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人形町噺し問屋 コロナの2 [落語]

人形町噺し問屋 コロナの2
於:人形町 日本橋社会教育会館

三遊亭兼好 ご挨拶
三遊亭しゅりけん『狸札』
三遊亭兼好『紙入れ』
三遊亭兼好『へっつい幽霊』

住宅ローン、完☆済!
家建ててキッチリ10年で返してやったぜオラァ!
23区に新築3階建てだぞオイ! ……ま、足立区だけど。
昨日最後の引き落としがあって、これでおしまい。
ちょうど最近かかりきりだった仕事もキリがよくなったので、急遽今日は休みをとって自分へのご褒美を。
本当は昨日の夜にタイ料理でも行こうかと思っていたら、行きつけの近所のタイ料理屋がしまっており断念。
そのかわり今日はランチでひとり焼肉を存分に喰らい、さらに人形町噺し問屋へ。
去年の年明けあたりからずっと仕事が忙しく、さらにコロナもあってずっと噺し問屋に行けてなかったのでかなり久しぶり。今確認したら18年の12月以来でやんの。まったくもー。
過去の噺し問屋をオンラインで配信するようだが、どうしたもんかね。やっぱりオンラインとライブはまったくの別物である、ということがよーくわかったからなあ……。とはいえ兼好師はオンラインでも面白いんだけど。このコロナ禍はオンラインでも面白い人とオンラインでは面白くない人、どっちも面白くない人と残酷なまでにハッキリとさせてしまった感がある。

久しぶりのご挨拶が嬉しい。
会場の日本橋社会教育会館はまだ一席おきの客入りだが、最近はいっぱいに入れている会場もあると話す。
ただ半年もこの一席おきの状況に慣れてしまうと隣に人がいるのが嫌じゃありません? という。確かに……。見やすいし快適なんだよなあ。兼好師も映画や歌舞伎などに行くときは隣に誰もいないのがいいとか。というのも兼好師は必ず肘掛けを取られてしまうかららしい。「私からは舐められやすいオーラというものが出ているらしい。これは体が小さいからとか関係ない。しゅりけんも体が大きいのに舐められやすい」とか。なんかわかる。
最近の芸能界の自殺の多さにも触れ、「落ち込んでいるときは明るく接せられると余計落ち込んでしまう。政治もそうで、こういう暗い時代には菅さんのような暗い感じの人が適している。安倍さんはなんかムカつく。明るい時代だったら菅さんは『ひょっこりひょうたん島の人形みたい』ってなるかもしれない」とか。「だから暗い時代には私のような落語はウケない」んだそうだ。

しゅりけんさん、ここ最近は危なっかしさもかなり減り、だいぶ安心して聴いていられる。今日も目立つような間違いをしたり噛んだりとかはしていないようだった。

兼好師の一席め、コロナ禍で今年は敬老の日の敬老会の仕事が激減したという。今は国民の4人にひとりが高齢者らしく、100歳以上が8万人もいるそうで、「100歳になったら自衛隊に行くってどうですかね。向こうだって100歳以上の老人が前線に出てきたら攻撃できないでしょ」。……そうかなあ。高齢者のうち、100歳以上のほとんどが女性であることを挙げて「女性は強いですねえ」といって強い女性が登場する『紙入れ』に。
いつ聴いても面白い。酒に弱い新さんがおかみさんに騙されて飲まされ、気づいたら布団に縛られておかみさんに迫られるシーンが好き。

二席めの『へっつい幽霊』は結構聴いていると思っていたが、兼好師では3年ぶりくらい。そんなに聴いてなかったっけ。
確かに兼好師の型では若旦那は底抜けに明るいし、幽霊もジメッとしたところがない。特に博打ができるとなったときに、幽霊の手が犬のしっぽのように激しく動くというのもかなり明るいよなあ。もちろんそれが面白いのだけれど。

会が終わってもまだ4時半。兼好追っかけ仲間と居酒屋へ行き、はしごしてもまだ7時前。自宅へ戻ってナイター見て巨人の勝ちを喜びながらソファーでうたた寝をする。いい休日だった。
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第三十回 亀戸寄席 春風亭一朝・一之輔 親子会 [落語]

第三十回 亀戸寄席 春風亭一朝・一之輔 親子会
於:亀戸 亀戸香取神社 参集殿

春風亭貫いち『桃太郎』
春風亭一朝『目黒の秋刀魚』
春風亭一之輔『竹の水仙』
春風亭一之輔『唖の釣り』
春風亭一朝『淀五郎』

義父の四十九日で納骨の法事を午前中に行う。まあ結婚はしてないので正確には義父ではないんだが。一緒に落語に行ったこともあったなあ。

本来なら売り切れのはずのチケットだが、この前に入場規制が緩んだために追加販売があり、たまたま買えたっぽい。
200人近い席が満席となり、前の人の頭で高座が見えないというのも久しぶり。入場規制はあれはあれで快適だったなあ。札止め早くなるのはいただけないが。

