桃月庵白酒 三遊亭兼好 二人会 昼の部 [落語]
桃月庵白酒 三遊亭兼好 二人会 昼の部
於:三鷹市芸術文化センター 星のホール
三遊亭げんき『孝行糖』
三遊亭兼好『日和違い』
桃月庵白酒『松曳き』
桃月庵白酒『壺算』
三遊亭兼好『崇徳院』
ツーリングがてらレブル250で三鷹まで。最近車にも全然乗ってないからバッテリーあがっちゃうかもなあ。
一応バイクに乗るときはウィンドブレーカーを羽織るようにしているが、信号待ちの間なんかは暑い……。
兼好師の一席め、「外は暑くなってきましたから、屋内で落語を聴いて笑う方が体にいい。そんなことをよく言いますが、お医者さんに言わせれば我々の方がよっぽど健康にいいんですって。まあ確かに自分の話したいことを話したいだけ話しているわけですから。途中誰にも止められない。お客様の中で2分以上自分だけが話すってありますか? ないでしょ。責任もなく、間違ってたっていい。それに誰かから聞いたことを話すときだって、話を面白くするためだったら嘘をつくことさえもためらわない。噺家が間に入ってるときは必ずどんどん話が大きくなっていきますから」だそうで。ストレスが少ないことが健康の秘訣ということか。
「我々の業界はコンプライアンスもないですから。最近は世間では厳しくなっていて、天気予報なんてのも当たらないとクレームがくる。少し前までは天気予報なんて当たらないのが当たり前だった。大阪のフグ屋なんて看板に気象庁のマークをつけて『うちは当たりません』って言ってた。気象庁の運動会が雨で中止になった、なんて話もあるくらいで」と天気の噺の『日和違い』に入っていく。
なんといってもテンポがよく、噺がポンポン進んでいくのが心地いい。
特に噺の後半、いろんな職業の人に今日の天気を聞いていくときの畳み掛けるようなやりとりが楽しい。
白酒師の一席め、「兼好さんも言ってましたけど、落語ってのはボーっと聞いていてもいいんです。意味のない噺も多いんですが、その中でも『日和違い』くらい意味のない噺も珍しい。噺家はみんな大好きでみんなやりたがるんですけど、お客さんから受け入れられないことが多い。私も一度やったことがあるんですけど、アンケートで『この噺をやらなきゃダメなんですか』って書かれた。まあ確かにそうなんですけど。笑いどころは『今日は雨が降る。天気じゃない』てところくらい。ここを外すともうダメ。ここに向けて『くるぞくるぞ』と思いながらやって、『うわあこなかったー』なんて……たまんないですね。噺家にはMが多いんですかね」。
そのほかにも寄席とホール落語の違いなども話しつつこれもまた内容があるようなないような噺の『松曳き』に。
ストーリーが重要ではないぶん、とにかく笑いの手数が多い多い。
殿と三太夫の会話がループすることも多く、これがもうホントにバカバカしいんだけどそれがもう腹を抱えるほど笑える。
植木屋が「ざっくばらんに話させてもらいますと」「バックギャモンとな」というのは不意打ちでやられた。
二席めの出囃子は唄入り。「師匠の出囃子の唄入りだったんですが、唄ありと唄なしでは気分が違いますね。なんだかちゃんとやろうっていう気になる。唄なしの場合は適当でいいか、と……」。
白酒師の『壺算』は兼好師のに慣れている耳にはあっさりめ。でもこれが多分スタンダードなんだろうな。
番頭がぼんやりしている店を狙って入るのだが、兄貴分の「おめえと同類を探すんだ」という一言がおかしい。
兼好師の二席め、「そういや今年はオリンピックなんですってね。あまり興味はないんですが、男子ハンドボールが32年ぶりだかで出場するとか。それで宿舎に女性を呼んだりして問題になったりしたそうですけど、それくらいいいじゃないですかねえ。いや税金を使ってるんだからちゃんとしろってのもわかるんですが、結果さえ出せればいいじゃないですか。日本人は結果より経過を大事にしますよね。でも結果ですよ。イヤでしょ楽屋ではすごくちゃんとしているのに高座では面白くない白酒アニさん」。確かに。
そんな色っぽいことは若い頃にしかできないんだから、と若者の色恋の噺へと入っていく。
相変わらず熊さんの感情の振れ幅がいろいろと極端で楽しい。泣いたり笑ったり困ったりとそのひとつひとつがくるくる変わっていくのはお見事。
