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上野鈴本演芸場 令和四年六月下席 夜の部 6月26日 [落語]

上野鈴本演芸場 令和四年六月下席 夜の部 6月26日
於:鈴本演芸場

三遊亭わん丈『喪服キャバクラ』
翁家社中 太神楽
古今亭志ん陽『代書屋』
古今亭志ん五『新作(転校生は火星人)』
林家あずみ 三味線漫談
柳家はん治『妻の旅行』
春風亭百栄『リアクションの家元』
ホンキートンク 漫才
古今亭菊太楼『へっつい幽霊』
アサダ二世 奇術
三遊亭天どん『こわい建物』

兼好追っかけ仲間との飲みの誘いを蹴って上野鈴本に。
昼飯を食いはぐっていたので、30分程で日高屋でタンメン餃子ビール。ラーメンのたぐいは普段ほぼ食わないけど久しぶりに食うと美味い。周り全員昼間っから酒飲んでて草。さすが御徒町。ビール2杯飲んでる俺は人のこた言えないが。

わん丈さん、実は天どん師に再入門するのは圓丈師の生前に「お前らどうするんだ」と聞かれて決めていたという。「なんだお前ら、天どんが好きなのか?」と問われ、新作も古典もやる派としてわん丈さんが「はい」と答えると「俺は嫌いだ」と返されたとか。……不仲だったのはホントだったのかどうなのか。
ネタは志う歌師が見たという夢のタイトルから。なんで夢にタイトルがあるんだというツッコミもあるが、志う歌師は古典だけなので「これでなんか作ってよ」といわれて作った噺らしい。
タイトル通りキャバ嬢が全員喪服で、嬢が遺族で客が参列者の葬儀会場、という設定のコンセプトキャバクラに、わん丈さんと辰ぢろさんのふたりで行くというもの。途中カラオケでX JAPANの『Tears』という歌を歌う場面があり、実際にカラオケで歌い上げる。

はん治師、だいたいいつも『妻の旅行』で、今日もあーまた『妻の旅行』かーと思いつつもやっぱり何度聞いても笑ってしまう。あの切羽詰まったような絞り出されるような苦悩のにじむあの言い方が面白い。

百栄師、なぜ京都弁なのかは分からないが、ああいう理不尽というかシュールな感じを表すのに京都という舞台は向いているのかもしれない。

ホンキートンク、……うーん、利さんの頃は好きだったけど、やっぱりなんかちょっとキツい。スガシカオの『かわりになってよ』の世界を目の当たりにしてる感じ。

菊太楼師、へっついを博打で儲けた金で買うという型で、若旦那も出てこない。寄席でやるための簡略化したものなのか。とはいえこれはこれで幽霊もカラッと明るくて楽しい。菊太楼師のキャラもあるかもしれないが。俺そういやこの人二ツ目の頃結構好きだったんだよな。

天どん師、相変わらず高座の上でぶつぶつと愚痴を垂れ流すが半分はそれを聴きに行っているようなもん。
噺は寂れたレジャーランドのお化け屋敷で働くお化け役のふたりが、現地調査に来ていたリニューアル担当者から聞き取り調査をされるというもの。「昭和のブラック企業」をモチーフにアトラクションの内容案が提示されていく。なぜか仕事中のお化け屋敷の中で聞かれるため、お化けのキャラ設定を守りつつ苦慮しながら会話を続けるお化け役がおかしい。
天どん師のゆるゆるとした雰囲気の中で展開されるセクハラ・パワハラ全開の昭和のブラック企業像がなんともいえない味がある。
やっぱり鈴本だと池袋の芝居よりもみんなややおとなしめな感じを受ける。気のせい?
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第二十五回 東海道神奈川宿寄席 [落語]

第二十五回 東海道神奈川宿寄席
於:桜木町 横浜にぎわい座芸能ホール

三遊亭けろよん『黄金の大黒』
三遊亭兼好『堀の内』
春風亭柳雀『青菜』
春風亭柳雀『お菊の皿』
三遊亭兼好『やかんなめ』

昨日の反省を活かすべく早めに家を出ろ俺。
いや今日は開演時間は間違えてないけど、所要時間を見誤った。
おかげで最寄りの桜木町に着いたのが開演2分前という。
しかもこれまで地下ののげシャーレだったから慌てて地下行ったらすごい小さい子たちがバレエの練習しているところに迷い込んで戸惑う。え、俺またやっちゃった? と思ったら今日は上の大きいホールだった。はあついにここまできましたか。最初は公民館だったのに。

