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第30回 小辰の寸法 [落語]

第30回 小辰の寸法
於:人形町 日本橋社会教育会館

入船亭小辰 ご挨拶
入船亭扇ぽう『寄合酒』
入船亭小辰『あくび指南』
入船亭小辰『ねずみ』
入船亭小辰『大工調べ』

微妙に時間があく。
雨の中あまりうろうろしたくないので、人形町まで移動して適当な居酒屋で一杯呑んで時間を潰す。新宿の方がいろいろあるんだけど移動になんかあると嫌だし。
考えてみれば会場の下は図書館なんだからそっち行きゃよかったなあ。余計な金使わなくてすんだのに。

久しぶりの「小辰の寸法」、最近土日が少ない。真打昇進まであと5回だとか。

まずはご挨拶。座布団に座らず立ってやる人が多い中、小辰さんはちゃんと座る。
以前にも言っていたが、小辰さんは傘が嫌いなのだという。忘れるから、という理由らしいのだが、まあ煩わしいってのはわかる。
今朝家を出る時は小雨だったのでいつものようにささずに出たらしいのだが、昼のにぎわい座の会で桜木町に着いたときは本降りだったらしい。濡れながら人形町へ着いたらもっと降っていた、という。この雨の中を傘もささずに会場へ? にぎわい座も会場から地下通路入り口まで歩くとなると2~3分はかかるし、ここの会場も人形町からも水天宮前からも5分くらいはかかる。タクシーを使うには短いけど、雨の中歩くにはびしょびしょになる絶妙な距離。
「今日の前座さんは一門の後輩です」と名前は出さない。「本来あまり一門の前座はお願いしない。師匠から『お前自分の後輩に仕事やらねえのか』といわれて弟弟子を使ったこともあるんですけど、その日はたまたま師匠も忙しかったようで、師匠の用が片付かないという本末転倒になりまして。それに入船亭ばかり、ってのもあれでしょ」。前者の理由はわかるけど、後者の理由はそうか?

前座は先日の白鳥兼好二人会でも聴いた扇ぽうさん。小柄でパッと見「中学生!?」と思うが声はしっかりと太い。
与太郎が味噌を持ってきた件は見ただけで「あ、味噌だ」とあっさり。

小辰さんの一席め、子どもの頃は坊主頭で、さらに頭の形も良かったことから近所の人達には「升民(実家の屋号)のそらまめくん」と呼ばれていたらしい。「扇ぽうを初めて見たときには『俺以上のそらまめくんだー!』って思いましたね」。確かに頭の形がいいもんね。
「彼は辰ぢろと同じ大学で、辰ぢろの方が先輩だったんです。でもこの世界に入ったのは扇ぽうの方が早いんで、今は彼の方が上。こういうことは多々ある」とのこと。天どん師と彩大師もそうだったはず。
「それを知って、私が『俺が許す、辰ぢろのこと思いっきり殴ってこい!』って言ってみたんです。『はい!』って言っといて結局殴ってない」。今のご時世さすがにムリでしょ……。「飲むと荒れるらしいから、どうなるかわからないですよ。……なんかそういうところも私と似てるんですよね」らしい。
噺は以前に聴いたときよりもだいぶこなれてきており、一之輔師っぽい感じがだいぶ引っ込んだ気がする。
お師匠さんだと思っていた女性が看板だと知ったときの絶望の表情かたまらない。

一度袖にはけてから再登場して二席めに。
柳枝師の襲名披露興行で福岡に行ったそうで、小痴楽師や一蔵さんたちと前乗りしたとか。「いやー楽しかった。柳枝アニさんはそんなに飲まないし『明日があるから』といいながら12時までいましたからね。最後は一蔵アニさんの部屋で部屋飲みですよ。真打昇進のために必要なこととかを熱く語り合い……覚えてないんですけど……寝たの3時ですから。翌朝アニさんが『尋常じゃないくらい空き缶があるんだけどアレ何?」って言ってました」とか。口上もあったそうで小辰さんが司会だったそうだがメロメロだったそうで。
旅は楽しい、というところから『ねずみ』に。
もちろん扇辰師に似てるんだけど、それ以上に小せん師に似てるような気がする。まあ広くは一門なので当然なのかもしれないが。
最後あたりの場面に出てくる二代目政五郎の江戸っ子っぷりが小辰さんではより強め。

三席め、一蔵さんの後輩の面倒見のよさを話し、昔の大工の棟梁も下の者の面倒を平時も見ていなければいざというときにハナも引っ掛けられなかったと『大工調べ』に。
大岡越前が「まさか町役に向かってそんなことは言うまい。のう与太郎、言っておらんよな?」と言ったにもかかわらず、「いやぁ言ってやったんスよォアタ棒だって」と与太郎が答えたときの面食らった顔がおかしい。

終演後、外に出てみるとほぼ雨がやんでいた。傘の忘れ物が多そう。
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雷門音助 vs 三遊亭兼太郎 「緊褌一番」 [落語]

雷門音助 vs 三遊亭兼太郎 「緊褌一番」
於:新宿三丁目 道楽亭 Ryu's Bar

三遊亭兼太郎『お菊の皿』
雷門音助『人形買い』
雷門音助『悋気の独楽』
三遊亭兼太郎『天災』

総武線で秋葉原から新宿へ。
新宿線で新宿三丁目まで行った方が早いんだけど、昼メシを食うところを探すために新宿に。
けど雨がすごく、結局地下道を通って新宿三丁目まで行ってしまう。何してるんだか。
以前に行ったことのある店もすでになかったり。

