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三遊亭遊馬独演会 2021年12月12日 [落語]

三遊亭遊馬独演会 怪談・牡丹灯籠 2021年12月12日
於:国立演芸場

三遊亭遊馬『牡丹灯籠(孝助の槍〜関口屋強請)』『牡丹灯籠』

瑞穂町から国立演芸場へ。
瑞穂町への行きは余裕を持って行けたのだが、一転かなりギリギリの強行軍。
心は焦るものの、夕方の幹線道路は車が多く、なんだかいつもブレーキを踏んでいるような気になる。
一時はナビも到着時間として開演時間を超えた時間を示しており間に合わないかと覚悟したものの、なんとか開演5分前に駐車場に到着。けど演芸場まではちょっと遠いので少し走って息を切らしながら席に着く。

この会は6月にあった独演会の続きで、牡丹灯籠の全編通しを2回に分けて演じるというもの。今回は後半部。
半年前に一度聴いたきりの噺なので、何かでおさらいしたいと思っていたのだが、プログラムと一緒に前半部のあらすじが配布されていた。が、あまりにギリギリすぎたおかげでまったく読むこともできず。

登場した遊馬師、マクラも振らず、前半部のダイジェストもなく直接続きを話し始める。
最初の5分10分は訳がわからん状態だったが、しばらく聴いてるうちにストーリーやら登場人物やらを思い出してきてちゃんとわかってくる。人間の脳ってすごいね。

後半部になると牡丹灯籠自体はまったく出てこず、タイトルとはかけ離れたストーリーとなる。
というかこの噺は孝助が主人公で、「牡丹灯籠」のお露と新三郎の話はたくさんあるサイドストーリーのひとつなのかな?
噺が夜になると舞台が暗く、昼は明るくなる。また人が刺されると背景が赤くなるなど、少し演劇の要素も。

私は『牡丹灯籠』自体をほぼ聴いたことがないので、あそこがいい、ここはちょっと、などはいえないが、これだけ複雑で登場人物もたくさんおり、急な場面転換も多い噺をちゃんと理解しながら聴けた(一部あやふやな部分はあるけれど)のは遊馬師の上手さや構成力のおかげだろう。
遊馬師のnoteに遊馬師なりの噺の解釈や演じ方について書かれていて興味深い。

終演後になぜ『牡丹燈籠』をやろうと思ったかなどの内幕や、来年の独演会での演目なども明かし、恒例の三本締めで幕。かなり身の詰まった会だった。
タグ:三遊亭遊馬
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第51回 みずほ笑ホール寄席 柳朝兼好二人会 [落語]

第51回 みずほ笑ホール寄席 柳朝兼好二人会
於:箱根ケ崎 瑞穂ビューパーク スカイホール

三遊亭しゅりけん『転失気』
春風亭柳朝『宗論』
三遊亭兼好『佐々木政談』
三遊亭兼好『元犬』
春風亭柳朝『不動坊』

久しぶりのみずほ寄席。
いつも開演ギリギリになりがちなので今日はかなり余裕を持って車で家を出る。
幸いたいした渋滞もなく、1時間ほど早く着いたのでゆっくりと昼食も摂れる。こんな余裕なのは珍しい。いやそんなの毎回自分の匙加減なのだけれど。

さて兼好師のお弟子さんはそれぞれ持ち味が違い、兼好師の武器をそ各自受け継いでいるように思う。兼太郎さんは顔芸などのパワープレイ、好二郎さんはなんでもできる器用なところを。で、兼好師の一番の武器である「明るく、楽しく」というのは実はしゅりけんさんが一番色濃く受け継いでいるんじゃないかと睨んでいる。しゅりけんさんには裏表のない明るさを感じるのだが、さてこれが二ツ目に昇進してどうなるのか楽しみ。個人的にはこのまま明るさを極めて欲しいなー。

柳朝師は6月に寄席で聴いているが、体感的には久しぶり。
なんかまた痩せた? というか顔と体のバランスとか、顔の造り的になんか操り人形っぽく見える……。悪口ではないです。
柳朝師は日大卒らしく、学長の逮捕ネタとかを嬉々として話す。それにしても「東京大学、日本大学、東洋大学、亜細亜大学と名前の規模が大きくなるほど学力が……」というのはなんか納得。まあ俺自身そんなことを揶揄できるような大学を出ていないけれど。
柳朝師の高座はよくいえば繊細で上品。でそのテイストでたまに結構ど下ネタとかをいきなりぶっ込んできたりしてそのギャップが面白かったりする。
ただ逆に悪くいってしまうとおとなしくてパンチに欠けるといえることもあるだろう。
今日の二席はなんかまあそんな感じ。
もちろん面白いのだが、普段もっと刺激の強いものを聴いているからなのか。『宗論』の若旦那のかぶれっぷりや、『不動坊』の吉公の狂気にやや物足りなさを感じてしまう。なんでもそうだけど刺激に慣れるって怖いね。

兼好師、学校公演が増えてきたということでおばかちゃんな女子校に行った時の話をマクラに。
関係ないけど某二ツ目さんが女子校の学校公演だと大概体育館の床に直接座るのでパンツ見放題だといっていた。なにソレけしからん。目のやり場に困るらしいが。
話をもとに戻すと、兼好師が行った高校はレベルが低いらしく、だいたいみんなスマホをいじっているか、髪をいじっているか爪をいじっているかのどれかだという。兼好師は娘さんで「若い女の子に無視される」ということには慣れているそうだが、蕎麦をたぐる仕草で全員を振り向かせることに成功したとか。
じゃあ『時そば』なにかと思ったら「子どもはいつでもかわいい」と『佐々木政談』に。
兼好師の『佐々木政談』は1年ぶり2回め。ほとんど巡り合わない噺に郊外で出会うとなんかお得な感じ。
あまりに自由奔放すぎる白吉に振り回されたお父つぁんがお白州の最中に何度も目を回してしまうのがおかしい。ほんとにそんなシチュエーションになったら冗談じゃないんだろうが。

二席め、今日は上総屋に「自分は元犬だった」と明かさないパターン。
やっぱりいろんなパターンを作って練って試行錯誤して……ということを繰り返しているのだろう。
以前『元犬』が一番好きと語っていたことがあったが、その好きな噺をいまだにいろいろ変えていく作業をしていることに驚く。

今日はふたりとも客席と呼吸が合わなかったのか、微妙にドカンときていないような印象。まあそんなこともありまさあね。
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