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公安委員会の診断書 [ぶつぶつ]

先日免許の更新に行ってきた。
都営荒川線の軌道内に二輪は立ち入りという、もうそんなもん教習所でだって習ったよーな習わなかったよーなってうっすらとした記憶しかない違反のため講習を受ける。グッバイゴールド免許。

まあそれは仕方ないとして、免許更新の書類の裏になにやらチェック項目がある。
前にそんなのあったっけ? と思ったが、どうやら3年ほど前に道交法が変わったらしい。
で、その中に「過去5年間で病気由来で体が動きづらくなったことがある」という項目があった。
春に入院した時に左手が一時期動きづらくなったし、「虚偽の申告がわかったら免許取り消すことがある」旨の記載があったため、正直にチェックしたところ別室へ連行された。
簡単な運動チェックでもするのか? と思ったら、案の定シミュレータで検査をされる。
それは車の運転席から見た運転中の状況がビデオが流れており、画面に赤い点が表示されたらハンドルのクラクションを押すという簡単なものだった。
で、それは満点をとったので問題ないかと思ったのだが、さらに医師の診断書を提出しろという。
えええええ? 今満点だったじゃん! 「全然問題なさそうだね」っていってたじゃん!
が、法律は法律。係員も申し訳なさそうだったのでそんなに強く文句もいえないし……。

免許の更新自体はその日のうちにできるので、診断書は後日免許センターに持っていけばいいらしい。
普通こういうのって受付番号があったりして提出期限が決められてそうな感じもするけど、どうもそんなに厳密な感じがしない。これ出さなくても罰則とかないんじゃないかなあ……。

とはいえ善良なる小市民の私としては、出せといわれたら出すしかない。
まあすでに免許更新して一月以上経ってるんだけど。
入院していた病院で、免許センターでもらった診断書に記入してもらえとのことなので、病院へ。
受付で事情を説明したのだが、どうも受付の人もあまりピンときていないらしい。
この道交法、浸透してないのか……?
しばらく受付内で相談していたようだが、結局外来で診断したうえで診断書を書くということになった。うん、なんだかどんどん話が大きくなっていくぞ。もおおおおおーーーー。

んでもって診察を受けながら医師が診断書を書いてくれたんだけど。
診断書の記入ガイドラインを見ながら「これ、意味わかります?」。
20160827_01.JPG

どれどれ。えーと、

「ア 脳梗塞等の発作により、次の障害(A〜C)のいずれかが繰り返し生じているため、運転を控えるべきである。」

ふむふむ。A〜Cには意識障害とか運動障害、視覚障害が列記してあって、これは私は当てはまらないからアではないな。
そんで次、

「イ 上記アが繰り返し生じているとは言えないものの、「発作のおそれの視点からは、運転を控えるべきとは言えない」(a)とは言えない。」

……んん? いやいやちょっと待て。
えーと「上記アが繰り返し生じているとは言えない」ってことは「障害が起こっていない」ってことだよな。で、「「発作のおそれの視点からは、運転を控えるべきとは言えない」(a)とは言えない。」ってことはつまり「運転していい(a)とは言えない」ってこと? 続けると「障害は起こっていないけど、運転には向かない」っていう意味でいいのか?
項目がアからクまであって、アが一番重くてそこから順に軽くなっていくんだろうから多分この理解で合ってるはず。つーか三重否定かこれ。
で次!

「ウ 上記アの障害が繰り返し生じているとは言えないものの、「前記(a)」とまでは言えないが、6か月以内に「前記(a)」と診断できることが見込まれる。」

……はああああ? ここで医師も私も頭を突き合せて完全リタイア。
わっかんねえこれ何重否定なんだよ!
実は私は編集が生業なのだが(こんな文章でとお思いでしょうが)、わからない。
外国の文章を翻訳した文章もよく見るが、ここまで理解しづらいのは珍しい。

「オ 上記アの障害が繰り返し生じているとは言えないものの、「今後( )年程度であれば、発作のおそれの視点からは、運転を控えるべきとは言えない」とは言えないが、6か月以内に「今後( )年程度であれば、発作のおそれの観点からは、運転を控えるべきとは言えない」と診断できることが見込まれる。
カ 上記アの障害が繰り返し生じているとは言えないものの、「今後( )年程度であれば、発作のおそれの視点からは、運転を控えるべきとは言えない」とは言えないが、6か月より短期間( か月)で「今後( )年程度であれば、発作のおそれの観点からは、運転を控えるべきとは言えない」と診断できることが見込まれる。」

