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けんこう一番!第十八回三遊亭兼好独演会 [落語]

けんこう一番!第十八回三遊亭兼好独演会
於:国立演芸場

三遊亭兼好『桃太郎』
三遊亭しゅりけん『道灌』
三遊亭兼好『王子の狐』
尾崎一宏 サックス
三遊亭兼好『品川心中』

なんか知らんが会社的には暇らしいのだが私にはどんどん仕事が入ってくる。どうなってんだ。

兼好師の一席め、ようやく元の生活に戻りつつあり、それはありがたいのだが、そろそろ揺り戻しがくる……と思ってもこない、これはこれでなんかちょっと寂しい、という。なんとなくわかる。「なんだかずっと不幸だった人が幸せになったみたいな。『私が幸せになるはずがない!』というような……」というのもわかる気がする。
学校寄席も戻りつつあるそうだが、先日は生徒か保護者に感染者が出て当日急遽最寄りの駅で中止が告げられたとか。そんなこともあるんだ。
最近は学校でも修学旅行などのイベント事が中止ばかりで、学校寄席が唯一のイベントのこともあるといい、プレッシャーがすごいのだとか。
兼好師は学校寄席にあまりいい思い出はないそうだが、頭のいい中高一貫の女子校へ行った時はものすごくウケた上に女子生徒たちのキラキラしたものが座席から降り注いできていい匂いがしたそうな。いいなあ。「アレはよかった」とご満悦。
子どもたちの話題から落語の子どもに移り、『桃太郎』に。兼好師のは久しぶり。
普通だと「昔の親子」と「今の親子」での対比で演じられるが、後者を「今の親子」としてしまうとかなり無理が出る。
兼好師の場合はいわゆる「昔の親子」の部分が終わったときに「……というような子どもは落語には出てこない」と「理想の親子」と「落語的親子」としてやっている。こういうのはホントに上手いと思う。ちょっとした矛盾というか違和感をさらっと取り除いている。
しかもおとっつぁんが話す昔話も結局は兼好師が話してるわけだから面白いんだ。こんな上手く話されたら眠くなんかならないよなあ。

しゅりけんさん、今日はなんだかあまり元気がない?
いつもよりだいぶおとなしめな印象を受けた。

兼好師の二席め、熊は賢く、りんごなどもちょうど熟したものを取っていくといった話などのマクラから『王子の狐』に。
狐を騙す男がとにかく明るく、いかにも兼好師らしい。ここまで賑やかに騒ぐ男も珍しい。
酢の物をかっこんでむせるという変化球の小ネタも実に楽しい。こういうちょっとしたことがアクセントになって常に新鮮味がある。

尾崎一宏さん、テナーサックスとソプラノサックス。
『ダニーボーイ』や『川の流れのように』、オリジナル曲など。
どの曲も音の切り方がスパッとしていて余韻を残さない感じ。切れ味がいいとか淡麗とかもいえそうだが、私の好みではないかな……。

兼好師の三席め、板頭の説明の際に「余談ですが、女の子のいる店でママが美人すぎる店は女の子はNo.1でもイマイチ。無意識に自分よりかわいい子はとらないんでしょうね。ママが(人情噺に定評のある某師匠)にカツラ被せた、というようなお店の方が女の子はかわいい」のだそうで。勉強になります。「まあママが(某師匠)でNo.1が(その師匠の一番弟子で大人気の白髪の師匠)ということもよくありますけど」というのも容易に想像できておかしい。
金蔵もこれまた兼好師らしくとにかくご陽気。「真面目な顔だってできる」と試みるも百面相のようになってしまい、「それが陽気だっていってんの!」と突っ込まれるのがおかしい。
心中に持ちかける際に「これまで金ちゃんを冷たくあしらっていたのは本気になってしまうのが怖かったから」とミエミエの嘘にアッサリ引っかかってしまうのもポジティブ。
海から上がって親分宅で「海の中で聞いたお染の言い分」を再現するのもおかしい。
いわゆる「上」の部分で終わらず、通しなのだが、「下」の部分はまるで異なる。幽霊騒動にするのは変わらないが、陰気な位牌などは一切出てこないのは兼好師らしい。

帰宅中、久しぶりにかつやに入ってイートインで食べる。夜に店の中で食べていけるのがありがたい。が、チキンカツ親子丼なるものを食べたらかなりキツい。美味しいんだけど酒すら入る余裕がないほど詰め込む。苦しい。
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