年10月13日 [落語]

両国寄席令和4年10月13日
於:お江戸両国亭

三遊亭鳳志『松山鏡』
柳家小春 粋曲
三遊亭兼好『品川心中』

やってくれたなあ天歌。
そりゃあパワハラはよくない。日々パワハラに怯える毎日を過ごしている身としてはそこは十分共感できる。
FRIDAYに載っていたのは一方の立場からしか書かれていないので、100%の信頼はできない。けどあの一門では弟子が育たないという事実から見れば、おそらくほぼ書かれていることは間違いないんだろう。書かれていることが事実だとすれば、絶対に許されることではないし、そこは厳しく裁かれなければならないだろう。

だけど、だけど、なんでそれを今このタイミングでやる?

戦うと宣言したのは半年以上も前じゃないか。協会と話し合いをしたのも夏の頃だって話じゃないか。
兄弟子たちの晴れの舞台にミソつけやがって。せめてもうひと月早ければ。
俺は一体これからどんな気持ちで口上や高座を見なきゃならないんだ。
今がどれだけ大切な期間かわからないはずがないのに、なんで兄弟子たちを巻き込んだんだ。
パワハラはダメ、ゼッタイ。それについては本当に気の毒だと思うし、かなりのサイコパスだと思う。
だけど、兄弟子たちの門出を意図的に汚したというこの行為で、俺はもう彼に対して好意的には見られない。
パワハラを受けて性格が歪んでしまったのか……。
これどうなるんだろうなあ。誰ひとり幸せにならない揉めごと。もしかしたら他にもパワハラに悩む前座や二ツ目がいて、落語協会にコンプライアンス委員会ができる、とかになったら少しはよくなるのかもしれないが。
とはいえ一蔵扇橋ファンとして、彼らの晴れ舞台に水を差した講談社と天歌には負の感情しか持てない。

さてここ最近は落語協会を過剰摂取しているのでちゃんと兼好師も行かねば。

鳳志師、最近『松山鏡』よく聴くなあ。この3か月で4回め。その前は3年前なんだから極端だ。

兼好師はちょうどひと月ぶり。
ん、なんか白髪増えて髪型変わった? 若干ツーブロックっぽくなってる。なんかすっごい違和感。
この時期は学校寄席が多いらしく、会津若松の母校でもやってきたそうだ。生徒は特に興味はなかったようで、「目になんの感情もない。一時間やったのにピクリとも笑わない。40分もすると半分くらいは死んだ魚のような目になる。あれは辛かった」そうで。俺からすれば学校で兼好師が聴けるなんてとてもラッキーなことだと思うんだけどね。
「圓楽師匠が亡くなって、『大変ね、両国寄席もなくなるんでしょ?』なんて言われますが……。たしかにここは圓楽師匠が前座に寄席の仕事を教えるために力を尽くしてくれた場所。我々も続けていこうと頑張ってますので」とのことで、両国寄席も続くようで一安心。
「『他の協会と合流すれば?』なんてことも言われますがね……」。って兼好師や萬橘師は人気者だから芸協も欲しがるかもしれないけど、ふたりにしてみれば芸協に入るメリットとかあるのかなあ。談幸師の例からすると、二ツ目のお弟子さんたちも1年とはいえ前座に戻るみたいだし。
「でもそれぞれの団体にそれぞれの特徴がある。遊び場で例えると、落語協会は格式もあるし吉原。芸術協会はもう少し自由なんで四宿。そうなると我々圓楽党はもっと気軽に岡場所、ということで……。あ、立川流は美人局」とオチをつける。
遊び場の話から四宿の品川の話になり『品川心中』に。
板頭だったお染がうつりかえができない、という話のときに「昔は衣替えが今より厳密で、『この日からは単衣、この日からは袷』と決まっていた。だから今でもその時期になると落語を聴かず着物ばかり見ているお客さんがいる。私は普段も着物ですから、そうすると街中でたまに『アナタまだ単衣なの? もう袷よ』といってくる人がいるんですよねえ。あれが腹立つ。だってTシャツ着てる人に『アナタまだTシャツなの?』って言わないでしょ?」とご不満の様子。
お染が心中相手を選ぶときに「なるべく面白い人じゃないとね、十万億土っていう遠いところ行くんだから」と面白さでピックアップしているのがおかしい。なにその人選。
今日は仕返しには行かず、金造が親分の家に戻ってくるところまで。
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真打昇進襲名披露興行 令和四年十月十日 [落語]

