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なかのらくご長屋 兼好毎月連続独演会 30年7月 [落語]

なかのらくご長屋 兼好毎月連続独演会 30年7月
於:中野 なかの芸能小劇場

三遊亭しゅりけん『四人癖』
三遊亭じゃんけん『浮世床(将棋・夢)』
三遊亭兼好『万病円』
三遊亭兼好『風呂敷』

「逆走台風」が変な動きをしているせいで天気がおかしい。
昨日も「大雨が降る」という予報だったから外に出るのを控えていたら、出掛けたいと思っていた時間帯は全然雨が降らなかった。
今日も台風一過で雨もやんだろと思ってバイクできたら、結構な雨が突然降ったりやんだり。
ちょうど会場に着きそうというところでザバーと降られ結構濡れる。
ブツブツ言いながら会場に着くと、エレベーター前で兼好師に会う。二言三言話しながら一緒にエレベーターに乗り、2階に着くとまだ開場して間もなく、客が溢れた状態。それだと楽屋に入れないため、開場待ちだったようだ。そういや前にも似たようなことあったな。

しゅりけんさん、珍しい噺。知り合いによればちょくちょく掛けているというが、初めて聴いた。
他の人でも聴いたことがなかった。
『のめる』と似たような噺。登場人物が多い分、演じ分けが必要そうだが……まあ、そこらへんはまあね、まあまあ。

じゃんけんさんも登場人物多めの噺。
兼好師に似てるのでいいところもわかるけど、悪いところはより目立ってしまう。特に兼好ファンにはごまかしが効かなそう。そこらへんは難しいところなんだろうなあ。

兼好師の一席め、逆走台風のようにこれまでの経験が活かせないような場面に出くわすと人間は身体が固まる、という。
たとえば昨日親戚のおばさんに車に乗せてもらったらいつのまにか逆走してたときに身体が固まったとか、坂の上からショッピングカートを押したおじいさんが下りてきたのでおじいさんが転んだりカートだけが先に転がってきてもいいように身構えていたらおじいさんだけが坂を下りてきた、とか。どこまで本当かはわからないけど、そういうエピソードがポンポン出てくるだけですごい。
そこからヒマな侍にいろいろ難癖をつけられて町民が固まる『万病円』に。
そうはいいながら結構町民にやり込められ、ハッとした顔をするところがおかしい。

二席め、兼好師の『風呂敷』は「女たるもの」という説教をおさきさんだけでなく自分の女房にもするところが珍しい。
「俺は唐土の本をたくさん読んでるんだ」と威張ってる割にはイマイチ理解してないというところがおかしいのだが、中でも「『君子(きみこ)危うきに近寄らず』っていうのがあって。大変なんだ唐土ではきみこさんは。あと老子(ろうこ)さんとか荘子(そうこ)さんとかいろいろいるんだ」とぶつのが面白い。
それと「喧嘩を納めてきた」といってその方法を教えるのではなく、「これから喧嘩を納めに行くんだ」といって「こうすれば納められるんじゃないか」と実践するところが他の人と違う点。サゲもそれに合わせてちょっと違っている。

終演後、久しぶり会う知り合いたちとフレッシュネスに。
バイクだからビール飲むわけにもいかず、知り合いはビール飲んでるのにこっちはアイスコーヒー1杯で2時間粘る。言ってくれりゃあ電車で行ったのに……。
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けんこう一番!第七回三遊亭兼好独演会 [落語]

けんこう一番!第七回三遊亭兼好独演会
於:国立演芸場

三遊亭兼好『孝行糖』
三遊亭じゃんけん『釜泥』
三遊亭兼好『野晒し』
上條充 江戸糸あやつり人形
三遊亭兼好『船徳』

会社を少し早めに上がって会場へ向かおうとする。
そうすると同僚が割とどうでもいい仕事の話をしてくる。おい俺は定時前に帰ろうとしてるんだから用があるってわかるだろうよ空気読め。
おかげで会場へ着いたのは割とギリギリ。
会場では次回11月のチケットが売られていた。焦って思わず1枚買ってしまったがそういや俺かなり早い段階でチケット買ってたわ。平謝りで仲入り時に払い戻しをしてもらった。手売りだったからできたんだろうけど、ネットとかで買ってたらまた引き取り手を探さなきゃならないとこだった。