一朝師の一席め、「『親子会』というと必ず『本当の親子じゃないんでしょう?』という方がいますが、私は本当の子どものように思ってますから」という優しいお言葉。「一朝ケンメイ」もちゃんと入る。「前に余計なことを言ってると忘れる時がある」らしいが。
駄々をこねるお殿様の子どもっぽさが楽しい。

一之輔師の一席め、貫いちさんが高座返しをしているときにめくりがめくり台から外れてしまい、それを直そうとしてあたふたしているうちに出囃子のCDの「さつまさ」が終わってしまうというアクシデントが。そもそもこの会は楽屋から高座までの距離が長くて噺家さんたちの姿が見えてから高座に座るまでの時間が長いんだよね。普段ならそれについて毒を吐きそうなものだけど、一朝師が一緒だからかそんな毒舌もなし。マクラもそこそこ「名人は上手の坂をひと登り……」と噺に入る。
宿の主人のぼんやり加減が一之輔師らしくて楽しい。

二席めも高座に向かう途中で出囃子が終わってしまう。さすがに「まあ僕くらいになると出囃子もいらない」と一言。「さっき長くやりすぎたので短く。……いやほらお後をお楽しみに、ってことです」。物は言いよう。
一之輔師の『唖の釣り』はだいぶ久しぶり。わーわーきゃーきゃーとしたジェスチャーの騒ぎっぷりが明るくうるさくこれもまた一之輔師らしい。

一朝師の二席め、圧倒的な『淀五郎』。中村仲蔵と演技を練り込んでできたときの顔に迫力がある。
そんな迫力のある場面がありながらも全体的に軽妙なのはさすがだと思う。
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だんだん30 [落語]

だんだん30
於:日暮里 にっぽり館

林家たけ平 三遊亭萬橘 ミニおしゃべり
三遊亭萬橘『洒落番頭』
林家たけ平『宮戸川』

朝、池袋の福袋に小辰さんが出るということで向かうも札止め。マジか。
小辰さん夜のノラやも満席だし、この4連休で3つ行こうと思っていたもの全部空振り。まあそのうちのひとつはコロッと忘れていた自分が悪いんだけど。うーん。

この「だんだん30」は落語初心者に向けて30分でさくっと二席という新しい試みで、今日から始まったようだ。
もともと11時からと13時からの2公演で、本来13時からの会に行こうと思っていたのだけれども急遽11時からの会に行く。日暮里の夕焼けだんだんにも観光客がたくさん出ていた。いいのか悪いのか。

高座の前に透明なビニールシートを貼り、客席も半分くらいに椅子に×印を貼っている。

30分で二席ってだいぶコンパクトでトークとかできる時間じゃないなと思っていたのだが、いつものようにふたりのトークから。
一応「落語初心者のための」と銘打った企画なので、まずは「落語が初めてで通りすがりで入ってみようと思って入った人」がいるかアンケートを取る。若いカップルふたりがそうだったらしい。まずは「落語とは何か」ということで小咄とその解説など。時間がないと言いつつ、いつものように脱線を繰り返しながらトークを繰り広げる。

萬橘師の『洒落番頭(庭蟹)』は初めて聴く。短い時間の高座で収まるよう、寄席向きの噺が多く掛かるかもしれない。そうすると逆に独演会や二人会ばかり行っている私には珍しいネタが聴けるかも。
洒落が旦那に通じず、落ち込んで小僧に八つ当たりをする場面がおかしい。

たけ平師、……なんというかこの噺のお花のような若くてかわいい女の人、似合わねえなあ。あくまでも私の偏見だが、たけ平師のキャラというか話し方からすると、「ガサツな江戸っ子」はピッタリくるんだけど、女子はなんだかオネエが喋ってるような。その違和感が面白くもあるけれど。

それにしても萬橘師もたけ平師も面白いのは確かだが、特に萬橘師はクセが強いし古典を大胆にアレンジした噺が面白かったりするし、それを「これが落語なんだー」と思われそう。まあ大きなお世話なんだけど。とはいえ最初の落語体験ではとにかく楽しんでもらうことが重要だと思うので、萬橘師はうってつけだと思う。それにつけても落語体験の早いうちに兼好遊馬に出会えた身の幸運よ。
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扇辰日和 vol.76 [落語]