真打昇進襲名披露興行 令和四年十月十日
於:新宿末廣亭

入船亭辰ぢろ『子ほめ』
三遊亭伊織『花色木綿』
すず風にゃん子金魚 漫才
柳亭市弥 改メ 柳亭小燕枝『短命』
五明楼玉の輔『マキシム・ド・呑兵衛』
松旭斎美登美智 奇術
三遊亭歌る多『宗論』
入船亭扇遊『蜘蛛駕籠』
翁家和助小花 太神楽
柳亭市馬『雛鍔』
真打昇進襲名披露口上
米粒写経 漫才
春風亭一蔵『幇間腹』
入船亭扇辰『権兵衛狸』
林家正楽 紙切り 若駒 宝船 こたつとみかん
入船亭小辰 改メ 入船亭扇橋『大工調べ』

末廣亭千秋楽。
朝、猫に起こされてごはんをあげた後、雨が降っていたので朝飯を食いに行く予定をやめて二度寝を決め込む。
しばらく経って起きてみたらコレ。これが幸せというものか。
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雨が上がったのでバイクで新宿へ。思ったよりも道が混んでおり、余裕を持って出たはずが昨日よりもちょっと早い程度。整理券番号は……昨日より後ろじゃねーか。oh…。とはいえ雨が降ってないので昨日よりは待ち合いの列がきれいに並び、入場もスムーズ。
が、今日は前の方からぎっちり詰まっており、これまでで一番後ろになってしまった。
今日は早いうちから二階席も開いて大賑わい。最終日だから前売りを買った人が全員きたか(末廣亭だけは日付指定ではなく10日間どこでも入れる)。はたまた私と同じく土日しか来られない扇橋ファンがこれだけいるのか。

小燕枝師の『短命』、のっけから八っつぁんがご立腹しているパターン。
白酒師……というよりも一蔵師のに近い。ネタ交換をしたのだろうか、はたまた白酒師から教わったけれども始終一緒にいる一蔵師に引っ張られているのか。

扇遊師は『蜘蛛駕籠』。「あ~らくーまさん」のループの後、ふたり乗りの客に。扇遊師の踊る客を見てみたいものだが、この場面はやる人とやらない人がいるようだ。三遊亭の人はやるイメージ。

口上、玉の輔師が司会で上手から市馬師、扇遊師、扇辰師、扇橋師、歌る多師。
皆口々に扇橋師は「目付きが悪い」とくさしながらも温かい口上を述べる。以前は新真打は誰に何を言われようともポーカーフェイスを貫かねばならない感じだったけど、最近は結構笑ってんのね。
扇遊師からのお祝いの句は、扇橋師の本名の「太」を九代目扇橋師の句と合わせて「寄席文字の 丸くて太し 秋日和」。「師匠の句に乗って楽をしました。これを『ヒッチハイク』といいます」と落語家みたいなことをいう。いや落語家なんだけど。

米粒写経の漫才、毎回違って毎回完成度高い。すげーな。
寄席の漫才ってだいたいいつもネタが同じなんで、あんまり好きじゃないんだけど。

一蔵師、「私がヨイショが上手いということになっていますが、実はあのふたりのほうが上手い。小燕枝さんはあのキラキラとした顔で誰とでもすぐ仲良くなれるし、扇橋さんは質問上手で話している人を気持ちよくさせる。私なんて『よっ! スゴイ!』これしかありませんから」と客あしらいについて話し、そこから幇間噺へとつなげていく。
今日は時間が短いのでいろいろ刈り込んでコンパクトに。「実は若旦那のことを苦手に思っている」という描写がなく、そこが好きだったのでちょっと残念。

