SSブログ

池袋演芸場 十月上席 十月一日 夜席 [落語]

池袋演芸場 十月上席 十月一日 夜席
於:池袋演芸場

春風亭貫いち『元犬』
三遊亭ふう丈『ゲセワセワ』
柳家㐂三郎『時そば』
ウクレレえいじ ウクレレ漫談
柳家花いち『カタチ』
古今亭駒治『さよならヤンキー』
風藤松原 漫才
柳家小ゑん『いぼめい』
林家きく麿『童謡作り』
三遊亭わん丈『プロポーズ』
春風亭一之輔『もぐら泥』
翁家和助・小花 太神楽
三遊亭天どん『いたばさみ』

昨日の予想通りに池袋の夜席に。
ほとんど初めて聴く噺で、演目を調べるだけで一苦労。

しかしこの芝居のチラシ(リンク先は天どん師のブログです)。
http://blog.livedoor.jp/rakugono/archives/5463171.html

個人的には扇辰師や扇橋師での方が印象が強いのだが、確かに天どん師もとつかりょうこさんのイラスト使ってたっけ。
最初にパッと見たときは、天どん師はすぐわかったのだが、真ん中の三人誰だろ? と思っていたのだが、あ、天どん一門か! と気づくともうごはんつぶさん、ふう丈さん、わん丈さんにしか見えない。しかも圓丈師まで。やっぱりプロってすげえなあ。

貫いちさん、これは自信を持っていいます。兼好師から習いましたね。というか若手の『元犬』は兼好師のが多いような……。

ふう丈さん、チラシについてやっぱり気づいたらしく、「私、剣でごはんつぶさんと戦ってるんですよ。で、左の方にわん丈さんが余裕な感じで『あ、俺来年真打なんで』みたいな顔でいるんですよ」とちょっとご不満の様子。

お久しぶりの㐂三郎師、ちょっと髪を伸ばしてるんだ。ダブルピースは相変わらず。

ウクレレえいじさんは初めて。ウクレレの超絶テクニックとユルいのと。マニアックなモノマネメドレーが面白い。何ひとつ分からなかったけど。はだか先生と交互ってことは準会員なのかな。

花いち師、小料理屋の客にスーパーで買ってきた刺し身やお惣菜を、小洒落たレストラン風のメニュー名で出すという噺。メチャクチャな展開でも「カタチだけを大事にしてますから」という女将の一言だけで済ませてしまう強引さがおかしい。

駒治師の『さよならヤンキー』は8年ぶり。前に聴いたときよりも茨城弁が薄まっているような……。

小ゑん師の『いぼめい』、最近ネットではよく見かけるタイトルだが、どんな噺なのかはまるで想像できない。すっごく乱暴に要約すると、なに言ってるかわからないくらい訛ってる就活生に面接官が面食らう噺。オチは今時っぽい。

きく麿師、「働きたくない」という人が一攫千金を狙って童謡を作るために動物園へ行くというもの。働きたくないですねえ。

仲入り時に天どん師が物販でDVDを売っていた。マスキングテープやエコバッグもおまけに付くという。でも持ってるしな……と思ったけど、あれ真打昇進時のDVD買ったっけ。持ってなかった気がするけどいっぺん家かえって確認してからかな。どうせあと1~2回はくるだろうし。

わん丈さん、「おそらくこの中で私が唯一『笑点』を見てからここにやってきました。もう一之輔師匠楽屋に来てます。いやあ……もとから凄い師匠ですけど、やっぱりテレビで見てから実物を見ると違いますね。先日も『終電まで30分あるから飲むか』って駅の飲み屋に連れてってくれたんですが、トイレかどこかから隣の席に戻ってきたおじさんに『あーっ、落語家!』って指さされたんですよ。私だったら『指ささんんでもらえますか』ってケンカモードに入っちゃうかもしれない。でも一之輔師匠は落ち着いて『まあ座んなさいよ』って……(ロビーで物販している)師匠の声が入るなあ、ここ!」と大きな声を出して天どん師とケンカモードに。すると外の声がおさまり「……一応弟子のいうことを聞いてくれるんですね。圓丈師匠だったら『それでもやれ』っていいそうですけど」。
噺は60歳年上の女性にプロポーズをしようとしている草食系男子と、そのお相手。まあ「多様性の時代」とか「人生百年」とかいっている昨今ならこんなとこもある……のか?

久しぶりの一之輔師。「……まあ座んなさいよ」とニヤリ。
一之輔師の『もぐら泥』は初めて。「そろばんが合わない」という場面は短く、「おめえなんか買わなかったか?」「あっ……反物……」「反物? いくら? …………たっけえよ!」と一瞬のこの間が上手いなあと思う。
手を捉えられ、中の亭主と女房を脅したりするのだが、反撃を食らって「いったーい!」とシクシク泣いている泥棒がかわいくてとにかくおかしい。
最後に登場する男も与太郎っぽくぼんやりした感じなのだが、泥棒のがま口を覗いたときから見せる人の悪そうな顔がまた上手いんだ。素か? と思うくらい。

和助・小花先生、扇の曲芸は初めて見た。初めて見る芸だと拍手するタイミングがわからないな……。
あと珍しく土瓶の弦立てで位置取りに苦戦しており、「ダメだ」といって手で調整していた。そんなんアリ? まあ一番難しそうなところではあるけれど。

天どん師、「今日はですね、携帯を家に忘れてきたんですね。家から駅まで自転車でくるんですけど、途中で見たらなかったんですね。だから多分家だとは思うんですけど、もしかしたら途中で落としたかもしれない。だったら一回帰ればいいじゃないかと思うかもしれませんが、そうすると物販に間に合わないんですよ。携帯を取るか、物販を取るかで悩んだんですけど物販を取りましたよ。……なにをいいたいのかといいますと、もう気が気じゃないんです。上の空なんですよ」。いろいろとぶっちゃけ過ぎでは……。
「楽屋にきたらですよ、初日だから『奢ってくれるんだろ』みたいな顔したヤツらがうじゃうじゃいるんですよ。イライラしますよね。もう僕はそれどころじゃないんですよ」。「ヤクルトはほぼ最下位だし」「わん丈くんが抜擢だってなったら『お前はちゃんと口上できるのか』みたいな心配されるんですよ。余計なお世話だバカヤロー。そもそもわん丈もふう丈も相変わらず僕のことを『アニさん』って呼んでますからね。そんで都合のいいときだけ『いやそれはやっぱり師匠にお願いしないと』みたいなことをいうんですよ、ブッ○してやろうかなと思いますよね」とまあ順番や細かい言い回しは覚えてないけど、だいたいこんなようなグチがずっと続く。そんでそれが面白い。たまらないね。
わん丈さんたちの話から弟子へパワハラしていないか悩む中堅師匠を描く『いたばさみ』に。おそらく「俺は昔師匠からこんなことをされたんだけどこれをお前にやったらパワハラか?」というエピソードは実際にやられたんだろうな……。
さらにそこに80を過ぎて『笑点に出たい』という大師匠まで出てきていろいろカオスになっていくが、なんだか現在の落語界を端的にデフォルメして表しているようにも思える。

家に帰って確認してみたら、やっぱり真打昇進時のDVDは持ってなかったようだ。次回までに残ってたら買おうかな。
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:芸能

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。