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日暮里だだらくご [落語]

日暮里だだらくご
於:日暮里 日暮里サニーホール

入船亭小辰『松山鏡』
柳亭市弥『野晒し』
柳亭市弥『棒鱈』
入船亭小辰『井戸の茶碗』

本日3つめの会。
上野谷中日暮里とかなり狭い範囲だな。
一度家に帰ってから再度出かける。
もう夜だしカメラいらねっかーと手ぶらで。
会場に着くと明かりもついてない。あれーと思ったら久しぶりに時間を間違えて開場の45分も前に着いてしまった。
あちゃーと思っていたら小辰さんと市弥さんとバッタリ。
小辰さんに「今日カメラ持ってます?」と聞かれる。
「高座撮ってもらおうかと」マジかよ痛恨っ……まさに痛恨っ……! 往復30分くらいなんだから取りに帰ればよかった。まあ小辰さんのリップサービスの可能性も高いけど。

開演前にふたり揃ってご挨拶。
そもそもこの会は代々木の「ダダカフェ」というところで始めたので「だだらくご」という会の名前にしたそうな。そのカフェが区画整理で閉店となり、連雀亭に移ったのだがそれも諸事情により使えなくなり日暮里に移ってきたのだという。大丈夫か連雀亭。
とはいえ少しずつハコが大きくなって成長していっているという。

ご挨拶が終わると小辰さんがダッシュではける。
市弥さんが座布団やめくりを用意している間に出囃子が鳴り始める。
この会場はCD操作室が2階にしかないらしく、小辰さんが自分で操作をしに行ったという。
なので高座に上がってきたときには息が上がっていた。

さて小辰さんの一席め、朝の早朝寄席でも「今日はこの後に遠くまで行かなければならないので一番手で出た」と言っていたが、所沢まで行っていたらしい。
2公演あって本当はネタを変えたかったらしいのだが、主催者からどちらも同じネタでとリクエストされたのだそうだ。同じネタでもお客によってウケたりウケなかったりするそうで、案の定2公演目ではウケなかったらしく「悔しいのでそのネタをやります」。
朴訥そうな正助もいいが、悋気を爆発させるおみつもかわいらしい。

市弥さんの一席め、テレビの食レポの仕事や街の中華屋でミックスフライを頼んだときのエピソードをマクラに。このミックスフライの話面白かった。その店行ってみてえー。
ハイテンションでぽんぽん喋る八公が勢いがあって楽しい。
さいさい節や幇間の新朝も熱演で客席から見てもわかるくらい汗だく。

二席め、前も思ったんだけど市弥さんの酔っぱらいはあんまり酔ってるように見えないというか。
泥酔のはずなのにほろ酔いていどに見える。
二席続けて唄う噺。一席め頑張りすぎて声ガラガラだけど大丈夫? と思ってたら『十二ヶ月』や『もずのくちばし』ではなく『クイカイマニマニ』とか『サラスポンダ』とか。なので「覚えちゃった」とかのくだりはなし。
小辰さんによると「これは師匠に怒られますよ。明日朝イチで報告したいと思います」。そうなの? 結構面白かったけど。

小辰さんの二席めは「正月なのでおめでたい噺を」と『井戸の茶碗』。
千代田卜斎の頑固な清貧さの佇まいがいい。届けられた五十両を目の前にして「本当のことを言えば喉から手が出るほど欲しい」と正直に告白するのが人間味があって好き。
清兵衛さんを探して屑屋を改める高木と屑屋たちのやり取りや、千三ツとあだ名される屑屋仲間がかたるホラ話のネタバラシの場面もおかしい。
やっぱり小辰さんは登場人物のキャラがそれぞれキメ細かくて聞いていてわかりやすい。

次回こそカメラ持ってこよう……って次回平日なんだよなあ。
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谷中はなし処 平成三十年一月二十八日 [落語]

