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第5回 三遊亭兼好 噺の会 [落語]

第5回 三遊亭兼好 噺の会
於:浅草 ことぶ季亭

三遊亭しゅりけん『時そば』
三遊亭じゃんけん『松竹梅』
三遊亭兼太郎『ん廻し』
三遊亭兼好『万病円』
桂小すみ 三味線と唄
三遊亭兼好『包丁』

毎年恒例の落語納めの会。

まずはしゅりけんさん。
年末に『時そば』ってのも珍しい気がする。
この一年でだいぶ高座に慣れたかな? という感じ。

じゃんけんさんは正月に近いということでおめでたい『松竹梅』を。
ご隠居にものを教わりにきておいて、わからない単語が出てくるといちいち腕まくりをする若い衆が楽しい。

兼太郎さん、最近聴きに行けてないなあ。
だいぶマクラの流れなどもスムーズで面白くなっていた。
ブチブチ世の中に対して文句を垂れ流すという兼好師よりも萬橘師に近いスタイル。
……顔芸というかそういうのも萬橘師の方向な気もするが……。
言い立てもかなりスムーズに。

兼好師の一席め、高座に上がってお辞儀をしたら何かに気づいた様子。
一度座布団から降りて座布団の向きを変えて座り直す。どうやら客席の方に座布団の縫い目のある面が向いていたようだ。あららしゅりけんさんしくじったねー。
昨日は冷え込みがきつく、雪が降って仕事先の静岡に行くにも一苦労だったらしい。
まず新幹線のチケットを取り忘れていてじゃんけんさんに頼んだところ、指定席はいっぱいだったとのこと。ただ、「グリーン席ならありますけどどうします?」と聞かれ、静岡くらいなら最悪立っててもいいかな、と思ったそうだが弟子の手前「グリーンならいらない」とは言えなかったらしく泣く泣くグリーンをとったそうだ。そしたら雪で新幹線が遅れており、仕方がないのでグリーン券を捨てていちばん早く出発する列車に乗り換えたそうだが、これがいつまで経っても発車せずに超満員。トイレに行ったら用を足している途中に便座が下りかけ、ゴルフのように「ファーーー!」と叫んだとか。さすがに温厚な兼好師でもイライラが募りすぎ、JRに文句を言ったという。グリーン車の払い戻しはできないと杓子定規に返され、「もういいです!」とキレながらあまりにも腹が立ったので「トイレの便座はあれはないんじゃないですか!」とクレームを入れてきた、とのこと。「あーこれで私の今日言いたいことは終わりましたから」とスッキリした様子。だいぶ溜まっていたようで。
「でも日本人はやっぱりおとなしいですね、ああいう事態になってもちゃんと並んでますし、暴動も起きないし」と悪質クレーマーの侍の噺へと入る。
今年は結構『万病円』を聴いた気がする。
言いがかりをつけたつもりが逆に言い負かされ、「手は見せんぞ」と刀にものをいわせ、「この町内は手強いのう、最終手段を2回も使ってしまった」とボヤくのがおかしい。

桂小すみさんは昨年に引き続き。
去年はお囃子さんとしてだったが、今年は芸人として。
三味線がとにかく上手い。当たり前といったら当たり前なのかもしれないが。
そして唄もうまい。
伊勢音頭とマライヤキャリーの『恋人たちのクリスマス』をかけ合わせたものはすごい一曲に仕上がっていた。

兼好師の二席め、体調のせいか鼻がグズグズの中で「席亭のリクエストなので」と大ネタの『包丁』。
「酒さえ飲めば何でもできる」という寅のグダグダっぷりが楽しい。それと対称に冷たくツンツンする女房との温度差が面白い。
棚ぼたで亭主に収まった寅が、女房から前の亭主に対して「アンタもなんかいっておやり」とけしかけられ、ためてためて「ごっめぇん」と軽く謝るのがとにかくおかしい。