扇辰日和 vol.76
於:中野 なかの芸能小劇場

入船亭辰ぢろ『千早振る』
入船亭扇辰『目黒の秋刀魚』
入船亭扇辰『権兵衛狸』
入船亭扇辰『野晒し』

久しぶりの扇辰日和。
昨日くらいから入場規制が緩和されたからか、一席おきにはなっておらず、半数よりも入っている。拍手の大きさも違うようだ。

辰ぢろさん、「こないだ高座で前座を務めていたら、会場の前の方のドアが開いて、遅れてきたお客様かなと思ったらステテコを着たオジさんで……。目をころして見るとこれが師匠で、『暗いよ! 明るくやれ!』と言われてしまったので明るくやります」と言ったところでステテコ姿の扇辰師が舞台に登場。「なんだ『目をころす』って。『目を凝らす』だろう!」と公開稽古。
慌てて座布団から降りたのをいいよいいよと身振りで戻すところがなんとなく師弟関係が透けて見えるようで興味深い。
緊張からかポロポロとトチる感じではあるがまあこれからこれから。

扇辰師の一席め、「さっきは出るつもりはなかったんですがね……、言葉遣いが気になって。なんだ『ステテコを着た』って。ステテコは『履いた』でしょう。一番いいのは『ステテコ姿で』とか。あとなんかほかにもあったんだよなあ……」とブツブツ。相変わらずお弟子さんには厳しいようで。
そんなところからご自身の前座時代の思い出話をマクラに。
高座で一席やっていてどうも足が痛いなと思っていたら座布団に柝が仕込まれていたり、舞台袖から輪ゴムで狙撃されたりしたらしい。「そういうことをするのは本人の名誉のために名前は言いませんが、当時は『かな文』という名前でしたねえ」文蔵師か。
それに「最近は前座にかわいい女の子が多くてさ。俺らの頃にはきく姫姐さんくらいしかいなくて。いいよなあ」まあいろいろ捗りそう。
昨日は初物の秋刀魚を食べたそうだが、「細くてちっちゃいの。美味しかったけどさ、それで千円以上するんだもん、高級魚になっちゃったねえ」だそうだ。
その流れで『目黒の秋刀魚』に。
いやあ殿様が秋刀魚を食べるときの美味そうなこと。咀嚼音とか実にお見事。ホント秋刀魚が食べたくなる。

そのまま二席め。
秋ののどかな田舎の風景が見えてくるような。
狸の頭を刈るときに「人間はしくじったら頭を刈るんだ。こないだ白鳥の弟子が坊主になったのは驚いた」。何したんだろう。

三席め、幕が開いて登場するも、座布団をじっと見つめたまま座らない。袖の辰ぢろさんに向かって「返した?」と身振りで聞くと、自身で座布団を返す。「見るとね、わかるんだよ」。へええ。
「さて辰ぢろは今日の『千早』が最後の高座になるわけですが……」厳しすぎ。
「明日、太鼓の稽古に行くから休ませてくれっていうんだよ。そりゃいいんだけど、誰に習いに行くんだって聞いたら辰之助だって。びっくりしちゃったよ」なんでかと思ったら「前座の会で月に一度太鼓とかの稽古があるんだ。今は一朝師匠に教えてもらってるんだってよ。羨ましいよねえ」そりゃあすごい。「それで辰之助は毎回帰ってくるたびに死にそうな顔をしてるんだけど、あるとき妙に明るい顔をしてるからどうしたんだって聞いたら、『これだけ前座がいっぱいいるんだから、君は太鼓番になったら逃げなさい』とアドバイスもらったんだってよ」つまりそれだけヘタってことか。「順番だからそうなのかもしれないけどさ、だったら小辰に頼めばいいじゃない。小辰は結構上手いんだよ。……なんで皆さん頷いてるんですか」。小辰さんが太鼓上手いってのは聞いたことがある。
「太鼓ってのはセンスだから、稽古してもあまり上手くならないんですよ。……太鼓が上手い人ってのは噺が上手い人が多いね。やっぱり話しててもリズム感がいいんでしょうね。我々の世代ではかな文は上手かったね。あの人は今三K辰文舎でパーカッションやってるくらいだし。あとは菊之丞さんとか。あとはちょっと下だけど三三さんが上手かったねえ」。なるほどつまり小辰さんも噺が上手くなるってことですね。
太鼓の話から「最近は和楽器が危機的状況でね。三味線の最大手も畳むって。今は寄付とかで延命したそうだけど、それもいつまでもつか。三味線は猫の皮だし、三味線の撥やブリッジに当たる部分は昔は鼈甲とか象牙とか。太鼓は馬の革だし、あまり動物愛護の人たちには聞かせたくないんだ」とここで『野晒し』かなとピンとくる。この扇辰日和では結構かかる割合が高いような。
さいさい節はもちろんだが、幇間の新朝が長屋にやってきてぺらぺらと喋り続ける場面も好き。