谷中はなし処 平成三十年一月二十八日
於:千駄木 谷中はなし処

三遊亭まん坊『転失気』
立川志の春『牛ほめ』
三遊亭萬橘『代書屋』
オーパーツ コント
林家たけ平『徂徠豆腐』

昼食を摂って移動するのにちょうどいい開き具合の時間と距離。

まん坊さん、ちょっと慌ててる? という感じ。

志の春さん、家の褒めようを父親から習ってるときには「家は総体へのき造り」とか「天井はさつまいもにうずら豆」とか間違えるのに伯父さんの家では合っているという珍しい形。
父親の前ではできるのに伯父さんの家で間違えるとか、どっちも間違えるとかは聴いたことがあるが、このパターンは初めて。
まん坊さんとおなら被り?
……しかし志の春さん、見るたびに丸くなっていっているような……。

萬橘師、前にも『代書屋』は聴いたことがあるが、オリジナルキャラの田舎娘の破壊力がとにかくすごい。
前半部にこのパートが入っているため、本来の履歴書の部分がバッサリ短めになっている。
個人的にはこの男の話の通じなさがだんだんイライラしてくるので、萬橘師くらい刈り込んであるくらいのがいい。
この辺の加減が上手いなあと思う。

オーパーツ、緑の着物の志の春さん、赤い着物のたけ平師、青い着物の萬橘師が並び、『もしもしかめよ』を歌いながら大喜利的なうまいことを言う、というもの。志の春さんがピアニカ。
どこからが台本でどこからがアドリブなのかがわからないがウケたりスベったり。
萬橘師はこういう大喜利的なの上手かったはず。

たけ平師、マクラなしで噺に突入。
『徂徠豆腐』もここ数ヶ月よく聴くなあ。
まあ時期は時期なんだろうが、以前は年末に一回扇辰師で聴くくらいだったので。
豆腐屋と徂徠の出会いの場面はあっさりめ。
徂徠がやけに武張っていて、いかにも武士といった感じ。
扇辰師は線が細くていかにも学者然としてるし、兼好師はかなり豆腐屋と距離が近くて町人ぽい感じ。結構演り手のキャラに近くなるのかな?
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鈴本早朝寄席 平成三十年一月二十八日 [落語]

鈴本早朝寄席
於:鈴本演芸場

入船亭小辰『蝦蟇の油』
柳家吉緑『天狗裁き』
三遊亭粋歌『わんわーん』
古今亭始『幾代餅』

今年初の小辰さん。
最近『蝦蟇の油』よく聴くな……。なんか季節でもあるのだろうか?
小辰さんのは絡繰人形の部分はなく、最初から蝦蟇の油を売るスタイル。
やっぱりこういう口上をやると小辰さんは上手い。流れるような口調とメリハリのついた抑揚がある。
途中一回ループした?
口上が終わって中手が入るも「……間違えたんですけどね」やっぱな。
酔っ払ってからは見にきた子どもたちと言い争いを繰り広げる。大人気ない蝦蟇の油売りが楽しい。

吉緑さん、人物それぞれが役どころに合うように丁寧に演じられている印象。
天狗はかなり大げさに演じられていて、それがおかしい。

粋歌さん、社宅で上司の奥さんがペットの犬が「ママ」と「まんま」が話せるようになったと言い出し、今吠えたのはなんと言ったのかを見極めるために奮闘する部下の奥さんの噺。
似たようなことは各地で起こってるんだろうなー。たまにテレビでそういうの見るけど、ホントにそう聞こえることなんてほとんどないもんなー。

始さん、ちょっとクサすぎかな……。
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第五十九回 一蔵ひとりの会 [落語]

第五十九回 一蔵ひとりの会
於:神保町 らくごカフェ

春風亭一蔵『蝦蟇の油』『愛宕山』『妾馬』

気づいたら一月半も兼好師または遊馬師あるいはその両方が出ている会にしか行っていなかった。
偏り過ぎだなあ……。
ということで久しぶりにその両師以外の落語会に。
らくごカフェのスタッフにも「久しぶりですよね?」と言われてしまう。
受付をするとお年始として一蔵さんのポケットティッシュをいただく。