今年も打ち上げまで参加。
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Nikon Df 店が暗かったので画像が暗いのは勘弁を
さらに自慢してしまえば、北千住で兼好一門の皆さんと〆のラーメン屋を探し歩いた末の牛丼屋までご一緒する。これはもうご近所さんの特権でしょ。

さて今年一年の集計。
今年は全部で533席。後半抑えたつもりだったのに結構行ったなあ。
十席以上聞いた人は下記。

1.三遊亭兼好:90席(47会)
2.春風亭一蔵:35席(15会)
3.入船亭小辰:33席(16会)
4.三遊亭遊馬:29席(12会)
5.三遊亭天どん:16席(8会)
6.入船亭扇辰:13席(7会)
7.三遊亭兼太郎:10席(6会)

参考記録でじゃんけんさん31席、しゅりけんさん17席。
萬橘師と宮治さんが8席。
まあいつもどおり。

演目は『子ほめ』9回、『元犬』7回、『黄金の大黒』『金明竹』『初天神』、『船徳』、『転失気』、『道灌』、『鈴ヶ森』が6回。これもやっぱり毎年のごとく前座噺がどうしても多くなるよねえ。
来年もいい落語に出会えますように。
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なかのらくご長屋 兼好毎月連続独演会 30年12月 [落語]

なかのらくご長屋 兼好毎月連続独演会 30年12月
於:中野 なかの芸能小劇場

三遊亭しゅりけん『金明竹(上)』
三遊亭じゃんけん『金明竹(下)』
三遊亭兼好『権助魚』
三遊亭兼好『猫の災難』


最近仕事がどうにもうまくいかないというか歯車が噛み合わない。上司ともうまくいかないし、クライアントともお互い不信感が募るし、同僚も信用できないし、と八方塞がり感がハンパない。
さらに高校時代の先輩が病気で亡くなるなど公私ともに気分が落ち込むことが続き、行こうとしていた落語会もいくつかパスしてしまった。遊馬師の独演会は行きたかったが、お通夜とぶつかってしまってはさすがに。んんん……どうにも心が安定しないというか上がらないなあ……。タイの反動といったってもう1か月経ってるし……。なんかヤバいなあ……。

さてそう言っていてもどうしようもないので兼好師の会には行かねば。

まずはしゅりけんさん、『金明竹』の上、いわゆる『骨皮』の部分。
この一年でだいぶ上達したなあと思っていたらとたんにトチった。最近少なくなったのになあ。

じゃんけんさん、「リレーということで……」と上方の使いの人の言い立てから。
「前のヤツが間違えやがって、やりにくいんだよなあ」と登場人物にボヤかせるが、じゃんけんさんもトチった。おやおやー? 「クリスマスだっていうのに……!」と悔しそう。
「ひょーごの」「ぼーずの」をややタメ気味に伸ばして笑いを誘う。

兼好師の一席め、「あんなリレーならやらないほうがいいのに」と弟子をバッサリ。とはいえもともと別の話を先代の金馬師匠か誰かがむりやりひとつの噺にまとめたらしい、とのうんちくを。
じゃんけんさんがぽろっとこぼしたクリスマスの話から、カップルの話題に。デートで映画や芝居に行くというのはわかるが、落語にきている若いカップルを見ていると「大丈夫か?」と思う、とのこと。映画や芝居は周囲が暗くなるし、あとで感想を言い合ったときにお互いを出演者と見立てていい雰囲気になったりするのはわかるが、落語聴いてそのあと感想を言い合うんですか? とのこと。……んん? いや……今から10年くらい前、まだ若いといっても差し支えない頃に私は彼女と落語行ってましたけど……というか兼好師匠の会よく行ってましたけど……。うん、感想言い合ってましたよ。まだ落語聴き始めて間もない頃に圓楽一門の会に行って、「好二郎って人がすごく面白いんだよ。二ツ目でこんなに面白いんだから、円楽党の真打ってどれだけ面白いんだろうね」とふたりでワクワクしながら聴きに行って、結局「好二郎が一番面白かったね」「そうだね……っていうか真打の人たちつまんなかったね……」という結論に達してました。……うん、俺結構当時から見る目あるな。
そんなカップルの話から浮気やお妾さんの話に移り『権助魚』に。
兼好師のは久しぶり。約1年ぶり。……というか『権助魚』自体今年は遊馬師で1回聴いただけっぽい。……えー? この噺は毎月コンスタントに誰かで聴いているというイメージだったんだけど。
相変わらずの権助の田舎弁がしっくりきすぎていて癒される。

