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新しき哉!!特別編 三遊亭兼好独演会 [落語]

新しき哉!!特別編 三遊亭兼好独演会
於:新宿シアタートップス

三遊亭兼好『かぐや姫』
みま オペラ座の道化師
三遊亭兼好『ナウシカ七段目』
三遊亭兼好『PTAブルース』

値段高いし、平日だしどうしようと悩んでいるうちに満席になってしまった会。
たまたま有給を取ったし、とチケット救済サイトを見ていたら少し安く出品されていた。しかも振込先は同じ銀行で振込手数料もない。これはいいと思って購入。……いかんなー金がない金がないといいながら全然歯止めが効かなくなってる。今月これ含めて13回、先月なんか15回も落語行ってる。15回て。2日に1回行ってるって趣味の域超えてるよなあ。
木母寺から一度家に戻り、荷物を置いてすぐに家を出る。これが大きな間違いだったとも知らずに。
朝に腹いっぱい食べたため昼は食べなかったのだが、そのせいか夕方になって腹が減ってきた。ささっと蕎麦でも手繰るかと小諸そばに入ると蕎麦を茹でるといって結構待たされる。小諸そばいいんだけどこれがあるんだよなあ。慌てて食うも時間がヤバい。
新宿に着いた時点で開演3分前。バイクを置いた場所から会場までが遠い。やべえ前座あるのかな? と焦りつつ3分ほど過ぎて会場に着く。まだ開演してなかった。助かったー。席に着いた途端に出囃子が鳴る。

登場した兼好師、いつもよりやや困り笑いをしているような……。
「この会があることはわかっていたんです。でも先日あるお客さんから『兼好さん、新作の会やるんですって? 楽しみにしてるわ』といわれて。おや? と思って。そしたら他のお客さんからも『新作″だけ″の会やるんですって?』といわれて。おやおや? と思ってチラシを見たら『新作限定』と銘打たれている。ええーって。それに気づいたの7月頭ですよ。私としては『PTAブルース』だけ新作で、権助魚、PTA、ゲスト、ちりとてちんのつもりだったんです。慌てて原作の黒川さんに『台本送ってください』って頼んだら、4行くらいの台本が送られてきた。『いやいやこれじゃなくて、あるでしょちゃんとしたの』と返信して、とりあえず他のネタを考えなきゃってちょっと放っておいたんです。で、そっちも煮詰まっちゃって、じゃあせめてPTAを覚え直そう、と思って送り直してもらった台本見てみたら……やっぱり4行しかないの。そうだ、確か冒頭にある人がPTA会長をたずねて学校にやってきたところだけ原稿あって、その後は口頭で打ち合わせしながら作っていったんだったって思い出した。で、前に小劇場でやったんですが、ビデオに撮ってないから音源が残ってないんです。何が言いたいかというと……今日は不安です」。
最近は新作を作るのもいろいろ大変だそうで、「昔は寄席で噺家がなんか言っても『噺家がいってることだからしょうがねーな』で笑って許してくれていた。だけど最近は真面目な人が多いんでしょうね、すぐセクハラだパワハラだとクレームがつく。男女の差もダメ。……あのー、レースのパンツ、パンティあるじゃないですか。アレ、男物もあるんですってね。それをはいている人を見たら何て言うのが正解なんでしょう。……聞いてもどうしようもないんですが。たとえば喬太郎師匠はいつも楽屋をパンツ一丁で『今日は何演ろうかなあ』なんていいながらウロウロしてるんですよ。その喬太郎師匠がですよ。レースのパンツはいてウロウロしてたらなんていえばいいんですか」。知りません。
「こういう許容しない世の中だからか、結婚も難しいですわね。離婚も多い。結婚する数は年々減ってるのに、離婚する数はずっと変わらないんですって。つまり離婚する割合が増えている。……でも離婚して再婚する人ってなぜか結局同じタイプの人を選びますよね。アレなんででしょうかね」。まあ人の好みはそうそう変わらないでしょうからねえ。
そこから月の世界に戻ったかぐや姫の噺に。月に帰った後に天帝と結婚したかぐや姫が、天帝がいろいろと細かい人ですっかり嫌になって別れ、部下に延々と愚痴をいう噺。かぐや姫は月の世界だと上の中の下くらいのレベルだが、地球では「絶世の美女」と呼ばれていて良かったと回想している。「じゃあまた地球に行けばいいじゃないですか」といわれてその気になるも、結局は天帝と同じく細かい人と結婚してしまい……というもの。
かぐや姫の性格の悪さが楽しい。