IMG_2357.JPG

一席目のマクラによると、一蔵さんの地元の町会長が作ってくれたらしい。
その町会長というのがナチュラルに失礼な人で、最初は一蔵さんもヨイショをしていたのだが、町内会旅行の見送りに行った際にいい加減キレて「うるせえ! さっさと行け!」と怒鳴ったところ返って気に入られてしまったとか。
そのほか一朝一門の正月の集まりなどについても。
また、テキ屋時代にどれだけ正月の初詣が大変だったかを語り、そこから『蝦蟇の油』に。
今日は今年初の「一蔵ひとりの会」のため紋付袴姿だそうだが、せっかくそういう格好をしているのだから、ということらしい。
やはりだいぶ場馴れしている感じ。
酔っ払った後はもう何を言っているのかわからない。

二席めも紋付袴を活かした幇間噺『愛宕山』。
「朝飯前」といっていた山登りも、あっという間にバテるのもおかしい。
いろいろと体型を活かしたくすぐりが入る。
演っているうちに「こういう噺は先代文楽師匠とか志ん朝師匠とか粋で見栄えのいい人が演るものでしょ」とかいろいろ愚痴も混ざる。

三席めも紋付のまま。
「着物がないわけじゃないんですよ。持ってきてるんですけど。どっちやろうかなーと思ってこっちだ! 決めたんでこの姿のままで」とのことだったが、やっぱりまず着物ありきな気も……。
一蔵さんのキャラに八五郎がよく似合う。
殿様に「赤ん坊をお袋に会わせてやってくれ」と頼むのは誰もがやる演出だが、その要望が了承を得られるのは珍しい。それを聞いた三太夫さんがもらい泣きしているのもおかしい。
タグ:春風亭一蔵
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第8回チャリティ公演 いきいき笑転会 [落語]

第8回チャリティ公演 いきいき笑転会
於:日比谷 日比谷図書文化館

三遊亭じゃんけん『蝦蟇の油』
三遊亭兼好『時そば』
三遊亭兼好『蒟蒻問答』

この土日はだらりだらりと。
この会は年一で開かれ、兼好師は3回め。

じゃんけんさん、多少危なげないところがありながらも堂々と口上をやりきる。意味もわからずに言っているのではなく、ちゃんと口上の内容を理解しながら丁寧にやっているように見えた。
最近はネタ被らなくなってきたなあ。

兼好師の一席め、マクラもたっぷり。
というかこういう落語好きでもない人が集まる会ならマクラを再利用したところであまり気づかれなさそうなものだが、ちゃんと話題は毎回違う。というかマクラほとんど使い捨てなんじゃなかろうか。
今月号の『東京かわら版』のインタビューで「時節に乗った話をしているだけで、そんな面白いことは言っていない」といっていたが、時節に乗ったオチをつけた話を考えるのが難しいわけで。
そば打ちの話から『時そば』に。
兼好師ではかなり久しぶり。
にしてもひとりめの男はせっかくそばが早く出てきているのにいつまでたっても食べないんだなということに気づいた。
次の日のそば屋、「はずれ屋」がこんなにまずいのになんで景気がいいのか、という答えも入っていた。

二席め、これまたたっぷりと本気の一席。
偽坊主の八五郎と、寺男の権助のなかよしっぷりが楽しい。
問答を親分に無視されて拗ねかける托鉢僧もおかしい。

終演後、日比谷公園を散歩しながら写真を撮るが……うーんなんかいいの撮れないなあ……。
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人形町噺し問屋 その七十八 夜の番組 [落語]

