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実力派二ツ目独演会 らくご長屋 小辰独演会 [落語]

実力派二ツ目独演会 らくご長屋 小辰独演会
於:中野 なかの芸能小劇場

入船亭小辰『垂乳女』『もぐら泥』『不孝者』

日曜から早起き。
今日は天気が崩れるということなので電車で向かう。
いつもの平日と同じ時間に起きて同じくらいの時間に家を出る。

恒例の「10時は早朝」のグチから「10時から卒業したらオフィス10から認められたと思うようにします」とのこと。頑張れ。
いつもなら6歳の息子さんと日曜のヒーローものを見ているくらいの時間帯だそうだが、「父ちゃん今日仕事?」と問われ、そうだと答えて逆に今日は何をするんだと尋ねたところ「今日は天気悪いみたいだから1日ダラダラしようかなと思って」と言われたそうな。
イラつきながら乗った電車で見かけたイケメンにさらに心を乱されたマクラから縁の話題につなげて噺に入る。
最近では「飯を食う稽古」の「ちんちろりんのぽーりぽりーのさーくさく、ガンガラガンのばーりばりーのざーくざく」を省いて演られることが多いような気がするが、今日はその稽古中に大家が嫁さんを連れてやってくる。
さすがに夫婦喧嘩の稽古まではいかないか。世話になりっぱなしの隣のお寅婆さんを悪者に仕立てて怒鳴り込まれるっていう型好きなんだけど、そこまでやるのはあまり聴かない。

二席め、寄席にはいろいろと「障り」があり、ネタ帳に「目の不自由なお客様」とか「足の不自由なお客様」とか書いてあるのだそうだ。
あるとき片腕がない客がいたようで、「腕のないお客様」と書かれているのを見たある色物の先生が「楽屋にはそんなのばっかりだけどな」と呟いたのだとか。
『もぐら泥』は小辰さんでは初めて。
泥棒が腕を縛りあげられて凄んでみるもまるで迫力がない上、すぐに音を上げてしまうのがおかしい。
「火ぃつけるぞ」と凄んで「やってみろ、ここは借り家だ」と返され「こりゃいけねえ。……借り家だからって焼けていいってこたぁねえだろう」という当たり前な一言がなんかしらないがやたら面白い。

三席め、噺家の二世三世の話で「若旦那はやっぱりどこかわがままなところがある。特に小痴楽兄さんは人道に反するような……いや……」。一体何されたんだ。
貯めたがりの旦那と使いたがりの若旦那という導入で、『木乃伊取り』か『山崎屋』かとも思ったが、小辰さんでは初めての『不孝者』。
これがよかった。
欣也との再会後、「お前に旦那がいないわけないだろう。どんな旦那なんだ? 怒らないから言ってごらん」としつこく聞き出そうとしながらも、「一度は旦那を持ちました」と言われたときに見せる旦那の焦りや嫉妬の色がいい。欣也のしっとりとした色気もさすが。

終演後天気が持っていたので高円寺まで歩いてタイ料理屋へ。
やっぱりタイカレー美味い美味ーい。……ていうかさあ、天気崩れるっていうから電車で来たのに、22時現在まで全然雨降らねえじゃねえか! なんだよ! 今日天気良ければこの会の後鮫洲に行って免許の更新行こうと思ってたのに。しかも免許のことを考えてたから午後の落語の予定とか入れてなかったんだけど、今日「一蔵ひとりの会」あったんじゃん! 行けたじゃん! ああもう! なんかいろいろうまくいかないなあ。
タグ:入船亭小辰
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第507回 花形演芸会 [落語]

第507回 花形演芸会
於:国立演芸場

金原亭杏寿『道具屋』
柳家緑太『締め込み』
宝井琴鶴『明智左馬之助湖水渡り』
入船亭小辰『団子坂奇談』
蜃気楼龍玉『親子酒』
まんじゅう大帝国 漫才
鈴々舎馬るこ『御神酒徳利』

バイクを駐輪場に置こうとしたらなんか見覚えのある人が。楽屋入りしようとしていた小辰さんで久しぶりに挨拶をする。

杏寿さん、なに、金原亭はアイドル並みのかわいい子しか弟子取らないことになったの? 落語会の秋元康か。
鈴木杏樹に似てるから杏寿なのだろうか? ちょっと調べてみたらホントに元女優だそうで、これも乃ゝ香さんと同じ。やー、本人がやりたいってならしょうがないけど、なんというか……。あまりキレイすぎると落語の面白い云々よりもそのルックスの方に気が行ってしまってあんまり得じゃない気がする。これもセクハラなのかね?