まずはご挨拶がわりに一席。
「最近では気温38℃とか普通にありますけどすごく暑いですよね? でも風呂で38℃だったらすごくぬるいですよね? これなんでですかね?」とずっと疑問なのだそうだ。
「今日の主催者に聞いてみても『風呂は顔が外に出てるから』って言うし」。え、俺もそう思ってた。
「昨日扇辰師匠に聞いてみたら『実はどっちも一緒だ』って言うし、喬太郎師匠に至っては『お前の根性が足りないからだ』って言うし」。
今ちょっと調べてみたら「気温だと発汗により体の表面が下がって気温との差が出るので暑く感じ、水温だと湯の熱伝導率が高い上に発汗作用による体表との温度の差がなくなるので暑さを感じなくなるから」……らしい。わかったようなわからないような。
「暑いと頭がボーっとしたり冷静じゃなくなる。『頭を冷やせ』というのは正しい理屈なんです。けれども落語には暑くなくてもぼーっとしている人が出てきて……」と噺に入る。

「『けんこう一番!』では『前座は二番』ですから」とじゃんけんさん。やっぱりやり辛そう。
『釜泥』はけん玉時代の兼太郎さんでも聴いたことがあるがそれとよく似ていた。同じ師匠から習ったのかな。
最初の方はじいさん口調ばあさん口調だったのだが、後になるに従って普通の口調に。「おばぁーさん」という呼ぼ掛けだけが爺さん口調になってなんかそこだけ浮いてしまう。うーん。

兼好師の二席め、やっぱりこの噺は「さいさい節」が聴かせどころ。
こぶしもきいて実に上手い。
水たまりに顔を突っ込んで顔の半分だけ水から出してブクブクいいながら妄想を続けるのがまたおかしい。

江戸糸あやつり人形の上條さん、ひとりで操っているようには思えないほど人形は繊細で多彩な動きをする。
獅子舞を操るときには二人立ての獅子で、獅子頭、前足の人、後ろ足の人とそれぞれを操る。これはすごい。言葉だけだと伝わらないなあ。

三席め、久しぶりに聴く『船徳』。
細かいオリジナル(?)のくすぐりがそこかしこにたくさん入り、それがことごとく面白い。
船頭たちの兄貴分が聞かれてもいない悪事をペラペラと話す場面では、新造の舟やそば以外の悪事も続々と出てくる。
徳の自意識過剰っぷりがこれまたおかしく、土手に女の子がいるというだけで張り切る。が、「本来女の子は船頭を見ると黄色い声を掛けるというが、この船頭はこんなこと(合掌)されてるぞ!」と客が悲鳴をあげるのも楽しい。

……家に帰るとなんかシンクが臭い。おじさんの口臭と同じ臭いがする。
あー食べ物のカスと体温と同じくらいの気温、んでもって多分雑菌があるとこうなるのね。
……気をつけよう。
つーか家の中でタイの路地裏の臭いするってヤバいな。タイと同じくらいの暑さがあるってことか……?
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第六十四回 一蔵ひとりの会 [落語]

第六十四回 一蔵ひとりの会
於:神保町 らくごカフェ

春風亭一蔵『たがや』『三人旅(おしくら)』『青菜』

クーラーの効いた部屋で猫と一緒にのんべんだらりんと過ごす。どっか写真撮りに行きたいが暑くて外に出る気にもならない。……いや暑いのは好きなので外に出るのは全然大丈夫なのだけれど、大汗かいちゃうと外ではどうにもならないのがちょっとなあ。洗顔シートとかでは限界あるし。

一席め、今シーズン初の『たがや』。夏ですな。
侍が刀を抜くところで「『抜けば玉散る氷の刃』というのは講談の話。落語に出てくるのは『抜けば錆散る赤イワシ』、ガサ、ガサ、ガサガサと」というのは定番の言い回しだが、その後の「まるで浅草演芸ホールの弁当の包み紙を一斉に開くババアたちと同じ音」というくすぐりはおかしかった。
その後はいつものように「練馬区ヤンキー列伝」や「隅田川テキ屋苦労譚」を差し挟みつつ噺が進んでゆく。
今日は特にヤンキー話に熱が入っていたようだ。
この『たがや』の評判が師匠の一朝師の耳に入ったらしく、「東京以外では演るな」と釘を刺されたらしい。