二席め、これまた久しぶり。
それこそ聴き始めた頃はたまたま被ることが多く、「この人いつも『猫の災難』だな」と思っていたものだったが。
クリスマスプレゼント話題から、兼好師は人に渡すプレゼントやお土産選びが下手でおかみさんに喜ばれたためしがないという。反対に貰うものはなんでも嬉しい、とのこと。……こないだのムエタイパンツとかはどうかなー。一応おかみさんからお礼のメール頂いたけど。そういえばこないだ追加のお土産として水上マーケットの売り子のおっちゃんおばちゃんが3D写真になってるマグネットを渡したのだが、「いらねえ」と笑われるという予想に反して結構まじまじと「へー」みたいに見ていたっけ。捨てられていないことを祈る。
そんなところから隣のおかみさんに猫のおあまりを貰うシーンに入る。
酔うに従ってどんどん無茶苦茶になる酔っ払いの理屈と自分の欲求に抗えない行動がおかしい。一瞬見せる葛藤が上手い。

家に帰ると彼女が仕事があるから職場まで送って欲しいというので、ランチをしてから車で送る。まあこの歳になればクリぼっちだってヘッチャラですよ。ていうか猫さえいれば大丈夫。
久しぶりにうちの猫の写真でもあげちゃうか。

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人形町噺し問屋 その八十四 夜の番組 [落語]

人形町噺し問屋 その八十四 夜の番組
於:人形町 日本橋社会教育会館

三遊亭兼好 ご挨拶
三遊亭じゃんけん『棒鱈』
三遊亭兼好『六尺棒』
岡大介 カンカラ三線
三遊亭兼好『文七元結』


会社を出るのが少し遅れてしまい、超ギリギリ。
こういうときに限ってコンビニには長蛇の列だしなのに店員は応援呼ばないしエレベーターはなかなかこないし。
結局ご挨拶がちょっと始まったところで会場に入る。

最近はツボ押しをしているからか、さほど体調が悪化しないで頑張ってるという。
こないだも佐世保まで仕事に行ったところ、米軍関係者しかいない地域に立ち入ってしまったとか。和服を着ていることもあり、外で飲んで酔っ払って空手のマネをしている外国人に囲まれたが頑張って切り抜けたそうな。それは頑張ってるというか……。
また、先日テレビの仕事でビブリオバトルに参加してきたことに触れる。なぜか漫才師のライセンスから著書が送られてきたそうで、面白かったとのこと。南キャンの山ちゃんからも著書『天才はあきらめた』が送られてきて、読んで感心したとは言っていたが、「『天才はあきらめたっていうけどあなたは努力してるよ、才能あるよ、天才だよ』って言ってもらいたいだけだから読まなくていいです」と容赦なくバッサリ。まああのタイトルでそういう意図がないはずがないよなあ。実は購入済みだけど未読。
また収録の合間に壇蜜と遊んだらしく、その話を楽しそうに話す。「こんな豊かなムダな時間はなかった」と自慢げ。羨ましい。けどこれが素なら壇蜜って結構不思議系……?