於:三鷹市芸術文化センター 星のホール
三遊亭げんき『孝行糖』
三遊亭兼好『日和違い』
桃月庵白酒『松曳き』
桃月庵白酒『壺算』
三遊亭兼好『崇徳院』
ツーリングがてらレブル250で三鷹まで。最近車にも全然乗ってないからバッテリーあがっちゃうかもなあ。
一応バイクに乗るときはウィンドブレーカーを羽織るようにしているが、信号待ちの間なんかは暑い……。
兼好師の一席め、「外は暑くなってきましたから、屋内で落語を聴いて笑う方が体にいい。そんなことをよく言いますが、お医者さんに言わせれば我々の方がよっぽど健康にいいんですって。まあ確かに自分の話したいことを話したいだけ話しているわけですから。途中誰にも止められない。お客様の中で2分以上自分だけが話すってありますか? ないでしょ。責任もなく、間違ってたっていい。それに誰かから聞いたことを話すときだって、話を面白くするためだったら嘘をつくことさえもためらわない。噺家が間に入ってるときは必ずどんどん話が大きくなっていきますから」だそうで。ストレスが少ないことが健康の秘訣ということか。
「我々の業界はコンプライアンスもないですから。最近は世間では厳しくなっていて、天気予報なんてのも当たらないとクレームがくる。少し前までは天気予報なんて当たらないのが当たり前だった。大阪のフグ屋なんて看板に気象庁のマークをつけて『うちは当たりません』って言ってた。気象庁の運動会が雨で中止になった、なんて話もあるくらいで」と天気の噺の『日和違い』に入っていく。
なんといってもテンポがよく、噺がポンポン進んでいくのが心地いい。
特に噺の後半、いろんな職業の人に今日の天気を聞いていくときの畳み掛けるようなやりとりが楽しい。
白酒師の一席め、「兼好さんも言ってましたけど、落語ってのはボーっと聞いていてもいいんです。意味のない噺も多いんですが、その中でも『日和違い』くらい意味のない噺も珍しい。噺家はみんな大好きでみんなやりたがるんですけど、お客さんから受け入れられないことが多い。私も一度やったことがあるんですけど、アンケートで『この噺をやらなきゃダメなんですか』って書かれた。まあ確かにそうなんですけど。笑いどころは『今日は雨が降る。天気じゃない』てところくらい。ここを外すともうダメ。ここに向けて『くるぞくるぞ』と思いながらやって、『うわあこなかったー』なんて……たまんないですね。噺家にはMが多いんですかね」。
そのほかにも寄席とホール落語の違いなども話しつつこれもまた内容があるようなないような噺の『松曳き』に。
ストーリーが重要ではないぶん、とにかく笑いの手数が多い多い。
殿と三太夫の会話がループすることも多く、これがもうホントにバカバカしいんだけどそれがもう腹を抱えるほど笑える。
植木屋が「ざっくばらんに話させてもらいますと」「バックギャモンとな」というのは不意打ちでやられた。
二席めの出囃子は唄入り。「師匠の出囃子の唄入りだったんですが、唄ありと唄なしでは気分が違いますね。なんだかちゃんとやろうっていう気になる。唄なしの場合は適当でいいか、と……」。
白酒師の『壺算』は兼好師のに慣れている耳にはあっさりめ。でもこれが多分スタンダードなんだろうな。
番頭がぼんやりしている店を狙って入るのだが、兄貴分の「おめえと同類を探すんだ」という一言がおかしい。
兼好師の二席め、「そういや今年はオリンピックなんですってね。あまり興味はないんですが、男子ハンドボールが32年ぶりだかで出場するとか。それで宿舎に女性を呼んだりして問題になったりしたそうですけど、それくらいいいじゃないですかねえ。いや税金を使ってるんだからちゃんとしろってのもわかるんですが、結果さえ出せればいいじゃないですか。日本人は結果より経過を大事にしますよね。でも結果ですよ。イヤでしょ楽屋ではすごくちゃんとしているのに高座では面白くない白酒アニさん」。確かに。
そんな色っぽいことは若い頃にしかできないんだから、と若者の色恋の噺へと入っていく。
相変わらず熊さんの感情の振れ幅がいろいろと極端で楽しい。泣いたり笑ったり困ったりとそのひとつひとつがくるくる変わっていくのはお見事。
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