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池袋演芸場 四月上席 四月三日 [落語]

池袋演芸場 四月上席 四月三日
於:池袋演芸場

昼席
三遊亭わん丈『孝行糖』
春風亭柳枝『引っ越しの夢』
のだゆき 音楽パフォーマンス
柳家小せん『鷺とり』
古今亭圓菊『権助魚』
ロケット団 漫才
三遊亭歌武蔵『猫の皿』
神田茜『小さな恋のメロンディー』
翁家社中 太神楽
柳家小ゑん『悲しみは埼玉に向けて』
三遊亭れん生『ゾンビちゃん』
蜃気楼龍玉『ぞろぞろ』
林家楽一 紙切り
三遊亭天どん『普通の一日』

夜席
柳家り助『牛ほめ』
林家扇『こうもり』
ストレート松浦 ジャグリング
古今亭志ん五『水族館』
柳家小平太『二階ぞめき』
春風亭百栄『鮫講釈』
風藤松原 漫才
隅田川馬石『初天神』
林家正雀『鴻池の犬』
橘家文蔵『寄合酒』
林家彦いち『二月下旬』
林家きく麿『記憶喪失』

雨。寒いしバイクで行けないし。
最近天どん師がトリのときはチラシ割引がないらしい。もうそんなことをしなくても客を呼べると判断されたんだろう。ファンとしては嬉しいが、それでも出費は抑えられるに越したことはない。夜トリのきく麿師は池袋初トリだということで探してみたらきく麿師のTwitterでチラシ割引を発見。ありがたや。
開演時間を少し過ぎた頃に着いたらわん丈さんがマクラを話していた。あれ池袋って前座は時間前だっけ。
天どん師の芝居だからごはんつぶさんだったのだろうか。だとしたらもったいなかったな。

わん丈さん、与太郎は口上を言わず、「孝行糖、孝行糖!」と叫ぶのみ。頭の弱さは強調されているが。

柳枝師、番頭さんがいろいろと新しい女中さんに向かって「帳面をどがちゃかしてあげる」と口説いた後に見せる鼻の下を伸ばした顔がおかしい。

のだゆきさん、最近は座ったままやるのね。トレードマークのおかっぱをバッサリと。

小せん師、「昼トリが天どんさんで、夜のトリがきく麿さん。……池袋無法地帯へようこそ」。
「バカバカしい噺の中でも特にバカバカしい噺をします」というひとことで『鷺とり』だとわかる。

歌武蔵師、今日は『支度部屋外伝』ではなく古典で。口跡もさくさくっとしていて歯切れがよく軽快。とんとんとんとサゲまで無駄なく進むのが気持ちいい。

小ゑん師、亡き圓丈師の代表作を。俺圓丈師のオリジナル聴いたことないんだよなあ……。北千住が舞台ということは知っていたので一度聴いてみたかったのだが巡り合わなかった。おそらくだいぶ小ゑん師のアレンジが加わっているのだろうと思うが、なるほどだいぶ北千住がディスられている。しかも北千住の風景の描写がちゃんと現在(ちょっと前だけど)にアップデートされているのがすごい。あとついでに実家のある越谷と出身高校がある春日部ももののついでとばかりにディスられていた。

れん生師、先日も聴いたがこの噺は面白い。なんか聴いててほのぼのとするのがいい。

龍玉師、寄席だと『そろそろ』遭遇率が高いイメージ。……と思ってちょっと見てみたら龍玉師のは記録にある限り2回しか聴いてない。はー記憶力って当てにならねえー。薄荷の駄菓子を食べて「……うまくもなんともねえな」というひとことがなんだかしみじみとおかしい。

天どん師、神様になくなった両親に会いたいと願い、それが叶う噺。
神様に「願いを叶えてやろう」といわれるも、金や女や権力も「願いを叶えてやることはできるけどその後こうなる」ということを理詰めで説明されるのがおかしい。「金? いいよ叶えられるよ。だけど金が湧いてくるわけじゃない。そうするとどこかの銀行から持ってくることになる。そんな大金をなくしてしまったら責任者は責任を取らされるだろうな。その人の人生を背負う覚悟があるなら叶えてやろう」みたいな。
こういう細かい笑い好き。

