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第二十回 上原落語会 夜の部 三遊亭兼好兼太郎親子会 [落語]

第二十回 上原落語会 夜の部 三遊亭兼好兼太郎親子会
於:代々木上原 ムジカーザ

三遊亭兼太郎『藪入り』
遠峰あこ 唄とアコーディオン
三遊亭兼好『木乃伊取り』

東大島から代々木上原まで23区の東から西へ横断する。
時間があるので東大島の会が終わって会場近くのミスドで時間を潰す。ミスドすごい久しぶり。ちょっと前にCMやってた新製品食べてみたかったんだよねー。地元だとフードコートにしかなくてちょっと行きづらいのでいい機会だからと食べてみる。うん美味い。予想通りの味といえばそのとおりだけど期待を裏切らないというか。
えっと19時からだから結構ここで時間潰さなきゃなーと思っていたのだが。ある程度時間が経ったときに開演時間を確認したら……ん? 18時開演? あれ? 今17時20分ですよ? ここからバイクで1時間くらいかかるよ? ……ギャース! まーたやっちまったーーー! 慌てて店を出て可能な限り頑張って会場へ向かう。頑張ったものの5分くらいしか短縮できず。前座のしゅりけんさんの『大安売り』は聴けなかった。
とはいえ兼好追っかけ仲間に聞くと兼好師の型ではなかったとか。なーんでよー。あんなに面白いお手本がすぐ近くにあるのに。というか逆にやりにくいのかな。まあ近いうちに聴く機会はあるだろう。

遅れたのは悪いことばかりでもなく、出番前の兼太郎さんとばったり会ったり受付で兼好師匠とも会ったり。兼好師と言葉をかわすのもかなり久しぶり。去年からお見送りや打ち上げが全然ないからなあ。

さて久しぶりの兼太郎さん、「この企画を聞いたときには『まだ早いんじゃねえか』と思ったんですけど」とのことではあったが。
親子会であることから実の親とのエピソードからご自身のお子さんのことも。昔の親子関係から『藪入り』に。藪入りは1月16日と7月16日で、「今日はこの噺を親子会でするベストなタイミング」とのこと。
口跡や顔芸に近い表情の使い方はこれまでと変わらない。が、なんかしらんがこれまでより確実に面白い。何でしょうねえ。
夜っぴて明日の予定を語っているところはちょっと中だるみがしがちだが、それを感じなかった。父親が語る荒唐無稽なプランは兼太郎さんのようなちょっとわざとらしい感じのほうが合っているのかもしれない。
当日の朝、長屋の表を掃き掃除しているところで長屋の連中と殴り合いの喧嘩にまで発展するのが面白い。
亀が帰ってきてからは展開がスピーディー。割とすんなりと「お店の金に手を付けた」ということを呑み込むし、あっという間に手が出る。親が子を疑う時間が短めなのであまり心がザラつかないのがいい。

あこさんも久しぶり。
兼好師の出身地である会津の民謡『会津磐梯山』を唄う。会津で唄うと必ず冒頭の「ハァーーー」の音程が違うと指摘が入るという。
花魁の一日をアイドル風に歌った『花魁エブリディ』は以前聴いたときはまだできたてだったのだが、だいぶ完成したようだ。

兼好師、落語界に入ってから初めて携わったのが「好楽王楽親子会」だったそうで、そのあとに「木久扇木久蔵親子会」「正蔵三平兄弟会」があったために親子会というのは本当の親子でやるものだと思っていたらしい。そのときに「さん喬喬太郎親子会」のチラシを見て「ええっ!?」と疑問を持つようになり、「雲助白酒親子会」で、「あ、これは違う」と気づいたとか。
親子というと襲名の問題も出てくるが、「うちの好楽一門は間違いはないでしょうね。以前に一門で呑んでいたときに酔った師匠に『誰か俺の名前いるか?』と聞かれたときに全員『あ、いりません』と答えてましたから」とのこと。まあ好太郎師か王楽師じゃないですかね。
大きな襲名となると、実力と人望が必要で、実力がある人は後輩からの人望がなく、人望がある人は実力がイマイチ、ということが多いとか。それと襲名するとなるとその後はその一門に名前がいってしまうという問題もあるらしい。襲名する人の実力と人望が素晴らしくても、弟子がポンコツだと「将来あのポンコツに名前が行くのか……」となって襲名に反対されることもあるらしい。「なので私が圓生になるためには兼太郎に頑張ってもらわないと……」とのこと。兼太郎頑張れ超頑張れ。兼好師匠のために。
冒頭の場面で大旦那に呼び出された棟梁が「ああーっとなんにも言わねえで。〇〇のことでしょ?」というがそれがすべて的外れで「まだやってなかったのか?」と小言を食らうのがおかしい。
以前は若旦那がなんかヤな感じだったのだが、今回はあまりそれを感じない。
清蔵の田舎者の真っ直ぐさがいい。
若旦那が「わかった、帰るよ」となった後の肩の荷が下りた清蔵のリラックスっぷりが楽しく、特にかしくがきてからのうじゃじゃけぶりがたのしい。座敷の芸者に「なんか弾いてくんちぇ。『会津磐梯山』できる? できない? 『花魁毎日』は?」とあこさんの演目をちゃんと拾うのもさすが。
手を握るときの力加減の妙が素晴らしい。しかしこの状態を「ノラこいてる」っていう表現いいなあ。いかにも落語っぽい感じ。