じゃんけんさん、噺に入る前に「故障が入る」の解説から。確かにあった方が親切だよね。
もうちょい酔っ払いが大げさでもいいかなあとも思うが、そうだ前座だったと思い直す。着実にネタ増やしてるし、来年二ツ目ですかねえ。

兼好師、二席めに備えて一席めは軽めに。
今年の流行であるスポーツ界のパワハラに触れる。「やっぱり相撲はすごいですね。なんだかんだいって結局一年の最後に話題を持ってっちゃうんですから。特に貴乃花はすごいんですよ。相撲界を離れても貴乃花のお弟子さんが話題の中心になる。優勝したり被害者から加害者になったり。やっぱりあの人は振り幅が大きいからお弟子さんもすごい人とひどい人と両極端なんでしょう。落語界で言えば談志師匠、ですかね。すごいお弟子さんもいればひどいお弟子さん……はいませんけども……」。あー果物の人とか。まあ聴いたことはないんだけど。
そんな親子関係の話から落語の親子の話になり『六尺棒』に。相変わらず若旦那のクズっぷりが際立っている。座布団の上でのジャンプの高さもさすが。

そんなことより二席め! なんと『文七元結』とは。えーこれちょっと事件じゃない? 年末の人情話といったら『文七』か『芝浜』かってとこだと思うが、そのうちのひとつをついに兼好師が掛けるとは。ちうことは『芝浜』が掛かる日もそう遠くない? ネタ自体は持ってるって言ってたし。
とはいえさすが兼好師というか、湿っぽさや重苦しさはまるでなく、ものすごくあっさりさっぱりカラッとした味わい。
くすぐりも多めだし、たとえば「金毘羅様でも不動さまでもお前の信じる神様に祈ってくれや」みたいな恩着せがましいというかとにかく重くなる要素は徹底的に排除されている。
最後にお久が家に戻ってくるときは佐野槌の女将も長屋にくるという状況に。大団円感が更に増している。ちょっとこの文七は新しいんじゃなかろうか。

終演後、新しいCDが出たので即興のサイン会に。
私もCDを買ったのでサインを入れてほしいところだが、それは次の機会にするとして先日行ったタイのおみやげを渡す。ムエタイパンツ。似合うと思うんだよなあ。じゃんけんさんでも可。

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池袋演芸場 十二月上席 十二月九日 [落語]

池袋演芸場 十二月上席 十二月九日
於:池袋演芸場

昼席
三遊亭ごはんつぶ『子ほめ』
三遊亭めぐろ『からぬけ』
柳家緑助『やかん』
マギー隆司 奇術
三遊亭彩大『定年ホスト』
林家二楽 紙切り 桃太郎 天どん 冬将軍と鍋奉行
春風亭百栄『寿司屋水滸伝』
三遊亭吉窓『都々逸親子』 踊り 茄子かぼ
柳家はん治『妻の旅行』
ホンキートンク 漫才
柳家小満ん『悋気の火の玉』
古今亭駒治『生徒の作文』
神田茜『小さな恋のメロンディー』
カンジヤマ・マイム パントマイム
三遊亭天どん『公園の悪いおじさん』

夜席
三遊亭歌つを『初天神』
春風亭朝之助『壺算』
金原亭小駒『元犬』
ホームラン 漫才
橘家圓十郎『まんじゅう怖い』
橘家圓太郎『棒鱈』
林家正楽 紙切り 相合傘 常磐津 討入 クリスマス
春風亭一朝『芝居の喧嘩』
古今亭志ん輔『宮戸川』
春風亭三朝『松曳き』
むかし家今松『後生鰻』
アサダ二世 奇術
春風亭一之輔『火事息子』

なんだこの大好物の組み合わせは。
しかもチラシ持っていけば入れ替えなしで2000円って、そりゃ行くしかないでしょー、ってなんだかんだで今日しか来られなかった。
開場の30分程前に着くと、30〜40人くらいの行列。これならいい席を確保できそうだ。
……と思っていたら結構な巨漢が隣にきた。池袋でこれはキツい。ていうか私も太めなので余計に。ていうか他にもまだ席あるじゃん。私と並んだらキュウキュウになるのわかりそうなもんだ。電車でもそうだけど、自分のサイズ感わからないもんかね……。