ネタおろしは『三人旅』の中の『おしくら』。
旅のマクラとして某師匠と青森に行ったところ、その師匠のタニマチと飲みに連れて行かれたという。酒に強そうな風貌の某師匠だが、3人で七合ほど飲むとベロンベロンになってしまったらしく、カラオケスナックに行ったら……と話す。「いつもはかなり盛っているけれども今日のは一切脚色なし」とのこと。最後には某師匠の名前もポロリと漏らす。
『おしくら』はだいぶ以前に聴いたことがあったと思うが誰でいつ聴いたか全然思い出せない。だいたい『三人旅』というと「びっこ馬」のところだしなあ。
三人のキャラクターをそれぞれ大きく性格を分けて演じており、わかりやすくて面白い。

三席め、マクラで「いとこに植木屋がいて」と話したところで「あ、『青菜』だと思った?」といって話を続ける。違うのかと思ったら話が一区切りしたところで「せっかく植木屋も出てきたので」とやっぱり『青菜』に。
今日はだいぶご隠居を控えめにし、植木屋とのコントラストを強めに。
夫婦の仲の良さも強調されていた。
タグ:春風亭一蔵
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みずほ笑ホール寄席 兼好・王楽二人会 [落語]

みずほ笑ホール寄席 兼好・王楽二人会
於:箱根ケ崎 瑞穂ビューパーク スカイホール小ホール

三遊亭しゅりけん『子ほめ』
三遊亭兼好『真田小僧』
三遊亭王楽『唐茄子屋政談』
三遊亭王楽『祇園祭』
三遊亭兼好『禁酒番屋』

午前中は叔母の三回忌に車で大宮まで出かける。
そのまま車で瑞穂町まで。早めに着いたので近くの温泉施設でひとっ風呂浴び、着替えてさっぱりして落語に向かう。やはり風呂はいい。

実にひと月ぶりの兼好師。
ここ最近土日にあまり会がないか、あっても大物と一緒でお高い会ばかりであまり食指が動かない。そういう会って一席しかやらないし、兼好師の出番が浅めだから軽い噺ばかりだしなあ。最近は「よってたかって」とかもあまり行かなくなってしまった。まあ香盤があるから仕方ないんだろうけど。

広いホールに結構人が入っている。前回来たときは満席だったところを無理やりねじ込んでもらったので、今日は念のため予約をしていく。
地域寄席でこんなに大きな規模の会も珍しい。
そして地域寄席のあるあるとしてお客の爺さん婆さんたちがよくしゃべる。お茶の間かってくらい。
まあ楽しんでるんだし、こっちは他所者なんだからいいんだけど。

しゅりけんさん、まだ高座では焦るのか、早口になってしまい聞き取りづらいところがある。でもよく聴く機会があるので忘れがちだが、まだ入門して1年も経ってないんだよなあ。

兼好師の一席め、昨今の暑さについて。
新宿を歩いていたら浴衣姿だからか黒人の観光客に囲まれて雑談していたら「アフリカより暑い」と言われたとか、他の会で歌武蔵師の高座中に妻が熱中症で倒れたにも関わらず夫が落語に夢中で気づかなかったあの夫婦は今頃離婚しているに違いない、とか。
最近は子どもたちも大変だ、というところから『真田小僧』に。
兼好師のは久しぶりに聴くが、やっぱり面白い。
特に「10銭ここまでー!」と切れ場を派手に作る金坊とそれに振り回される父親の表情がいい。
おっ母さんが帰ってきて「お前が男を引っ張り込むから……」と聞かされたときの顔と、その剣幕に驚いてニヤッとした父親の顔もおかしい。

