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真打昇進襲名披露興行 令和四年十月三十日 [落語]

真打昇進襲名披露興行 令和四年十月三十日
於:池袋演芸場

入船亭辰ぢろ『道具屋』
三遊亭わん丈『星野屋』
ホンキートンク 漫才
柳亭市弥 改メ 柳亭小燕枝『棒鱈』
春風亭柳朝『猫の皿』
五明楼玉の輔『つる・改』
ダーク広和 奇術
入船亭扇辰『悋気の独楽』
柳亭市馬『高砂や』
真打昇進襲名披露口上
ロケット団 漫才
春風亭一蔵『風呂敷』
三遊亭圓歌『やかん工事中』
柳家小団治『ぜんざい公社』
林家正楽 紙切り 若駒 三人集 ハロウィン
入船亭小辰 改メ 入船亭扇橋『宿屋の仇討ち』

いよいよ定席の大千穐楽。
今日は混むかなと思いいつもより早めに着いたのにいつもより後ろに並ぶ。みんな早いなぁ。
今日はこれまでの中で一番よくない席になってしまった。とはいえ池袋なんで、端っこでもない限りそんなに変わんないけどね。

わん丈さん、その出番で披露目で『星野屋』!? と思ったが、明日のNHKの新人演芸大賞で掛けるらしい。頑張って。

小燕枝師、「昨日は私がトリだったんですが、芸協の小痴楽師匠と昇也師匠が高座返しをするという……。さらに出囃子を止めてふたりで漫才をしてた。ふたりが引っ込んだ後に改めて高座返ししてましたからね。高座返しの高座返しって意味わかんない。だから今日は私も好きにやらせてもらいます」と『棒鱈』。
小燕枝師のはお国自慢の唄が『クイカイマニマニ』とかの民族音楽なので、まあ悪ふざけっちゃあ悪ふざけ。とりあえず今日でひと区切りなのではっちゃけたか。さらに『ユポイヤイヤエーヤ』とか『マサビリビリ』も初披露。ボーイスカウトのキャンプファイヤーのときの唄ですな。客席も大盛り上がり。
さらに料理も棒鱈ではなく、南米の胡椒を使ったもの。さすがにそれは覚えられなかった。

ダーク広和先生、千穐楽だからかいつものTシャツにジャケットではなく、手品師らしいタキシードに。手品もいつものロープマジックではなく、カード。カードを扇のように広げるファンカードをメインに、カードがどんどん出てくるスタンダードマジック。

扇辰師、「昨日は高松で仕事があって、日帰りもできたんですがね……。打ち上げにも出てくれと言われて、こちらも好きなもんですから飲みましてね……。またよく飲むんだ。夜中の2時くらいまで飲みましたかなぁ。で、さっき帰ってきました。なので体調は最悪です」。
定吉が振る舞われるお菓子がまんじゅうではなく甘納豆というのは初めて聴いた。砂糖の一粒一粒まで丁寧に舐める仕草がおかしい。
さらに店に戻った定吉がおかみさんから問い詰められている時の圧がすごい。

市馬師は入れ事もない本寸法の『高砂や』。まあ何が「本寸法」なのかよくわかっていないんだけど。やっぱりノドがいいとこの噺は映えますなあ。

仲入りでTシャツがXL2枚だけ残っているということだったので初めて1枚買う。ピンクなあ。まあ好きな色でもあるし、猫の毛が目立たなくていいか。その後無事完売したとのこと。Tシャツが完売したのは初めてだそうだ。

口上はなんと三人集が勢揃い。
大初日に続き大千穐楽に三人とも上がるとは。
玉の輔師が司会で、上手から市馬師、扇辰師、小燕枝師、扇橋師、一蔵師。残念ながら一朝師は不在。
おそらく急遽上がることになったんだろう、玉の輔師の口上も「3人は実はそんなに仲が良くない。グッズの制作費で揉めてました。……えー、適当なことを言っています」とやや困り気味。
扇辰師も「先程も申し上げました通り体調不良です。いろいろ言うことも考えてきたんですが……台なしです!」だそう。いつものように「ネタによってはアタシよりもいんじゃねえかと……」といっていたところで今日は市馬師がウンウンとうなずく。
定席の最後だからか、新真打たちも市馬師から「お前らもなんか言え」と特別なはからいを。一蔵師、小燕枝師、扇橋師とそれぞれ今日までの感謝と仲間への思い、これからの意気込みを熱く語る。なにこれなんかやたら感動的で泣きそうなんですけど。
さらに三本締めでも「お前らも締めてヨシ」と祝われる立場ながら全員で三本締め。何から何まで特別な口上でした。

一蔵師、異例ずくめの口上に「ちょっと泣きそうになりました」だったそうだ。
「今日はね、常滑でダービーの決勝戦があるんですよ。一号艇が〇〇で、二号艇は✕✕、三号艇が☆☆で、……」と話すがもちろんまったくわからない。「その出走がちょうど扇橋が上がる頃なんですよ。池袋は地下なんで電波の入りが弱くて動画が見られない。なのでトリが出るときは袖でみんなで拍手して送り出すんですけど、今日はその時間は上に行って動画見てます」と相変わらず。
「この三人はね、ホントに仲がいいんですよ。……前座の頃は扇橋さんのこと大嫌いでしたけどね。でも二ツ目に上がってからはこんなに気が合うのか! と思うくらい一緒にいて、よく呑みにも行きました。……でもね、落語の世界では先輩が全額払うというしきたりがあるんです。……いままでどれだけ払ってきたか……!」と兄貴エピソードから『風呂敷』に。一蔵師の場合、酔っぱらいの弟分がすべてわかっているというサスペンス風のサゲもあるのだが、さすがにそっちは披露目には向かないと思ったのかスタンダードなサゲに。

小団治師、令和の時代に『ぜんざい公社』かよ! とも思ったのだが、なんだかこれはこれでこの時代錯誤感が面白い。私が子どもの頃よりももうひと昔前の感じで、レトロというか。

正楽師、三人集の注文に「彼らはいつも仲良しなんで、違うのを切ってやろう」と小燕枝扇橋に叱られる一蔵、という構図を。

扇橋師、「ホントに一蔵アニさんも小燕枝アニさんも楽屋にいないんですよ。というか師匠も帰った。『疲れた』っていって。なので師匠よりも上手くできる噺を演ります! ……というのは師匠はやらないからなんですけど」と喜多八師から教わったという『宿屋の仇討ち』を。
途中でちょっと間違えて自分でセルフツッコミを入れたりしながらも、神奈川宿の宿屋の二階で繰り広げられる大騒ぎが楽しく描かれる。
「いはーちー! なんだこのどんちゃん騒ぎは! 『クイカイマニマニ』とはなんだ!」とか「姐さん、踊るからかっぽれ弾いつくれ! イケメンかっぽれじゃねえよ!」とかちょいちょい小燕枝師をいじるのが楽しい。
二階の侍である万事世話九郎の、夜中の激怒ぶりと朝の爽やかさの落差もいい。

幕が閉まった後、高座でも毎回三本締めが行われているのだが、今日はさらに「ばんざーい、ばんざーい!」という声や「胴上げだ!」という声が聞こえてきた。果たして扇橋師は胴上げされたのだろうか。
バイクを駐めていた脇に偶然一蔵師(のかはわからないが)の車が置かれており、どうやらお引越しで忙しい様子。表出たら花輪などもすでに取っ払われており、急いで国立演芸場に向かうようだ。忙しそうだったので一言二言だけ交わすだけにして帰宅。
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