めぐろさん、この人ホント変わらないなあ……。初めて聴いた6~7年前と話し方もそしてクオリティも。あと数年で真打だろうに大丈夫か……? 他人事ながらちょっと気になる。

新二ツ目の緑助さん、嬉しさに張り切っている感じが初々しくていいね。

マギー隆司先生はいつものように飄々と。この肩の凝らない感じが素晴らしい。

百栄師の出囃子で二楽師が登場。本来百栄師の方が出番が先なのだがギリギリ遅れたらしくすでに着物を着ていた二楽師が先に出たのだとか。でも百栄師はこの後にも仕事があるそうで、「兄さんあまり長くやらないでね」と言われたとか。でもそんなときに限って時間のかかる面倒なお題が出されてぼやく。

ホンキートンクはいつもの血液型と星座はなし。いつもはマクラ的な挨拶の小ネタが終わると利さんだけが噺家が羽織を脱ぐように上着を脱いで弾さんに突っ込まれるのだが、今日は弾さんも一緒に脱いでいた。その他カマキリダンスなど私がこれまでに聴いたことないネタが多数。

駒治師、真打昇進後は初かな。
『生徒の作文』もメトロオタクの生徒や鉄オタの生徒など、駒治師らしい一席になっていた。

天どん師、時期らしい噺。「今日はこれしか準備していないんで他はできません」と天どん師らしいぶっちゃけ。『クリスマスの夜に』かなとも思ったが。
高座で聴くのは初めて。
ノスタルジックな風景の中に天どん師らしいシニカルさや理不尽さが詰め込まれている不思議な噺。

結構な割合でお客がそのまま残って夜席に。

朝之助さん、だいぶ薄まったもののまだ独特のイントネーションがある。でもこれも個性だしいいかなーとも思えるようになってきた。天どん師だってあれが味になってるし。今日の『壺算』も明るい高座で聴いていて楽しい。

圓太郎師、寅さんは鯔背な江戸っ子で、相棒の酔っ払いは寅さんいわく「川柳川柳みてえな野郎だ」。で、田舎侍については酔っぱらいいわく「へたくそな歌いつまでも歌いやがって。きっと柳亭市馬みてえなやつにちげえねえ」。
実際に覗いてみると本当に市馬師そっくりで、意気投合するというオチに。

一朝師、やっぱりこの江戸弁がしびれますねえ。
キレのよい啖呵に惚れ惚れとする。

三朝師、すっとぼけた主従がよく似合っている。

アサダ先生、持ち時間が3分ということで昔の松竹芸人の話でおしまい。……10分近く話していたような気もするけど。
一之輔師曰くこの九日間いちども手品をやってないそうだ。
それでも楽屋ではネタをちゃんと仕込んでるらしく、「先生、どうせやらないんでしょ?」と聞いても「そうなんだけどさ。念のために」とのことらしい。
一之輔師が高座で暴露しているとアサダ先生が何度か乱入。

一之輔師、もっと聴きに行きたいんだけどなあ。
土日は大物との大きな会だったり大きな会場でのお高い会だったりで気軽に行ける会が少なくなった。毎度言ってる気がするけど。
『火事息子』は初めてか。
父親の絞り出すような滲み出るような説教がリアル。
ミケ、ミケと猫を気にしていた母親が息子が戻ってきた途端に猫を放り出すのもまたリアルなんだろう。

久しぶりに昼席夜席と通しで聴いてさすがに尻が痛い。

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文京らくご会 扇遊・兼好二人会 [落語]