ゲストのみまさん、「オペラ座の道化師」という肩書だがバンドネオンを持ち何とも言えない衣装で登場。バンドネオン漫談みたいなものかとも思ったが、オペラ歌唱ありマジックあり。

二席め、ナウシカ歌舞伎についていろいろ熱く語る。「いいですよ、菊之助さんがあのナウシカの青い衣装を着てるんです。歌舞伎の化粧で。最初見たときはモンゴル料理屋の女将にしか見えない。『ヒツジヤケタヨ』っていってる感じ。でも6時間あるんで、徐々にナウシカに見えてくるんですよ。王蟲の完成度もすごいん。6時間あるうち、10回は感動できます。そんで20回爆笑できる」だそうで。
そこからいつもの『七段目』の場面に。あれ、新作諦めた? と思っていたら若旦那が真似事をする芝居がナウシカ歌舞伎。ナウシカの名台詞や名場面が『七段目』のストーリーに載っていく。
……うん私『風の谷のナウシカ』は30年前に一度観たきりで、セリフやらストーリーやらほとんど覚えてないんだよなあ。覚えてたら面白いんだろうけども。
若旦那と定吉が遊んでるのに激怒した大旦那が踏み込んできたときにふたりで「バルス!」を唱えるのがおかしい。

三席めにネタ出しの『PTAブルース』。これ確か8年前にスタジオフォーの会で聴いていて、多分ネタおろしだったはず。原作者の黒川さんも来ていたと記憶している。
けどその時のブログを読んでも感想があんまり書いてない。うーんなんかそれほど面白くはなかったみたいな印象だった。
今回久しぶりに聴いたがかなり面白かった。次期PTA会長を決めるための話し合いの場にある人物がやってくる。「台本はここまでです」。
現PTA会長に拉致同然に連れてこられた参加者たちが、「こんな騙し討ちみたいに集められた会は無効だ」と詰め寄るも、「あなた方も嘘をついてこの会合を欠席しようとしていたでしょう」と関係者に聞き込みを行い、その証言を動画に撮ってくる。その再現VTRを演じるのがたまらない。これは『花筏』で「花筏(提灯屋)は病気じゃない」と暴く手法に通じる。
次期会長を押し付け合い、自分は前科者だからとか自分の店が潰れそうだとかいろいろ白状するのにそれをいちいち現会長に潰されるのがおかしい。
現会長に戦いを挑むも、あしらわれてロッカーにしまわれてしまう「ロッカーのミタさん」のキャラも楽しい。

終演後、珍しく高座から降りて舞台の上に立ちアフタートーク。
「もうこんな会は今後ないと思うんで、せっかくだから撮影タイムでも」。
えええええええ! さっきカメラ家に置いてきちゃったよ! 家に戻らず直接くれば遅れそうになることもなく、一眼レフを持ってきていたのに……!
GRIIはあったけど、28mm相当の広角だから遠い……! トリミングしてようやく見えるかな。なにげにiPhoneの方がよく撮れてるような……。やっぱりこういう突発的な撮影だとGRIIはいろいろ設定とか必要だから辛いね。

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RICOH GR II

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iPhone 11 Pro

でもこうやって並べるとやっぱりGR IIの画像いいな……。
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三遊まつり記念寄席 [落語]

三遊まつり記念寄席
於:鐘ヶ淵 梅柳山木母寺

三遊亭兼好『宮戸川』
三遊亭楽天『壺算』
三遊亭萬橘『風呂敷』

有給。
朝はこないだテレビで見たパンビュッフェというところに行ってみる。思ったより遠い。
「接客が悪い」なんて評価があったけど、別にそんなこともなく。パンも美味い。
さて帰ろうとしたら結構な雨。まあTシャツだしもう濡れて帰るんでいいよ。寒くもないし。

家に帰り二度寝。うーんせっかくの有給なのに有効に使えてるのかどうか。

三時から法要があり、四時から記念寄席。うーむ。法要か……。
空はすっかり晴れ、暑そうなので少し遅れて向かう。寺の三遊塚に向かって読経をしているところ。それに参列者がお焼香をしていた。
どうしたもんかと見ていたら、兼矢さんが私を見つけて説明してくれた。任意で護摩札を購入し、さらに一般の人も参列していいのだとか。せっかくなので護摩札も奉納し、焼香もする。

兼好師匠も会場でその様子を眺めていたので少し雑談を。このあと新宿で新作の会があるんですよねーと聞いたところ、「だからここの順番を早めにしてもらってそのまま向かうの。どうしよう」。どうしよう? 今日は全部新作なんですか? と聞いたら「知らなーい。なんにも聞いてない」。マ? 笑ってたけど困ってる雰囲気は感じた。

