SSブログ

真打昇進襲名披露興行 令和四年十月八日 [落語]

真打昇進襲名披露興行 令和四年十月八日
於:新宿末廣亭

柳亭市遼『子ほめ』
柳亭市若『間抜け泥』
すず風にゃん子金魚 漫才
春風亭一蔵『猫と金魚』
五明楼玉の輔『宗論』
松旭斎美登美智 奇術
三遊亭歌る多『松山鏡』
入船亭扇遊『たらちめ』
三増紋之助 曲独楽
柳亭市馬『三十石』
真打昇進襲名披露口上
米粒写経 漫才
入船亭小辰 改メ 入船亭扇橋『初天神』
入船亭扇辰『紋三郎稲荷』
林家正楽 紙切り 若駒 村上56号 入船亭扇橋
柳亭市弥 改メ 柳亭小燕枝『試し酒』

今日はホントは来るつもりではなかったのではあるが。
普段ならこんなことは絶対言わないんだけど、今日は敢えていう。「すまねえがワキで不味いのをやっちまってここは口直しだ」ってヤツだ。遊馬師の一席だけじゃね……。

一蔵師、ブログによれば喉は病院に行ったらしい。だいぶ声が出るようになっていた。
今回の披露目の番頭さんは朝之助さんらしいのだが、結構なポンコツらしい。昨日は㐂いちさん、市若さんがサポートで入っていたそうで、そのおふたりもなかなかのポンコツなんだとか。一蔵師が㐂いちさんに「歳いくつ?」と聞いたところ、一之輔師と10歳離れてて「ちょうどひと回り違う」と言ったらしい。「おい干支ってわかってるか? 市若お前は?」と聞いたら干支がよくわかってないそうで、さらにそこを通りかかった朝之助さんに「お前干支は?」と聞いたら「はい、すぐにお持ちします」と答えたとか。
そんなポンコツが出てくると噺の幕開きと『猫と金魚』に。
番頭さんがだいぶオドオドしており、旦那に何を言われても「あ、あ、あ、あの、いや」と怯えている。「朝之助に寄せすぎだろう!」だそうで、朝之助さんそんなに一蔵師に怯えてんの?
番頭さんの話の通じなさにイライラしている旦那の顔が大げさでおかしい。

扇遊師、いかにも入船亭の端正な『たらちめ』。
前にも書いたが、噺の上手さに定評のある師匠たちがサラッと前座噺を演って、それがまた素晴らしいのを聴くと寄席っていいなあと思う。

紋之助先生は久しぶり。相変わらずの賑やかさでおめでたい席にぴったり。

市馬師の『三十石』も圧巻。
気持ちよさそうに舟唄を披露する。
下り船の市馬師の船頭に対して、上り船の船頭として楽屋から声を掛けるのは扇遊師か。扇辰師の声ではなかったような。
こういうのは楽屋にも腕のいい師匠がいないとできない噺だよなあ。
(と思っていたら翌日の扇橋師によれば市童さんだそうだ。師弟でしっかりと打ち合わせをして演っていたそうな。わー知ったか恥ずかしー)。

口上では玉の輔師が司会で、上座から扇遊師、歌る多師、市馬師、小燕枝師、扇辰師が並ぶ。
扇辰師は「あたしゃ理事でもなんでもないんで単なる人数合わせです。小燕枝さんとは縁もゆかりもないんでよく知らないんですけど……」ととぼける。
市馬によると小燕枝師が入門志願にきたのは末廣亭だそうで、裏の通用口から出入りしていた市馬師を表で待っていたそうで、そこを通りかかった先代の扇橋師が引き合わせてくれたらしい。正式に弟子入りした後でたまたま会った喫茶店で師弟で「こないだ口利きをしていただいたアレ、正式に弟子にしました」と報告したところ「……なんのこと?」と言われたとか。

米粒写経、最近の坂道グループに対抗して「日本には昔からアイドルグループがいるでしよう! SJS47……四十七士47が!」と会員番号1番の大石内蔵助から自己紹介していくネタ。こないだも思ったけどネタの完成度高えなあ。

扇橋師、「小燕枝さんが入門できたのは先代扇橋のおかげ。……てことはアタシのおかげでもある……?」とよくわからない理屈。
最近息子さんが風船に顔を描いて「これ父ちゃん。最近帰ってこないから……」とやっているらしい。ドリブルされて割られてるらしいが。
そんなことから子どもの噺に。
そういえば新真打たちはトリネタは毎回変えるだろうが、その他の出番でのネタはどうするんだろ。私が行ったうちでは今んところダブりはないようだが、トリ以外でも変えているなら結局五十席必要になるわけで、準備も大変だ。

扇辰師、平馬が狐を騙るときはクサめに、その他はサラリと端正に。その加減がとてもいい。

小燕枝師、「いやー、この披露目は楽しい。皆が盛り上げてくれて、口上では各師匠がいいことを言ってくれて……。楽しいだけじゃなくて幸せです。……そん中で……誰だ正楽師匠に『扇橋』を頼んだのは! 普通ここは『小燕枝』でしょ! アンタか! 覚えてろ!」。
自身の酒好きの話から酒場でのエピソードを。誰とでもすぐに仲良くなるというのは他の人からもよく言われるが、酒場で隣り合った人ともすぐに打ち解けられ、それが外国人でも同じだそうだ。カナダ人と仲良くなったり、コンゴ人に持ってた落語協会の浴衣を着せて写真を撮らせたりとか。一緒に呑んでいた後輩からは次の日に「コンゴともよろしくお願いします」というメールが届いたとか。
そんな酒好きの噺から『試し酒』に。
田舎者の権助も小燕枝にかかれば憎めない愛嬌のあるキャラクターになる。やっぱりこの「誰からも愛される」というのは間違いなくこの人の大きな武器だろう。

今日も最後にイケメンかっぽれを踊って幕。
浅草と池袋の小燕枝師のトリの日は都合が合わなかったので私の小燕枝師主任は千秋楽。まあ一蔵扇橋の日は行くので寄席では見るんだけどね。
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:芸能

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。