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上野鈴本演芸場 令和五年五月中席 夜の部 5月20日 [落語]

上野鈴本演芸場 令和五年五月中席 夜の部 5月20日
於:鈴本演芸場

ストレート松浦 ジャグリング
柳亭こみち『あくび指南』
三遊亭わん丈『紙入れ』
柳家小春 粋曲
三遊亭天どん『いつもの歌』

三郷から帰ってくるも、落語欲がやや満たされていないような気がしてならない。
じゃあ鈴本が仲入り後割引の幕見券てのをやってるようだから天どん師を聴きに行こうか。『いつもの歌』は好きだし。
末廣亭だと仲入り後割引が結構ゆるくて、仲入りの師匠の噺の途中でも入れてくれる(もちろん後ろで待機しているようにいわれる)のだが、鈴本はしっかり外で待たされる。
席を確保してトイレに行き、客席の入り口に戻ってきたところにスーツ姿で大きめのゴロゴロを引いている人がいて珍しいなと思ったらわん丈さんだった。思わず小さく「お、わん丈さん」と漏らしたのが聞こえたらしく、笑顔で会釈してもらう。あ、おめでとうございます。

ストレート松浦先生、ジャズスタンダードナンバーに乗せてのジャグリング。なんだけど、『Sing Sing Sing』とか『Let's Dance』とかで、ベニー・グッドマンファンとしてはそっちに気を取られてしまう。というか曲の構成に合わせてジャグリングしてるんだな。今まで気づかなかった。

こみち師、女性が女師匠のところに習いに行くという『あくび指南』。
これまでに行ったお稽古が「お辞儀のお稽古〜梨園の女編」とか「居眠りのお稽古〜寄席のお客さん編/寄席のお囃子さん編〜」というのがすでにおかしい。こっちの稽古風景も見てみたい。
で、あくびも「遊女編」「老婆編」「北条政子編」とあり、それがまたそれぞれ面白い。

わん丈さん、「本来ならこんな出番に出られる身分ではないんですが、席亭のお計らいで特別に出させていただいています。というのも来年の春から真打に昇進させていただくことになりました。師匠から電話をもらいまして、『お前昇進することになったからなー』って。考えてもいなかったんで、『抜擢ってどうすればいいんですかね』って聞いたら『知らねーよバカヤロー。俺は抜かされた方だからな。一之輔くんにでも聞けばいいんじゃないですかー』って……」。スゲーいいそう。口調が容易に想像できる。
「だけど師匠が後押ししてくれてこういうことになったんだからありがたいことです。しかしなんですか今日は。『寿限無』2本に『あくび指南』2本て。みんな自由にやりすぎでしょう。ウチの師匠のことなんだと思ってるんですか」。仲入りの前にそんなことがあったのか。
「普段なら前座は前座噺、二ツ目も二ツ目らしい噺というものがあってあまり色っぽい噺もできないのですが、今日は昼席で玉之輔師匠がやられていた『紙入れ』をやります」と被せてくる。
菊之丞師から教わったという『紙入れ』は福袋演芸場でも一度聴いている。ハメモノも入り、普通のものよりも派手な感じに。最後の場面でおかみさんが「そこは抜かりはないと思うよおぉ~」と懐から紙入れをチラチラ見せてくるのがしたたか。サゲは以前聴いたときはちょっと変わっていたんだけど、今日は寄席だからかスタンダードなものに。

