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第五回 一蔵ひとりの会 [落語]

第五回 一蔵ひとりの会
於:らくごカフェ

春風亭一蔵『短命』『ちりとてちん』『たがや』

なんだか知らないがいつの間にか町内会の組長になっていたらしく、町内会費の集金をするハメになってしまった。めんどくさー。
何軒か留守だったため、夕方にまた廻ることにしてらくごカフェへ。

「一蔵ひとりの会」はなぜか隔月で参加。日曜の昼だから、他の会と重なることも多く、悩ましい。

一席め、入ってくるなり八っつぁんがご立腹なので『野晒し』かと思ったら、「伊勢屋の旦那がまた死んだ」となって『短命』に。
なにか怒るようなエピソードを入れるのかと思ったのだが、特にそこには触れず。結局なんで怒っていたのかわからなかった。
短命のわけを訊いているときにトンチンカンなことを言い出す場面では、「わかったーーー! おまんまの食い過ぎ!」「わかったああー! あーそっち? なんだあっちかと思った! ……指に毒!」とやたらテンションが高く、ご隠居との落差が楽しい。

二席めの『ちりとてちん』、世辞の上手い六さんも、口の悪い寅さんも、どちらも今は丁寧で愛想がいいけれど昔はヤンチャしてたんだろうなあという一蔵さんのキャラクターに合っている。
特に寅さんがものを食べるときに、嫌々ながら食べるアピールにひとくち食べて箸をいちいち投げ、あまりの旨さに目をみはって思わずもう一口食べるところなどはよかった。
また、六さんがうなぎを食べているときの表情もホクッとして口の中でとろっと溶けてるんだろうなぁということが伝わって、思わずうなぎが食べたくなった。
ネットの評判によれば、文左衛門師の形にそっくりなのだそうだ。そういえば昨日聴いた文左衛門師『夏泥』は一蔵さんも同じだったので、どちらも文左衛門師に教わったのかもしれない。
何を食べても「まあまあかな」などと憎まれ口を叩く寅さんに向かって、いきなり「台湾名物のちりとてちんがある」というのはちょっと不自然な気がする。「お前さんは食通だからねえ、お前さんがなにか喜ぶものは……」のような前振りがないと、方向転換が強引ではないだろうか。

『たがや』は今年初。これから隅田川の花火大会まで何度となく聴くんだろうな。
今見たら、ちょうど一年前の今日も一蔵さん(当時朝呂久さん)で『たがや』を聴いていた。
マクラはやはりテキ屋時代の話。一部で「あまりしない方がいい」と言われているらしいが、普段あまり接点のない稼業なので、なかなか興味深い。曰く、一年で「3大ツラい稼ぎどき」があるらしく、年越し(ほぼ24時間立ちっぱなし)、酉の市(2日間眠れず)、隅田川花火大会(4時間客が切れず、深夜までに撤収しなければならない)なのだそうだ。一蔵さんは隅田川花火大会で4時間でビール55万円分、焼きそば33万円分を売り上げたことがあるらしく、これは今でも抜かれていないのだとか。
侍に向かって罵声を浴びせる橋上の野次馬が、わざとらしいまでに顔を出したり引っ込めたりするのが面白い。

終演後、外に出るとまだ明るく、やや肌寒いけれども空気が爽やかなので秋葉原まで歩く。
これから暑くなっていくという期待感と、ジメジメ湿っていない空気が相まって一年で一番好きな時期。
帰ってきても、午前中に留守だった家は一軒しか戻っておらず。また来週にでも集金行かなくちゃ……。
タグ:春風亭一蔵
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