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真打昇進襲名披露興行 令和四年十月十六日 [落語]

真打昇進襲名披露興行 令和四年十月十六日
於:浅草演芸ホール

昼席
入船亭扇ぱい『一目上がり』
春風亭一花『金明竹』
玉屋柳勢『やかん』
ジキジキ 漫才
柳亭市弥 改メ 柳亭小燕枝『元犬』
柳亭左龍『宮戸川』
ホームランたにし 漫談
春風亭柳朝『熊の皮』
三遊亭圓歌『やかん工事中』
マギー隆司 奇術
林家彦いち『睨み合い』
鈴々舎馬風 漫談
すず風にゃん子金魚 漫才
春風亭一朝『牛ほめ』
真打昇進襲名披露口上
入船亭小辰 改メ 入船亭扇橋『鋳掛や』
ロケット団 漫才
入船亭扇辰『たらちめ』
五街道雲助『狸賽』
立花家橘之助 浮世節
春風亭一蔵『ちりとてちん』

夜席
春風亭貫いち『からぬけ』
林家あんこ『つる』
春風亭三朝『洒落番頭』
林家正楽 紙切り 相合傘 虫の音 ハロウィン
神田茜『初恋閻魔』
古今亭文菊『浮世床(本)』
江戸家小猫 ものまね
柳家わさび『券売機女房』
林家しん平 漫談

普段週末の家事は土曜にまとめてすることが多いのだが、昨日は一日中出かけていて何もできていない。
なので朝にバタバタと掃除洗濯買い物図書館などを済ましていたら、昨日よりも遅くなってしまった。が、昨日と同じ席に座れた。やっぱり昼席の最初からってのはハードルが高いのかもしれない。

一花さん、毎度の物販のお知らせから。「オヤブンから『Tシャツ売ってこい!』と言われてるので……。みなさんこの件もういいよとお思いかもしれませんが……」。大変だねえと思いながらももうお約束みたいなものだからなあ。
2回めの言い立てでピタッと止まってしまうというハプニングもあり。

柳勢師、「噺家というのは不思議なもので、ひとりが間違えると後の人がつられるように間違える。この後の人たちが間違えないようにするには私にかかっている」と壮大なフラグを立てる。
案の定「八ヶ岳」という言葉を噛んでちょっとつっかえる。普段ならスルーされてしまう程度だろうが、事前にフラグを立てていたものだから観客も見逃さない。
がっくりとうなだれ、「一花のばかーーー!」。

小燕枝師、人間に変わり上総屋と一緒にご隠居のところへ行くところから。
シロの無邪気な感じが小燕枝師の「キラキラ」と相まって明るく楽しい雰囲気になっている。
「もとは居ぬか」というスタンダードなサゲではなくちょっと変わっていた。最近はそっちのほうが多いような気がする。

にゃんこ金魚先生の高座でゴリラのものまね中にミカンを差し出す人が。
ゴリラの金魚先生が受け取り高座で食べる。え、いいの? 浅草ゆるいな。
というか差し出したのが中学生くらいの子で、なんでそのくだり知ってんだと別の意味でも心配になる。余計なお世話ですね。

口上、彦いち師が司会で上座から馬風師、圓歌師、一朝師、一蔵師、扇辰師。
つーか口上に上がるんだ……。正直この人に上がってほしくないなあ。
協会も見ないふりして押し切るつもり? もう今後笑えないよ。
そんないろいろざわついている状態の中で、一蔵師は「披露目だからとかまったく気にしない。早く戻って披露目の手伝いにこい!」と侠気あふれるTweetをしている。
もうこっちが泣きそうになったわ。
私も「なにもこの時期に」と思ったし文句もいったが、本人がこう言うならもう何もいえない。
これぞ親分、もう一生贔屓にする。

扇橋師は得意ネタ。
もう何度も聴いているし、どこが変わったとかではないのだが、やっぱり披露目という特別な空気だからか、なんか違うような気がする。なんだろうこの感じ。なんかこう悪ガキたちもいつもよりはしゃいでるような心持ちになる。たぶん気のせい。
浅草は下の方から見上げる形になるからか、悪ガキ共が一列に並んで「どぅわあぁ~~~」と走ってるときに白目になっていることに初めて気づいた。

雲助師、やっぱり博打をやっているときの仕草などがカッコいい。

橘之助師、いつもよりも長めに。過去の名人の出囃子を聴かせてくれる。黒門町文楽師の『野崎』や五代目小さん師の『序の舞』などを。今ちょうど図書館で寄席囃子のCDを借りて勉強というか聴き分けができるようになりたいと思っていたので嬉しい。ていうか『序の舞』と『勧進帳』と『中の舞』って何が違うんだ。

一蔵師の『ちりとてちん』は2年近くぶり。一時期はよく聴いていたが。
寅さんのヨイショぶりも六さんの偽悪っぷりも一蔵師のキャラによく合っている。
ご隠居に「頼みがある」と言われて「行きます! 懲役!」と「行かねえよ! 懲役!」と返すふたりがおかしい。

浅草は披露目の興行でも入れ替えしないというので夜の部にも残る。

あんこさん、八公が友だちの家でつるの由来を話すとき、「オスがつーっと飛んできて浜辺の松へポイと止まった」って正しくやってない……? 正しいけど間違ってんぞ。しかもやり直しの場面でもまた正しくやってたような?

