SSブログ

春風亭ぴっかり☆改メ蝶花楼桃花真打昇進披露公演 [落語]

春風亭ぴっかり☆改メ蝶花楼桃花真打昇進披露公演
於:有楽町 よみうりホール

桂南太郎『狸札』
瀧川鯉斗『片棒』
春風亭小朝『楊貴妃』
春風亭小朝『新作(三人兄妹と父親)』
真打披露口上
五明樓玉の輔『新作(話のコツ)』
ナイツ 漫才
蝶花楼桃花『涙をこらえてカラオケを』

普段ならまず行かない公演なのだが、招待券が手に入ったので行ってみることに。
高座の真正面なのはいいのだが、ほぼ最後列で演者の表情までは見えない感じ。
周りは古典芸能鑑賞なのか、中学生の集団も。楽しそうでなにより。

小朝師は初席の10分とかだけで、ちゃんと聴いたのは初めてかも。
板付きで登場し、釈台を置いて周りを暗くしていた。なんかケガでもしてるんだっけ? そういうスタイル? 無知ですいません。
二席めの噺は今日が初演らしい。上の兄ふたりと妹が出てくるのだが、それらのキャラの名前は圓太郎師、玉の輔師、桃花師のそれぞれの本名とは桃花師の弁。

鯉斗師が司会で小朝師、玉の輔師が並んで口上。
小朝師によれば二ツ目時代は彼氏も作らずに精進していたという。ただイケメン好きなので鯉斗師が好みだというから告っちゃえと焚きつけたところ、モテ男の鯉斗師に「身の程を知れ」と断られたとか。

玉の輔師、長屋の八っつぁんがご隠居のところに話し方のコツを教わりにくるというネタ。「話の⅔は本当のことを話して、残りの⅓は冗談やシャレを入れるのがウケるコツ」だそうで、実演を交えていくつか教えてくれる。なるほどご隠居の話は面白いけれども八っつぁんがやってみると……というオウム返しもの。『つる』をより増量した感じ。

ナイツのヤホー漫才は大谷翔平ネタ。あとはテレビでも見たことがある英語漫才。前の席の中学生がスゲースゲーと大興奮。よかったね。
というか今日は一門以外みんな芸協だな……。

桃花師も高座に釈台が置かれ、腕をグルグル回しながら高座に上がる。出囃子の『仙桃』は小朝師が作曲したのだとか。
「口上の師匠のハナシ、信じないでくださいね! 口上じゃ声出せないから辛かったー! たしかにイケメン好きですけど、私の中のイケメンて鯉斗アニさんよりもナイツのつっちーですから」。
カラオケ好きの義父が亡くなったため、葬儀はカラオケ葬にするというもの。『飾りじゃないのよ涙は』『なんてったってアイドル』などの替え歌を熱唱。釈台から小道具がどんどんでてくる。小道具隠しだったのね。
『チャンピオン』では見えないけど鼻テープとちょび髭までつけてた模様。
ここまでくると落語というより座ったままのひとりコントですな。別に批判ではないです。

盛りだくさんというか、いろいろ派手だった会。中学生たちが「金払ってきてもよかった」と満足気だったのが印象的。マジかよ4500円もするんだぜ。
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:芸能

三遊亭遊馬独演会 2022年6月5日 [落語]

三遊亭遊馬独演会 鏡ヶ池操松影 2022年6月5日
於:国立演芸場

三遊亭遊馬『鏡ヶ池操松影1』『鏡ヶ池操松影2』『鏡ヶ池操松影3(江島屋騒動)』

さっきは土砂降りの雨の中バイクで帰ってきたというのになんか雨止んでるんですけど。腹立つなあ。

さて昨年の『牡丹燈籠』に引き続き、今年も圓朝物の通し公演。
前半で1と2に分かれていたそうだが、どこが切れ目だったんだろう。
まあ『牡丹燈籠』もそうだったが、出てくる人の多いこと。しかもなぜか登場人物たちが実は血がつながらなくても親戚だったりするのでさらにややこしい。
これ圓朝の時代はこれを寄席で連続物として掛けてたのだろうか。だとしたらこれストーリーをちゃんと把握できてた人っているのかな……?
会場でのアナウンス影ナレは遊馬師が原稿を書いていたのか、全体的にふざけた感じ。「遊馬はなにをトチ狂ったのか今日は手拭いを20本も持ってきています。重いものを持って帰るのは嫌なのでみなさまお求めください」とか「前半部分だけでもうすでにわからなくなっていますが、後半はさらに分かりづらくなります」とか。それをスタッフの女性が読んでいる。

