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第64回三田落語会 夜席 [落語]

第64.回三田落語会 夜席
於:浜松町 文化放送メディアプラスホール

古今亭菊一『出来心』
三遊亭遊雀『初天神』
三遊亭兼好『不孝者』
三遊亭兼好『粗忽の使者』
三遊亭遊雀『淀五郎』

高田馬場から一度戻り、バイクを置いて浜松町へ。
そのままきたかったのだが、会場の周りにバイクを停められる駐輪場が見つからず、あってもすごく高い。そもそも浜松町なら定期があるからわざわざ駐輪場代を払わなくてもねえ。

この会、昼にもさん喬文菊二人会があって、間違ってそっちも買ってしまっていた。うーーん、まあ嫌いってわけじゃないから行ってもいいんだけど、とはいえわざわざ行くほど好きってわけでもない。寄席で入ってたらお得だなあと思う程度。ダメ元で定価でチケット救済サイトに出してみたら速攻で売れた。お陰でチケットぴあのシステム料だけの損害で済んだ。ありがとうチケット購入してくれた人。お陰で天どん師の会に行けました。

さて菊一さん、ガタイも良くて顔もなんだかハーフっぽいイケメン。調べてみたらロシア人とのハーフなんだとか。で、東大院卒。わー。なんでまた。他人がどうこういう問題でもないけど。
とはいえ噺もきっちりしていてちゃんと面白い。

遊雀師の一席め、「この会は初めてお邪魔しました。出たかったんだよ。この会だけだよ、めぼしい会で出てなかったの。これで大体のいい会は出たことになる」とヨイショなんだか本音なのか。
「でもさ、この会に出る人ってみんな本格派。『子どもの頃からずっと落語聞いてました』みたいな人ばっかり。昼に出てた人とか……偉いほうの人じゃないよ!? あとは三三ちゃんとか菊之丞とかさ。俺なんて二十歳の頃に名古屋で友だちに誘われて初めて落語を聞いたんだから。志ん朝仁鶴二人会。初めてにしちゃあいい会に行ってるでしょ?」。いいなあ志ん朝師生で聴いてみたかったなあ。
「でもさ、さっき楽屋で兼好ちゃんに聞いたらアイツは26歳で初めて落語を聞いたんだって。……勝った! で、初めて聞いたのが柳昇師匠だって。なんでうちの協会にこないんだ!」。
初参戦の一席めは得意ネタの『初天神』。飴玉のくだりはなく、団子の攻防をじっくりと。金坊のぐずりぶりがリアルでとにかくおかしい。えずきかたとか。遊雀師は子どもがいないはずなのになんであんなにリアルにできるんだろ。
団子を買った後も蜜をなめながら「久しぶりに食うと旨いな。……俺が買ったんだ。食いたきゃ働け」というのも大人気なくて面白い。

兼好師の一席め、「久しぶりに遊雀師匠の『初天神』を聴きましたが、聴くたびに『うちの子があんなのじゃなくてよかった』と思いますね」と素直な感想。
「私もこの会は久しぶりで。一度終わった後に復活したところでコロナになってね。地方だと『昔落語家になりたかったんだけど諦めて地方に残りました』っていうようなおじさんが始めたような会が多いんですが、そろそろそういう方が高齢になってきた。で、あの年代の人たちって後輩を育てないんですよ。だから会を維持するのが難しくなってきたところにコロナがきて『じゃあこの機会にやめましょうか』ってことが多くて。そんな中を復活した三田落語会は本当にありがたい。なんか執念みたいなものも感じますね、『本格派以外を使ってでも!』っていう……」と遊雀師を引き継ぐ。
「今日は五代目圓楽の命日でお墓参りにも行ってきたんですが……。六代目も亡くなって、我々『圓楽一門会』なのに圓楽がいないという……。しかし五代目は貫禄がありましたね。私が入門したときはまだ47歳でしたよ。それでアレだけの貫禄がありましたからね。……私これで52ちゃい!」とダブルピース。
「圓楽師匠が楽屋に入ってくるだけでピシーっと締まりましたね。六代目もそういうところはありましたが、五代目は特別でしたねえ。……私なんて楽屋へ入って20分くらい経って『いたんですか!?』っていわれる」。昨今はパワハラだなんだといろいろ厳しいが、こういう緊張感があるのはいいことなのかとも思う。
「圓楽の名前を継ぐような人がいないんですよねえ。五代目六代目とテレビであれだけ売れたんで、誰が継ぐにしても『誰!?』ってなるでしょ」と親子関係の噺に。
遊び過ぎの若旦那を、大旦那が飯炊きに扮して迎えにいったら昔のお妾にばったり会うという噺。
これまで聴いてきたパターンでは堅物だとおもっていた旦那に昔お妾がいたという唐突感があったが、今日のは「倅の唄はヘタだね。一度お師匠にちゃんと習ってから芸者に崩し方を教らなきゃ。……あの頃は楽しかったね」のように「昔は遊んでいた」という背景が描かれ、より自然になっていたように思う。こういう細かいディテールが上手いなあと思う。

二席め、マクラに何度も出てくるご母堂の話で健康のためにスクワットを始めたらしい。以前は兼好師の名前が出るまでにも時間がかかっていたらしいが、足を鍛えるとこういうことも改善されるらしい。
そんな「粗忽」なところから『粗忽の使者』に。
私の中で一位二位を争う好きな噺で大変嬉しい。こんな全編楽しい噺ある!?
「弁当! この馬はやけに小さいの」「それはお屋敷の赤犬でございます」「どうりで噛む」とかその絵面を想望するだけでおかしい。
留めっこが治部田治部右衛門と田中三太夫との会話を盗み聞きしてそれを仲間に伝えるという形のため、留めっこと侍たちの場面転換があるのだが、そのグラデーションが本当に上手い。これこそ落語のいいところというかすごいところだよなあ。

遊雀師の二席め、「落語ってすごいね。あんな人いないよ。それであれを『粗忽』で括る?」と至極真っ当なご意見。
「今は歌舞伎もいろいろあって楽しみだね」と芝居の話題に。私はこちらには暗いのでほぼわからなかったが、「團十郎の襲名に中車は出てくるのか」くらい。
おそらく過去一で笑ったのが遊雀師の『蛙茶番』だったので少し期待したのだが、本格的(?)な『淀五郎』に。
淀五郎が自分の芝居を見た親方が袖で渋い顔をされた場面で、「これは辛いよ。自分も経験あるけど、最初は機嫌がいいからニコニコしてるんだけど、5分もすると渋い顔になって、しまいには頭を抱えられて……」って小遊三師はそんなことしないだろうから前の師匠か……。でもまあそういうものなんだろうなあ。
入れ事もなくキッチリキッチリと。爆笑ものだけでなくこういう噺もビシッと聴かせてくれるのもさすが。

さて次回は……昼席が扇辰扇橋、夜席が一之輔一蔵!? なにこの大好物! やべえな通風になるんじゃねえかコレ!? もちろん会場で先行発売してる前売買わなきゃ。……え、現金のみ? えーっと……やべえ昼に天どん師の会に行ったから5千円しか持ってない。最近電子マネーで払うことが多いから現金をあまり持ち歩いてないんだよね。幸い兼好追っかけ仲間がいたので2千円借りて無事購入。この歳になって他人からカネを借りるとは……。
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