夜席にも残る。割引使わせてもらったし。

前座は5chとかでも評判の高いり助さん。
なるほど「すげえ上手い」ってわけではないが、なんとなく滲み出るようなおかしみがある。

扇さん、髪をピンクにして片側を刈り上げており、メイクもバッチリ。女子プロレスラーっぽい……。本厄を迎え何かこれまでやったことないことをしようとプチ整形してきたと話す。周囲からもほとんど気づかれないが、鼻をいじったらしい。そういわれてもビフォーも顔をまじまじと見たことないしな……。

小平太師、なにげに『二階ぞめき』を高座で聴いたのは初めてか。
ひとりで何役もやらなきゃならない、とぼやきながらも楽しそうな若旦那の様子が楽しい。

百栄師が古典をやってるのを聴いたのは初めてかも。
いつものふにゃふにゃっとした入りから出身の静岡の黒はんぺんの話題を振って噺に入る。講釈部分もビシッと決まる。

馬石師の『初天神』はだいぶテイストが異なる。金坊vsおとっつぁんの買え買わないの攻防がメインに描かれることが多いが、馬石師は割とあっさりと買い与え、その周囲の部分をしっかり肉付けしている感じ。金坊が飴をなめながらふざけてスライディングの真似事を繰り返すのでどやしつけたら飴を飲み込んでしまい、その代わりにと買い与えた団子の蜜に砂が混ざってるのでクレームをつけたら「どっかの子が滑って砂を巻き上げていたんで……」と因果が巡っているのが面白い。

夜席はどこかキリのいいところで帰ろうかと思っていたのだが、仲入り後の顔付けもなかなか魅力的で結局最後まで残ってしまう。

文蔵師、酒についてどうしても飲みたくなると話し、客席にいた子どもに向かって「それが大人なんだよー」と語りかける。「二日酔いになると『2、3日は飲まないでおこう』と思いながらも夕方になると普通の顔して飲んでいる。……それが大人なんだよー。こういう大人にならないようにね」。俺も自分がそんな大人になるとは思わなかったなあ。

彦いち師、昔「アウトドア大好き」と言ったことから、長良川の河口堰反対運動の集会にゲストとして呼ばれたという話をマクラに。そこで先日亡くなったカヌーイストの野田知佑氏とも交流ができたらしい。高校生の頃カヌー犬ガクのエッセイをよく読んでたな。硬質で透明感のある文章が好きだった。カヌーやってみたいと思いつつ、結局実現はできていないけれども。
反対運動集会に参加している人たちは怒りを抱えて参加しているわけで、「この人たちは笑いを求めてるんじゃない」ということに気づいて困ったという。
たっぷりとマクラを話した後で「立前座さんが『今から噺やるのかよ!』って顔をしてますが、あれで下りるわけにはいかない」と噺に入る。
初めて聞く噺だが、本来はもっと続くようで序で終わり。

小猫先生、来年に猫八襲名だそうでおめでとうございます。
高座ではそんなことはひとこともいわず、いつも通り。

きく麿師、2年前から記憶がないという男が1年前から付き合い始めた彼女と「自分は誰なのか」ということを探り出すという新作。
言葉の端々に「そこをまっつぐ」のような江戸言葉が出るとか蕎麦をたぐる仕草ができるとかで正体を絞っていく。自身の噺『パンチラ倶楽部』のネタが挟まるなど、きく麿ファンできく麿師に詳しい人ならもっと面白いんだろうな。

高座が終わったあとで「今日はお子さんがいらっしゃるので」と着物を脱ぐ。長襦袢で踊るのかと思ったら下に着ていたのは長襦袢ではなく黄色い全身タイツ。さらに赤い半袖シャツを着て黄色い耳カチューシャを装着する。「特別に」とか言ってたけど絶対ウソだ。某夢の国のハチミツ泥棒の格好で小林旭を歌って大ウケ。
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