解読班! 解読班ーーー!
引用するために書き起こしていてもまるっきり理解できんわ!
こんなん俺の仕事で書いたら速攻で上司に「は? 意味分かんない何書いてるの?」っていわれるわ(今も日常的にいわれてるけど)!
普通こういうテクニカルライティング的な表現って二重否定すらアウトですぜ。

医師は「もう『ク 上記アからカのいずれにも該当せず、運転を控えるべきとは言えない。』でいいよね。けど『ク』の中の項目も、厳密にいうとあなたの状態に合っているものなさそうなんだよなあ……。いいや『現在異常所見なし』って書いときますね」とお手上げ状態。
なぜか俺が申し訳ない気分に。
「提出するときに、医師が『意味がわからない』っていってましたって公安委員会にイヤミいっといて」と言付けを頼まれる。承知いたしました。

いやあ久しぶりにコテコテのお役所言葉を見た気がする。
「言語明瞭意味不明」とはよく言ったものだ。つーかこれ理解できてる人いるのか?
既往症がある人が事故ったときの言い訳に使うんだろうけど、医師も余計な責任を負わなきゃいけないから大変だ。
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あべし

こんばんわ。

拝見しましたところ、役所も落ち度があって後になって
叩かれるのが嫌だから、石橋を叩きまくっている感じですが、
「ぜんざい公社」の物凄く面倒臭いバージョンという印象でした。

今日、横浜の鶴見で行われました兼好師の会に行ってきました。

(敬称略)
兼好   真田小僧 (途中まで)
けん玉 黄金の大黒(途中まで)
兼好  天災
仲入り
一花  金明竹(関西弁の人の登場から)
兼好 船徳

チケットの売り方が一般のプレイガイドで販売されてなかった
為か、客入りはやや苦戦してましたが、とても楽しい会でした。

たぶん天災は今までラジオやテレビで、いろんな人の型を
聞きましたが一番面白かったです。

最後は出口でお見送りまでして頂いて写真まで撮らせて貰えました。
お薦めされてました通りの大満足でした。
by あべし (2016-08-28 22:23) 

Macky

>あべしさん
こんばんは。いつもありがとうございます。

あー、たしかに『ぜんざい公社』! そのままですね。
それにしたってもう少しわかりやすくできないものか……。

鶴見の兼好師の会、私も行きました。
前座さんふたりを挟んで兼好師が三席なんて贅沢な会でした。
いつも思うのですが、サービス精神がすごいのでしょうね。
いつもニコニコで、塩対応をされたことがありませんし。
今後もあの会は続くそうですから、チケットもうまくさばいてくれるといいのですが……。
by Macky (2016-08-29 22:31) 

あべし

こんばんわ。

昨日の終演後、ご常連さんらしき方々が多数
ロビーで談笑されてたのを見て、もしかしてこの中に?
という考えでしたが、当たりでしたね。

あの会場、昨年辺りから急に落語会を始めた感があります。
今月は、喬太郎師・一之輔師 二人会に続き2度目でした。
ちなみにその時の前座も一花さんでした。
みなさん、口を揃えて「初めて来た会場」とおっしゃってました。

結構、傾斜もあって見やすいのですが、一つ難点があるとしたら
床です。木の床で歩く足音がコツコツと結構響きます。

私の席の周囲は人があまり居なくてゆっくり贅沢に見れました。
仲入り後、たぶん後ろのほうの席のおばさんが無許可で移動して
2列目くらいの空席に座ってました。

よく見ると最前列も空席があり、移動したいなぁ、という思いを
我慢しながら見てました。
by あべし (2016-08-29 23:28) 

Macky

>あべしさん
こんばんは。
私も初めての会場でした。

確かに足音は結構響いてましたね。
私の席とは反対側のドアから入ってきた人の足音も聞こえました。
それと、音響もあまりよくはないですね……。
声が響いてしまって、若干聴き取りづらいのが残念でした。

私も仲入り後、席が空いてるなら移動しようかと迷いました。
私からは兼好師匠の表情が見えるか見えないかギリギリだったので……。
あんなに席を余らせるなんてもったいない!
by Macky (2016-08-30 02:03) 

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