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新版三人集 〜赤坂納涼六夜〜 千秋楽 師匠十八番に挑む [落語]

新版三人集 〜赤坂納涼六夜〜 千秋楽 師匠十八番に挑む
於:赤坂 赤坂会館 六階・稽古場

三人集 ご挨拶
入船亭小辰『鰍沢』
柳亭市弥『猫の災難』
春風亭一蔵『文七元結』

雨が強く降ったかと思うと不意に青空が顔を出したり、やんだかなと思ったらまた雨が降り出したりと変な天気。
なんにもやる気が起こらず、行こうと思っていた病院や歯医者も全部取りやめて家でうだうだ。来週だ来週。
ビールを飲みながら野球を見る。ドーム万歳。
家を出る頃はまた雨があがっていて、一瞬バイクで行こうかと思うも、また降り出すだろうと安全策で電車にする。というかそもそもビール飲んでたんだった。

まずは黒紋付の三人揃ってご挨拶。
肌着一式を忘れた一蔵さんが、近所の着物屋に急いで買いに行ったところ、店主のお婆さんの対応が面白かったそうでその話を披露する。「『文七元結』のマクラじゃできないから」だそうだ。「『チクショウ!」って飛び出して行ったのにニコニコして帰ってきましたもんね」とは市弥さんの弁。いずれマクラとして練られた形で聞くことになるだろう。
今日は六日間連続公演の千秋楽ということで満員。昨日は珍しく新作を掛ける上にゲストが天どん師だったので来たかったのだけれども。
この5日間毎日打ち上げをしたそうで、ゲストがあった日もゲストとの打ち上げの後に必ず3人で二次会をやっていたという。仲いいなあ。

最初の一席としていきなり『鰍沢』。
やや端折りながらではあるが、そこはかとなく扇辰師を感じる。
お熊がちょっと硬めだったかな。
真夏ではあるが、真冬の情景が頭の中に描き出されて雪の冷たさを思い起こさせてくれる。

高座返しとしてなぜか始さんが登場し、これまたなぜか座布団の前にウコンの力を置いていく。
市弥さんはウコンの力を高座で一気飲み。
兄いが酒を買いに行くときに「川の向こうに『升民』って酒屋があるんだ」と小辰さんの実家の屋号を出す。「ここの酒は美味いんだ。倅はろくでもないけど。『落語家になりたい』って出て行って、さら口で『鰍沢』なんて演るんだよ。後ろがやりづらい」というのには笑った。
この噺は肴を買いに行っている兄いを待ちきれずに酒を呑み始めて、だんだん酔っ払っていく様が面白いのだけど、呑み始めてから呑みきっちゃうまでほとんど変わっていないようだった。ウコンの力って効くね。

一蔵さん、そういや先週の「ひとりの会スペシャル」で「この暑いさなかに『ううっ、さみい!』というセリフを言わなきゃいけない」と言っていたっけ。
今まで二度ばかり一蔵さんの『文七元結』を聴いたが、今日のが一番よかった。
「五十両返せなかったら娘を見世に出す」という佐野槌の女将に対して、「返しゃあいいんだろう!」と啖呵を切りながらも謝意を見せるのもいいし、文七に金を与える際の長い逡巡も真に迫っていた。
近江屋が長兵衛の長屋へ行くときに酒屋へ寄るが、これもまた「升民」。「ここの酒はいいんだ。倅はろくでもないんだが」とリレーで小辰さんをいじる。
「金? いらないよ。だって俺江戸っ子だから!」という言葉はやや軽いが、それも一蔵さんらしいか。

最後は再度三人揃って挨拶をし、三本締めで幕。
帰りに知り合いと一杯呑んでいく。あの三人も深酒をしているんだろうなあ。
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