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東和寄席 “扇辰日和 in とうわ” [落語]

東和寄席 “扇辰日和 in とうわ”
於:北綾瀬 東和地域学習センター

入船亭辰ぢろ『出来心』
入船亭扇辰『蕎麦の隠居』
入船亭扇辰『片棒』

今日もハッキリしないグズグズの天気。降るなら降る、降らないなら晴れる! バイクに乗ってるときにポツポツと顔に雨粒が当たってくるのが腹立たしい。

一席め、「今年アメリカに行ってきたんですよ」とアメリカ巡業の話に。「呼んでくれた向こうの教授と事前に打ち合わせとかするんですが、『メールじゃ伝えられない話があるからZOOMで打ち合わせがしたい』と言われまして。時差が13時間あるんで、日本時間の7時半、向こうの18時半ですって。……そんな時間に起きたことねェのよ、こっちは。朝の6時くらいまで呑んでることはありますけどね。でも仕方ないから7時に起きてZOOMしましたよ。そしたら昼メシの相談だって。……なんでもいいよ。それでその昼メシがピザだったんだけど、ひとつは肉、ひとつは野菜、ひとつは貝で、確かにまあ美味いんですよ。でもみんな結局ピザなんだよ。カレーでいえばカツカレーとベジタブルカレーとシーフードカレー出されたようなもんだよ。……しかも1枚がマンホールの蓋かってほど大きいんだ。それをアメリカ人は大雑把ですなあ、ピザカッターで好き勝手に切る。だから同じ形をしたものが何ひとつない」。あーいかにもアメリカっぽい。「日本人ならこう……縦横斜めに切るじゃないですか。こういう形になるように」と扇子を少し広げてピザの形に。「まさか扇子をピザにするとは思わなかった」。
さらに夜にホテルで飲もうとした際にツマミがなかったため辰乃助さんになにか買ってきてもらったら……とオチがつく。この話は辰乃助さんか志の春師も言ってたな。
生きるためには道楽がなければならないが、その中でも食道楽は罪がないと『蕎麦の隠居』に。まあこの噺が最近のお気に入りだから、そうかもなーとは予想していたもののやっぱり最近遭遇率が高いね。
それにしても扇辰師の真正面に座ったオバちゃんは思ったことをそのまま口に出してしまうようで、マクラの時から相槌を入れたり問いかけをしたりして扇辰師に「……それをこれから言おうとしてるの。こっちにも段取りってもんがあるんだから」などと苦笑交じりにたしなめられていたが、噺の途中でも「(蕎麦を)ホントに食べてるみたい」とかいい出すのはまいった。それと噺の途中で普通のトーンで会話をしだすオバちゃんたちとか。あんたんちのリビングで演芸番組を見てるんじゃないんだから。郊外の地域寄席だとよくあるが、一応23区内なんだけどなあ。場所は関係ないんだな。
「最近は旅の仕事も戻ってきました。コロナ前なんか毎週のように全国を回ってました。それこそ北は北千住から南は南千住まで……」と最近は聞かなくなったベタなギャグを入れるが、北千住民からするとちょっと嬉しい。俺ァ落語の最北端に住んでるんだぜ、と。扇辰師も「これはここらへんでやるとウケるんだ、目黒区じゃ全然ウケないの」。でしょうね。スカした目黒区民になんざァ……とはいいながらも23区中23位だということは自覚しておりますよ。
蕎麦の食べっぷりと飄々としたご隠居の佇まいは相変わらずお見事でした。

仲入りのときに辰ぢろさんが「お配りしたチラシに『九代目入船亭扇橋十八番』がありましたが、すみませんそれ去年のでした」。うん気づいてた。なぜなら共演の弟子の写真が小辰さんだったから。最初は名前を間違えたのかと思ったがが、「令和四年」となっていた。たまたま近くにいた知り合いの手元には正しいチラシが入っていたようで、混ざっていたようだ。使ってる扇辰師の写真が去年と同じものなのも間違える原因だったのだろう。

二席め、「なんで去年のチラシなんか持ってくるんだろうねえ。この会は第1回めから前座はアイツでしたが、今日でもう最後です」。すかさず「かわいそう」と合いの手が返ってくる。おばちゃん……。
振り切るかのように「十人寄れば気は十色と申しまして……」とケチの小咄に。なんだっけなあ、なんかすごい面白いこといって、これはブログに書かなきゃと思ったことまでは覚えてるんだけど、どんな面白いことをいったのかは忘れそうだなーと思ったら案の定忘れた。俺の脳のメモリーの小ささが恨めしい。
扇辰師の『片棒』は三男がおらず、浪費家の長男と鯔背気取りの次男だけ。笑いどころの詰まったそのふたりだけに集中して練り上げ、密度の濃い噺になっている。どこを取っても面白いというのは演じるのもカロリーがいりそうだなあ。
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