扇辰師、「口上で師匠の扇橋の話が出てましたんで、師匠から教わった噺をやりましょうか」と『権兵衛狸』。

扇橋師は披露目興行の直前の会でも掛けた『大工調べ』。その時は政談物をすでに掛けていたので序の部分までで終わっていたのだが、今日は最後まで。
言い立ての部分では盛大な中手が起こる。
棟梁が啖呵を切る前の、大家の因業っぷりがいい。こらあ話の筋としては大家のほうが通っているが、それでも人をキレさせる物言い。結構他の噺家さんも「棟梁が金が足りないのに『それくらいいいじゃないか』と開き直ってるのはおかしい」といろいろ苦慮をしているようだが、これなら気の短い人をキレさせられるだろうなあ。
インケン大家と江戸っ子棟梁のバチバチっぷりが楽しい。

末廣亭の2階って上がったことないんだよなー。入ってみたいが、そうすると人気の芝居にわざわざ遅れていかないといけないというジレンマが……。
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真打昇進襲名披露興行 令和四年十月九日 [落語]

真打昇進襲名披露興行 令和四年十月九日
於:新宿末廣亭

柳家小きち『小町』
三遊亭伊織『花色木綿』
すず風にゃん子金魚 漫才
入船亭小辰 改メ 入船亭扇橋『普段の袴』
三遊亭吉窓『本膳』
松旭斎美登美智 奇術
三遊亭圓歌『お父さんのハンディ』
入船亭扇遊『初天神』
翁家和助小花 太神楽
柳家小さん『長短』
真打昇進襲名披露口上
風藤松原 漫才
柳亭市弥 改メ 柳亭小燕枝『あくび指南』
春風亭一朝『小言念仏』
林家正楽 紙切り 若駒 紅葉狩り ボートレース
春風亭一蔵『火焔太鼓』

猫のワクチンを打ちに病院へ。
いつも混んでいる病院なので、下手するとワクチン打つだけで午前中いっぱいかかるが、今日は11時までで済んだ。
猫のトイレを洗ったり洗濯したり床掃除したりと家事をしてるとあっという間に時間が過ぎる。ブログ書いてる時間がないっつーか追っつかない。だいぶ割愛してるんだけどね。

さて今日は夜に雨が降るってことで電車で。
いつもとそれほど変わらない時間の16時前に着いたのだが、いつもより人が多いような……? 整理券をもらうと100超え。……ホワッツ!? え、いつもだいたいこの時間で40番台とかなんだけど、100超え? 何をした一蔵。うーむ。
しかしまあ仕方ないので並ぶ。……が人が多すぎて後ろの方は整列もできていない状況。ま、そんな後ろの番号でもひとりくらいなら結構前の方でもあいてるのよ。今日もいい席をゲット。とはいえ入場に時間がかかり、私が入る頃にはすでに前座が高座に上がってご隠居さんのところでお茶をご馳走になっていた。
今日はこの天候の中、大入り満員。口上の頃には二階席も開いていた。すげえ。

扇橋師、噺の舞台が上野広小路なので鈴本に触れないわけにはいかず。ただその後に「私は! 末廣亭の方が! 好きですけどね! 聞こえてるかな」とキョロキョロ。
ガラッパチの軽さが楽しい。

扇遊師、連日のキッチリとした高座。
『初天神』はいろんな人がいろいろアレンジしてるので、ザ・スタンダードというような型を聴けるのも新鮮。

小花さん、髪切った?
末廣亭では包丁の曲芸をする前のカード選択の茶番がなく普通に始めていたのだが、今日は前座さんを高座に寝かせてその上で包丁を回す。このパターンは初めて見た。

口上は吉窓師が司会で、上座から小さん師、扇遊師、一朝師、一蔵師、圓歌師。
扇遊師が一蔵師に句を贈る。「一蔵の 舟も高座も ……なんだっけ?」でずっこける。ガチで忘れてたっぽい。無事思い出し、「一蔵の 舟も高座も なみの上」。

小燕枝師、看板の女性が明らかに色目を使っているとわかる。
あくびの師匠はプルプルしてるかなりの高齢。これが一転あくびの稽古となるとしゃきっとなるところがおかしい。ただ、このシャキッとさを強調するためか、劇中劇の船の上であくびをするのが歳を食った旦那ではなく、若い侍になっているのはちょっと違和感かな。若い侍が「吉原で新造でも買って遊ぼうか」なんて言わないよねえ。