しかし久しぶりに原宿代々木新宿東新宿池袋を通ったが、人すげえな……。マスクしてない人も多いし、こらあ減らないはずだよなあ。
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第16回東大島亭 柳亭市弥 入船亭小辰二人会 [落語]

第16回東大島亭 柳亭市弥 入船亭小辰二人会
於:東大島 東大島文化センター

入船亭小辰『初天神』
柳亭市弥『夢の酒』
柳亭市弥『棒鱈』
入船亭小辰『井戸の茶碗』

梅雨明け夏の初日。スカッと夏空が広がって気持ちいい。ああタイ行きたいなあ。
この会は1年ぶり。前回は電車だったが今日はバイクで。汗がすぐ乾くのがいいが、日差しがもろに当たって暑い。でもそれがいい。夏はいいね。

小辰さんの一席め、自宅で息子さんをくすぐって遊んでたら跳ねた息子さんの頭が顎に当たって思い切り舌を噛んだとか。「身内から攻撃をくらうとは……。今日はリハビリです」だそうで。
子どもの話題からそのまま『初天神』に。
団子屋との会話で「『あんこにしますか蜜にしますか』? 蜜だよ蜜蜜蜜蜜!」となぜかおとっつぁんが謎の蜜推しをするアクシデント(?)が。その後あんこにしろと修正を図るが、金坊は「蜜がいい。さっきおとっつぁんが蜜にしろって言った」と自分で傷口を広げる。こんなミスも珍しい。

市弥さん、しん平師の映画『落語物語』の第二弾に出演するそうで、オムニバス形式の第三話めの主役だという。
二ツ目にスポットを当てた話で、市弥さんの役どころは周りのいろんな女性に手を出すイケメン落語家だそうで、ヒロインは先日の花形演芸会で聴いた杏寿さんだとか。「私37歳ですよ? 杏寿さんは詳しくは知らないけど、女優上がりだから27くらい? 恋愛なんてだいぶ前に捨てたから、まずはそれを取り戻さなきゃならない。しん平師匠に『見つめあえ』とか『肩を抱け』っていわれても照れちゃって……」と羨ましいことを抜かす。
「最近は落語どころじゃなかった。小辰さんも言ってましたが、今日はリハビリです」とのこと。ふたり揃って。
映画の話から「さて」という感じで割と強引めに夢の話へ移動する。夢に五代目小さん師が出てきて話をしたことがあるそうで、「市馬師匠はどんな前座でしたか?」と聞いたところ「アイツは女々しいところがあった」と答えたそうだ。そんな夢を見た次の日に市馬師に会い、その話をしたところ盛大にしくじったという。「いい夢を見ても言わない方がいい」と『夢の酒』に入る。
お花の悋気ぶりやヒステリックさが振り切れていて楽しい。

二席めの『棒鱈』は以前にも聴いたことのある薩摩藩士が『クイカイマニマニ』や『サラスポンダ』を唄うバージョン。
検索してもあまり引っかからないということは結構レアネタなんだろうか?
客席みんながポカーンとなる空気が楽しい。

小辰さんの二席め、「さっき兄さんが『打ち上げがなくなったから家で飲むようになったけど終電を気にしなくていいので酒量が増えた』といってましたけどね、あの兄さんはそもそも終電を気にしたことはないですから。むしろ終電がなくなってからが始まりですから。……まあ私も同じなんですけど」だそうで。
いつものように千代田卜斎と高木作左衛門の堅さがいい。
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