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新宿末廣亭余一会 夜の部 兼好・王楽・萬橘三人咄 [落語]

新宿末廣亭余一会 夜の部 兼好・王楽・萬橘三人咄
於:新宿末廣亭

三遊亭げん馬『寿限無』
三遊亭王楽『お菊の皿』
三遊亭兼好『置き泥』
三遊亭萬橘『売り声』
三遊亭王楽『愛宕山』
三遊亭兼好 三遊亭萬橘 三遊亭王楽 鼎談
三遊亭兼好『不孝者』
カントリーズ 漫才
三遊亭萬橘『甲府い』

昼にデカ盛りで有名な店に行く。家からは歩いていくと約50分くらい。腹減らし・腹ごなし・ビールのため炎天下の中を歩いていく。あっついけど夏は好きだし、この夏のクソ暑い中を歩くのも割と好き。小学生の頃の夏休みのワクワク感や、タイへ行ったときの開放感あふれる旅情をフッと感じることがあって、それがとても楽しい。汗かいてベタベタになるのは嫌だけど。
ビールとカツ丼を頼むと、ビールのお通しとしてレバニラが出される。小鉢にとかじゃなくてフツーに一人前。レバーたっぷり。この時点でいろいろとおかしいが、しかもこのお通しタダなのだ。おおん? なおお通しなのでリクエストはできないが、多分店主の気まぐれというかその時点で入っているオーダーと一緒に作るのかもしれない。俺のオーダー後に隣りに座った人はとんかつ一人前がお通しとして出されていたので、俺のカツ丼のカツと一緒に揚げたんじゃなかろうか。その隣の人は鶏の唐揚げを食ってたっぽい。
カツ丼が到着。ラーメンどんぶりにロースカツが2枚乗っている。もうこの時点で他の店の2人前なのだが、そこにレバニラ1人前とビール大瓶。フードファイターかってくらい何も考えずにハラに詰め込む。なおその店はまあ量はすごいけど、正直味は中の中から下手すりゃ中の下くらい。不味くはないけどそんなに美味いってもんでもない。でもたまに行きたくなるんだよなあ。いつもいっぱいで今日も「YouTube見て来ました」っていうカップルがチャーハン特盛を頼んでた。それ五合くらいあるんだぜ。ふたりでも無理じゃね?

時間が経ってもまったく減らないハラを抱えて末広亭に。……せめて一蔵小辰真打披露興行まではもってくれー。
私が到着したときにはすでに寿限無がそこそこ成長していた。そういや余一会は普通の寄席の特別興業みたいな形だから、前座は開演時間前に出るんだっけか。

王楽師の一席め、王楽師も暑いのは嫌いじゃなく、暑い中を歩くのが好きなのだとか。おや趣味が合いますな。
これまで7月の余一会はいつも兼好師との二人会だったが、今年からは萬橘師を加えての三人会に。「助かりますよ、いつもはひとりで45分あって負担だったのを減らせるんですから」と萬橘師の噂に。
以前「やねせん亭」という会をやっていて、その会の打ち上げというか食事をふたりで根津の中華屋でしたそうだが、そこに「猫ですか?」というサイズのネズミが出たらしい。「うわっと驚いてパッと前を見たらまたネズミみたいな顔をしている人がいて……」と笑わせる。ところでドラえもんかってくらいネズミをものすごく怖がる人いるけど、アレ何? Gとかはわかるんよ、見た目キモいから。けどネズミって哺乳類じゃん。そんな見た目グロくないし、なんならかわいい部類に入ったっておかしくない顔じゃん。何がそんなに怖いのか
がよくわからん。
噺の本編はお菊初登場時にウスドロの太鼓は入ったが、それ以外はややあっさりめ。いやでも若手にありがちなゴテゴテの「お菊オンステージ」はあんまり好きじゃないので、これくらいがちょうどいい。夏の噺なんだからさらっとね。