緑太さん、実家に泥棒に入られた話をマクラに。土足で家に入られたのに被害はカップ麺とアメだけだったとか。そんなエピソードから『締め込み』に。
風呂敷包みを挟んだ夫婦喧嘩で、夫婦の馴れ初めなんかは出てこない。泥棒と呑んでもすぐに酔いつぶれてしまってあまり噺に厚みがない感じ。

小辰さん、「琴鶴姐さんから『笑いどころのない噺でゴメンね。でも落語の方で盛り上げて!』と言われたんですけど……。これから申し上げる『団子坂奇談』という噺には笑いどころが一切ない!」。確かに……。その分かマクラを頑張っている感じ。
噺本編は、まあ、いつものように達者で……。ていうかこの噺ってなんか感想出にくいんだよなあ。

ゲストの龍玉師、こういう立ち位置の場合は『親子酒』なことが多いような気がする。
まあ外れることはないよねえ。
酔っ払いの大旦那のグダグダっぷりが楽しい。

まんじゅう大帝国、タイタン所属らしく、なんとなくうっすらと爆問っぽい。
噛み合うようで微妙に噛み合わないというネタ。

馬るこ師、善六さんが徳利を水瓶に沈めたのではなく、他に犯人がいて……というややミステリ的な要素が含まれる。その犯人をかばうためにそろばん占いを編み出し、旦那までもたしなめるという初めて聴く型。
さらに神奈川宿でも薩摩藩の密書ではなく、主の金が盗まれたということになっていた。
噺の大筋は変わっていなのだが、細部は全く異なっていてもはや違う噺のようになっている。結局大坂までも着いていないし。もしかしたら鴻池までたどり着いてるパターンもあるのかもしれないが。
いつものように「どんな手を使ってでも笑わせてやる」という感じよりも、ちゃんと噺を一度分解してブラッシュアップして再構築しました、という感じが伝わってきた。終わったあとに思わず「へえーっ」という声が出てしまう。

終演後に駐輪場に向かっていたらまたばったり小辰さんに会う。「よく会いますね。……そういえば先週は浅草にもいらしてましたよね」と言われる。見えんの? いや出番前に袖から客席を覗いてたのかな。夜席の最後までいたと話したら「体に悪いですよ……」と言われてしまう。そらそうだよねえ。明日の中野の会も行くことを伝えて家路につく。
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第2回 兼好集 [落語]

第2回 兼好集
於:水天宮前 日本橋劇場

三遊亭兼好『三人旅(びっこ馬)』
三遊亭しゅりけん『粗忽長屋』
三遊亭兼好『たがや』
三遊亭兼好『佃祭』

全然仕事が楽にならない。はあ。
今日はその隙間のスキマをついて早めに上がる。また明日からは遅くなるんだろうな……。

前回は時間が短めだったからか兼好師は二席だったが、今回はいつもの独演会と同様に三席。とはいえ今日は主催がエムズなので市馬師か権太楼師の会の助演だと思っていたらしく、独演会と気づいたのは昨日だったとか。「非常に焦っております」。

一席め、宮治師の真打昇進の会で久しぶりに長崎へ行ったそう。「口上もやりまして、……ふたりしかいないのに。ほぼ雑談でした」。それはそれで聴きたいなあ。ふたりの雑談楽しそう。
長崎の食事で丼で茶碗蒸しが用意されており驚いたとか。「茶碗蒸しというのは会食でオジサンが『これなんだろね……あちちフタ熱い……あ、茶碗蒸しだ』というものしか知らない」という小芝居が面白い。
「旅はいいですね」と旅の噺に入る。
兼好師の『三人旅』は約3年ぶり。
江戸っ子の軽薄っぽい話し方と馬子たちの素朴な話し振りの差が楽しい。馬子がふたり出てくるが、訛りは同じでも喋りのスピードで人物を演じ分けている。とはいえ東海道の馬子が東北訛りなのはちょっと違和感があるかな。いつもはそんなに気にならないんだけど。