兼好師の一席め、柳雀師について「今はまだ披露目が残ってるようで、疲れてるんだと思うんですよね。けど彼はわかりにくい。彼は私よりも歳がいってから入門してるから疲れが残ってるはずなんですが、『大丈夫?』と聞くと『大丈夫です』って応えるんだけど、それが退院してきた日の朝、みたいな……」。
噺に入ると粗忽ぶりがなんか以前よりもパワーアップしてる気がする。兼好師の粗忽者はみな一様になんかやたらと忙しなく、常になんか動き回っている。その動きがまたいちいち楽しい。
腰巻弁当に怒った主人公が隣の家に怒鳴り込んで自分の家に戻って謝る、という定番のくすぐりも「最近じゃとなりのおかみさんが楽しみにしてる」ところまで行っているのがおかしい。

柳雀師の一席め、「昨年脛の骨を骨折しまして。(同時に昇進した)昇也さんも骨を折って、芸協は骨折しないと真打昇進できなくなったんじゃないかという……。昨年伊豆で土砂崩れがあったときに現地にいまして。通行止めになっているところを回り道しようとしたら足がツルーッと滑りまして。そこで踏ん張ったら変な方向に足が曲がってそのまま折れちゃった。滑ったときに踏ん張らなければ尻餅だけですんだのに。だから私は学びました。滑っても踏ん張らない!」だそうで。
入院してるときに同室のオッさんにいわれた親父ギャグとまったく同じことを宮治師にいわれたそうで、「してみるとあのオッさんか笑点に出られたんじゃねえかって」。宮治師はどこでもいじられますな。
柳雀師のはおかみさんもノリノリのパターン。「実はどこかのお嬢様じゃねえかって言われるぞ」というセリフに俄然やる気を出す。実はあまり「おかみさんの評価が上がる」というパターンてないんだよな。

二席め、「今日の仕事の依頼は二ツ目の頃に受けていて、ゲストで一席と思っていた。もしかしたら開口一番かとも思ってたくらいで……。まさか二席あるとは思わなかったから着物も一着しか持ってきていない」と確かに一席めと同じもので登場。
お菊オンステージでは助っ人としてフレディマーキュリーがライブエイドと同じEROのコールアンドレスポンスを行うが、さすがにこのご時世客席からのレスポンスはない。マイケルジャクソンも出てきてムーンウォークを行うが、「足がないからわからない」というのがおかしい。というか座布団の上でムーンウォークを表現しようと試みるのがすごいというか。

兼好師の二席め、『やかんなめ』は一年半ぶり。あまりやらない演目だよなーと思いつつ過去のブログを見てみるともうそこには今日と同じ感想が書かれているのでした。やるな過去の俺。
というか当たり前っちゃ当たり前なんだけど、引っかかるポイントはそんなに変わっていない。
いやでもほんと面白いのよ。やっぱり中間の可内(べくない)が終始ゲラゲラ笑っているのがいい。結構ガチのトーンで「お前には暇を出す。とっととどこへでも行け!」とまで言われてしまうのに全然堪えてないところにこれまでの信頼関係がにじみ出る。

終演後、次回のチケットを購入しようかと思ったのだが、その日は小辰さんが披露目の主任の日で時間もかぶっているのでやむなくパス。私は普段は常に兼好ファーストなのだが、さすがに今年のこの時期だけは一蔵ファースト、小辰(扇橋)ファーストにならざるをえない。真打昇進興業は一度きりだし。つーか三人で昇進するうちのふたり追っかけてるんだから、週末は必ずどっちか、下手すりゃ二日連続ってこともあるっていうか実際あるからなあ。
追っかけ仲間から野毛で呑んでいくかという誘いをもらうが、今日はこの後があるのでやむなくパス。立ち飲みでも美味しい刺し身があったりするので行きたいんだけどね。
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