一朝師、国宝が得意としていたネタを。
赤ん坊をあやす仕草がなんとも可愛らしい。
披露目のめでたい席だからか、本来のオチまで行かずにどじょうやを「なんまいだー!」と呼び止めるところまで。

一蔵師、二ツ目時代に後輩たちとサイゼリヤで呑んでいるときに若者に絡まれたという鉄板マクラを。ななこさんがヤンキー達に「アタシたちは落語家よ!」と啖呵を切るアレ。
「この披露目中はいわゆる鉄板マクラを使ってこなかったんですが、今日初めて使いました。なんでかっていうと今日はななこが手伝いにきてるから」といったところでななこさんが乱入。「落語家でーっす!」と叫ぶ。というか私服が特攻服みたいであのマクラとシンクロする。
今日はたくさんの人が手伝いにきているのか、楽屋からも大きな笑い声が聴こえてくる暖かい雰囲気。
扇橋師に影響されたか、道具屋の噺を。
甚兵衛さんとおかみさんは結局のところ似たもの夫婦で、発言や行動がシンクロしているのがおかしい。

さて明日は扇橋師で末廣亭千秋楽。そういや末廣亭でのトリをまだ見ていなかった。扇遊師の扇橋師に対する句や、二階席が開くかとか、いろいろ楽しみ。
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真打昇進襲名披露興行 令和四年十月八日 [落語]

真打昇進襲名披露興行 令和四年十月八日
於:新宿末廣亭

柳亭市遼『子ほめ』
柳亭市若『間抜け泥』
すず風にゃん子金魚 漫才
春風亭一蔵『猫と金魚』
五明楼玉の輔『宗論』
松旭斎美登美智 奇術
三遊亭歌る多『松山鏡』
入船亭扇遊『たらちめ』
三増紋之助 曲独楽
柳亭市馬『三十石』
真打昇進襲名披露口上
米粒写経 漫才
入船亭小辰 改メ 入船亭扇橋『初天神』
入船亭扇辰『紋三郎稲荷』
林家正楽 紙切り 若駒 村上56号 入船亭扇橋
柳亭市弥 改メ 柳亭小燕枝『試し酒』

今日はホントは来るつもりではなかったのではあるが。
普段ならこんなことは絶対言わないんだけど、今日は敢えていう。「すまねえがワキで不味いのをやっちまってここは口直しだ」ってヤツだ。遊馬師の一席だけじゃね……。

一蔵師、ブログによれば喉は病院に行ったらしい。だいぶ声が出るようになっていた。
今回の披露目の番頭さんは朝之助さんらしいのだが、結構なポンコツらしい。昨日は㐂いちさん、市若さんがサポートで入っていたそうで、そのおふたりもなかなかのポンコツなんだとか。一蔵師が㐂いちさんに「歳いくつ?」と聞いたところ、一之輔師と10歳離れてて「ちょうどひと回り違う」と言ったらしい。「おい干支ってわかってるか? 市若お前は?」と聞いたら干支がよくわかってないそうで、さらにそこを通りかかった朝之助さんに「お前干支は?」と聞いたら「はい、すぐにお持ちします」と答えたとか。
そんなポンコツが出てくると噺の幕開きと『猫と金魚』に。
番頭さんがだいぶオドオドしており、旦那に何を言われても「あ、あ、あ、あの、いや」と怯えている。「朝之助に寄せすぎだろう!」だそうで、朝之助さんそんなに一蔵師に怯えてんの?
番頭さんの話の通じなさにイライラしている旦那の顔が大げさでおかしい。

扇遊師、いかにも入船亭の端正な『たらちめ』。
前にも書いたが、噺の上手さに定評のある師匠たちがサラッと前座噺を演って、それがまた素晴らしいのを聴くと寄席っていいなあと思う。