兼好師も萬橘師いじりから。「萬橘くんくらい暑苦しい方が返って聴いた後に外に出ても『あっ思ったより涼しい』ってなる」と先日の三遊まつりでもいっていた話を。
昔は泥棒にも技術があった、とスリをマクラに。すごい人になると財布を掏って現金だけを抜き取り、さらにその後懐に財布を戻したという。「すられた人は財布に入れられた領収書を見るまで気づかなかった」。
『置き泥』はほぼぴったりひと月前に聴いたが、その時のトラウマというかショックが蘇る。うう。まだ引きずってます。
「『誰だおめえ』って夜中にぬっとへえってきて『金を出せ』っていってるんだから泥棒だろうよ」「だっておめえ入るのに大きな音出して穴に落ちて『キャッ』っていってたじゃねえか」というやり取りがおかしい。これに至るまでの経緯を全部書くと大変なので割愛しますが。
どんどんとエスカレートする要求に「え、それ俺? 俺が出すのか?」と納得の行かない様子の泥棒もおかしい。だったら見捨てりゃいいのに。

兄弟子二人からいじられ放題の萬橘師、みんなにいじられるからか客からも雑な扱いを受けることもあるようで、「私が話し出すと出てく客がいるんだよ。こないだはついに独演会で出ていった客がいた」。
『売り声』は初めて聴く噺。金魚や大根とごぼう、さつまいもの売り声などは古典のマクラでよく聴くが、そこに寄席の客引きとして前座が落語の説明をするというネタが追加されている。「前座ー! 落語が『面白い』とか『ためになる』とかいうな!」と指示が出るのがおかしい。

再度王楽師、「えー今のは『売り声』という萬橘さん渾身のやっつけでした」と身もふたもないことをいう。まあトリネタに向けて温存してるんでしょう。
昼の疲れが出たのか半分ウトウト。

仲入りを挟んで鼎談。
誰が進行役をするのかなどもまったく決めずに出てきたらしい。
まず兼好師が「われわれ昼にも浅草で圓楽一門会があったんですが、最近浅草でレースの着物を着ている人がいる。……今日レースの着物を着てる人いますか? ……いませんね? ……アレ馬鹿ですよねえ!?」と口火を切る。着物も帯も真っ白なレースなんだそうで。下着みたいだな。
そこから「なぜ萬橘師が普段から着物を着るようになったのか」をみんなで話す。なぜか洋服を着ていたときに「なんか汚えなあ」とよく言われ、それがきっかけで奥さんが着物を着るように考えたという。それでも着物を着ても「なんか汚えなあ」といわれてしまうそうで、もうお手上げ状態っぽい。実際よくそんなんでいじられてるしなあ。

兼好師の二席め、会津若松はそうでもないそうだが、東北の田舎は夏に成人式などいろんなイベントを行うのだという。同窓会なども開かれるそうで、そこから小学校時代から好きだった人と50代で結婚した人もいるのだとか。そんなところから昔の妾と焼けぼっくいに火がつく『不孝者』に。
冒頭の飯炊きの清蔵との攻防も面白いが、やはり芸者の欣弥との邂逅場面がいい。欣弥の色っぽい仕草と大旦那の情のある話しぶりが見事。その雰囲気をぶち破るサゲ手前の「お供さーん、若旦那お帰りですよー!」という破壊力が楽しい。

萬橘師の『甲府い』は7年ぶりくらいか。サゲの仕込みとなる「とーふーい、ゴマ入りがんもーどき」という売り声はかなり進まないと出てこない。どうすんのかなーと思ったが、最後の方のお花との縁談を計画する場面まで出てこない。そのゴマ入りがんもどきも善吉が考案したことになっている。
豆腐屋の若い者の金公は豆腐屋をやめておらず、最後の方にも出てくるがこれがまたちょっとしたアクセントで面白い。

来年は31日は月曜かー。来たいけどどうかなー。そして何より末廣亭が……。
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