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けんこう一番!第十四回三遊亭兼好独演会 [落語]

けんこう一番!第十四回三遊亭兼好独演会
於:国立演芸場

三遊亭兼好『普段の袴』
三遊亭しゅりけん『一目上がり』
三遊亭兼好『辰巳の辻占』
三遊亭兼好『不動坊』

さてまたまた仕事が忙しくなってきており、ケツに火が着き始めた。本来ならばもうちょっと残業したかったのだが、チケット買っちゃってるんだから仕方ない。……土日もいろいろ予定詰まっちゃってるからなあ……。来週から本気出す。
チケット売り出してから緊急事態宣言が出たからか、市松模様にはできなかったようで、なんか客入りはまだらな感じ。

兼好師の一席め、緊急事態宣言が出る以前にやることが決まった会がキャンセルもできないので仕方なくやる、という会が地方で立て込んでいるのだとか。なのでこの事態なのに結構忙しいという。今は空港も人が少ないので、和服で「めで鯛」のガラガラを引きながら歩く兼好師は「歩く不要不急」として目立つそうだ。
将棋の藤井聡太二冠が高校を辞めたことに触れ、「素晴らしいですね」と絶賛しきり。同じく学校を中退した小痴楽師や萬橘師と絡めて爆笑に繋げる。「学校の勉強よりも将棋を極めたい、というこんな前向きな中退があるんですね。落語に出てくる人物はそんなことは考えず『とりあえず真似したい』という人しかいない」と噺に入っていく。
まあとにかくガラッ八のキャラクターの魅力的なことといったら。大家に袴を借りに行くのに「祝儀不祝儀どっちだ」と聞かれ、キョトンとした顔をたっぷりと時間をとって見せるのがたまらない。「墓参の帰りだ」というのを真似るときに「ボサノヴァの帰りだ」とするのも斬新。

しゅりけんさん、「師匠に挟まれまして……」と苦笑いで始める。
いろいろと覚える部分が多い噺ではあるが、もう噛む心配もいらないような上達っぷり。この一年でだいぶ変わったなあ。ところで主人公の八っつぁんが大家から「なんだ、ガラか!?」といわれてしまうのは『普段の袴』とモロづきだけどいいの?

兼好師の二席め、加藤官房長官のエルメス騒動に触れ、「最近の一番明るいニュース」とチクリ。「おそらく加藤さんは若い頃モテなかったんでしょう。『なんでこんなに優秀なのにモテないんだ』と思っていたところに地位とお金が手に入った。自民党の松潤あたりに『女性にはエルメスだよ』と聞いて一度プレゼントしてみたら喜ばれたんでしょうね。それで『エルメスを買うとモテるんだ!』とインプットされたんでしょう、買っては贈り買っては贈り……」と嬉しそうに話していると急に真顔に戻って「……コレ政治活動費ですか!?」。
女性に貢ぐつながりで『辰巳の辻占』に。
主人公の源公がお金を持ってきていないと知って、あからさまにぞんざいになるおたまの態度がおかしい。心中を持ちかけられ、「ちょっと待って、……うわあメンドくさーい」と本音がダダ漏れになるところも最高。
おたまが大川に飛び込んだと思い込んだ源公が「おたまー! 俺も行くぞ!」といって「ひのふのみっ!」と何度も声を出すが結局飛び込めず、「欄干高ーい……」と諦めてしまうのが面白すぎ。

三席め、これがまた絶品。
大家に縁談を持ち込まれた吉公が渋るのを見て、「なんだ、心に決めた女でもいるのか?」と尋ねられ、「いやまあ……」と遠い目をするのがおかしい。
相手がおたきさんだとわかった後の狂気と正気が入り混じった感情の揺れ動きが素晴らしい。最近聴いている兼好師の噺はこういう感情のグラデーションというか混ざり具合が複雑で、それをスムーズに表現しているのがすごい。
風呂屋へ行くのに嬉しすぎて何度も鉄瓶を持ち出し、最終的に諦めてしまう流れも最高。風呂の中でおたきさんとのやり取りを妄想をする場面では、独り言ではなく湯船にいたおじさんの手を握り目を見つめながら語りだす狂気がたまらない。
いやはや中ダレする場面もなく、全編爆笑の一席でした。
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