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第九十四回 よこはま落語会〜未来の大看板を応援する会〜 桂宮治独演会 [落語]

第九十三回 よこはま落語会〜未来の大看板を応援する会〜 桂宮治独演会
於:吉野町 吉野町市民プラザホール

桂宮治 ご挨拶
桂伸び太『鮫講釈』
桂宮治『手水廻し』
桂宮治『死神』

バイクでファミレスへ行き昼食がてらブログの更新。
会場近くにも夢庵はあるんだけどね……。昔は夢庵って「ガストの和食版」って感じで安いファミレスじゃなかったっけ? 今は値段は普通だし、正直そんなに美味いってわけでもないし。

開演時間になるとなぜか会場に『サライ』が流れる。んん? と思っていたら、客席後部から私服姿の宮治師が駆け下りて舞台へと上がる。なにかと思ったら24時間テレビのチャリティーマラソンランナー候補になってたのね。そのランナーを決める番組の裏話をたっぷりと。……あー。まあ……なんか……二ツ目に上がったばかりの頃から聴いていた噺家さんがどんどんとテレビタレントになっていく感じ……。まあしょうがないんだろうけどさ。
30分ほどテレビの話をした後、昨年のクリスマスにあった前回に伸び太さんがこの会にこなかった話を。なぜか気づいたら埼玉にいたそうで。新宿から横浜へ行く電車に乗るつもりが逆方向に乗ったっぽい。何時に着くのか聞いたところ仲入り後になると答えられたとか。「『じゃあもういいよ、今日は来るな』って言ったんですよ。でもそういわれたって日本人なら『いえ、行きます』とかいうじゃないですか。でもアイツ違うの。ミャンマー人だから日本人のそういうとこわかんないの。『あっ、ありがとうございます』ってあっさり受け入れたの。違う違ーう!」とツッコむ。その後にもLINEでピースのスタンプが送られてきたという。
「そんな伸び太さんが登場しまーす」と袖に引っ込む。

そんな伸び太さん、「あんなにいじられるとは……嘘ばっかりですよ」と愚痴る。とすぐに袖から顔だけ出して宮治師が「何が嘘なんだよ! お前埼玉に行ったろ!」と怒鳴る。「……まあ埼玉に行ったのはホントですけど……。でも『メリークリスマス』なんて送ってないですよ」。埼玉に行ったって事実がでかすぎて他は枝葉末節なんだよなあ。
講釈の場面で絶句してしまい、「あー……。もう一回やります」とやり直す。講談の内容もかなり独自のアレンジがされており、噺家の亭号のイメージを語る。「顔が怖いよ橘家ー!」とか。

宮治師の一席め、「あれは前座のやり方ですね。『間違った』って言っちゃう。あんな変えてるんだから『最初からこうですけど?』みたいな顔してればいいんですよ。私も『大工調べ』で一度絶句したことがあって、そこで降りたことありますよ。周りから『あれどうしたの?』って聞かれたら『ああしたほうがいいと思ったんで』って言っちゃえばいい」とテクニックを語る。音楽とかでも同じようなこと言いますね。
最近好楽師と弘前市に旅の仕事をしたそうで、ずっと一緒だったという。新幹線も隣の席だったようで、ずっと話していたそうだ。好楽師はかなりフレンドリーで、いろんな人にファンサービスをしまくるという。「笑点のロゴが入った千社札がメンバーに配られるんですよ。サインとかに貼るんですけど、かっこよくて『いいな、ほしいな』と思ってたんですよ。……まあもう持ってるんですけど。……あっ、いま皆さんから敵意を感じた……。で、私はそれをあまり使えないんですけど、好楽師匠はバンバン配っちゃう。新幹線の売り子のお姉さんとか、ホテルの朝食で隣になっただけの人とすぐ仲良くなる」そうで。そういうことよく聞きますね。
打ち上げでは地元にしかない地酒が出てきたそうで、そういうその土地でしか手に入らなかったりするものが楽しいという。
「一部の地域でしか通じない」というところから「手水を廻す」という言い方が大阪の一部でしか通じないという内容の『手水廻し』に。雀々師でしか聴いたことがない。
「手水」が通じず、女中が主人にもやもやっと「てょーどぅ」としか伝えられないのだが、主人もそれで知ったかぶりをして部下に「てょーどぅを回すんだよ! グルグルって! そしたら『うわーめっちゃ回っとるやんけー、ほな!』ってなるから……!」と訳のわからないことになっているのがおかしい。
「旦那様、『てょーどぅ』ってなんですか!?」と何度聞いても「ぐるぐるって回すんだよ!」と話が進まない。「旦那、ただでさえ押してるんですから……!」24時間テレビと笑点の話で1時間以上話してたからね。