紋之助先生は久しぶり。相変わらずの賑やかさでおめでたい席にぴったり。

市馬師の『三十石』も圧巻。
気持ちよさそうに舟唄を披露する。
下り船の市馬師の船頭に対して、上り船の船頭として楽屋から声を掛けるのは扇遊師か。扇辰師の声ではなかったような。
こういうのは楽屋にも腕のいい師匠がいないとできない噺だよなあ。
(と思っていたら翌日の扇橋師によれば市童さんだそうだ。師弟でしっかりと打ち合わせをして演っていたそうな。わー知ったか恥ずかしー)。

口上では玉の輔師が司会で、上座から扇遊師、歌る多師、市馬師、小燕枝師、扇辰師が並ぶ。
扇辰師は「あたしゃ理事でもなんでもないんで単なる人数合わせです。小燕枝さんとは縁もゆかりもないんでよく知らないんですけど……」ととぼける。
市馬によると小燕枝師が入門志願にきたのは末廣亭だそうで、裏の通用口から出入りしていた市馬師を表で待っていたそうで、そこを通りかかった先代の扇橋師が引き合わせてくれたらしい。正式に弟子入りした後でたまたま会った喫茶店で師弟で「こないだ口利きをしていただいたアレ、正式に弟子にしました」と報告したところ「……なんのこと?」と言われたとか。

米粒写経、最近の坂道グループに対抗して「日本には昔からアイドルグループがいるでしよう! SJS47……四十七士47が!」と会員番号1番の大石内蔵助から自己紹介していくネタ。こないだも思ったけどネタの完成度高えなあ。

扇橋師、「小燕枝さんが入門できたのは先代扇橋のおかげ。……てことはアタシのおかげでもある……?」とよくわからない理屈。
最近息子さんが風船に顔を描いて「これ父ちゃん。最近帰ってこないから……」とやっているらしい。ドリブルされて割られてるらしいが。
そんなことから子どもの噺に。
そういえば新真打たちはトリネタは毎回変えるだろうが、その他の出番でのネタはどうするんだろ。私が行ったうちでは今んところダブりはないようだが、トリ以外でも変えているなら結局五十席必要になるわけで、準備も大変だ。

扇辰師、平馬が狐を騙るときはクサめに、その他はサラリと端正に。その加減がとてもいい。

小燕枝師、「いやー、この披露目は楽しい。皆が盛り上げてくれて、口上では各師匠がいいことを言ってくれて……。楽しいだけじゃなくて幸せです。……そん中で……誰だ正楽師匠に『扇橋』を頼んだのは! 普通ここは『小燕枝』でしょ! アンタか! 覚えてろ!」。
自身の酒好きの話から酒場でのエピソードを。誰とでもすぐに仲良くなるというのは他の人からもよく言われるが、酒場で隣り合った人ともすぐに打ち解けられ、それが外国人でも同じだそうだ。カナダ人と仲良くなったり、コンゴ人に持ってた落語協会の浴衣を着せて写真を撮らせたりとか。一緒に呑んでいた後輩からは次の日に「コンゴともよろしくお願いします」というメールが届いたとか。
そんな酒好きの噺から『試し酒』に。
田舎者の権助も小燕枝にかかれば憎めない愛嬌のあるキャラクターになる。やっぱりこの「誰からも愛される」というのは間違いなくこの人の大きな武器だろう。

今日も最後にイケメンかっぽれを踊って幕。
浅草と池袋の小燕枝師のトリの日は都合が合わなかったので私の小燕枝師主任は千秋楽。まあ一蔵扇橋の日は行くので寄席では見るんだけどね。
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お江戸上野広小路亭 2022年10月8日 [落語]

お江戸上野広小路亭 2022年10月8日
於:御徒町 上野広小路亭

桂れん児『やかん』
三遊亭遊かり『堪忍袋』
桂南楽『狸札』
国分健二 漫談
春風亭小柳『新聞記事』
三遊亭遊馬『佐野山』
好田タクト 指揮者形態模写
桂小南『鰻の幇間』

今年はホントに遊馬師を聴く機会が少ない。
結構コンスタントに寄席でトリを取っているようだが、1日も土日にかかっていなかったり落協秋の新真打披露興行にぶつかっていたり。
ということで広小路亭に。

