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黒門亭 第一部 3760回 [落語]

黒門亭 第一部 3761回
於:落語協会2F

柳家しろ八『子ほめ』
三遊亭ごはんつぶ『スクキャット』
入船亭扇辰『蕎麦の隠居』
林家時蔵『新聞記事』
三遊亭天どん『鰻の幇間』

暑ーーー。
バイク乗ってると爽やかでいいんだけど、直射日光がキツい。それにバイクだと汗がすぐ乾くので脱水に気づきにくくて実は結構危険だと聞いたことがある。気をつけねば。
でも服が汗だくになるのは困るけど、やっぱり夏はいいですな。夏生まれでタイ好きというのもあり、夏が一番好き。道路の照り返しの熱を受けながらどこかから何かが饐えたような匂いが漂ってきたときに目をつぶればそこはもうバンコク。排気ガスの匂いが混ざれば尚良し。
開演15分前に着くとどうやら最後のひと席だったようで、開いている座布団が一枚しかない。危なかった。この顔付けなら混むだろうとは思っていたけれど。最終的にはお膝送りをしてあと2~3人追加。座布団席ならではですな。

しろ八さん、落ち着いた語り口で声もいい。じっくりと聴けてこれはなかなかの期待株なのでは? と思っていたら、番頭さんと「顔が黒くなった」と話している場面で「……このあと何いうんだったかな」と八公が仕込んできたことを忘れたという演出なのかと思ったら本当に忘れたらしい。えええ。『子ほめ』なんて前座の必修みたいなもんじゃないの。慌てつつも八公と番頭さんが協力して次の場面へ。
ところがここでも「赤ん坊はどこだ」「そこにいるだろ」「……小せえな」といきなりやってしまい、「お祖父さんと間違える」というボケを潰してしまう。大慌てで「もう一回やらせてくれ」と長屋に入るところから。
ただこれがまあウケる。堂々と「間違えた」と言い放ち、あまつさえ言い訳までするという図太さが楽しい。
さらに降りる際にめくりをめくるのだが、おかしなめくり方をしてごはんつぶさんの「三」の字が隠れ、しろ八さんの「八」が見えたままになっており「遊亭ごはんつぶ八」になってしまっている。

ごはんつぶさん、髪を伸ばして後ろにまとめており、その端正な顔立ちもあって今どきの女子っぽい。こういうこと書いてもルッキズムだのジェンダーハラスメントとかになるのだろうか。
さておき、客席のざわめきが気になったようで、「どうかしましたか?」と高座を降りてめくりを見て「なんだコレどうなってるんだ? ……(めくりのすぐ上の隙間にめくりを差し込んでさらにそれを一番上に回してる)学校で裁縫を習ってるような気になりますが……」。高座に戻って「でも私もこないだまで前座でしたからわかるんですが、黒門亭の前座になるって大変なんですよ。9時半くらいにここへきて準備して、しかも前座はひとりしかいないので楽屋での師匠のお世話とか太鼓とか全部ひとりでやらなきゃいけない。それを一部と二部どちらもやって、さらに夜は鈴本へ行って仕事をする。……ということはですよ、彼は今日の中で今が一番コンディションがいいんです。それでアレ。……2部も聴いてみたくなりませんか」。気になるなあ。今日はそのまま池袋行くから聴けないけど。
噺はスクワットをする猫、スクキャットを飼っていると自称するふたりの会話がメイン。猫は外飼いなので自由に出かけられ、どうやら二重生活をしていたんですねえという会話の中で、この分だともうひとりいるんじゃ……となる。猫飼いとしては外飼いすんなと思うが、これが重要なポイントとなる。

扇辰師、そうかなーと思っていたらやっぱりそうだった。まあこの噺をやるのは現在扇辰師しかいないので、扇辰ファン以外の人には珍品を聴いてもらえるしこういう会のこういう出番ならまあそうなりますわね。「今やってて一番楽しい噺」らしいし。

時蔵師、「最近の黒門亭も変わりました。まさか前座が一番ウケるとは……。昨日は私も独演会で『鰻の幇間』やったんですがね、……やったら怒るだろうなー」。それはそれで面白い気はするけれど。

天どん師はネタ出しの『鰻の幇間』。もうコレ絶対面白いやつじゃん。ボヤき芸の天どん師が、騙されたと知ったときの一八の嘆くところをやっているのを想像しただけでもう面白い。
「今日は僕はね、マクラで羽織を脱がないことだけを気をつけてやりますよ。幇間とか侍の噺は羽織を脱がないほうがいいんですけど、ついマクラで脱いじゃったりするんですよ。そうすると後で大変になりますからね、気をつけないと」。そんなところだけを気をつけるって。
二階のお座敷に通されると、隣のいい座敷にお祖父さんが寝ているというのは初めて聞く形。
天どん師の嘆き節は予想を裏切らずに面白かった。仲居さんの口調が独特で、必ず尻上がりになりそれによってイラついているのがおかしい。
「なんだこのお猪口。兵隊さんが出征のときに配ったやつだろ。こんなもの出すなよ、もはやこの兵隊さんがどうなったのか気になるだろ」「隣で寝ておりますぅー↑」「隣の爺さんかよ!(敬礼)」というやり取りが天どん師らしくて好き。

さて急いで池袋に向かわねば。
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