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マジメこみちとバカこみち7 [落語]

マジメこみちとバカこみち7 こみちのおっ母さんアラカルト〜落語の中のおっかさん大暴れ!?
於:高田馬場 ばばん場

柳亭こみち『目薬〜親娘編〜』『星野屋』『子別れ(下)』

こみち師がテーマを持ってバカバカしい噺とマジメな噺と三席やって2000円てなにそのお得な会。そら行かないと。
14時開演と思って13時40分頃に着くとちょうどこみち師が会場入りするところ。黒いワンピース? 私服そんなんだっけ。というか結構ギリギリの会場入りなんだなーと思っていたら、14時半開演だった。
少し高田馬場の街をバイクで流して時間通りに会場へ入る。ほぼ満席のようだ。

こみち師が高座に上がると「待ってました!」の声が掛かる。「今日は14時開演と間違えた方が結構いらしたそうで、早めに開場したそうですね。その方からしたら待ってたでしょうねえ」。あらじゃあ俺も早めに入ってりゃよかった。でもそらそうだよー14時半開演なんて半端な時間な会はあんまりないもの。
「午前中は小三治師匠の三回忌だったんで一門みんなで法事に参加しておりました」。あ、あれ喪服だったんだ。
「和尚さんがなに言ってるかさっぱりわからなくて。和尚さんが退席された後でみんなでモノマネしてました。ご家族の方も『お経の途中で"あいうえお"って言ってたよね?』『言ってた。次''かきくけこ"って言うと思った』っていう和やかな雰囲気で……」。そんな『蒟蒻問答』みたいな。
「お焼香もしたしたんですが、やはり噺家なんで香盤順というものがある。一門の末弟は小八アニさんのお弟子さんでしろ八さんなんですが、彼が三三アニさんより先にお焼香しようとしてみんなに羽交締めにされて止められるという……彼はこれで一生イジられるでしょうね」。直弟子よりもひ孫弟子がってそらイジられるわ。
「明日から鈴本で仲入りに顔付されてるんですが……。ヒザにぺぺ桜井先生が入られてるんですよ。以前ぺぺ先生から『こみちちゃん、一緒になんかやろうよ』っていっていただいて、私がトリのときや独演会で『ペペとこみち』というユニットでやらせていただいて……。3日と5日以外に来てください。なにかあると思います」。といいながらペペ先生との稽古の苦労話を面白おかしく話す。面白そうだなあと思うんだけど、10月上席は池袋で天どん師が、末廣亭で扇辰師がトリなんだよなあ……。たぶん池袋に行っちゃうな……。
今日は落語に登場する「おっかさん」がテーマ。
一席めは軽めに『目薬』。本来は夫婦での噺だが、母と娘に変えて演じている。
目を患った亭主が稼げないので芋ばかり食べている、という本来のストーリーだが、親戚から送ってもらった芋を食べているというものに。娘のほうが目がしょぼしょぼすると薬を買ってくる。「め」を「女」と読み違えるのは同じだが、両方とも女なのにどうするのかと思ったら、薬局名にキーがあった。やや強引かもとは思うが、こういうのが落語らしくて楽しい。

二席め、本来だとおっかさんは最後にちょこっとオチ要因として出てくるだけだが、最初からお花とおっかさんが「男は妾を囲ってから3ヶ月くらいが脅かそうとしてなにか仕掛けてくる」とかいろいろと対策を練っているのがおかしい。この親子は世にも珍しい世襲制の妾だという。
星野屋の旦那から別れ話を切り出され「旦那と別れるくらいなら死んだほうがマシなんですから」といったにも関わらず、心中を持ちかられたら「私と旦那が一緒に死ぬんですか? なんで?」と普通にキョトンとしているのがおかしい。
「心中のときに歌う唄」として「『平蔵とお花が~、吾妻橋~♪ パ、ピ、プ、ペ、ポーン』で飛ぶのよ」とおっかさんから伝授されるのがすごい。
女性側から描かれているからか、どうも星野屋の旦那の「試す」という行為が鼻についてあまり騙されたかわいそうさはない。

三席めはほぼ原型通りの『子別れ』。ただ、熊さんを呼び出すのが番頭さんではなく、大家さんのおかみさん。熊さんに建て増しを頼む仲介役として登場している。番頭さんが親子の再会を仕組んでいる型もあるが、こみち師の場合はまったくの偶然のようだ。
亀吉の喋り方がいかにも小学校低学年男子が考えながら話しているような感じでリアル。その亀吉と同年代の息子さんがいるからか、亀吉が「斉藤さんのおぼっちゃん」に独楽で殴られた場面ではどうしても本当に涙が出てしまうようだ。
母親に問い詰められる場面も実にリアルで、子どもの頃に母親に問い詰められたときの気持ちがぐっと蘇った。まあその時の俺はホントに小銭をくすねていたんだけれども。
その後も要所要所の場面で涙が出ているようで、「母親のリアルさ」としてはこれ以上ないんじゃなかろうか。
昔『美味しんぼ』で外国人落語家が「この噺のおかみさんの気持ちがわからない」という話があったけれども(そしてめちゃくちゃ強引に食い物でまとめられていたけれども)、その当時にこみち師がいればよかったのにね。
タグ:柳亭こみち
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