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第二十三回 三遊亭兼好 横浜ひとり会 [落語]

第二十三回 三遊亭兼好 横浜ひとり会
於:桜木町 横浜にぎわい座

三遊亭兼好『普段の袴』
三遊亭けん玉『浮世床(将棋・本)』
三遊亭兼好『片棒』
白戸知也 津軽三味線
三遊亭兼好『不動坊』

このところ暖かいので一瞬バイクでこようかと悩んだが、さすがに1時間以上乗るのはキツいと判断しておとなしく電車で。まあ電車移動だと本を読めるのでそれはそれで。
開演前にちょっと小腹すいたな、と思って桜木町の駅そばに入る。まあそばは特にどうということもなかったのだけれど、アジ天うめぇー。肉厚でうめぇー。

さて袴をつけて新年の挨拶に出た兼好師、そのまま『普段の袴』に。
侍の落ち着きぶりとガラッ八の落ち着きのなさの対比がおかしい。
八が袴を前後逆で、片方の足に両足を入れているのはやり過ぎかなと思いつつもやっぱり笑える。
八が「あの鶴はいい鶴だな」といったときに店主が店の者を集めて「人は見かけよらないってのはこのことだ。道具屋やってて怖いのはこういうところだ」と褒めておきながら、「あれが文鳥? いやあれは鶴だろ?」といった途端に「見かけ通りだった」と解散させるのはまあ半分予想がつきつつもどうにもたまらない。

兼好師がひとりで完全に場を温めた後にやりにくそうな感じでけん玉さんが登場。めくりがなかったようで、めくり台を反転させる。師匠の後に出る前座ってキツそう……。
この噺も兼好師から教わったんだろうな、ということがわかる『浮世床』で、今日は将棋と本だけだったがいずれかくし芸のところも聴いてみたい。

兼好師二席めの『片棒』はしばらくぶり。
呑気な金太郎やクールな鉄三郎もいいが、なんといっても銀次郎のお祭り騒ぎとからくり人形にとどめを刺す。
大はしゃぎの銀次郎と、困惑顏の大旦那の波状攻撃に爆笑に次ぐ爆笑。あーおもしれー。わかってても笑ってしまう。

ゲストは津軽三味線の白戸知也さん。
津軽のじょんがら節や、津軽民謡のメドレーを。
撥はワンストロークなのに音がぺれれんぺれれんといくつも聴こえるのはどういう仕組なのだろうか。
それにしてもやっぱり津軽三味線はかっこいい。特に低音が好き。

三席めの兼好師、お囃子さんに「あれ(津軽三味線)を出囃子にしてください」と頼んだら「無理」と断られたとのこと。そりゃそうだ。
兼好師の『不動坊』も久しぶり。
吉公のあまりの喜びぶりに狂気を感じる。
寒空に吊るされたゆうたの噺家が、吉公に「望みを叶えてやる」といわれて「火鉢をこちらに……あー……生き返る」とつぶやくのもおかしい。
もちろんモテない三人組のドタバタも面白く、これまた全編爆笑の渦に。

いやーいつも面白いけど、今日は特に面白かったなあ。かなり満足。
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コメント 4

あべし

こんばんわ。今年も宜しくお願いします。

この会、行こうか迷って結果行かなかったんですが、
感想を拝見し、行っときゃ良かったなぁと。しみじみ思いました。

私、兼好師は何度か拝見してましたが、独演会はまだなんですよね。
限られた予算の中で、いつかは行きたい会の一つです。

そんな極貧な私ですが、落語会へ行くようになって
気づいた事がありました。

私は京急とJRだと京急のほうが安く行ける所に住んでまして。

にぎわい座へ行くならJR桜木町よりも京急、日ノ出町なんですよね。
徒歩で6~7分位でしょうか。道もまっすぐ1本です。

ちなみに関内ホールも日ノ出町から15分位掛けて徒歩です。

先月は更に頑張って日ノ出町から神奈川県民ホールまで
歩きました。だいたい徒歩40分位でしょうか。

都内ですと、イイノホールや日比谷コンベンションホール
辺りなら、JR新橋から歩きます。

とにかく地下鉄とか乗り換えが多い会場は、土地勘があれば
頑張って交通費浮かすのと健康の為に徒歩です。
そしていつかは兼好(師)の為に徒歩です。
by あべし (2016-01-11 02:25) 

Macky

>あべしさん
あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。

私は兼好ファンですのであまり客観的ではないかもしれませんが、兼好師匠の独演会で「今日はイマイチだった」となったことは一度もありません。必ず木戸銭以上の満足感を得られると思います。
私も小遣い制なので月々の落語予算を決めているのですが、兼好師匠の会は最優先事項になっています。

さて歩いて会場まで行かれるということ、いいですよね。
最近バイクばかりなので全然できていませんが、このブログも『落語とカメラと散策と』とつけたように、歩くのは大好きです。
本当は良くないのでしょうが、歩きながらiPodに入れた落語を聴くのが大好きで、特に志ん朝師匠の歯切れのよい語り口は散歩にぴったりでした。
時間に余裕を持って家を出て、最寄り駅ではないところで降りて会場までぶらぶら歩くということもよくやっていました。私は方向音痴なのでよく迷い、開演ギリギリに着くということも多かったですが……。

横浜だったら兼好師の会があった東神奈川から横浜を回って、うろうろしながら中華街まで、なんてこともしましたね。あのへんは歩くのも写真を撮るのも楽しいので好きなエリアです。

またやろうかなあ。
by Macky (2016-01-11 11:12) 

あべし

こんばんわ。お返事有難うございます。

東神奈川から中華街って相当な距離ですね。
JRだけでも東神奈川・横浜・桜木町・関内・石川町と。
さすがに体力がない私は、たぶん歩けたとしても会場で
睡魔に襲われる危険大です。

東神奈川といえば、私が最初にナマで落語を聞いたのが
関内ホールでして、喬太郎師の紙入れでした。

「今から逃げれば、関内駅くらいまで逃げられるかな」と。
その後、もう1度言ったセリフが、
「これから逃げれば、東神奈川くらいまで」と
言ってて大笑いした記憶があります。

私も歩く時は何か聞きながら歩いてます。

私が落語を好きになったいくつかのキッカケの一つは
伊集院光のラジオ番組、深夜の馬鹿力です。

月曜深夜1時からの2時間番組なのですが、
前半のフリートークが、さすが元落語家だけあって
落語でいうマクラや新作落語に通じる所があり、
それを録音しておいて、聞きながら歩いてます。

兼好師は、先日スカパーで再放送された話しを聞いて、
良いなー、としみじみしました。
なんと言いますか、声とか笑顔とか凄く好きなんです。
by あべし (2016-01-11 23:57) 

Macky

>あべしさん
こんばんは。
さすがに東神奈川から中華街まで歩いた時は昼過ぎから夜までぷらぷらと時間をかけて歩きました。その時はもちろん落語が終わってからでしたが……。

でも何かを聴きながらだと歩くのは苦になりませんね。
最近では一之輔師のラジオのPodcastや、こしら馬るこ萬橘の「新ニッポンの話芸ポッドキャスト」をよく聴いています。

兼好師はいずれ「俺はあの人の若い頃よく聴いてたんだよ」と自慢できる、チケットの取れない名人上手と呼ばれる噺家になると思っています。今のうちにぜひ。
by Macky (2016-01-12 21:55) 

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