王楽師、まずいとも思わないし、嫌いなわけでもないのだが、なんなんだろうこの毎回感じるこの圧倒的「物足りなさ」。
今日の二席ともまあまあ大きなネタだし、聴いてて退屈するわけでもないんだけど、どうしても「あー落語聴いたなー!」という満足感がイマイチ足りない。
『唐茄子屋政談』も若旦那がかぼちゃ売って吉原田圃で黄昏れるところで終わりっていう中途半端な感じだし、唄もそんな上手いわけでもないし。『祇園祭』はなんか啖呵のすっきり感というかカタルシスが足りない。
なんですかねコレ俺の二世バイアスが掛かっているのかなあ。

兼好師の二席めの『禁酒番屋』は大ウケ。
藩士の近藤が酒を呑む仕草や、番屋の藩士たちが水カステラを呑むところも中手が起きたりしていたが、やはり最後の小便を飲むか飲まないか、という場面ではもはや会場中が爆笑に包まれる。
やっぱりこういうところの盛り上げ方は上手いと思う。

行きはやや混んでいたものの、帰りの道はスイスイと。
ただ今日は地元の花火大会だったため地元の道が人で溢れていた。というか毎年何故か花火の日は夜の落語会があって花火見てないな。
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遊馬百席 第111回 [落語]

遊馬百席 第111回
於:板橋 みやこ鮨

三遊亭遊馬『化け物使い』『もう半分』『片棒』

久しぶりに黒門亭の1部に一之輔師が出るとのことだったので、行列覚悟で10時半くらいに黒門亭に。
防暑や熱中症対策も万全に行っていたのに、いざ着いてみたら既に整理券配布だけで満員札止めだとか。
つーか何時から配ってて何時で終わったんだろう。なんかもうちょっと尋常じゃない。

それにしても暑い。じっとしてるだけでも汗が出てくるし、さすがに猫たちもぐったりしている。
ダイソンの羽なし扇風機も買ってみたが、気休めにもならんなー。

遊馬師も家の中に居ながらにして熱中症になったらしく、そんな話をマクラに。
また弟子入り志願の人たちについても。「お弟子さん取らないんですか?」とよく聞かれるのだが、弟子入り志願が来ないわけでもないがメールでの問い合わせが多いという。あー。また他の師匠が弟子に取れないので話が回ってくるパターンもあるそうで、一度は話を聞くそうだが「正直他の師匠のほうがいいんでしょ?」と尋ねると「はい」と答えられてしまうとか。「さすがにそんな人は取りたくない」ってのは本音だろうなあ。
師弟関係から主従関係の話へ移り『化け物使い』に。遊馬師のはちょうど5年ぶりに聴く。
使用人たちの「お暇を頂戴したいんですがな」と繰り返して印象づけ、オチにつなげる。
本来化け物たちは狸が化けたものなのだが、今回は本物の化け物たちが音を上げる、というパターン。
面白いパターンだと思うが、だとすると細々と細部を修正する必要がありそう。

二席めもやや怪談ぽい噺の『もう半分』。
一時期はよく掛けていたのだが、あまり評判が良くないのであまり演らなくなったそうだ。出来不出来という評判ではなく、まああまりいい気持ちにならないからという理由らしい。まあねえ。
遊馬師自身も噺にいろいろと矛盾は感じているらしく。基本的に落語には悪人は出てこないはずなので、居酒屋夫婦を描くのに無理があるそうだ。ある師匠は居酒屋の夫婦は叩けばホコリの出るようなふたりとして描き、芝居のように極端な仕草にしているという。「どういうのがいいんですかねえ」と迷う遊馬師のは亭主は善良で女房がふてぶてしいパターン。
だとしたらやっぱり基本的には夫婦ふたりとも善良なのに、金を見て出来心で……というような感じの方が自然な気がする。爺さんそっくりな子どもが産まれてショック死するというのも罪悪感に耐えかねて、という感じでしっくりくるんじゃないかなあ。そういうのは善良さがにじみ出ている人じゃないとできなそう。

三席めはがらりと雰囲気を変えるために三坊の噺に。
先の二席で時間を使ったからか兄弟の時間はそれぞれ短め。
やっぱりこの噺は他のふたりはともかく次男は時間をたっぷり使ったほうがいいように思う。
タグ:三遊亭遊馬
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第5回 小辰の寸法 [落語]