人形町噺し問屋 その七十八 夜の番組
於:人形町 日本橋社会教育会館

三遊亭兼好 ご挨拶
三遊亭じゃんけん『強情灸』
三遊亭兼好『のめる』
マギー隆司 マジック
三遊亭兼好『徂徠豆腐』

今回から会場を以前の社会教育会館に戻し、さらに昼夜公演に。
夜は頑張ってなんとかこられるようにしてたけど、さすがに平日の昼間は無理だ。せめて土日ならなあ。

ご挨拶、昨今の相撲事情についていろいろと。
池坊は「品格」というなら会見であんな険しい顔してないで花でも活けてればいいのに、とか白鵬のかち上げや張り差しを今になって言うのはおかしいせめて大関の頃に言ってあげてればよかったのに、とか。
それに横審たちは横綱本人に直接意見を言える立場なのに、きっと本人には何も言わずにマスコミの会見では横綱に苦言に呈してるのではないか、という。あれはいけない、噺家についてネットで書き込むくらいいけない、という。ううん……基本的にはこのブログでは批判めいたことは書かないようにはしてるけど……。

じゃんけんさん、新しく拵えたらしい抹茶色の着物で登場。
緋毛氈の上に濃紺の座布団、その上に鶯色の着物で和菓子感がすごい、と思っていたら本人も同じことを言っていた。
個人的には腕にすえた灸がいきなり「熱っ!」となる場面が好きなので、そこがわざとらしいくらいでもいいと思う。

兼好師の一席め、兼好師では初めての『のめる』。
「ありがてぇ、一杯のめる」が口癖の男がそのセリフを言うたびに「あらよっと」みたいな手振りがつくのがおかしい。
ご隠居がアイデアを出すと「あ、いい! それいい! いいねえ! 言う! 『つまらねえ』って言う!」とやたら手をたたきながらご隠居を指差すのがウザ面白い。
詰将棋を解く場面では、趣味が詰将棋の兼好師らしくちょっと専門的なセリフで長めに。

マギー隆司先生、いつものように。
といってしまえば一瞬だけど、同じネタをなんど見ても面白いってのはすごい。
あの愚痴っぽいような、いかにも「たいしたことない芸なんだけど」みたいな淡々とした口調が面白い。
そんで時折「おおっ!?」と思うようなマジックをさらっとやるのがにくい。

兼好師の二席め、お金のないときはお金を貸してもらってご飯を食べるよりも直接ご飯をもらったほうが恩を感じる、と『徂徠豆腐』に。
上総屋吉兵衛が親方から店を譲り受けるところから。
吉兵衛と荻生徂徠は営業開始日に出会う。
冷奴を頼むのは同じだが、豆腐を流し込むようにして吸って食べるという変わった食べ方をする。
卯の花やおにぎりもなんかちょっと食べ方が変わっていてそれがおかしい。というか吉兵衛さんからのおにぎり食べるんだ。他の人だと豆腐と卯の花以外はもらわない、というパターンが多いんだけど。

昼の部にも行った人によると演目が違っていたらしい。
となると一日四席? 兼好師ならそれくらい毎日やってそうだけど、自主独演会となるとまたちょっと大変そうだなあ。兼好師は東京では一回演ったらひと月は都内ではやらない、という自己ルールがあるそうだし。
次回は3月らしい。んん? 昼夜2回だから毎月じゃなくて隔月? もしそうだとするとちと厳しいなあ。
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赤レンガ演芸会一月十四日夜の部 [落語]

赤レンガ演芸会一月十四日夜の部
於:桜木町 横浜赤レンガ倉庫 イベント広場特設テント

ねづっち 漫談
林家花『紙切り』
三遊亭遊馬『禁酒番屋』

兼好師の会の後、しばらく飲んで赤レンガのイベントへ。
赤レンガ倉庫にプレハブでイベントテントのようなものを作り、そこで寄席のようなものをやっている。さすが歌丸師のお膝元の横浜、芸協の番組。
昨日今日と開かれており、さらに昼の部と夜の部がある。その4回ともトリは遊馬師。ようやく芸協は本腰を入れて遊馬師を推すようになったか。よいことです。
本当はもっと行ければよかったのだが、まあ最後だけでも行けてよかった。

ねづっち、生で見るのは初めて。
基本的には漫談で「うまいことを言う」というスタイル。
最後にいくつか謎かけを。お題を受けて、喋りながらすぐに整えるのは本当にすごい芸だと思う。笑うよりも感心する方が先になってしまうのは芸人としてはありがたくないのかもしれないが。