前座のれん児さん、『白山くんと三田さん』という漫画の主人公の白山くんがメガネを外したときに髪型含めてそっくり。この漫画シュールで面白いので好き。
れん児さん、最初はぎこちなかったが、ヤカンの講談部分ではスラスラと。

……遊かりさん、なんですかこのザマは。
遊雀師の緩急とか間とか一切なし、というか潰されていた。形だけは似ているが正直酷くてクスリともできなかった。
オチまで行かず、堪忍袋に悪態をついただけという中途半端なところでサゲ。おいおい。
あー来月の遊雀師との親子会予約したんだけどなあ。
もとより遊雀師に払うつもりだからいいんだけど、今日の出来だったら金は払えないよ。

南楽さん、のび太のような風貌で俯いて何やらゴニョゴニョ言っていて、よく聞き取れない。まあまだ二ツ目に昇進して間もないようだから仕方ないのかもしれないが。
こういうキャラで、噺に入ったらシャキッと変わるのかな? と思っていたらそんなこともなかった。
まあわさび師のような例もあるし、案外こういうタイプは化けるかもしれない。ごめん適当。

お目当ての遊馬師が出てきたときの安心感たるや。
あまり芸協に馴染みのない私からすると、よく知らない外国で「この国の料理あんまり口に合わないな……」と思っていたところにマックを見つけたようなもん。あーよかった、もう何頼んでも美味しいに決まってるって感じ。
まあ噺は『佐野山』なんで、遊馬師の寄席のスタンダードというか。他のネタも聴きたいなあ! ねえ! 頼むよ!

仲入りまで聴いたところで目的も果たしたので退出。


白山と三田さん(1) (少年サンデーコミックス)

白山と三田さん(1) (少年サンデーコミックス)

  • 作者: くさかべゆうへい
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2022/04/18
  • メディア: Kindle版



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真打昇進襲名披露興行 令和四年十月二日 [落語]

真打昇進襲名披露興行 令和四年十月二日
於:新宿末廣亭

柳亭市遼『たらちね』
三遊亭わん丈『新・蝦蟇の油』
ジキジキ 夫婦漫談
春風亭一蔵『浮世床(本)』
林家彦いち『ねっけつ!怪談部』
松旭斎美登美智 奇術
三遊亭圓歌『爆笑龍馬伝』
入船亭扇遊『一目上がり』
翁家和助小花 太神楽
柳亭市馬『目黒の秋刀魚』
真打昇進襲名披露口上
風藤松原 漫才
入船亭小辰 改メ 入船亭扇橋『金明竹』
春風亭一朝『芝居の喧嘩』
林家正楽 紙切り 若駒 どもまた 三人集
柳亭市弥 改メ 柳亭小燕枝『夢の酒』

今日はなんかうまくいかない。行きたかったモーニングがいっぱいで入れなかったりとか代わりに入った店が高い割にイマイチだったりとかその後にもっと良さげな店が見つかるとか。買い物しにスーパー行ったら駐車場のいいポジションに空きがなかったり、いつも買ってる猫砂やビールが売り切れてたり。ひとつひとつはそれほどでもないんだけど、積み重なるとイライラする。
なんてことを思っていたら今日はあまりいい席が取れなかった。うーむ。

一蔵師、末廣亭2日めにしてもう声がカスカス。まだ全体の1/4も終わってないのに大丈夫か。「お察しください」とはいっていたが、打ち上げ控えたほうがいいんじゃ……。
そんなカスカスの声で『太閤記』を読み上げる。だいぶ読み上げるペースが遅いというか同じところを繰り返してるなと思ったら、「あとの彦いち師匠がまだこない」そうで。