第5回 小辰の寸法
於:人形町 日本橋社会教育会館

入船亭小辰 ご挨拶
柳亭市坊『転失気』
入船亭小辰『一目上がり』
入船亭小辰『棒鱈』
入船亭小辰『心眼』

昨日の小辰さんの『鰻の幇間』が頭に残ったのか、鰻がやたらと食べたくなる。
なので昼は奮発して新宿に出て彼女と鰻を食す。
『鰻の幇間』とは違ってしっかりと美味しい。
そういや最近ワンコインでうな丼を食べさせるチェーン店があり、近所にもあるので2回ほど行ったことがあるが、そこで出てくるのがまさに『鰻の幇間』の鰻。「関西風」と言い張って蒸さないもんだから身はシコシコと固く、皮はゴムのように伸びて箸で切れない。脂はロウソクのようにニッチャニッチャと気持ち悪く、これじゃ鰻も浮かばれまい。

その後、去年に引き続き入谷の朝顔市に。
とはいえベランダに去年の鉢が出っぱなしになっており、今年は買うことはまかりならんと仰せつかっているので購入は自重する。
すげえ日に焼けた。
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Nikon Df

さて2日連続で小辰さん。
いつもは平日らしいが今回は日曜ということで初めて行く。

最初のご挨拶、高座に座ってめくりも出ているので一席めのマクラだと思っていたら噺に入らずに引っ込んだ。
歌丸師に触れ、実際には前座になりたての頃に一度しか会っただけらしいが、ものすごく丁寧に挨拶をしてもらったという。「売れるっていうのはこういうことなんだな」と思ったそうな。とはいえそれっきりだし別の協会の会長だし、それ以上の感想は……とのこと。「お客さんたちも今日この時間にここにいるってことはあまり興味ないんでしょ?」あっ……そういや録画すんの忘れてた。
あとは昨日も話していた、落語講座の後に一席やったら「それはなにが面白いんですか!?」と爺さんに聞かれた話とか。よっぽど腹に据えかねていたのか。

市坊さん、小辰さんのご挨拶で「最近坊主頭が伸びてきて、ヒゲも濃いので泥棒みたいになった」と紹介されていた。
出てきて「あーーーー」と納得。伸びた坊主頭が五右衛門っぽい。
せっかくそんなフリをしてもらったんだから泥棒の噺すればいいのにー。もったいない。

小辰さんの一席め、市坊さんに触れて「柳亭小市馬誕生ですね」。ただ自分もよく師匠に似ているといわれるが、それは嫌だという。あんなに師匠大好きなのに?
二ツ目に上がってからあまり演らなくなった噺もちゃんと演らなくては、ということで前座噺を。確かに小辰さんの前座時代はほとんど聴いていないので『一目上がり』も初めて。
隠居の家を訪ねてきた八っつぁんが建て増しの普請を褒めるところから始まる型は初めて聴くかも。
トントンと小気味よく噺が進む。

二席めの『棒鱈』も初めてか。
酔っぱらいの熊と田舎侍の場面転換がくるくると忙しい。他の演者よりも多い気がする。
田舎侍の唄の場面はヤケクソっぽいくらいまで振り切れていた。

三席めはネタおろし。
登場人物の気持ちがわからないまま演っている噺は多々あるのだが、この噺はその最たるものだという。
『心眼』は扇辰師で一度聴いたことがあるくらい。
確かに主人公の梅喜の心の動きはよくわからない。というか梅喜は生まれながらの盲ではないのかな。そこらへんの説明がもう少しあってもいいかもしれない。

終演後に小辰さんが挨拶に出ていたので聞いてみるとやはり扇辰師からの噺だという。
「なのに師匠に似ているといわれるのは嫌なの?」と聞くと「殻を破らなきゃいけないのに同じじゃしょうがない、ということと、似てると単純に師匠に嫌われる」という。確かに扇辰師も「弟子は俺に悪いところばかり似るんだ。見ててイライラする」というようなことも言ってたなあ。どこが悪いポイントなのかはよくわからんけど、兼好師も同じこと言ってたしそんなもんなのかねえ。
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らぐろ亭 第21回 一蔵・小辰二人会 [落語]

