SSブログ

瀧川鯉昇 三遊亭兼好二人会〜けんけんと鯉のぼり〜 [落語]

瀧川鯉昇 三遊亭兼好二人会〜けんけんと鯉のぼり〜
於:清澄白河 深川江戸資料館

柳家しろ八『動物園』
瀧川鯉昇『千早振る』
三遊亭兼好『宮戸川』
瀧川鯉昇 三遊亭兼好 お喋り
三遊亭兼好『孝行糖』
瀧川鯉昇『ねずみ』

今日も早起きして朝バイク。3時間ほど走って自分の母校やその周辺を回る。そのために昨日遅くまでかかってブログを書き上げ、睡眠時間も削っている。俺がこんなに勤勉だとは。

昨年もGWに開かれた鯉昇師と兼好師の二人会。昨年は前日夜に胆石の発作を起こし、ほぼ寝ていない状態できたため、高座中うつらうつらしてほとんど覚えていないという大失態。そういやあれから胆石の発作が出てないな……。

鯉昇師の一席め、この師匠の話すテンポやテンション、スピードがものすごく心地いい。ゆったりとした話しぶりで気負ったようなところはないのにところどころで面白いことを入れ込んでくる。それがすごく楽しい。
最初は普通の『千早振る』だったのだが、「お前『竜田川』ってなんことだと思う? ヒント。ナイル川。インダス川。チグリスユーフラテス川」「あ、川の名前ですか?」「残念。モンゴル出身力士だ」のあたりからちょっと変わった千早に。
千早太夫は南千住のロシアンバーのチハヤスカヤだし。チハヤスカヤに振られた竜田川がモンゴルに帰るのだが、やっぱり豆腐屋になる。おからが重要な話の流れ上、豆腐屋にならざるを得ないのだが、モンゴルに豆腐屋があるんかい、というおかしさがある。
落籍れた旦那から離縁されて落ちぶれたチハヤスカヤが、最後にもらった味噌ひと樽をラクダに乗せて竜田川のところにくるというのもシュールすぎる。モンゴルにラクダいるのか……?

兼好師の一席め、最近の日本では75歳以上か2000万人になったと話す。これはオランダの人口よりも多く、オーストラリアの人口よりもやや少ないくらいなのだそうだ。「オーストラリア行ったらカンガルーとコアラと高齢者に会うようなもんです」。ん?
「これだけの人数がいるんだったらいっそ名古屋あたりで独立してしまえばいい。愛知と岐阜があればいいんじゃないですか。お金もそこそこ持ってるし、そこだけで経済が回るでしょ。『高齢化のせいで経済が』とかもいわれなくなりますし、どちらにとってもいいと思うんですけどねえ」とぶち上げる。「政治家なんかも二階さんなんかそっちの国ではまだ小僧ですよ。鯉昇師匠もあと数年でそっちですけど、そっちでは前座ですから」と楽しそう。
「高齢者が若さを保つのは色気が必要。ここだけのハナシ、五代目の圓楽師匠なんか最晩年にふたりの女性に自宅の合鍵を渡してましたからね。……ヘルパーさんですけど」と見事に落としてから『宮戸川』に。
お花を見つけた叔父さんが、小鼻をピクピクと動かしてからニヤーっと笑うその表情の動きがお見事。
寝ている婆さんを見て「昔は今小町と呼ばれたいい女だったんだがなあ。俺も業平って呼ばれてた」とつぶやくと先ほどの『千早振る』があったのでウケる。こういうの上手いなあ。その婆さんを見ながらも「まあ今もいい女ではあるんだけどな」とか妬いている婆さんを見て「何だお前かわいいな」といったり、いまだに仲良しな老夫婦の姿が微笑ましい。

仲入り後にふたり揃ってのトークコーナー。
「去年もあったんですけど、なにを話したのかなにも覚えていない」というおふたり。「前座さんがこの会のことを書いているブログとかも調べてくれたんですけど、とても話せるような内容ではないそうで……」とこのブログも見てもらったのかな。まあ前述のように昨年はとにかく眠かったので、内容も覚えてなくてろくなこと書いていないのだが。
離昇師の「今日は満席ですけど、コロナの間のひと席おきという配置に慣れてしまって、隣に人がいるのが嫌だという人がまだいるみたいですね。『その点お前の会は程よく空いてていい』なんてことをいわれますけど」という話をきっかけに、寄席の座席の話に。
末廣亭の椅子は鈴本のお下がりだったことがある、とか桟敷は普段2列しか入らないが正月などの特別な興行のときは4列入れてしまうとか。「桟敷は茶筒と同じで、お客さんが笑うと間隔がいつの間にか詰まっていくんですよ。だから開演後30分くらいの場所に爆笑派の人を出して、寄席が湧いた後にどんどん客を入れちゃう」という裏話?が興味深い。
「それと昔の末廣亭はトイレが男女共用だったんですよ。入口は分かれてるのに中は同じ。昔はご婦人が寄席にくることをあまり想定してないんだ。それに男性が小をするときの場所が、便器があるんじゃなくて壁に向かってやるスタイル。個室はその後ろを通らないと行けない。そうすると女性はトイレに行くのに4本くらい見なくちゃいけない」「4『本』って本で表せないでください!」とほぼ聞き役に徹していた兼好師も楽しそう。

兼好師の二席め、「昔は与太郎も世の中から受け入れられていた」と『孝行糖』に。噺の前のバカの小咄が初めて聴くものだった。
相変わらず賑やかで気のいい人がたくさん出てくるので、聴いていてぱっと明るくなるのがいい。

鯉昇師の二席めの『ねずみ』はほとんど改変もなくスタンダードな形。ただねずみを彫るときには甚五郎だと明かさない。とはいえ彫ったネズミの脇に「ねずみやに泊まってください」という但書きに甚五郎の名前があるという粋な形に。
評判となったねずみやが、「江戸から来たんだ、泊めつくれ」と旅人からいわれ、「あそこにいる人が泊まるのを待っている人たちの最前列。最後尾は小田原まで続いているので小田原まで行ってください」とにべもないのがおかしい。

今日はこれから高校時代の友人と飲み。最近歯茎に菌が入って腫れているので抗生物質を飲んでおり、酒は飲んでいないのだが大丈夫か?
nice!(1)  コメント(0) 
共通テーマ:芸能

nice! 1

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。