その分彦いち師は短め。『ねっけつ!怪談部』の半分くらいのところで「今日のところはお時間です」と引っ込む。

扇遊師、やっぱり披露興行ではそれぞれの持ち時間が短いからか、前座噺が多い。扇遊師のような腕に定評のある師匠の前座噺を聴けるのも珍しくて楽しい。

市馬師、秋刀魚を提供してくれた農家に、家来衆が小判を渡しているという描写があるのは初めて聴く。こういうケアまで描くのも市馬師の優しさがにじむ。

口上は彦いち師が司会で、上手から一朝師、扇遊師、市馬師、小燕枝師、園歌師の順に並ぶ。
扇遊師は口上で「芸の坂 越えんし先に 花盛り」と一句贈る。
皆が口々に小燕枝師をイケメンだなんだと囃す中、師匠の市馬師は「我々は昭和の顔をしていますから。でも扇遊師匠はそれこそ役者のようないい男で……。今は見る影もありませんが」といじると「そうだそうだ」「ザマーミロ」と一朝師が野次を飛ばし、扇遊師は「ヤなとこ座っちゃったなあ」と苦笑い。実に明るく楽しい口上だった。

扇橋師、「なんか師匠がね、……今日は楽屋にいないんで言っちゃうんですけど、なんか披露目が始まってから優しいんですよ。いや元から優しいんですけど、さらに輪をかけて優しいの。ずっとニコニコしてるんです」。そりゃあ弟子の門出が嬉しいんでしょう。しかもいい名前をもらって、師匠冥利に尽きるんじゃないだろうか。
言い立ても超高速ながらビシッと決まり、それでいて聞き取りやすい。

一朝師、普段なら威勢よく啖呵を切ったあとに殴ったことを表す仕草としてパーンと手を叩くのだが、今日は包帯をしているので無理。ヒビが入っているそうで、そんなことしたら大変だ。

小燕枝師、「以前、大師匠の五代目の小さん師匠が夢に出てきたことがありまして。なぜか私と扇橋さんと対談してるんです。で、最後に『なにか聞きたいことがあるか』と言われて、『私の師匠が前座の頃はどんなでしたか?』と聞いたら『あいつは女々しかった』と答えられた。その夢を見た次の日に師匠の家に行って挨拶したときに思い出してつい笑っちゃったんです。それを師匠に見咎められて『なんで人の顔見て笑ったんだ』と聞かれて夢の話をしたら、それから2週間くらい口を利いてくれなかっ……」といったところでなんとゴザを持った市馬師が乱入し、小燕枝師を追い立てる。まさか落語協会の会長がそんなサービスをしてくれるとは。小燕枝師はちょっと放心状態になっていた。
そんな夢の話から『夢の酒』に入る。そんな入船亭の前で!? と思ったが、冒頭で「今日はやりたい噺をやります」といっていたのはこのことかとも思う。
大旦那は酒の燗を待ちますといいながらノータイムで「お燗はまだですかな」と聞くせっかちぶりがおかしい。
鈴本でのトリのときもそうだったが、噺の後で踊りを。今日は「普通のかっぽれ」と「イケメンかっぽれ」とどっちがいいですかと客席に訪ね、「イケメンかっぽれ」に。ところどころでイケメン風のポーズを決めるのがおかしい。これ橘之助師匠に見られたらまたチクリと言われそう……。
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真打昇進襲名披露興行 令和四年十月一日 [落語]

真打昇進襲名披露興行 令和四年十月一日
於:新宿末廣亭

春風亭いっ休『狸札』
春風亭一花『黄金の大黒』
ジキジキ 夫婦漫談
入船亭小辰 改メ 入船亭扇橋『蝦蟇の油』
五明楼玉の輔『マキシム・ド・呑兵衛』
松旭斎美登美智 奇術
三遊亭圓歌『やかん工事中』
柳家小さん『豆や』
翁家和助小花 太神楽
柳亭市馬『粗忽の釘』
真打昇進襲名披露口上
米粒写経 漫才
柳亭市弥 改メ 柳亭小燕枝『真田小僧』
春風亭一朝『雑俳』
林家正楽 紙切り 若駒 ボートレース 三人集
春風亭一蔵『八五郎出世』

圓楽師の一報には本当に驚いた。携帯に入った速報を見て、仕事中にも関わらず「えっ!」と大きな声を出してしまった。こないだ復帰したばかりだったのに、まさかこんなに早くお別れが来るとは。子どもの頃、『笑点』で一番好きな回答者でした。ご冥福をお祈りいたします。これから圓楽党はどうなるのかなあ。

さて今日からは場所新宿末廣亭に変えての披露興行。なので新宿でメシを食い、14時前に着くように13時半頃末廣亭に向かう。

……なんで……!?

