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第八十五回 よこはま落語会〜未来の大看板を応援する会〜 桂宮治独演会 第十五幕 [落語]

第八十五回 よこはま落語会〜未来の大看板を応援する会〜 桂宮治独演会 第十五幕
於:吉野町 吉野町市民プラザホール

桂宮治 オープニングトーク
桂宮治『七段目』
桂宮治『僕の家庭教師』
桂宮治『鼠穴』

兼好師の会のあと、兼好追っかけ仲間のおじさんと一緒にマックでコーヒー。あのあたりなんもねえの。とはいえ酒飲むのもアレだし。せめてファミレスでもあればいいんだけど。

オープニングトーク。私の後ろに両親と子ども、婆ちゃんの4人できた一家がおり、子どもが宮治師にロックオンされる。「サンタきた?」「頼んだの? 頼んでない? だからじゃない? あ! 今日くるかもよ! ね、お母さん! ……こねえなこれは。え、で一家四人でここきてるの? もっとほかに金の使い方があったんじゃ……」などと集中砲火を受ける。
さてこの会、真打になったら前座を使っても良いということになり、伸び太さんがくるはずだったという。伸び太さんは寄席を休んでまでこの会にくるはずがなぜか……という話を。とはいえ上の演目に伸び太さんがいないことでおおよその予想はつくだろうが、おそらく今後いろんなところでマクラで話すだろうし、詳細はここには書かない。

一席め、芝居の真似事をクサくクサく大袈裟にやっており、そのわざとらしさが面白い。若旦那や定吉のセリフは上手いのに、若旦那に合わせるためにいやいややっている番頭のセリフはイマイチというのもリアル。

二席め、「ほんとは仲入りにしたいんだけど」とボヤきつつ「短い噺を」といって入る。
『生徒の作文』のような作文ネタだが、ひとりの生徒の作文だけで一席に仕立てている。自分の叔父さんが家庭教師なのだが、この叔父さんがかなりのポンコツ、というかバカ。M-1チャンピオンの錦鯉のような感じもある。
単純にバカバカしい噺で、聴いている方も噺の中の担任の先生と同じツッコミを心の中で入れていることだろう。

三席め、火事で焼け出された後の兄の非道ぶりが徹底されており、弱った竹に向かって二重にも三重にも追い討ちをかける。
こちらはそれが夢の中だとわかっているが、それでもなお「娘を吉原を売れ」と言ったり、金を盗まれた竹に「首を括れ」と言ったり。
そのせいで目を覚ました後の安心感というか安堵感はより一層高い。
が、そこからさらにもう一捻り。阿刀田高的なブラックなどんでん返しがあるが……。正直これいるかねえ? 「兄貴は弟を思ってわざと厳しく接していた」でいいんじゃないかなあ。「夢は土蔵の疲れだ」よりはわかりやすいけれども評価は分かれそう。
タグ:桂宮治
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第八十四回 よこはま落語会〜未来の大看板を応援する会〜 三遊亭兼好独演会 第十二幕 [落語]

第八十四回 よこはま落語会〜未来の大看板を応援する会〜 三遊亭兼好独演会 第十二幕
於:吉野町 吉野町市民プラザホール

三遊亭兼好『権助魚』
三遊亭しゅりけん『のめる』
三遊亭兼好『大工調べ』
三遊亭兼好『井戸の茶碗』

はいはいメリクリメリクリ。
オッサンになるとまあイベントごとには無関心になりますな。
いつもは年末の29日の兼好師の会が落語納めになるんだけど、今年は私の中で唯一の兼好師よりも優先度が高い長渕のライブがあるので行けない。長渕楽しみ過ぎる。というわけで今日で今年の兼好納めかな。明日千葉で高座あるみたいだけど、さすがに千葉はなー。まあ横浜とそうかわらんのだけれど。

さて一席め、「皆さんご案内かと思いますが、私日大の犯罪が大好きなんです」と物騒なことを言い出す。正確にいうなら「日大の学長が起こしている犯罪を観察しているのが好き」ということだろうが……。「日大は今大変みたいですよ。何が大変って『危機管理学科』てのがあるんですって。……これどうするんだっていう……」とすっごい悪い顔でほくそ笑む。「あの学長もそんなに長いこと離れずじき戻ってくるでしょ。そのとき講師としたらいいんじゃないですか。あんな教材ないでしょ」と嬉しそう。
「でもあの人が偉いのは、『このままだと奥さんも共犯になりますよ』っていわれたら一転して罪を認めたんでしょ? すごいですねえ。それともそれほどまでに奥さんが怖いのか……。だとしたらものすごく共感するんですが」と恐妻キャラを出す。
昔は周りに認められなければならない分、婿養子の方がお店を大きくさせることが多かったと恐妻つながりの話を膨らませる。お店が大きくなったら妾を囲うことが多かったが、「奥さんの目を盗んでやるスリルがよかったんでしょうねえ」と『権助魚』に。
兼好師の『権助魚』は久しぶり。一時期はよく聴いていた印象ですががあるが。
疑念を抱いている旦那に対する当たりが厳しく、表情だけで圧がかかる様子が手にとるようにわかるのがおかしい。つーかあのプレッシャーを掛ける表現はすごい。「……すっごい怖いよ、お前」という一言が効く。

しゅりけんさん、兼好師の型とはちょっと違うけど、ご隠居のアイデアに手を叩いて指を指すってのは同じ。これは誰のなんだろうなあ。アレはウザくて面白い。

兼好師の二席め、一年を振り返りオリンピックやら菅総理のことやら。「菅さんというのは永遠のナンバー2なんでしょうね。そういうポジション方が輝く。真面目なんだけど華がない。反対に華がある人はちょっとバカ。安倍さんも華がある方。だから……だってそうでもなきゃあんな迷惑なマスク作らないでしょ」とアベノマスクへの追及は続く。
そんなマクラから落語界の華のあるバカ、与太郎の噺に入る。
いろんなものに影響を受けやすい与太郎が、昨日吉原を冷やかしたらそこここに花魁が入ってくるのも面白いし、棟梁に影響されて大家の家にキリッとキメて入っていくのもおかしい。
この棟梁は最初っから割と喧嘩っ早く、心の中で大家を軽く見ているというか、バカにしているフシがある。
だから「たかが八百」に大家が気を悪くしても気にしないし、なんならさらに逆撫でするようなことも言う。キレるのも早い。啖呵で捲し立ててることがホントの本心なんだろうなあと伝わってくる。なお啖呵はツルツルっと決まって中手が起きる。さすが。

三席め、兼好師の『井戸の茶碗』はまた久しぶり。
高木作左衛門に顔を検められた屑屋たちがやいやい言っている場面で、デタラメな話で金を集めるのがおかしい。東スポか。さらにその男が苦し紛れに言っていた「高木は手裏剣の達人」がホントだったのもクスリとさせられる。
千代田卜斎に二十両を受け取らせるために「何かを向こうに差し上げてください」と提案したときに茶碗を選んだのが清兵衛さん。ストーリーを知っているこちらとしては「どんだけ目が利かないんだよ」とおかしい。殿様からもらった金の半分を届けろと高木から命じられるときも「あの茶碗を選んだのは誰だ?」と言われてしまうし。

まだ数え終わってないけど、今年も兼好師が一番の高座数だったはず。今年も一年ありがとうございました。
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