二席め、今年もいろいろなものが自粛され、隅田川の花火も中止になったと『たがや』に。花火の褒めようから歌舞伎の声掛け、噺家への町名の声掛けで「町屋こんがり」を経て本編へ。
私は兼好師が一番の贔屓で、基本的にはすべての噺が好きだが、唯一『たがや』はあんまり好きじゃないんだよなあ……。前にも書いたことがあると思うが、噺の途中で「うちのおじいちゃんがそう」「うちの女房がそう」といって脱線するのが話の腰を折られる感じであまり効果的とは思えないのです。今日は以前に聴いたときと比べて「うちの師匠がそう」というのが追加されていた。
まあ好みだと言ってしまえばそれだけなのだが。

三席め、赤木ファイルに触れ、「なんで今頃出てくるんですかね。『見つからなかった』って……。官僚てそんなに馬鹿なんですか? 前座が馬風師匠や権太楼師匠に『探してこい』って言われたら20分で見つけてきますよ。前座以下ならそれ相応の税金しか払いたくない」というのは正直そう思う。
「あのファイルを作った人も報われませんよ。悪いことをしたら悪い行いが返ってくる、というのと同じように、いいことをしたらいいことが返ってくるというのが理想でしょうね」と『佃祭』に。その話の流れと小間物屋が出てくるので『小間物屋政談』かとも思ったが。
「仕舞船がひっくり返った」という報を受けて、長屋の連中が「昨日蕎麦屋で会ったときに『一緒に行かねえか』って誘われてたんだよ。……行かなくてよかった」と正直すぎる感想を述べた上、お悔やみに行ったときにお内儀さんにそれを馬鹿正直に伝えるのがおかしい。しかもなぜか蕎麦をたぐる実演付きというバカバカしさがたまらない。
また次郎兵衛さんに女房を世話してもらったという半公が、悔やみで延々と「いかに自分たちの仲がいいか」というのろけ話をしているのがいかにも兼好師らしくて面白い。個人的にはここが一番のピークな気がする。船頭の亭主が「うちのが旦那を助けたんじゃないんだ」ちといいながら自分で何を言っているかわからなくなってしまう場面もいいが。

終演後、兼好追っかけ仲間から柚子胡椒をいただく。この人は九州出身で、自分好みの調味料を常に持ち歩いていて、飲み屋でもそれを出してくる。美味しい柚子胡椒を知ってるということで、以前「今度頂戴」とおねだりをしていたところ、それ以来ずっと用意していて持ち歩いてくれていたのだとか。ありがたやありがたや。柚子胡椒好きなんだよねー。鍋によし塩で焼いただけの鶏肉によし。歳の離れた友人というのはありがたいものですな。
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浅草演芸ホール 六月中席 [落語]

浅草演芸ホール 六月中席
於:浅草演芸ホール

昼席
入船亭辰ぢろ『たらちね』
林家八楽『平林』
入船亭小辰『金明竹』
古今亭文菊『道灌』
伊藤夢葉 マジック
柳家甚語楼『真田小僧』
入船亭扇辰『麻のれん』
すず風にゃん子 金魚
三遊亭歌武蔵『支度部屋外伝』
柳家はん治『鯛』
林家正楽 紙切り
三遊亭圓歌『やかん』
古今亭志ん彌『替り目』
ストレ-ト松浦 ジャグリング
鈴々舎馬風 漫談
柳亭燕路『お菊の皿』
鈴々舎馬るこ『置泥』
ロケット団 漫才
柳家小ゑん『フィッ』
柳亭市馬『山号寺号』
立花家橘之助 浮世節
柳亭こみち『片棒』

夜席
春風亭いっ休『子ほめ』
春風亭与いち『手紙無筆』
春風亭柳枝『初天神』
アサダ二世 マジック
古今亭志ん五『ロールケーキ』
春風亭柳朝『荒茶』
ホンキ-トンク 漫才
隅田川馬石『鮑のし』
春風亭正朝『星野屋』
翁家社中 曲芸
古今亭志ん輔『猫の皿』
春風亭一左『幇間腹』
五街道雲助『権助魚』
林家楽一 紙切り
春風亭一朝『祇園会』
柳家小菊 粋曲
春風亭一之輔『あくび指南』

