SSブログ

プチ人形町落語会 [落語]

プチ人形町落語会
於:人形町 日本橋社会教育会館

笑福亭たま『月並丁稚』
三遊亭遊馬 『鮑のし』
三遊亭兼好『高砂や』
旭堂南湖『鼓ヶ滝』
春風亭一之輔『反対俥』
柳家三三『たけのこ』
怪談をぶっ壊せ!

GW恒例、年に一度のお楽しみの会。
2009年に始まったときは真打が三三師がおらず(上方勢は除く)、それも昇進後数年の「期待の若手」みたいな感じだった。
それが今やそれぞれが各所属団体を背負って立つ看板となってるんだからなあ。今年はついに笑点メンバーまで出てきたんだからすごいこってす。
いつもなら毎年ネタ出しと大喜利のネタを発表しているのだが、今年はなし。

まずは恒例の全員揃ってのオープニングトーク&出番順決めのじゃんけん。
自己紹介で一之輔師は「どうも、『笑点』に魂を売った一之輔です」とひとこと。笑点メンバーになってからは私は初だな。
じゃんけんは兼好師、遊馬師、南湖先生、一之輔師、たまさん、三三師の順に勝ち、上のような順番に。

というかオープニングトークだけは撮影OKに。えー! そんなこと初めて。いってよーそしたら一眼レフ持ってったのにー! まあ一眼で撮ったからなんだって話なんですけど。兼好師はこれまで何度か撮る機会はあったのだが、遊馬師や一之輔師を撮ったことないからなあ。
7FAD776D-317D-4C93-AC57-4F96A16D053F.jpeg
62CB6AC2-9CDD-4AE2-88D8-399176C83AF8.jpeg
2667AA1F-65C2-42DE-9233-A54946B6E672.jpeg
39265986-29EB-4DFF-A47F-6883F7668385.jpeg
うーん、いくらiPhoneのカメラが進化してるとはいえ、やっぱりズーミングして撮影するとなるとまだまだ一眼にはかなわないですな。シャッタースピードや絞り値も思うようにすぐには変えられないしね……。

たまさん、いきなり東京の落語界ではタブー(?)のパワハラ問題に斬り込んでいく。「師匠にとって弟子は『ええ弟子』と『破門』のふたつしかなくなった。昔はその間に『どつく』というものがあったんです。ええ弟子ではないけど、破門にするほどでもない、そういう弟子をどついたんですわ。今ではダメですよ。でも昔はあった」とかなりギリギリのことをぶっ込んでいく。「今の会社は反社とカタギしかない」とか結構アブないことをいってたような。
噺は『粗忽の使者』とそっくり。主人の言付けを忘れた丁稚が、お尻をつねってもらって思い出すというもの。つねられている間だけ思い出すので、つねられながら伝言をし、釘抜きを放すと「アカン、放したら忘れる!」と叫ぶのがおかしい。

遊馬師、「一席めからあんなに登場人物がたくさん出る噺をしなくても……。おかげでできる噺が限られる」とひとボヤきしてから甚兵衛さんポジションの人がいなかったからか『鮑のし』に。……でも「教えられた口上を伝えに行く」ってのでついてない?
まあそれはともかく、久しぶりになんというか寄席用じゃない噺というか、ちょうどいいサイズの噺を聴いた気がする。寄席だとどうしてもトリだと大ネタ、その他の出番だと軽めの噺、って感じになるので。
遊馬師の『鮑のし』は魚屋の親方が親切でのしの根本も親方が教えてくれる。大家さんも悪い人ではないので、登場人物にトゲのある人がいないのがいい。

兼好師、「明日から本格的にGWの連休に入ろうというウキウキするこの日にわざわざきてくれることがありがたい。だから『ちゃんとやらなきゃ』とか『楽しませなきゃ』と思わなくちゃいけないのに、そういうことを楽屋の誰も思っていない。たま兄貴なんて皆さんからお金をもらったらもう仕事おしまい、と思ってますから。楽屋でお金数えてた。私くらいじゃないですか、かろうじて皆さんのことを考えているのは」。かろうじて?
二ツ目時代には結婚式の司会で食っていたという話題から『高砂や』に。今度は結婚つながりで遊馬師とついているような。リレー? まあ単なる偶然でしょうが。
婚礼に着る紋付袴を大家さんから借りに来たついでに高砂やを教わるのだが、その紋付がしまってある場所についてのひと騒動が楽しい。
豆腐屋の真似をしたり、覚えるまでのしくじる回数などもほとんど繰り返さず、テンポよく進む。それでも手数は多いので笑いが多いのはさすが。

南湖先生、落語と同じストーリー。
南湖先生の落ち着いた優しい語り口がよく合っている。
毎年書いているような気がするが、南湖先生の声を聴くとGWだなあと思う。

一之輔師、「出囃子がね……、たまアニさんが編集してCDにしてくれたんですけど、『頭っから順番にかけてくれたらエエわー!』って。だからメチャクチャなんですよ。南湖先生はたまアニさんの出囃子で出てた。この会ずっとやってますけど、どんどん適当になっていくんですよねぇ」。確かにそんな気もするけど、最初からこうだったような気も……。
「昔のままのほうがいいものもありますけどね、車とか……」といったところで会場から笑いが起きる。これは最近よく『反対俥』を掛け倒していると聞いているから一之輔ファンからの「またかお前」という笑いなのか。「……なんですか。『反対俥』やっちゃダメなんですか。面白いよ。愉快ですよ」。私は一之輔師が久しぶりだし『反対俥』も初めてなのでまったく問題ないのですが。
一之輔師のはひとりめの車夫をフィーチャーしたもの。50年前にひと月だけ車夫をやり、その後はずっと先生として生きてきたのに、孫に「おじいちゃんの車夫姿が見たい」といわれてムリヤリ復帰した嫁との折り合いが悪い車夫が、孫に見守られながらゆっくり進んでいく。……情報量多いな! まあほぼほぼ原型はないが、全編爆笑というカロリーの高い噺。「らーらーらーらーらー!」とかドラム缶飛びとか一切出てこないのに。

三三師、「ちょっと時期は過ぎてるかもしれませんが」と春の噺を。
中間の可内(べくない)の不心得を叱る四角四面さと、「なに、まだ獲っておらん? はよう獲って参れ」と命ずる落差がおかしい。
こういう若侍の姿はキャラにはまっている気がする。

大喜利は怪談師としても活躍する南湖先生が怪談を語り、その他の人が噺に対してがやがやとツッコミを入れるという怪談ブレイキングチャレンジ。
怪談は一応ノンフィクションらしく、南湖先生の著書にも書かれているものらしい。
ただやはり怪談、しかもノンフィクションとなると結構つじつまが合わないというか、「え、なんでそんなことになんの」という流れも多く、ツッコミどころが多い。
案の定、主に三三師にガンガン茶々を入れられる。毎年思うが、この大喜利で一番張り切ってるというかノリノリなのが三三師なのが面白い。遊馬師は毎年おとなしいのだが、今年は三三師に次いでツッコミを入れていたように思う。
一之輔師は数はそれほど? 兼好師にいたっては周りのツッコミにツッコむということが多かったような。
最後にアンケートを拍手で取るが、「南湖先生の怪談が怖かった人」が少量、「怖くなかった人」が多数、「ツッコミが邪魔でちゃんと聴きたかった」が大多数という結果に。

恒例の三本締めで幕。来年もあるといいなあ。
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:芸能

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。