雨が降ると思って電車で行ったのに、結局降ったのは家から昼食を食べに行った店の間だけだった。一回家に戻ってバイクで行きゃよかった。
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池袋演芸場 九月中席 九月十九日 [落語]

池袋演芸場 九月中席 九月十九日
於:池袋演芸場

三遊亭ぐんま『銭湯最前線』
柳家小せん『ガーコン』
青空一風千風 漫才
古今亭菊太楼『粗忽長屋』
春風亭一之輔『普段の袴』
マギー隆司 奇術
神田茜『エリザベスひとし』
五街道雲助『お菊の皿』
古今亭駒治『鉄道戦国絵巻』
林家しん平『焼肉屋』
林家楽一 紙切り 焼肉屋 紅葉 菅総理
三遊亭天どん『吟味婆』

久しぶりの池袋。
もともと狭いのに、コロナ禍で39人限定だとか。これはすぐに札止めになってしまうのでは? 昼席キョンキョンだし。と思ったらさすがに入れ替えありだとか。そりゃそうだよね人を入れられない上に入れ替えしなかったらさらに売上下がるし。いつもならチラシ割引もあるんだけどそれもなし。致し方なし。

小せん師、高座聴くのすごい久しぶり。好きなんだけどなあ。
そしてこれまでこれだけ落語聴いてるのに一度も聴いたことがない『ガーコン』。
昭和歌謡史を美声で聴かせる。……この人俺と同い年のはずなんだよなあ……。
時間の関係で軍歌にまで行かず「発端」で終わり。
オリジナルの川柳師で聴いてみたいものだが。

一之輔師、昨日天どん師と寄席以外の場所で会ったらしく、マクラでワルグチをいう。曰く「ちょっと後で飲みに行こうかと言ったら客を連れてきた。後輩におごりたくないからだ」……のようなことを言っていたのだが、トリで出てきた天どん師もマクラで「一之輔っていうクソみたいなやつが」みたいな一之輔師のワルグチを言っていた。なんつーか仲良しだねえ。
大家に袴を借りに行くときの祝儀と不祝儀がぶつかった説明をする場面が好き。

マギー隆司先生はいつものように。
この変わらない雰囲気が嬉しい。

雲助師、軽快なのにそれでいて「落語聴いたなあ」と思わせる満足感がすごい。
こういう「言葉にできないけどとにかくすごい」というのが名人芸なのか。単に私の表現力が低いと言われればそれまでなのだが。広瀬和生氏が羨ましい。

駒治師、鉄道の乗り入れなどの細かい情報も最新の事情に合わせてアップデートされているのがすごい。
これ何度聴いても面白い。

しん平師、羽織を手に持って登場。「どうせすぐ脱ぐんだから。めんどくさいんだよ。……でもね、天どんさんは羽織忘れたらしいよ」と暴露する。
床やテーブルがベタベタした焼肉屋の方が美味い、というような漫談風の新作? どうやらCDとかにもなってるっぽい。これと同じ内容かはわからないが、これをCDでリリースするってすげえな。

楽一さん、出てきてハサミ試しをする前にリクエストがかかり、大いに戸惑う。
とりあえずしん平師の「焼肉屋のベタベタの床にスニーカーをとられて転ぶ」というくだりを切ってからリクエストに。「菅総理」というリクエストには「令和」の額を持ったあの場面を。あの時は総理じゃないけどね。