遊馬師は今年初。
広いプレハブなので、体育館のように声が分散されてしまい、さすがの遊馬師でもちょっと聞き取りづらいのは残念だった。
とはいいながらやっぱり遊馬師はいいねえ。
今年はもっと寄席のトリをとっているときに行ければいいんだけど。
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第二十七回 三遊亭兼好 横浜ひとり会 [落語]

第二十七回 三遊亭兼好 横浜ひとり会
於:桜木町 横浜にぎわい座

三遊亭兼好『元犬』
三遊亭じゃんけん『道灌』
三遊亭兼好『七段目』
三増れ紋 江戸曲独楽
三遊亭兼好『井戸の茶碗』

チケット取るのが遅くなったため、2階席の最後列。まあ昨日は真近で聴いたからいいか。

年男の話から『元犬』に。まあ正月だし今年はしばらくこのネタは鉄板だよねー。
やっぱりこのネタのこの形は兼好師が演るから面白いんだよなあ……と再確認。

じゃんけんさんは着実にネタを増やしているようで、最近はネタがなかなか被らない。精進してるなということが伝わってくる。
……けどやっぱりこの師匠の後に出なきゃいけないってかなりの前座殺しだよなあ。あんなにウケてる後に出るってちょっと、いやだいぶ気の毒。

兼好師の二席め、高麗屋の三代襲名に触れ、「いいですねえ、白鸚さん。特に何言ってるかわからないところが……」と褒めてるんだかなんなんだか。
そんなところから『七段目』に。
兼好師のは何度か聴いたことがあるが、今回は以前に聴いたよりもかなりバージョンアップがされていた感じ。
同じよう芝居の真似事でも、若旦那と定吉ではやや若旦那の方が達者な感じがする。
お店の奉公人までが皆芝居好きで、いつの間にか店の中に定式幕が貼られていて、役者が飛び出すスッポンまで作られているというのがおかしい。
私は歌舞伎の下地がないので、若旦那の芝居の真似事の部分は「そういうもの」という感じで聴いていたが、今日の兼好師のはちゃんとストーリーがわかるような気がした。
ハメものや柝もキッチリと入り、かなり完成度が高い。
今まであまり『七段目』は好きではなかったが、これはすごいと思う。

れ紋さん、以前に一度見てすっかりファンになったのだが、どうやら彼女はどこかの協会などに属しておらず、フリーのような立場らしい。
そのためかわら版などに名前が出ておらず、追っかけようにもどこに出てるのかさっぱりわからない。
今日は久しぶりに見られたが、相変わらずな感じでとても楽しい。あんまり客を巻き込む芸は好きじゃないんだけど、彼女のは客に対しても容赦ないので面白い。

兼好師の三席め、れ紋さんに触れ「あんなに『独楽が苦手だ』と言って本当にほとんど独楽を回さない人も珍しい。正直なんでしょうね」と話し、正直者の噺に入る。
やあやっぱり面白いねえ。
高木作左衛門の好青年ぶりもいいが屑屋の清兵衛さんがいい。この清兵衛さんホントに「正直清兵衛」なんだろうか?
井戸の茶碗の分け前の百五十両を、世間話をしながらさりげなく置いて行こうとして失敗するのがおかしい。

終演後は2日連続で飲む。
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新春おもしろ落語 in 千寿青葉 [落語]

新春おもしろ落語 in 千寿青葉
於:北千住 千寿青葉中学校

三遊亭しゅりけん『味噌豆』
三遊亭兼好『初天神』
三遊亭鯛好『お見立て』
三遊亭兼好『替り目』

年に一度の千住民感謝デー。
いよいよ兼好師を無料で聴ける会なんてなくなってきた。
一応地域民のための会なのであまり他の兼好ファンにも教えてないけど、普段お世話になってる人たちにはちょっとしたしたお礼のつもりで会の情報を伝える。
今回で13回目というこの会だが、どうやら主催者も兼好師がいまや大人気の噺家だということに気づいているらしい。開始前の挨拶で「以前は兼好師匠のお嬢さんがこの学校に通っていたので人質という感じで受けていただいていたのですが、今はもう師匠の『男気』だけに頼っているのです。皆さん是非大いに笑っていただいて、師匠に『来年も来てもいいかな』と思っていただけるようにしてください」とのこと。任せろ。