らぐろ亭 第21回 一蔵・小辰二人会
於:駒込 妙義神社

春風亭一蔵『かぼちゃ屋』
入船亭小辰『鰻の幇間』
入船亭小辰『星野屋』
春風亭一蔵『大山詣り』

ウチの猫のミルクだが、やや長毛なので毎年夏は暑そうにしている。
トリミングしようにもスーパーびびりなので、知らない人に押さえつけられて毛を刈られるストレスの方が心配になる。
ということでペット用バリカンを買って自分で刈ってみる。
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……白黒ねこなのにトラ刈りとはこれいかに。
思ったほど嫌がらなかったし気に入っているのかな?

会場に着いたらギッシリ。これまではある程度余裕があったのに、今日は超満員。最初の頃は狭い会場でもまだ余裕があったんだけどなあ。

一蔵さんの前に日大落研の学生無添加バナナさんが高座に上がり『長命丸』を掛ける。
今は亡き喜多八師のネタらしいが聴くのは初めて。

一蔵さんの一席め、仕事で一花さんと帯広に行った話をマクラに。
ご当地グルメのインディアンカレーなどの話をしながら、ばんえい競馬の話に。
ばんえい競馬はいくらか払えばレース名をつけられるのだが、一蔵さんがお金を出してサプライズで「春風亭一花 二ツ目昇進記念杯」を開いたそうだ。
スポンサーはレース予想をテレビで発表したりセレモニーで賞金のプレゼンターとして出演できるという。
セレモニーの直前に一花さんに「お前謎掛けやれ!」と無茶振りをしたところ……という話題からやや強引気味に与太郎の話に展開して『かぼちゃ屋』に。
あれ一蔵さんのは初めてかな。なんというか一蔵さんが演るととにかく暑い。気がする。
与太郎の裏表のなさが伝わってくる。

小辰さんの一席め、地方での会で幇間芸の師匠と一緒に周った際に、打ち上げの席で余芸を求められたという。小辰さんは前座さんと適当な謎掛けでごまかしたが、幇間芸の師匠は高座で披露した以外の芸をスーツ姿で見せたという。おひねりがたくさん集まり、その師匠が三等分してくれたのだが、その額がギャラより高かったとか。
そんなマクラからヨシオちゃんが出てくる権太楼師型の『鰻の幇間』。
浴衣の男に騙されたと知った後の説教がネチっこい。

二席めの『星野屋』でもなんとなくお花と重吉のやり取りがネチっこい感じがする。
この後で一蔵さんが「小辰さんの性格が出ている」といい、小辰さんに「やめろ!」と突っ込まれていたが、確かになんかそんな感じが出ているかも。
まあなんというかそういうあけっぴろげじゃないところが小辰さんの持ち味だからね。

一蔵さんの二席め、これまた夏にピッタリの噺。
暴れん坊の熊がストレートに一蔵さんに似合う。

終演後は恒例の打ち上げ。
一蔵さんの誕生日が近いらしく、皆で色紙を書きサプライズでタカノのケーキが運ばれてくる。
七夕の今日限定のケーキなんだとか。
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Nikon Df
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上野鈴本演芸場 平成三十年七月上席 夜の部 7月1日 [落語]

上野鈴本演芸場 平成三十年七月上席 夜の部 7月1日
於:鈴本演芸場

柳亭市若『牛ほめ』
三遊亭わん丈『寄合酒』
マギー隆司 奇術
三遊亭彩大『引率教師の夜』
柳家小里ん『長短』
柳家小菊 粋曲
三遊亭圓丈『新寿限無』
桃月庵白酒『花色木綿』
すず風にゃんこ金魚 漫才
林家彦いち『かけ声指南』
林家楽一 紙切り W杯 鷹
三遊亭天どん『船徳』

早朝寄席の後、小石川後楽園へ。久しぶりに写真を撮りに行く。
ほんとにドームのすぐ横なんだね。
ドームには何度も行っていたのに気づかなかったなあ。
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Nikon Df