いやなんで自分!? なんで14時開演だと思ってた!? いや昨日までは「末廣亭は夜席だから、昼になんかいい会あるかなー?」なんてかわら版見てたじゃん? なんで当日になって14時開演だと思い込んだんだろう……。しかも14時って昼席にしても夜席にしてもすっごい半端な時間じゃん? どっから14時って出てきたの? 怖いわー。しかも末廣亭のもぎりで「このチケットは夜席でしか使えませんよ」って言われるまで気づかない自分が怖い。すでにボケ始めてるのか……!? まだ50にもなってないのに?

それにしても開場が16時半なので3時間も空いてしまった。時間潰してもいいけど、3時間はさすがに持て余すな……。というわけで一度帰る。あーすげームダ。
せっかくなので途中にある小野照崎神社に立ち寄る。芸能にご利益がある神社で、今日からの末廣亭の披露目興行がうまくいきますようにとお祈りする。ここは仕事にもご利益があり、ここにお参りするようになってから仕事での理不尽な要求が減った(ような気がする)。
そんで家で1時間ほど過ごしてすぐに再び末廣亭に。忙しないなあ。

一花さん、違ってたら申し訳ないけど、これは兼好師から教わったのかな。俺が兼好ファンだからってのもあるんだけど、やっぱり兼好師の噺には「あ、これは兼好オリジナルだ」と感じるフレーズや仕草がある。

扇橋師、「10日間過ごして我々3人それぞれを一言で表せることに気がつきました。一蔵アニさんが『ガンガン』、小燕枝アニさんが『キラキラ』、アタシは『ジメジメ』」だそうで。
今日は明るく『蝦蟇の油』。扇橋師のは酔っ払った香具師が子どもっぽくなって周りの野次馬と言い争いをするのが楽しい。言い間違いを指摘する子どもに対して「そう言いましたー!」とムキのになるのがおかしい。

市馬師、粗忽な熊さんではあるが、やはりそこはかとなく悠揚とした佇まいを感じさせる。
おかみさんも落ち着いていてキツさを感じさせない。

口上、司会の玉の輔師が「今日から馬風師匠がいないので気が楽です」。上手から市馬師、小さん師、一朝師、一蔵師、圓歌師が並ぶ。
小さん師は三人集の中の柳派のふたりについて話して終わろうとし、今日の主役の一蔵師については「あまり知らない」と言って笑いを取る。
一朝師の右手には包帯が巻かれており、どうしたのかと思ったら転んだのだという。馬風ドミノで吹っ飛び過ぎたのかと思った。高座に上がれるのだから大事はないとは思うが少し心配ではある。

米粒写経、客から道府県を言われると即座にその県のいいところをスラスラと答えていい気分にさせるというネタ。それもいいところを箇条書きでいくつか挙げるとかではなく、蘊蓄や時事ネタなどをふんだんに織り交ぜて立板に水で語るのだからすごい。

小燕枝師、「さっき扇橋さんが自分のことを『ジメジメ』だって? アレは『ネチネチ』っていうんですよ」とくさすとパーンと楽屋が開いてスーツ姿の扇橋師が顔を出す。仲良し。
「キラキラ」の小燕枝師、金坊もおとっつぁんも威勢がよく、それこそガンガンと噺が進む。

包帯が痛々しい一朝師、やっぱり師匠は前座噺を掛けるというお約束があるのか『雑俳』を。りん回しのときに珍しく止まってしまい、「……アタシもしばらくやってませんので……」とポツリ。それでもすぐに思い出し、あんなややこしいセリフが出てくるんだから噺家ってすごい。

一蔵師、身分制度があるという導入ではありながら、八五郎の態度はどこまでも大きく、お殿様が寛容なので身分の差があまり感じられない。一蔵師の押しの強さで余計にそう思うのか。
そこから酔った八五郎が母親を想う言葉を出すときの落差がすごい。

新宿という場所柄か、若い女性が上野よりも多い気がする。なんか華やか。
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