しゅりけんさん、知り合いによると先日の両国寄席で初高座だったらしい。今日は2回め?
緊張しているかと思ったのだがそうでもなさそう。
何度か派手に間違えて「間違えました。えーと何だったっけ……」と。頑張れ。
大きな体に似合わず(?)結構声が高い。

兼好師の一席め、しゅりけんさんを少し紹介し、「最近は学校の落研である程度できるようになってからくるんですが、彼はそういうのはまったくないので温かい目で見ていただければ」。それは兼好師と同じですね。
「来年はどれくらい上達したかを確かめてもらえればと思います」。てことは来年もOK?
下の娘さんももう就職活動中だそうで、兼好師に噺家に弟子入りした時の状況を聞いてくるという。
「試験とかあったの?」「……試験? そんなことしたらみんな落ちちゃうから……」「どうやってアポイント取ったの?」「アポイント? ……いや師匠が散歩しているところをつかまえて……」「エントリーシートとかどうやって書いたの?」「エ、エントリーシート? ……って何? 履歴書みたいなもの? 特に……」みたいなやり取りの後、「参考になりません!」と言われてしまったとか。
そんな子どもの話から『初天神』に。
金坊の目の動きやおねだりを拒否された「ええ……」という表情、間だけで笑わせられるのはさすが。
団子の蜜を全部舐めてしまうところは会場中が大爆笑に包まれる。
お父つぁんは「連れてくるんじゃなかった」と連呼。サゲの金坊の「こんなことならお父つぁん連れてくるんじゃなかった」がよりわかりやすくなっている。おそらく普段落語を聴いたことがない人にもわかりやすく、という気遣いなんだろうと思う。

で、鯛好さんは逆にすごく不親切。
自己紹介も何もなく例えば好楽一門の話とかもしたのだが、そもそも落語ファン、それも圓楽一門に興味がある人じゃなければ鯛好さんが好楽師の弟子なんて知らないよ。二ツ目で三平師からお年玉もらったエピソードとかだって「正月は前座はお年玉がもらえる」なんて習慣だって落語ファンしか知らないって。そもそも鯛好さんが二ツ目だってことすら普通の人は知らないから。
噺も「お見立て」という郭用語の解説もなく、いきなりサゲに「いいのをお見立てください」って言われたって通じないって。
両国寄席で話すならそれでもいいけど、地域寄席だということを忘れてるのかなあ。

兼好師の二席め、酒のマクラの後に『替り目』。
俥屋とのシーンをバッサリトカットして酔っ払って家に帰ってくる形。これは初めて聴いた。
しばらく『替り目』だと気づかなかった。
その分うどん屋に燗をつけさせるところまでかとも思ったのだが「まだ行ってなかったのか! 元帳見られちゃった」でサゲ。その前の酔っぱらいが奥さんへの感謝を長めに。

16時前に終わったが、知り合いたちと飲みに。この時間に飲み屋が開いてるし結構賑わってるのがさすが北千住。
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むさしの落語会 兼好・こみち二人会 [落語]

むさしの落語会 兼好・こみち二人会
於:三鷹 武蔵野芸能劇場

三遊亭じゃんけん『つる』
三遊亭兼好『饅頭こわい』
柳亭こみち『宿屋の富』
柳亭こみち『反対俥』
三遊亭兼好『禁酒番屋』

昨日は大学時代の友人たちと飲む。
で、そのうちのひとりが4月に結婚するという。
しかもひとまわり下の女性だという。写真も見せてもらったがかわいらしい。まったくもって腹立たしく、舌打ちで祝福をする。
式は軽井沢で行うといい、また舌打ちが出る。4月14日だという。……うん? 14日? なんか覚えが……。
て昨日チケット販売が始まった「けんこう一番!」の日じゃないか。さっき予約したから覚えてるのか。
しかもその日は渋谷で「落語フェスティバル的な」もある日じゃないか。
……さすがに「その日は落語があるから式には行けない」とは言えないので、すぐさまキャンセルの連絡を入れる。それっきり返事が来てないけど大丈夫かなぁ。

