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第六十二回 一蔵ひとりの会 [落語]

第六十二回 一蔵ひとりの会
於:神保町 らくごカフェ

春風亭一蔵『松曳き』『夢の酒』『笠碁』

中野から神保町へ。
途中で飯を食おうと思っていた店が開いていない。日曜定休だったか。
他に何も考えていなかったので途方に暮れて店を探すもなかなかピンとこず、結局立ちそばという。
よくいく界隈にはちょっと気の利いた店の一軒くらいストックしておきたいものだけれど。

出囃子が鳴ると「どーもー!」と一蔵さん登場。
あれこの会はオープニングトークとかないはずだけど。と思っていたら、「ゲスト」と称して一花さんが登場してきた。手に手ぬぐいを持って。
何しにきたのかというと、二ツ目に昇進して自分の手ぬぐいができたのでそれを持って挨拶まわりをしているのだという。「ということは?」と問う一蔵さんに、「兄さん、ご祝儀ください!」とどストレートを投げ込む一花さん。とはいえこれは落語界でのしきたりであり、手ぬぐいを渡された上の者は祝儀を切らなければならないのだという。「たっぷり(あげろ)!」という声のかかる中、袂から祝儀を出して一花さんに渡す一蔵さん。
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Nikon Df

「ここ写真撮ってもいいよ!」と言われてせっかくなので一眼で撮る。
「茶番だ」と自ら苦笑い。

さて一席め、春の選抜甲子園に行ってきたという。
バックネット席のチケットを購入して入ったところ、満席で関係者席しか空いていなかったという。誰もいないなら、と毎日新聞の関係者席に座ったそうだが、すぐに警備員がやってきて追い出されそうになったという。「あなた関係者じゃないでしょ」といわれたが「でも読んだことはあります!」と答えたら周りの観客達が味方になってくれ、最後まで試合を見ることができたという。こりゃあいい手だ。
甲子園の名将たちから昔のカリスマ武将の話になり、時代がくだるにつれて主君がぼおっとしてくると『松曳き』に。今日はこれがネタおろしかな。
江戸っ子たちのやり取りが楽しい前半と、ポンコツ主従のポンコツっぷりが楽しい後半の落差がこれまた楽しい。

二席め、先日風で高熱を出したときのエピソードを。
代演などを頼んだあとで寝込んでいたらいろいろ夢を見たらしく、一番面白かったのは一朝師が『森のくまさん』を歌いながらスキップしていたという。

三席め、地元の友達と花見をした時の話をマクラに。
半ば騙して娘さんたちを連れ出したらしい。

二席めのお花や三席めのご隠居たちのわがままっぷりがちょいとワンパターンになってるような気がするかな……。
駄々っ子が過ぎて「キモカワイイ」というより「キモい」になってるような……まあそれならそれでも面白いんだけど。
タグ:春風亭一蔵
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なかのらくご長屋 兼好毎月連続独演会 30年4月 [落語]

なかのらくご長屋 兼好毎月連続独演会 30年4月
於:中野 なかの芸能小劇場

三遊亭しゅりけん『黄金の大黒』
三遊亭じゃんけん『もぐら泥』
三遊亭兼好『紙入れ』
三遊亭兼好『天災』

開場時間に行くと、主催者が今後の落語会のスケジュールやら日程変更やらの説明をしていて全然中に入れてくれない。
そこでやってたって後ろの方には聞こえないんだから、せめて開場して開演前にやればいいのに。
そこに兼好師が会場入りしてきたのだが、この会場は楽屋口がない。会場時間を過ぎてもロビーに人が溢れていて、楽屋入りできずに兼好師が困っていた。
なんだかなあ。どうにも素人臭いというか余裕がなさすぎてイマイチこの主催者に共感できない。

しゅりけんさん、いよいよ小咄的な噺から本格的なものへ入ってきた。
しかし『黄金の大黒』とは。あまり他の流派だと前座で演ってるのは聴かないけど。
2〜3度真っ白になった模様。素に戻って「えーと……」と思い出しながらその場面をなかったことにするという大業も繰り出す。
じゃんけんさんによれば「最後までやりきるのが目標」だったのだとか。

じゃんけんさん、以前に聴いたときよりもだいぶこなれていて、安心して聴いていられる。
……前がしゅりけんさんだったから相対効果で余計によく聴こえるのか?

兼好師の一席め、先ごろの女性が土俵に上がった件について、「そもそも『男性だから』とか『女性だから』とかいうからおかしくなる。『土俵には力士と行事などの相撲関係者しか上がれません』として、セレモニーなども全部土俵下でやれば何も問題はなくなる」。なるほど説得力はある。「で、女性で『上がりたい』という人がいたら『じゃああなたは力士っぽいですからどうぞ』ってすればいい」。誰も言い出さないでしょうね、それ。
「伝統的な演芸ではありますが、この高座は女人禁制ではありませんから、もし私が高座で倒れたら女性の方、遠慮なく上がってきてください」と相撲協会をチクリ。「なんならしゅりけんのときだったら倒れてなくても上がってきても構いません」。ひどい。「でも」と続く。「人間国宝とかのクラスになると、その高座はその人の特別な空間なのです。他人が侵してはならない聖域なのです。だから、小三治師や歌丸師が高座で倒れても何もしてはいけないのです」。黒い。
女人禁制の話から女性問題の話に。「『不倫してて……』とか『浮気をしてて……』というより『間男しちゃった☆」といった方が明るくっていいですよね?」。いやそれ全部兼好師の言い方だけの問題では……。
初心な新吉を狙い落とすお内儀さんの獲物を追い詰める表情や声音がたまらない。
翌朝の旦那と新吉の会話で、旦那の顔色を読む新吉の表情もまたおかしい。
この噺はかなり顔芸寄りになっているような……。

二席め、時間的に余裕がなかったからか、割とあっさりとした『天災』。
私はいわゆるおうむ返しものでクドくしつこく繰り返されるのが苦手なので、これくらいスッキリとしていた方がメリハリがあって好き。
ここでも手紙を読みながら顔を顰める紅羅坊奈丸が顔芸になっていた。
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