仲入り後はいわゆる『江島屋騒動』の部分なのだが、それまでは善人として描かれていた江島屋が、花嫁衣装はいかものを扱い、さらにそれを正当化するという悪徳商人っぽくなっているのがなんか違和感。

さて残りは12月の独演会でとのことだが、ストーリーを覚えてられるだろうか。自信ないな……。
タグ:三遊亭遊馬
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:芸能

新宿文化センター落語会 1周年記念特別企画~真打四派競演~ [落語]

新宿文化センター落語会 1周年記念特別企画~真打四派競演~
於:東新宿 新宿文化センター小ホール

桂伸び太『からぬけ』
春風亭柳枝『堪忍袋』
三遊亭萬橘『猫と金魚』
桂宮治『ちりとてちん』
立川談修『人情八百屋』

久しぶりにこの会場の中に入ったな。落語会では10年近く空いている。
大ホールの方では音楽イベントがあるらしく、若者たちで溢れている。
そんな中に着物姿のおじさんを発見。うん、萬橘師ですな。目が合って会釈を交わす。私はそのまま開場前のコンビニに入ってコーヒーを買い、出ていくとその隣の公園に萬橘師の姿が。ああー。「喫煙所探し?」と聞くと、苦笑いの萬橘師。会場内は禁煙だそうだが、楽屋も全面的にダメなんだな。しかも喫煙所もないってやっぱ公営施設は厳しい。やめてよかった。

伸び太さん、あの話し方誰かに似てるんだよなーってずっと思ってたんだけど、馬石師にちょっと似てるような気がする。違うかな。あのちょっと伸ばし気味の語尾とか。

柳枝師、「この噺は最初に大きな声を出すんでちょっとすみません」と断ってから夫婦喧嘩に。
大家に小言を食らった亭主が「嫌味ってのはこういうのをいうんだ」と実演するその言い草が本当にイヤミっぽくて面白い。

萬橘師、マクラを話しながら「なにをやるか考えてるんだけど決まらない」と迷っている様子。
「最近は話が通じない人が多い」と話が噛み合わない『猫と金魚』に。
萬橘師の猫金は初めてかも。
番頭のアスペっぷりがものすごく、この噺の最大の疑問点「なんでお前がウチの店の番頭なんだ?」という疑問を旦那がつぶやくのがおかしい。

二日連続の宮治師、「なんか今日は持ち時間が短くてみんな20分。私はもっとやりたいんですよ!? でも主催の人からダメだって言われてしょうがないんです」。ほおお。
学校寄席について話していたのだが、学校の偏差値と笑いの量は比例するという。これはみんないうね。で、両国にある偏差値の高い中高一貫校に行って中2相手にやろうとしていたのだが、中1と中3がバスに乗ってどこかへ行ってしまったという。どこへ行ったのかと聞いてみたら、鈴本演芸場だという。「本物に触れさせたいんで」と言われてしまったとか。
正直昨日より時間は全然短かったけど、落語としては今日の方が面白いなあ。

終演後、今度は8月に新版三人集の会があるらしく、今日からチケット発売とのこと。早速1階の案内所に行ったのだが……。この会のチケットを買ったときにも思ったのだが、チケット1枚買うだけなのにちょっと時間かかりすぎじゃね? 私の前にふたりいたのだが、それだけで10分ほど待たされた。チケットを現金で買おうとしてるのになんで名前と電話番号いるんだろう。まあ公営だから仕方ないのかもしれないけど、もうちょいちゃっちゃと進んでもいいんじゃなかろうか。
帰り道、空が泣き出しそうだったのが自宅まであと15分というところで土砂降りに。バイクだったのでびしょ濡れ。あのチケット売り場でのタイムロスがなければもっと被害は少なかったのかもしれないのに! とぶつけどころのない憤りが湧く。まあ天災だと思って諦めるしかないんだけど。
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:芸能

第九十四回 よこはま落語会〜未来の大看板を応援する会〜 桂宮治独演会 [落語]

第九十三回 よこはま落語会〜未来の大看板を応援する会〜 桂宮治独演会
於:吉野町 吉野町市民プラザホール

桂宮治 ご挨拶
桂伸び太『鮫講釈』
桂宮治『手水廻し』
桂宮治『死神』

バイクでファミレスへ行き昼食がてらブログの更新。
会場近くにも夢庵はあるんだけどね……。昔は夢庵って「ガストの和食版」って感じで安いファミレスじゃなかったっけ? 今は値段は普通だし、正直そんなに美味いってわけでもないし。