正楽師匠、「ハロウィン」というお題もジャック・オー・ランタンと魔女、幽霊を切り抜く。後ろのお囃子も『スリラー』だったようで、「これマイケル・ジャクソンじゃない?」と気づいた様子。

文菊師は相変わらずこってりと。
上手いんだけど、ちともたれそう。

しん平師はたらこやタピオカ、浅草風景などをポンポンと歯切れよく繰り出して面白い。

ここらで7時間ほど経過、さすがに腰が痛くて帰宅。
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三遊亭兼好 独演会 [落語]

三遊亭兼好 独演会
於:三鷹市芸術文化センター 星のホール

桂伸ぴん『あわてもの』
三遊亭兼好『王子の狐』
寒空はだか 歌うスタンダップコメディ
三遊亭兼好『寝床』

新真打の披露目はできるだけ行く
兼好師の会へ行くペースも守る
両方」やらなくっちゃあならないってのが
ファン」のつらいところだな
覚悟はいいか? オレはできてる

とブローノ・ブチャラティばりの覚悟を決めてチケットを取る。まあ別に辛いわけじゃないんだけど。ここでいう「覚悟」ってのは「財力」とほぼ同義です。
とはいえ浅草から三鷹まで約1時間半しかなく、結構ギリギリ。夕方の都心を横断しなければならず、あまり行儀はよくないが車の間をすり抜けて向かう。無事開演5分前に席に着く。

伸ぴんさん、噺の筋は『堀の内』とほぼ同じだが、お参りに行くのは浅草の観音様で、金坊と行く風呂屋がメイン。粗忽とはいえ女湯に入ったり他人の女の子脱がして「うちの子にしちゃついてるものがついてない」とか今なら確実に事案になることばかりで、時代を感じさせる。

兼好師の一席め、金翁師や圓楽師など、ここ最近であちら側へ行った師匠たちの話に。
「あの方たちは若い頃から第一線で売れ続けて、売れない時期がなく売れっ子のまま亡くなった。ああいう人は今後出てこないでしょうねえ。▲▲師匠はxxだし、〇〇師匠はxxだし、■■師匠はxxだし」と大御所を斬る。「宮治くんなんかも今頑張ってますけど、彼はすごく周りに気を使う八方美人ですからストレスは半端ないはず。だから長生きできないんじゃないですか。一之輔くんは大丈夫そうだけど途中でなんか捕まりそうだし。ちょっと違うけど伯山くんはあんな高座でぐわっとやってるんで、いつか血管切れそう」。
どういう話の流れか忘れてしまったが、「私の大好きな動物にウォンバットっているんですけど」と軽く握った拳を鼻の前に持っていく。「通じないと思うんですが」というが、おそらくあれはウォンバットのでかい鼻を表してるんだろうなあ。
ウォンバットという動物は人が大好きで、野生下にいるときよりも寿命が5倍も伸びるのだという。その他にも足立区の荒川河川敷に現れたシカなどの動物の話から『王子の狐』に。
狐を騙して扇屋に連れ込んだ男が、頼んだ酢の物を食べるときに必ずむせるのが芸が細かい。
狐を見つけた仲居がパニクってろくに話すことができず、身振り手振りで旦那に伝えた挙げ句「これなーんだ」と謎を掛けるのがおかしい。

はだか先生はいつものように。
久しぶりに見たが、いつも若々しくて見た目が変わらないのはすごい。

兼好師の二席め、宮内庁に務めるご贔屓の結婚式の司会をしたことがあるそうで、新婦がはだか先生の大ファンだったそうだ。新郎新婦入場ではだか先生の東京タワーの唄が流れたそうで、会場はぽかんとした空気が流れたらしい。そりゃそうだ。
噺に入り、重蔵が旦那に報告をする場面では「岩田のご隠居はどうした?」などと聞かれた後に一瞬考え込むような素になる間が入るのがおかしい。この間のタイミングが絶妙。
提灯屋の行かれないワケとして「すべての提灯に『鬱』って文字を入れるように頼まれた」という無茶苦茶な理由がすごい。
だんだん旦那が不機嫌になっていき、無言の間が長くなっていくのが上手い。
旦那が癇癪を起こした後に重蔵がおだてにかかるのだが、このときの「旦那が仏頂面を貫こうとしているのに思わず笑ってしまう」という表現がとにかくすごい。この「溢れ出る嬉しさを抑えきれない」という表現が自然で、見ているこちらが思わず旦那に「無理すんなよ」といいたくなってしまう。
やっぱりこういう感情の動きのグラデーションが見事だと思う。


ジョジョの奇妙な冒険 53 (ジャンプコミックス)

ジョジョの奇妙な冒険 53 (ジャンプコミックス)

  • 作者: 荒木 飛呂彦
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 1997/06/04
  • メディア: コミック



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