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第九十三回 よこはま落語会〜未来の大看板を応援する会〜 三遊亭兼好独演会 [落語]

第九十三回 よこはま落語会〜未来の大看板を応援する会〜 三遊亭兼好独演会
於:吉野町 吉野町市民プラザホール

三遊亭兼好『元犬』
三遊亭けろよん『転失気』
三遊亭兼好『壺算』
三遊亭兼好『ねずみ』

あまりの天気の良さにバイクで会場に向かう。湿気も少ないので気温が高くても走り出すと気持ちいい。
なによりバイクがあれば夜の会までの時間も潰しやすくなるし。

兼好師の一席め、梅雨の晴れ間にありがとうございます、と挨拶。
家の近くの公園で鳥が子育ての最中だそうで、そこから動物の話に。なかでも奈良の鹿がコロナで観光客が減って鹿せんべいが食べられず、道端のゴミを食い荒らして大変らしいという話題に。「観光客の中でも修学旅行の女子生徒がいちばんせんべいをくれることをわかってますから。ガイドさんの持ってる『○組』って旗にいちばんくっついて歩いてるのは鹿。一応野生のはずですが、半分は飼われているようなもの。動物を飼い慣らすのは大変だそうで、犬や猫ほど慣らすのは難しい」と犬の噺に。
シロの生い立ちを聞いたときのご隠居の気まずそうな顔と、それを見てキョトンとした顔のシロの表情の対比がおかしい。
今日は久しぶりに最前列で、細かい表情までよく見えるのが嬉しい。

二席め、最近は「水道局です」という詐欺が増えているという。「確かに『銀行です』『警察です』といわれたら『そんなところがなぜ?』と思うけど、『水道局です』っていわれたら開けちゃうでしょ」。こないだウチにきた水道局も詐欺なのか。そこにたまたま入ってた水道屋のチラシ見て、まあいいかって呼んだら7万の見積持ってきたあの業者とグルだったとか。まあそんなことはないだろうが、あまりにもタイムリーすぎた。
そこから人を騙す『壺算』に。
なんだろ、兼好師の場合、この噺の番頭用のキャラがある気がする。こういうトーンでこういうものの言い方をするキャラは他の噺には出てこないように思う。
なので、この番頭が出てくると「兼好師の『壺算』だなあ」と思う。
値引き交渉をしているときの、声を出さずに表情だけでやり取りしている場面が面白い。
一席めもそうだが、兼好師はこの百面相が本当に上手い。大袈裟な表情と微妙な表情を絶妙に使い分けている。

三席め、一之輔師の弟子の与いちさんと仕事を一緒にしたようで、「彼は仙台出身で、地元では有名なレストランの息子。その伝手でまだ二ツ目になったばかりなのにもう地元でラジオ番組持ってるんですって。……スポンサーは親父だって。彼も東京と仙台で頑張っているので、真打に昇進したら師匠より先に私を会に呼べと言っておいた」。
「私も東北の生まれなのでわかるのですが、だいたい高校卒業後、進学や就職で東京に行く人と仙台に行く人に分かれる。東京に行った人は半分くらい東京に敗れて帰ってきますが、仙台に行った人はもう帰ってこない。居心地が良くて」と仙台を褒めちぎる。
仙台が舞台の『ねずみ』、兼好師のは3年以上間が空いていて久しぶりに聴いた。
兼好師のは卯兵衛親子の二軒先で旅籠をやっている生駒屋の親父がとにかく前に出てきて引っ掻き回すというオリジナル部分が楽しい。『宮戸川』の「霊岸島の伯父さん」に通じる明るいトラブルメーカーっぷりが最高。
この噺は卯兵衛が優等生すぎて物足りなく感じることがあるが、それをぶち壊す勢いがいい。
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