二席めは客席の電気を暗くして。「怖い話をするわけじゃなくて、こうすると使用料が安くなるようですよ」。そんなまさか。
柳家小蝠師の話をマクラに。小蝠師の真打昇進のときは宮治師が番頭を勤めた仲だそうで。小蝠師はアメリカンドックが大好きで、「アニさんそんなものばっかり食べてたら体悪くするよ」といっていたそうだが、本当に体を壊してそのまま亡くなったという。噺家の葬式は明るいものだそうだが、さすがに棺の蓋を閉めるときだけは悲しい雰囲気になったとか。そんなときにおかみさんが「ちょっと待って」と冷凍のアメリカンドックを大量に持ってきて、花の代わりにアメリカンドックを敷き詰めたとか。すげえな。「あれいいんですか? って聞いたら食べ物入れるのは問題ないって。でもケンタッキーはダメ。骨が増えて解らなくなるから。これマジなんだって!」と豆?知識。
そんなわけで呪文も「アジャラカモクレン、アメリカンドックは控えめに」。
時間が押しに押していたからか、噺自体はダイジェスト版みたいな感じ。
なんかなー、マクラが長いのは前からだったけど、最近テレビとか笑点の話ばっかりだな。世間から求められてるのはそういう話なのかもしれないけど。
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第九十三回 よこはま落語会〜未来の大看板を応援する会〜 三遊亭兼好独演会 [落語]

第九十三回 よこはま落語会〜未来の大看板を応援する会〜 三遊亭兼好独演会
於:吉野町 吉野町市民プラザホール

三遊亭兼好『元犬』
三遊亭けろよん『転失気』
三遊亭兼好『壺算』
三遊亭兼好『ねずみ』

あまりの天気の良さにバイクで会場に向かう。湿気も少ないので気温が高くても走り出すと気持ちいい。
なによりバイクがあれば夜の会までの時間も潰しやすくなるし。

兼好師の一席め、梅雨の晴れ間にありがとうございます、と挨拶。
家の近くの公園で鳥が子育ての最中だそうで、そこから動物の話に。なかでも奈良の鹿がコロナで観光客が減って鹿せんべいが食べられず、道端のゴミを食い荒らして大変らしいという話題に。「観光客の中でも修学旅行の女子生徒がいちばんせんべいをくれることをわかってますから。ガイドさんの持ってる『○組』って旗にいちばんくっついて歩いてるのは鹿。一応野生のはずですが、半分は飼われているようなもの。動物を飼い慣らすのは大変だそうで、犬や猫ほど慣らすのは難しい」と犬の噺に。
シロの生い立ちを聞いたときのご隠居の気まずそうな顔と、それを見てキョトンとした顔のシロの表情の対比がおかしい。
今日は久しぶりに最前列で、細かい表情までよく見えるのが嬉しい。

二席め、最近は「水道局です」という詐欺が増えているという。「確かに『銀行です』『警察です』といわれたら『そんなところがなぜ?』と思うけど、『水道局です』っていわれたら開けちゃうでしょ」。こないだウチにきた水道局も詐欺なのか。そこにたまたま入ってた水道屋のチラシ見て、まあいいかって呼んだら7万の見積持ってきたあの業者とグルだったとか。まあそんなことはないだろうが、あまりにもタイムリーすぎた。
そこから人を騙す『壺算』に。
なんだろ、兼好師の場合、この噺の番頭用のキャラがある気がする。こういうトーンでこういうものの言い方をするキャラは他の噺には出てこないように思う。
なので、この番頭が出てくると「兼好師の『壺算』だなあ」と思う。
値引き交渉をしているときの、声を出さずに表情だけでやり取りしている場面が面白い。
一席めもそうだが、兼好師はこの百面相が本当に上手い。大袈裟な表情と微妙な表情を絶妙に使い分けている。

三席め、一之輔師の弟子の与いちさんと仕事を一緒にしたようで、「彼は仙台出身で、地元では有名なレストランの息子。その伝手でまだ二ツ目になったばかりなのにもう地元でラジオ番組持ってるんですって。……スポンサーは親父だって。彼も東京と仙台で頑張っているので、真打に昇進したら師匠より先に私を会に呼べと言っておいた」。
「私も東北の生まれなのでわかるのですが、だいたい高校卒業後、進学や就職で東京に行く人と仙台に行く人に分かれる。東京に行った人は半分くらい東京に敗れて帰ってきますが、仙台に行った人はもう帰ってこない。居心地が良くて」と仙台を褒めちぎる。
仙台が舞台の『ねずみ』、兼好師のは3年以上間が空いていて久しぶりに聴いた。
兼好師のは卯兵衛親子の二軒先で旅籠をやっている生駒屋の親父がとにかく前に出てきて引っ掻き回すというオリジナル部分が楽しい。『宮戸川』の「霊岸島の伯父さん」に通じる明るいトラブルメーカーっぷりが最高。
この噺は卯兵衛が優等生すぎて物足りなく感じることがあるが、それをぶち壊す勢いがいい。
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