文京らくご会 扇遊・兼好二人会
於:春日 文京シビック小ホール

三遊亭じゃんけん『三人旅』
入船亭扇遊『夢の酒』
三遊亭兼好『寝床』
三遊亭兼好『元犬』
入船亭扇遊『妾馬』

久しぶりの兼好師。約1か月ぶり。

じゃんけんさん、前座には珍しい噺。噺の序であるびっこ馬の部分。
まだ覚えたてなのか会場の音響のせいなのか、もごっとしていて聞き取れない部分も多々あった。
都合が悪くなると黙り込んで「……はいーはい」と馬を引く馬子がおかしい。

扇遊師の一席め、昔は目黒にも寄席があって、そこは畳敷きで寝てる人もいた、というところから『夢の酒』に。
しかし『火焔太鼓』といったら古今亭のように、『夢の酒』といえば入船亭なのかってほど入船亭はこの噺をよく掛ける。もちろん他の一門でも聴くけれども、入船亭の割合が高い。
そんでもってこの噺は誰もおおきくいじらないというかほぼそのまま。まあいじりようがないほど完成された噺ってことなのかな。

兼好師の一席め、年末らしく今年の流行に触れ、パワハラの話に。部下を週末にサイクリングに誘うのはOKだがドライブはダメとか、BBQに誘うのはOKだが会社帰りにおでん屋に誘うのはパワハラとか、「基準がよくわからない」と話す。確かに。……まあ俺は正直上司に誘われたら全部嫌だけど。
で落語の中でもパワハラの塊である『寝床』に。
やっぱり何度聴いても面白い。特に一度ふてくされてしまった旦那が重蔵に持ち上げられてしかめっ面を抑えきれずに口角が上がってしまう、というそのタイミングと表情が上手い。

二席め、最近話題となったなまはげなどから秋田の話題になり、秋田犬の話に。
東京の服を着た犬たちと比べて犬らしくてかわいい、と話す。「青山にいる犬は7割くらい服着てるんですって。……『洋服の青山』。私が住んでる足立区なんて7割のおじさんがまともな服着てないというのに」。……まあ場所によっては。北千住はそうでもないよ。
そこから『元犬』に。相変わらずのキレッキレぶり。

扇遊師の二席め、初めての兼好師との二人会に縁起を担いでなのかおめでたい噺をトリネタに。
やっぱり入船亭ってみんな端正だよなあと思う。八五郎の破天荒さもどことなく品がある感じ。殿様の鷹揚さは言うまでもなく。
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遊馬百席 第115回 [落語]

遊馬百席 第115回
於:板橋 みやこ鮨

三遊亭遊馬『品川心中(上)』『品川心中(下)』『居残り佐平次』


昨日はらぐろ亭の打ち上げで夕方ぐらいから日本酒を呑んだからか、コタツで寝てしまう。コタツといっても床暖房の上に櫓とコタツ布団を掛けたものなので、冷える心配はないけれども背中や腰へのダメージがなかなか。さらに猫が動きを制限する位置に割り込んでくるので尚更。
相変わらず気分は沈んだままだけれども、少なくとも落語聴いている間は他のことは忘れられる。

前回はちょうどタイ旅行中だったので行けなかったのだが、大幅に時間オーバーしてしまい、会場の鮨屋の営業時間に突入して強制終了だったとか。そりゃレアだったなあ。
それを教訓としたのか、今日も大ネタなのでマクラをほとんど振らずに噺に入る。
今日は品川の廓噺の大ネタが二本。見世の名前は出てはいなかったが、若い衆の名前が共通だったりしてふたつの噺の舞台が同じかもと思わせてニヤリとさせられる。
『品川心中』では金蔵が親分のところに戻ってくる場面で一度区切ったが、そのまま続きを始めたのでほとんど通しと変わらない。
金蔵ののんきな感じが遊馬師のキャラとよく合っている。
下ではお染と親分とやり取りする中で、金蔵の弟役の芝居のクサさがたまらなくおかしい。
サゲは比丘尼ともちょっと違った形に。