天どん師、「ちょっと前の人たちやりたい放題ですね。僕のことナメてるんですよね」とまずはひと愚痴り。まあこれが上の人たちからはかわいがられ、後輩からは慕われているという証拠なんじゃないですか。
どこでどうなってそうなったのか忘れてしまったが、「〇〇をブッこ◯したくなりますよね」という物騒なワードが飛び出し「あれ、こういう話お嫌いですか。なに『傷ついた』みたいな顔をしてるんですか。でもこれが僕なんでね。ふらっと入ってきた人はごめんなさいね。『一生の思い出に』なんて初めて寄席にきた人はお気の毒ですよ。でもね、表にデカデカと『天どん』なんて出ていて、ネタ出しもしてるんですからこれで入ってきた方の自己責任ですよ」などと手を緩めない。
「毎回天寿々さんに天丼弁当をお願いしてるんですけど、天寿々さんは水曜日定休なんですよね。そしたら水曜日お客少ないの。もうこれは僕の高座に天丼がついてるんじゃなくて天丼に僕の落語がついているようなもんですよ」と笑いを誘う。実際仲入りで天丼食べてる人結構いたようだ。
噺はいつものとおり。「(武田)鉄矢の歌詞を(長渕)剛の歌い方で(さだ)まさしの尺で歌うんじゃない。九州コンプリートか」というのがおかしい。剛の歌い方は『Captain of the ship』の頃ので結構前だけどね。

明日は休出。
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ワンコイン寄席 第10回記念公演 春風亭一蔵・田辺いちか二人会 [落語]

ワンコイン寄席 第10回記念公演 春風亭一蔵・田辺いちか二人会
於:三郷 鷹野文化センター

春風亭一蔵『大師の杵』
田辺いちか『名医と名優』
田辺いちか『山内一豊と千代』
春風亭一蔵『堪忍袋』

疲れが取れない。ってまあそりゃそうだ。毎日家に帰るのが12時を過ぎ、猫の世話と飯食ってシャワー浴びるだけで2時を越える。そんで9時前には家を出るんだから。
今は鈴本夜席で天どん師、末廣亭夜席で一之輔師、池袋昼席で扇辰師かトリを取っていて、元気があれば土日は寄席の掛け持ちをするところだが、さすがにムリだ。というかどれか行きたかったなあ。いっこも行けないまま明日も仕事だ。
天どん師の鈴本ならこの会が終わってから行けなくもないが、ネタ出しで『いつもの歌』なんだよなー。何度も聴いてるから他のネタの日がよかったんだけど……。

さてこの会は約1年ぶりか。
空模様が怪しいが、バイクで。上着ないとまだちょっと寒いな。

「真打になって帰ってまいりました!」と高らかに声を上げて大きな拍手をもらう。
「この会も10回ということで、記念として普段は独演会なのですが今日は私といちかさんの二人会。この後講談界一の美人が出てきますから。この会も年4回に増えるそうですから、皆さん欠かさず通ってくださいますよう……」。次回が朝之助さんでその次が一花さんて一朝一門すごいな。その次は朝枝さんだったりして……。ん、誰か足りないような……。……。
「最近はようやくコロナも5類に変わって旅の仕事も増えてきた」と鉄板の落語会にお茶をもらいにきた婆さんのマクラを振ってから『大師の杵』に。
2月の新版三人集でも聴いたのだが、聴いてる途中で胆石の発作が出て結局救急車呼ぶことになったんだよなあ……。いやまあもちろん一蔵師のせいではないのだが。
一蔵師の地噺は珍しい気がする。弘法大師の逸話をすると割とそこかしこで「へえー」と声が上がる。
オチ、伝わってたかなあ……。

いちかさん、「こうやって出てきて皆様の顔を拝見して、思われていることがよくわかります。『それほどでもねえじゃねえか』と……。期待のハードルをすごく上げられてしまって」と苦笑い。
で、このいちかさんの声の質とか声の圧とかがすごく心地いいんだ。さらに講談は語りのテンポもいいので、疲れや昼食直後もあり、あっという間に夢の世界へ連れていかれる。
二席めはちゃんと聴いたが、一席めもったいないことしたなあ。

一蔵師の二席め、『堪忍袋』は一蔵師で初めて聴いた。
愚痴を堪忍袋に吐き出してパッと明るい顔になるところはいかにも一蔵師らしくて楽しい。
個人的には夫婦喧嘩を大家さんに止められているときの亭主と女房のやりとりにもう少しメリハリがあるといいなと思った。

二席ともちょっとネタとしては小さめかとも思ったが、ちゃんと2時間キッチリ。これで500円なんだから文句言ったらバチが当たりますな。
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