開演時間になるとなぜか会場に『サライ』が流れる。んん? と思っていたら、客席後部から私服姿の宮治師が駆け下りて舞台へと上がる。なにかと思ったら24時間テレビのチャリティーマラソンランナー候補になってたのね。そのランナーを決める番組の裏話をたっぷりと。……あー。まあ……なんか……二ツ目に上がったばかりの頃から聴いていた噺家さんがどんどんとテレビタレントになっていく感じ……。まあしょうがないんだろうけどさ。
30分ほどテレビの話をした後、昨年のクリスマスにあった前回に伸び太さんがこの会にこなかった話を。なぜか気づいたら埼玉にいたそうで。新宿から横浜へ行く電車に乗るつもりが逆方向に乗ったっぽい。何時に着くのか聞いたところ仲入り後になると答えられたとか。「『じゃあもういいよ、今日は来るな』って言ったんですよ。でもそういわれたって日本人なら『いえ、行きます』とかいうじゃないですか。でもアイツ違うの。ミャンマー人だから日本人のそういうとこわかんないの。『あっ、ありがとうございます』ってあっさり受け入れたの。違う違ーう!」とツッコむ。その後にもLINEでピースのスタンプが送られてきたという。
「そんな伸び太さんが登場しまーす」と袖に引っ込む。

そんな伸び太さん、「あんなにいじられるとは……嘘ばっかりですよ」と愚痴る。とすぐに袖から顔だけ出して宮治師が「何が嘘なんだよ! お前埼玉に行ったろ!」と怒鳴る。「……まあ埼玉に行ったのはホントですけど……。でも『メリークリスマス』なんて送ってないですよ」。埼玉に行ったって事実がでかすぎて他は枝葉末節なんだよなあ。
講釈の場面で絶句してしまい、「あー……。もう一回やります」とやり直す。講談の内容もかなり独自のアレンジがされており、噺家の亭号のイメージを語る。「顔が怖いよ橘家ー!」とか。

宮治師の一席め、「あれは前座のやり方ですね。『間違った』って言っちゃう。あんな変えてるんだから『最初からこうですけど?』みたいな顔してればいいんですよ。私も『大工調べ』で一度絶句したことがあって、そこで降りたことありますよ。周りから『あれどうしたの?』って聞かれたら『ああしたほうがいいと思ったんで』って言っちゃえばいい」とテクニックを語る。音楽とかでも同じようなこと言いますね。
最近好楽師と弘前市に旅の仕事をしたそうで、ずっと一緒だったという。新幹線も隣の席だったようで、ずっと話していたそうだ。好楽師はかなりフレンドリーで、いろんな人にファンサービスをしまくるという。「笑点のロゴが入った千社札がメンバーに配られるんですよ。サインとかに貼るんですけど、かっこよくて『いいな、ほしいな』と思ってたんですよ。……まあもう持ってるんですけど。……あっ、いま皆さんから敵意を感じた……。で、私はそれをあまり使えないんですけど、好楽師匠はバンバン配っちゃう。新幹線の売り子のお姉さんとか、ホテルの朝食で隣になっただけの人とすぐ仲良くなる」そうで。そういうことよく聞きますね。
打ち上げでは地元にしかない地酒が出てきたそうで、そういうその土地でしか手に入らなかったりするものが楽しいという。
「一部の地域でしか通じない」というところから「手水を廻す」という言い方が大阪の一部でしか通じないという内容の『手水廻し』に。雀々師でしか聴いたことがない。
「手水」が通じず、女中が主人にもやもやっと「てょーどぅ」としか伝えられないのだが、主人もそれで知ったかぶりをして部下に「てょーどぅを回すんだよ! グルグルって! そしたら『うわーめっちゃ回っとるやんけー、ほな!』ってなるから……!」と訳のわからないことになっているのがおかしい。
「旦那様、『てょーどぅ』ってなんですか!?」と何度聞いても「ぐるぐるって回すんだよ!」と話が進まない。「旦那、ただでさえ押してるんですから……!」24時間テレビと笑点の話で1時間以上話してたからね。