さて毎月のらくご長屋がいつものなかの芸能小劇場が改装中なので、会場と形態を変えて開催される。
今日はチケットは当日でいいかと思っていたのだが、知り合いが新聞か何かでこの会のチケットが当たったということで譲っていただく。ラッキー。

兼好師の一席め、こみち師はいつ会ってもテンションが高く、これは先輩たちに気を使って盛り上げるためにやっているのかと思ったのだが、どうもこれはそうじゃなく、単に自分がやりたいからそうしているのに気づいた、とのこと。「これまで頭いいと思ってたけど、実は頭良くないんですね。でも馬鹿じゃない」。褒めてるんだかけなしてるんだか。
噺は最近割りとよく聴く『饅頭こわい』。
物語の発端となる「蛇に追いかけられた」と訴える松公の、目の動きだけで緊迫感が出る。
兄貴分の「なんか面白い話ねえかい」というのを受けて「鶴はなぜ鶴っていう名前になったのかというと……」と話し出すのだが、「その話さっきも聴いた、あんまり面白くなかった」とバッサリ斬られてしまうのがおかしい。

こみち師は真打昇進後初めて。
いつもハイテンションとのことだが、さすがに午前中は調子が上がらないのか口が回らない。
「いかに自分が兼好師を尊敬しているか」を語るが、口が回っていないので信憑性はいまいち上がらない。
噺に入っても調子は上がらず、珍しく大きめのミスを連発する。
こみち師が初めてという知り合いは「こみちさんてあんな感じ?」とのことだが、いやいやいつもはもっと面白いですから。
私自身はこの噺で一番面白いところは「二番富が当たる」と言い張る男の妄想ぶりだと思うのだが、その話の聞き手を女性にしてしまったことでなんかいまいち笑えなくなってしまったかなあと思う。吉原の花魁を身請けするっていう話を女性相手にするって、ねえ。

二席め、紋付袴姿で『反対俥』。
自分でも「紋付で演る噺じゃねえなあ」と登場人物に言わせていたが、座布団の上でジャンプする仕草がわかりづらくなってもったいなかった。
途中でちらっと出てくるだけなんだけど、女性車夫の粋な姐さんがなんかやたらおかしい。

兼好師の二席め、好楽一門の年始の会について話す。
以前好楽師は西日暮里の急な階段の上にあるマンションに住んでおり、酔っ払うと転びそうになって危なかったという。兼好師が前座の頃は酔った師匠方の付き添いということでその階段を何往復もさせられたのだがちっとも辛くなかった、という。「嫌いな師匠ってやっぱりいるじゃないですか。その師匠のときには『師匠危なーいっ』っていうだけで手を貸さずに転んでるのを見てた」からだとか。「だからまたあのマンションに戻らないかなあと思ってるんですが。……でももう今はやられる側ですからね。じゃんけんとかやりそうですもんね」とじゃんけんさんに飛び火する。
そんなところから『禁酒番屋』に。
一升枡で酒を一気に飲み、その後の一息つくという仕草だけで大きな笑いが取れるというのはさすがだと思う。本来なら別に面白いところなど何もないはずなのに。

この会を主催している会社が賛助会員というかたちで会員を募集するという。
25000円払うと、この会社が主催している会のチケットをどれでも2年間で10回分もらえるという。3000円を超える会でもOKなのでお得とのことだが……。うーん……。さすがに25000円を一気に払うってのはね……。
前も書いたけど、この会社は半年以上も先の会のチケットを、かなり早い段階でまとめて買わせようというのが露骨過ぎてなあ……。ノーショウやドタキャンが怖いというのはよく分かるのだけど、こっちだってそんな先の予定とかわからないしなあ……。
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