久々の道楽亭。
……………………コレ何が変わったん?
正直少なくとも客席からは変わったところが見当たらない。おお怖。ま、俺はクラファン出してないから何も言うことはないけど。出資した人が納得してるならいいんだけど。

兼太郎さんの一席め、暑くなったり寒くなったりする最近の気候に触れ、暑くなってくると怪談噺が掛かる、と『お菊の皿』に。
皿屋敷へ行く若い衆が三人組だったり、ご隠居んちで酒を呑んで行ったりとこれまで聴いたことのない型。
これは兼太郎さんに限ったことではないけど、お菊さんがはっちゃけたあたりから完全に現代になっている。その方が地下アイドルっぽいくすぐりとかをいろいろ入れられるのはわかるんだけど、それまで頭の中に着物で周りは江戸の風景を描いていたのがバグるんよ。
処理が追いつかなくて混乱するんで、現代ネタはスパイス程度にしてほしいところ。

音助さんの一席め、「兼太郎さんとは協会も違うんで普段はあまり会わない。前座の頃は兼好師匠のお手伝いをしていて、その頃に兼太郎さんが入ってきたのでそのときくらい。ただ、去年あたりからなぜか会うことが増えてきて……。それで今日の会もできた。今日楽屋で会ったときに『出番どうします?』って聞いてくるんですよ。なので『仲入りとクイツキを考えてきた』と答えたんですが、大体ここで普通は揉めるんですよ。『いやいやアニさんがトリとってくださいよ』とか。彼はそういうの一切なく、『あ、そっすか』だけですからね。ほぼ同期のようなものですが……」。
兼太郎さんのマクラで「私はアニさんのことが大好きと言っているんですが、アニさんの方はそうでもなさそう」てのはあながち間違ってないのかも……?
季節の節気の話から『人形買い』へ。これこないだ小辰さんが「できたらカッコいいですよね」って言ってたヤツだ。
人形屋の小僧がペラペラ喋っている場面ばかりでなく、占い師や講釈のところもキッチリと。
こういう噺の中に講釈などが入れ子になっている噺って難しそう……。さらっとこなしているのを見ると、単純にすげえなあと感心する。

音助さんの二席めはさらっとスタンダードに。
この噺に出てくる「辻占の独楽」ってどれくらいの大きさなんだろ。
小さいプチトマトサイズの人もいるし、プラムサイズの人もいる。今日の音助さんのは普通のトマトサイズで結構大きい。

兼太郎さんの二席め、兼好師の型がベースにありながらも細かいところはいろいろと変えている様子。
紅羅坊名丸が手紙を読む場面では、手紙と八五郎の顔を見比べていちいち顔を顰める。それに八五郎がキレるのだが、後で八五郎が長屋の熊に天災を教える際にも再現してるのがおかしい。
紅羅坊が「アナタ柳のような心持ちになれませんか」といっていたところを「アナタ柳家になれませんか」と熊に言ったところで客席から笑いが漏れ、「なんでこんなに笑われてるんだ俺は」と不満そう。まあ芸風違うし。なにげにマクラで話していた「師匠には理不尽に怒られたり怒鳴られたことがない。でもあまりにも怒りすぎて呆れた声で『柳家だったら3日でクビになってるよ』って言われた」ってのが効いてる。
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神田連雀亭 ワンコイン寄席 令和4年4月29日 [落語]

神田連雀亭 ワンコイン寄席 令和4年4月29日
於:淡路町 神田連雀亭

立川だん子『寿限無女子』
三遊亭兼太郎『野ざらし』
瀧川鯉舟『厩火事』

10連休ーーー!
去年は初日に落語ひとつ行ったきりであとは全部キャンセルになってしまい、休み中やることがないのでずっと家の掃除をしていたが、今年は結構予定がびっしりめに入っている。
今日も落語会3つ行っちゃうからね。

連雀亭はすごい久しぶり。
前回来たのが現㐂三郎師と小辰さんの「コタ×コタ」会1回めだから約5年前。
先日久しぶりにきてみたら満席で入れなかったので、今日は早めに到着する。
開演前に兼太郎さんが出てきて諸注意。「開演中の写真撮影はご遠慮ください。いいですか、開演中はダメなんですよ。開演中は。……今はいいんですよ」ということなんで一応撮る。
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籬の中にいる花魁みたいな感じになっとる

さてだん子さん。
楽屋入りしてトイレへ行こうとしたら、兼太郎さんがズボンを下ろして便座に腰掛けていたとか。
嫁入り前なのに、と軽くジャブを入れてから「自分も結婚したら子どもが欲しい」と子どもが産まれた噺に。
通常の『寿限無』の女子バージョン。苗字が地味だからと目立つキラキラネームをつけて欲しいとご隠居に頼みにくる噺。うん。

兼太郎さん、「だん子さんに『キャー』って言ってましたけど、アレしっかり見てますからね」。
主人公の八つぁんはごくごく明るい乱暴者。
さいさい節もしっかりきっちり。そういや兼太郎さんの唄って初めて聴いたかも。

鯉舟さん、「だん子ねえさんを聴いていて思ったんですが、皆さん『漂流教室』ってご存知ですか? 学校ごとタイムリープするんですが、ここでそれが起きたらだん子ねえさんは大変だなと……」。君は何を言ってるんだ。

来る時は小雨だったが出る頃には本降りに。
バイクだったらよかったんだけどなあ。
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