天どん師、着流し姿で登場。と思ったら「……いや、あるんですよ。昨日弟子に『羽織はここ(池袋演芸場)に置いていくよ』と伝えたのに、帰ったら荷物を開けたら羽織が入ってたんですよ。その小言を言ってたらしん平師匠が『なんだお前羽織忘れたのか!』ってなっちゃって。説明するのも面倒だから『はあ、すんません』て謝っといたらああなっちゃって。人の前で小言とかいうもんじゃないですね」とボヤきながら羽織を着込む。
噺は一之輔師とやっている「江戸古典風の新作」を作る会で一之輔師が作ったものとか。お互いのネタを交換して演じているようだ。
昨日会ったときに「池袋であのネタやるよ」と伝えたら「え、アレやるの。いいよやんなくて」と言われたらしい。「俺だってよくわからない噺だからあまりやりたくないんだけど、『やる』って言っちゃったからやるよ」という律儀なのかなんなのか。
噺を作る時も「アイツはその会を企画した放送作家と相談しながら楽しそうに作ってる。僕なんかほったらかしですからね」と格差があると訴える。それだけ信頼されてるってことでしょうねえ。
噺の筋としては、勘当された若旦那が箱根の関所の近くに居候していたのだが、関所で女性を調べる「吟味婆」の役目が空いたため、女装してそこへ収まろうというもの。
女性の体を隅々まで調べられるということで下心丸出しで潜り込んだはいいが、くる人がお婆さんだったり、関所の手前で心変わりして引き返してしまったりでなかなかいい思いができない。結構エグいド下ネタがあったり、『みちのく一人旅』『津軽海峡冬景色』を立ち上がっての熱唱ありのかなりメチャクチャといえばメチャクチャな噺。天どん師には合ってるけど、元は一之輔師の噺なんだよな……。一之輔師も天どん師に演ってもらう前提で作ったのだろうか。
2曲め(どうでもいいけど「2きょくめ」と入れると頑なに「2局目」としか変換しない。将棋かぶれかこのiPhone)を歌うときはしゅるしゅると帯を解いてバッと着物をはだける。……と下にもう一枚色の異なる着物を着ているという大掛かり(?)な仕掛けも。

終演後にどこかで飯食って帰ろうかとちょっと周囲を周ってみたが、人出がすごい。自粛前と同じくらいいるような……。マスクしてない人も多いし。
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第144回武蔵野寄席《秋》in 大ホール [落語]

第144回武蔵野寄席《秋》in 大ホール
於:三鷹 武蔵野市民文化会館

三遊亭あら馬『雑俳』
玉屋柳勢『紀州』
三遊亭遊馬『大工調べ』
北海翼 奇術
柳亭市馬『厩火事』

もう半年も生遊馬を聴いていない!
遊馬不足も甚だしく、一席だけだとはわかっていても久しぶりに土日に聴ける機会を逃すわけにはいかない。
怪しい雲模様の中、意を決してバイクで会場まで。
ものすごく広い会場だが前半分しか入れていない上に一席おきの市松模様。観客の中の最後尾の列に座る。

あら馬さんは初。
元女子アナで女優でふたりの子持ちで今は落語家の前座って盛りすぎ。
さすが元女子アナだけあって声は通る。けど早口すぎる上に会場が広くて声が散るのでたまに何を言っているのかわからないのが惜しい。

柳勢師、高座を聞くのは久しぶりでもちろん真打昇進後は初めて。
……久しぶりの高座なのか、盛大に噛むわ間違えるわでちょーっとどうでしょう。地噺だから噛んだところでそんなにダメージはないとは思うが、「あ、また噛んだ」と気になってしまって噺に集中できなくなってしまうのは……。師匠の前で緊張したのだろうか。

お目当ての遊馬師、お久しぶり。
いやあやっぱりいいですわ。こないだ兼好師のインスタに似顔絵がアップされ、「遊馬兄さんの落語が好きだ。無理なく高音と低音の声が出るので聞いていて疲れない」と書かれててとても嬉しかった。
その言葉通り与太郎、大家、政五郎それぞれきっちりと声の高さを演じ分けられており、場面がスッと頭の中に浮かんでくる。

北海翼さん、紙の蝶を扇で仰いで飛ばす和妻の「浮かれの蝶」をメインに。前に見たときも「これは確かにすごいけど、和妻(手品)というより太神楽的なテクニックのものでは?」と思ったのだが、どうやらああいう動きをするためのタネはあるらしい。しかもタネを知ったところでできるものではないんだそうで。へー。

市馬師、そんなに聴いてなかったつもりはなかったのだが、どうやら4年ぶり。えー? そんなに聴いてない?
でもやっぱりいいですわ。もうさすが。たしか遊馬師は師匠の小遊三師に言われて市馬師に稽古つけてもらってたんじゃなかったっけ。
小さん師の夫婦げんかの話から『厩火事』に入るが、やっぱりなんていうんだろう、この噺の厚みというか、こう噺のコクというか。聴いているだけで醸し出される安心感というか。
おさきさんに亭主の瀬戸物を割れ、と指示しているときに「そのとき本当に怪我しないように気をつけなよ」とスッと言える気遣いと優しさがニクい。

やーよかった。遊馬&市馬の重厚な二席を聴けて大満足。
本当は夜にこちらもまた無沙汰が大変なことになっている一蔵さんの「一蔵ひとりの会」にも行きたかったのだが、こちらは事情があり断念。こないだのスペシャルも行けなかったし、一蔵不足も深刻なんだよなあ。
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