そのうち読経も終わり、福袋の販売に。千円で手拭い2本と両国寄席のチケットが入り、運が良ければ扇子の引換券が入っているらしい。扇子は3人しか当たらないとか。
私が購入した福袋には圓橘師と上楽師の手拭いが。……一勝一敗、か……。どっちがどうとは人として言わないけれど。扇子はハズレ。兼好追っかけ仲間が当たっていた。おおすごい。

宣言通り兼好師がサラ口で登場。
「こんな暑い中ありがとうございます。こういうときは涼しい噺を演る人が出ればいいとお思いになるかもしれませんが、それでは終演後に外に出ると暑さが倍増する。こういうときは萬橘くんのような暑苦しい噺を聴くのがいいんです。『うわっ、もうやめて』と暑苦しさを浴びた後に外に出すと涼しく感じる」とめちゃくちゃを言う。
どうやらけろよんさんもコロナに感染したらしく。兼好一門の割合高いな。
「私も2月に感染しましたけど、面倒なんですよ。ずっと家にいなきゃならないんですが、そうするとずっと女房と一緒にいなきゃならない。これは辛いですよ。最初は『女はお前しかいない!』と思って結婚するんですが、三月もすれば『女はお前しかいないのか?』と疑問形になりますから」と男女の仲の噺に。
冒頭の「締め出し食べちゃった」で「食べちゃった」というお花の顔がなにかあざとさを感じさせる言い方になっているのは気のせいか。
最後の場面でお花が半七に迫る場面では、半七が「なんでそんなに笑いながらこっちにくるんですか!」と抵抗する場面は『紙入れ』と通じるものがあって余計におかしい。

楽天さん、噺家の世界は年功序列で、先輩の言うことには逆らえないのが不文律だという。多分兼好師が先に上がってることのいいわけかな。上の先輩のいうことだから逆らえない、と。
楽天さんの『壺算』は兼好師とはまた違った感じ。値下げ交渉もあっさり決まるし。全体的に刈り込んだからか、ややあっさりめというか。このフレーズを入れるのであればこのセリフは入れとかなきゃダメだろう、というところまで刈ってしまっていたため、なんとなく全体につながりが悪いように感じた。

萬橘師、開口一番「兼好は帰りました。あれだけ人の悪口を言っておいて、自分が終わったらすぐ帰る。『俺、後があるから』って。仕事があるっていうのも腹立たしい」とぶつぶつ。
「奉納落語って誰に向かってやるんですかね。三遊亭の先輩方に『頑張ってやってますよ』って見せるためのものなんですよね。昨年もここでやっていたら師匠に『そんなに汗だくになって一所懸命にやんなくたっていいんだ』って言われたんですけど、ここ暑いんだよ!」とすでにうっすらと汗をかいている。ここなんだろ、お寺の控室かなんか? クーラーも旧型ですんごい寒いか全然効かないかのどっちか。
「『トップガン』観ました?」と唐突に話題は変わる。萬橘師は映画館で観たそうだが、ポップコーンの食べ過ぎで気持ち悪くなってしまったそうで、家に帰って奥さんに訴えたら冷たい声を掛けられたという。夫婦の力関係に触れて『風呂敷』に。
萬橘師の『風呂敷』は初めて。兄いのところに飛び込んでくるおかみさんも兄いのところのおかみさんも強い。
大体の人は弟分のおかみさんは「後ろめたいところはないけど亭主がヤキモチ焼きなので押し入れに隠した」という演出だが、萬橘師は確信犯。兄いに「お前、後ろめたいことはないのか?」と聞かれ、目を泳がせたり「だって私が呼んだんだもの」と完全に浮気をしている。で、サゲを聞くと弟分も実はそれに気づいているという構図。ちょっとわかりづらいけど、夫婦の関係がうかがえるし、亭主が単なるバカではないというのがいい。

終演後にオークション。
談志師の反物を六代目圓楽師用に仕立てた浴衣のような超貴重品から団扇まで。先代文楽師の手ぬぐいも出され、これは最低価格2万円からで誰も手を上げず。
談志浴衣は最低価格3万だったが購入者が出た。すげー。
兼好師の切り絵も何点か出品されており、ちょっと欲しかったが兼好追っかけ仲間たちがあらかた落札していた。機会があれば見せてもらおう。

扇子が当たった兼好追っかけ仲間に誰の扇子でした? って聞いたらややしょっぱい顔をされた。あっ(察し)。
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