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遊雀庵 [落語]

遊雀庵
於:神保町 らくごカフェ

三遊亭遊雀 ご挨拶
瀧川鯉津『犬の目』
三遊亭遊雀『お化け長屋』
三遊亭遊雀『船徳』

今日はらくごカフェダブルヘッダー。たまにそういうことがある。
が、この会は予約なしの当日券のみとのこと。50席限定で、らくごカフェのスタッフに聞いてみても「どうなるかわからない」という回答。前回は平日だったそうだが、そのときもほぼ満員だったそうだ。今日は日曜だしなあ。
しかもこの会は遊雀師が主催で、整理券なども自分で配っているとのこと。
4時半過ぎには遊雀師が会場に来るらしいので、昼の一蔵さんの会が終わったあとに近所のマックでコーヒーを飲みながら暫し待つ。……マックのコーヒーまた不味くなってね? 一時期かなりマシになったのに……。薄くって香りも何も、って感じ。
5時前に再度らくごカフェに戻り、無事整理券を手に入れて一度家に帰る。
1時間もいられないが洗濯したり巨人の劇的サヨナラ勝ちを見たり。

6時半に1階のエレベーター前集合ということなので行ってみると、遊雀師が胸に「らくごカフェ」と掲げて先頭に立って入場整理をしている。「こちらはらくごカフェの列でーす。(カレー屋の)ボンディの方はこちらどうぞ」なんてやっていた。遊かりさんもいるのに。

さて遊雀師は追っかけたいんだけどなかなか都合が合わない噺家筆頭株。なんでか他の贔屓と時間がかぶっていることが多くて泪を呑むことがしばしば。でもホントに好きな師匠なんだよなあ。

まずはご挨拶。
松之丞さんの会のゲストかなにかで遊雀師も歌舞伎座デビューをしたそうだ。
トイレに行こうとしたときに稽古場の横を通りかかったら中で坂東玉三郎が稽古をしていて、ほんの一瞬目があったらしい。そのことに大興奮して「だってあの玉三郎よ!?」と単なるミーハーになっているのがおかしい。

鯉津さん、前身は放送作家だったそうで。「今のテレビじゃできない噺を演ります」とのことで『犬の目』に。この噺はほとんど兼好師でしか聴いたことがない。はーぜんぜん違うんだねぇ。
犬の目をくり抜くところで「これがあるからテレビじゃできない」と言っていたが、確かになんかちょっと妙に生々しい感じ。兼好師のだと全然気にならないんだけど。

遊雀師の一席め、池袋に出ているそうだが、いま池袋では講談の先生がトリで怪談話をかけているのだとか。
しかも前座さんがゆうたとして客席に出るそうで、それは遊雀師も初めて見るらしい。
本来ゆうたが女性のお客さんを脅かして悲鳴をあげさせるのだが、講談の前座さんなので女性が多く、しかも自分で「キャー」と悲鳴をあげるのだそうだ。遊雀師曰く「無駄がない」そうで。
そんなところから怪談話で脅かす『お化け長屋』に。
でっち上げの怪談話を話すたぬもくの顔がもはや顔芸となっていて、これがもうどうにも面白すぎる。
ふたりめの男に「どこで打ちい出すか遠寺の鐘が、陰にこもって物凄く」「ゴーーーン! と鳴ったな!」と先回りされて脅かされたお返しに、「仏壇の鈴がチーーーン!」で脅かし返すというのが初めて聴く形で面白い。

仲入り時にちょっと外に出たらちょいとトラブルが発生し、後半の部が始まるまでに戻れなくなってしまった。くそっ。

『船徳』の若旦那が船頭になりたいと言っている場面なので噺は始まったばかりだが、マクラ何話したのかが気がかりだ。
若旦那は若旦那らしく物凄く打たれ弱く、親方が少し大声で怒鳴るとすぐ泣いてしまうのがおかしい。泣きながら隣の船宿に「あたしを船頭にしてください!」と本当に頼みに行ってしまうのも面白すぎ。
そんな徳なので、お客にちょっとキレられてもまた泣いてしまう。その嗚咽がすごいリアル。それで慌てて客が徳をあやすのがもうたまらない。はーーーやっぱり遊雀師はホント面白いわ。ヤバい。
やっぱりもうちょっと他の人減らしても行くべきか……。
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第六十五回 一蔵ひとりの会 [落語]

第六十五回 一蔵ひとりの会
於:神保町 らくごカフェ

春風亭一蔵『かぼちゃ屋』『お菊の皿』『阿武松』

涼しくて過ごしやすいのはいいけど、夏が終わってしまいそうでちょっと焦る。今年も夏らしいこと何もやってないなー。

一蔵さんはなんと一之輔師とプライベートで一緒に甲子園まで1泊で観戦に行ってきたそうで、その話をマクラに。
「あの師匠がマクラでどんなことを言ってるか知りませんけど、あの人はすべて脚色しますから。私の言ってることが真実ですからね!」と前置きして話し始める。
一之輔師は新幹線のチケットも普段は自分ではとらないので、それらの手配もすべて一蔵さんがやったという。一蔵さんは自由席で行こうとしてたのだが、一之輔師が「グリーンにして」というのでグリーンを取ったのに、一之輔師のマクラでは「一蔵に勧められた」となっているそうだ。
当日の朝、一之輔師が寝坊して新幹線にギリギリでダッシュできた話や、甲子園のクジで当たったカレーを巡ってケンカした話とか、食事をするにしても行く店行く店一之輔師に馴染まずに結局笑笑に落ち着いたとか、一之輔師が感動して泣いているのを抱きしめてあげたら抱き合って泣いたことになってる、とか。マクラだけで30分くらい。
「せっかくなので一之輔師匠に習った噺をやります。もしこれで滑ったとしても! 私が滑ったのではなく! 一之輔師匠が滑ったんです!」そんな理屈聞いたことない。
一蔵さんの与太郎は一之輔師よりも無邪気だけれども与太成分は高めのような気がする。

『お菊の皿』はネタおろしか。
昨日は仕事で能登半島の方に行っていたらしく、そこで土地の人にされた怪談話っぽい落とし噺をマクラに。
「歌武蔵師式」とのことで、お菊が太っているという爆笑譚に仕上がっている。
お菊が「一枚、二枚」と数えるのではなく、「一杯、二杯」とご飯の数を数え、最後は幽霊の手つきがひっくり返って茶碗を持つ格好になるのがおかしい。

明日からは新版三人集で五夜連続があるから、と三席めは声を張らない噺。
落ち着いて貫禄のある板橋の旦那と長吉の朴訥さがいい感じ。
タグ:春風亭一蔵
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