二席めは客席の電気を暗くして。「怖い話をするわけじゃなくて、こうすると使用料が安くなるようですよ」。そんなまさか。
柳家小蝠師の話をマクラに。小蝠師の真打昇進のときは宮治師が番頭を勤めた仲だそうで。小蝠師はアメリカンドックが大好きで、「アニさんそんなものばっかり食べてたら体悪くするよ」といっていたそうだが、本当に体を壊してそのまま亡くなったという。噺家の葬式は明るいものだそうだが、さすがに棺の蓋を閉めるときだけは悲しい雰囲気になったとか。そんなときにおかみさんが「ちょっと待って」と冷凍のアメリカンドックを大量に持ってきて、花の代わりにアメリカンドックを敷き詰めたとか。すげえな。「あれいいんですか? って聞いたら食べ物入れるのは問題ないって。でもケンタッキーはダメ。骨が増えて解らなくなるから。これマジなんだって!」と豆?知識。
そんなわけで呪文も「アジャラカモクレン、アメリカンドックは控えめに」。
時間が押しに押していたからか、噺自体はダイジェスト版みたいな感じ。
なんかなー、マクラが長いのは前からだったけど、最近テレビとか笑点の話ばっかりだな。世間から求められてるのはそういう話なのかもしれないけど。
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:芸能

第九十三回 よこはま落語会〜未来の大看板を応援する会〜 三遊亭兼好独演会 [落語]

第九十三回 よこはま落語会〜未来の大看板を応援する会〜 三遊亭兼好独演会
於:吉野町 吉野町市民プラザホール

三遊亭兼好『元犬』
三遊亭けろよん『転失気』
三遊亭兼好『壺算』
三遊亭兼好『ねずみ』

あまりの天気の良さにバイクで会場に向かう。湿気も少ないので気温が高くても走り出すと気持ちいい。
なによりバイクがあれば夜の会までの時間も潰しやすくなるし。

兼好師の一席め、梅雨の晴れ間にありがとうございます、と挨拶。
家の近くの公園で鳥が子育ての最中だそうで、そこから動物の話に。なかでも奈良の鹿がコロナで観光客が減って鹿せんべいが食べられず、道端のゴミを食い荒らして大変らしいという話題に。「観光客の中でも修学旅行の女子生徒がいちばんせんべいをくれることをわかってますから。ガイドさんの持ってる『○組』って旗にいちばんくっついて歩いてるのは鹿。一応野生のはずですが、半分は飼われているようなもの。動物を飼い慣らすのは大変だそうで、犬や猫ほど慣らすのは難しい」と犬の噺に。
シロの生い立ちを聞いたときのご隠居の気まずそうな顔と、それを見てキョトンとした顔のシロの表情の対比がおかしい。
今日は久しぶりに最前列で、細かい表情までよく見えるのが嬉しい。

二席め、最近は「水道局です」という詐欺が増えているという。「確かに『銀行です』『警察です』といわれたら『そんなところがなぜ?』と思うけど、『水道局です』っていわれたら開けちゃうでしょ」。こないだウチにきた水道局も詐欺なのか。そこにたまたま入ってた水道屋のチラシ見て、まあいいかって呼んだら7万の見積持ってきたあの業者とグルだったとか。まあそんなことはないだろうが、あまりにもタイムリーすぎた。
そこから人を騙す『壺算』に。
なんだろ、兼好師の場合、この噺の番頭用のキャラがある気がする。こういうトーンでこういうものの言い方をするキャラは他の噺には出てこないように思う。
なので、この番頭が出てくると「兼好師の『壺算』だなあ」と思う。
値引き交渉をしているときの、声を出さずに表情だけでやり取りしている場面が面白い。
一席めもそうだが、兼好師はこの百面相が本当に上手い。大袈裟な表情と微妙な表情を絶妙に使い分けている。

三席め、一之輔師の弟子の与いちさんと仕事を一緒にしたようで、「彼は仙台出身で、地元では有名なレストランの息子。その伝手でまだ二ツ目になったばかりなのにもう地元でラジオ番組持ってるんですって。……スポンサーは親父だって。彼も東京と仙台で頑張っているので、真打に昇進したら師匠より先に私を会に呼べと言っておいた」。
「私も東北の生まれなのでわかるのですが、だいたい高校卒業後、進学や就職で東京に行く人と仙台に行く人に分かれる。東京に行った人は半分くらい東京に敗れて帰ってきますが、仙台に行った人はもう帰ってこない。居心地が良くて」と仙台を褒めちぎる。
仙台が舞台の『ねずみ』、兼好師のは3年以上間が空いていて久しぶりに聴いた。
兼好師のは卯兵衛親子の二軒先で旅籠をやっている生駒屋の親父がとにかく前に出てきて引っ掻き回すというオリジナル部分が楽しい。『宮戸川』の「霊岸島の伯父さん」に通じる明るいトラブルメーカーっぷりが最高。
この噺は卯兵衛が優等生すぎて物足りなく感じることがあるが、それをぶち壊す勢いがいい。
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:芸能