その後また鈴本演芸場に戻る。

わん丈さん、季節らしく?西瓜柄の着物。いやホントに西瓜柄なのかはわからんけど。
自宅のマンションの目の前に高級マンションがあり、娘さんを連れて散歩していたところ取材を受けたという。なんとそこには紀州のドン・ファンのあの嫁が住んでいるらしく、写真を見せられて娘さんが発した一言で報道陣が色めき立ったという。
今日はほぼ新作派ばかりだからか今日は古典。
若い衆たちがわーわーと大喜利を始めたなか、兄貴分が「お客さんは大喜利を見たくねえから寄席に来てるんだろ!」といろいろと危ないセリフも飛び出す。
それにしても古典も上手いなあ。

圓丈師、3年ぶりの鈴本出演らしい。
最近はカンペを持ち込んでいるという話は聞いていたが、書見台を使ってあんなに堂々と持ち込んでるとは。「えーとどこまでやったかな」と噺とは別のところでも笑いを取る。

白酒師、今日は初日なので特に縁起を担ぐといい、先程の圓丈師の『寿限無』もそうだという。内容はともかく、「寿限り無し」という文字面はめでたいという。
で、泥棒の噺もよく縁起を担ぐために掛けられるが、それも「お客様の懐を取り込む」派と「お客様の心を取り込む」派があるといい、「幸い私は古今亭なので後者です」とのこと。
しかし桃月庵→五街道→金原亭→古今亭とかなり遡らないと古今亭までいかないなあ……。こはくさんも真打になったら亭号変わるのかな。
噺の面白さは言わずもがな。

彦いち師、「熊さんに八っつぁん、横丁の隠居、馬鹿で与太郎、人のいいのが甚兵衛さんで真面目なのがムアンチャイ」というネタがあるというのを数日前に知ったのだが、偶然にもその噺。
なんか知らんが彦いち師とはそういうことが多くてびっくりする。

楽一さん、お題に「ワールドカップ」が出てかなり戸惑っていた様子。
最終的に日本のポーランド戦のボール回しのシーンとブーイングを切る。

トリの天どん師、本来初日は新作を掛けているのだが、「今日は日和って古典を演りますよー」とのこと。
この時期にピッタリの噺で、そういやもうすぐ四万六千日様のほおずき市だなー。
以前にも一度聴いたことがあるが、徳の自分大好きナルシストっぷりがおかしい。
この面倒くさい感じのキャラがいかにも天どん師らしくて好き。
そういや天どん師3週連続だったなー。兼好師以外でこんなに続くのも珍しい。
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鈴本早朝寄席 平成三十年七月一日 [落語]

鈴本早朝寄席 平成三十年七月一日
於:鈴本演芸場

古今亭ちよりん『やかん』
春風一刀『鈴ヶ森』
古今亭志ん松『たけのこ』
春風亭一蔵『火焔太鼓』

仕事で面白くないことがあってずーっとムカついている。
くっそ大手だと思って下請けバカにしやがってよぉ。
あまりにもムカついたので金曜は同僚と飲みに行く。
こういうメンタルで飲むとそんなに深酒したつもりもないのにすげえ残るということを初めて知った。酒は完全に抜けているはずなのになんかいまだに調子よくない。はあー。

ちよりんさん、やかんのくだりは講談調じゃないのはあまり聞いたことがない。

一刀さん、登場人物ふたりがなんか濃い。なんだろ、ニンなのか。もしくは俺の思い込みか。

志ん松さん、我孫子出身らしく「『我孫子』ってなんですかね、ジジイの大切な順番ですかね。我、孫、子」といっていて上手いなあと思う。我孫子鉄板ギャグなのか。
それと我孫子駅名物の唐揚げそばに触れ、「唐揚げもこんなにげんこつサイズで大きくて人気なんですよ。……でも全然美味しくないの。そばも『時そば』の二軒めみたいにべちゃべちゃで」。えー。一回食ってみたいと思っていたんだけどなあ。
そばは旬はないけれど……と旬の話につなげて『たけのこ』に入ったが、筍の旬は過ぎているような……。軽くていいんだけど。

一蔵さん、早朝寄席にもかかわらずのハイテンション。
「このあと独演会があるんだぞ! 三席演らなきゃいけないのに」と甚兵衛さんがヘトヘトになりながらつぶやくのがおかしい。
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