『居残り』は特に佐平次が居残り稼業を始めてからの雰囲気がいい。なんだか暖かくて楽しそうな感じが伝わってくる。
こちらもサゲは「旦那の頭がごま塩」ではない形。やっぱり大ネタでもわかりにくいサゲはどんどん変わっていくんだなあ。
タグ:三遊亭遊馬
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らぐろ亭 第22回 一蔵・小辰二人会 [落語]

らぐろ亭 第22回 一蔵・小辰二人会
於:駒込 妙義神社

入船亭小辰『垂乳根』
春風亭一蔵『徳ちゃん』
春風亭一蔵『鮑のし』
入船亭小辰『富久』


なんかタイの反動なのか、何をしても楽しくない。
特に仕事が辛い。もともとここ最近落ち込むような出来事が連続して起こっているから、どうにも心が上向かない。
会社でもずっとため息ばかりついている。あまりいい状態じゃねーなと思いながらもこればっかりはどうしようもない。だって会社も仕事もクライアントも上司も同僚もみんな嫌いだし信用できないんだもんなあ。どうしたもんか。
そんな鬱々とした中でも猫と落語には惹かれるからまだ救われる感じ。

半地下のカーヴみたいなところから始まり、妙義神社の社務所の2階に会場が移ったらぐろ亭だが、この会場も取り壊しになるらしい。そんなわけでこの会場も最後だそうだ。雰囲気のある会場だっただけに惜しい。
併設されていた公園も閉鎖され、何かできるようだ。

小辰さんの一席め、お嫁さんの名乗りはあまり馴染みのないバージョン。

一蔵さんの一席め、全体的に賑やかな『徳ちゃん』。一蔵さんらしいというか。

二席め、先日福袋演芸会で小辰さんの誕生日が近かったため、サプライズでケーキを買ったそうだ。一蔵さんは次の仕事があったため、実際には花飛さんにお金を渡して買っておくように頼んだという。一蔵さんとしてはお礼のLINEなどがくるかと思っていたらまったくこず、仕事が終わって打ち上げに合流して「どういうことだ」と聞いてみたら花飛さんが買ったことになっていたそうだ。「お前!」と花飛さんに詰め寄ったところ、小辰さんに「兄さん、そういうところ」と諭されてしまったという。お金を出した上に手柄を横取りされてさらに後輩に説教までされるという気の毒な状況。
『鮑のし』は甚兵衛さんがだいぶ与太郎寄り。女房に「口移しで教えてあげる」と言われて躊躇なく唇をしつこく出していくところがおかしい。

小辰さんの二席め、「『そういうことろ』なんて言ってない、話が4.5割増で盛られている」と告発。とはいえ花飛さんが本当に何も言っていなかったので小辰さんはその場で香盤が一番上の正太郎さんが買ってくれたものだと思っていたらしい。
が、「こういうのは言わないほうがかっこいい」という美学があるようで、前回のらぐろ亭では一蔵さんの誕生日のために席亭がケーキを用意していたため、小辰さんはシャンパンを持ち寄っていたらしい。が、それを今の今まで誰にも言っていなかったそうだ。確かにシャンパンあったような。それを聞いた一蔵さんが「誠に申し訳ございませんでした」と謝罪乱入。小辰さんは「苦しゅうないよ」と鷹揚に応対する。
『富久』を聴くと年末だなあと思う。当たった富くじが焼けてしまった久蔵がいくらでももらえないかと食い下がるところでは顔や体が小刻みに震えていてリアル。こういうのは狭い会場で近くだからよく見える。

終演後は恒例の打ち上げ。差し入れの日本酒が数を数えるほど増え、ビールも発泡酒から本物のビールにグレードアップ。
小辰さんとも長めに話し、私の過去の話などもして少し驚かれる。それにしても顔を見て灼けたってのがわかるってすげえな。
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