こらまたいい顔付。しかも今日は交互出演がほぼほぼ私の好きな方が出演するという最高の組み合わせ。
小辰扇辰一之輔といういつも追っかけている人たちに加え、馬るこ市馬こみち柳朝馬石ホンキートンクという最近ご無沙汰している人たちも大量に補充できる上に一朝雲助馬風というプレミアもついてくる、そんでもってチラシ割引で2500円ってお得すぎでしょ。
本当は昨日も行きたかったけどさすがに浅草昼夜は疲れるので昨日は先週の仕事の疲労回復につとめてほぼ家から出ず。雨も降ってたしね。

小辰さん、骨皮の部分は抜きで最初から上方の使いから。
やっぱりピシッと上手い。一蔵さんのときも言っているが、自分が贔屓の二ツ目さんが寄席でウケているのを見るとなんか嬉しい。なんだろうな、大変イヤラシイ了見なんだろうけど、「どうだい俺のオススメの若手は。面白いだろう!?」という「本物をいち早く知ってる俺」っていう優越感なんだろうか。うん、だとしたら口に出して言わないようにしなければ。

文菊師、「ごめんなさいね、こんなイヤらしいお坊さんみたいなのが出てきて」ってもう完全にそういう路線を狙ってるよね!? いやまあ似合ってるしいいんだけど。

夢葉先生のムチも久しぶり。

扇辰師、夏らしく涼やかな一席。
蚊が出てきたり雷が落ちたりと涼やかな要素はあまりないんだけど、それこそ麻のれんのようなさらっとした肌触りのようなものを感じる。

はん治師、生簀に入れられた鯛が、生簀歴20年という先輩鯛に生簀の中で生き残るための術を教わるという新作。三枝時代の文枝師作の噺らしい。はん治師は三枝落語が多い? 面白いけど。

正楽師、雷門、七夕、線香花火のご注文。もちろん見事に切り抜く。

園歌師、古典をやるときもいつものような細かい小咄をつなげていくようなスタイルなのね。ひとつひとつのネタできっちりと笑いをとっていく貪欲さがすごい。

馬風師、コロナの入院体験談から先代三平師の噂まで。
大したことないように語っていたけど、やっぱりひと月入院したってのはなかなか重症だったんじゃないかなあ。髪も染めていないようで、真っ白に。

久しぶりの馬るこ師、また丸くなっているような……。ポッドキャストを聴いているのであまりご無沙汰感はないんだけど、やっぱり落語は楽しい。

市馬師、とんとん落ちの説明のための小咄として『九日十日』を演じるも、なんと最初に金毘羅様の縁日を尋ねられたときに「九日十日」と正解を答えてしまう。そのまま噺が進んでくうちに「……これ間違えました」と苦笑い。さすがにやり直す気力はなかったようで、「会長がこのていたらくなんだからあとは推して知るべし」ととんでもないことを言い出す。
『山号寺号』のためにとんとん落ちの説明をしたかったんだろう。
いろいろとこみち師を持ち上げるような山号寺号を出すところなどに市馬師の気遣いが見える。

こみち師、「会長自ら間違えてトリのハードルを下げてくれるという……」と会長をいじる。でもそれが許されるんだろうから市馬師の人柄や下から慕われているのがわかる。
長男は寺を借り切るのではなく、浅草演芸ホールを借り切って通夜をやるといい、さらに兄二人の下に鉄子という妹がおり、これがちあきなおみを歌うというなかなかぶっ飛んだ型。オチは変えないほうがいいんじゃないかなあ。


そのまま当然夜席にも居残る。

柳枝師は昇進後初。ちょっと丸くなった? カピバラ風に磨きがかかっているように思える。

柳朝師も久しぶり。もとから軽さが持ち味だったと思うが、さらに軽くなっているような。

新生ホンキートンクは初めて。トシさん時代のネタも残しつつ、新しいネタにもアップデートしているようだ。歌ネタはチェッカーズではなくKinKi Kidsに。

馬石師、鮑を持って大家さんちに口上を言いに行くところまで。甚兵衛さんの魚屋でのやり取りとメチャクチャな口上を楽しむ噺になっており、鮑を突き返されたりしないのが優しい馬石師風になっている。しかしまあ散々言われてることだろうけど、雲助一門てすげえな。弟子がみんな方向性違っていてそれぞれ売れてるって。

雲助師、お内儀さんに険がないのがいい。権助がおかしなことを言っていても本気で怒っているのではなく、呆れてるという感じが伝わってくる。こういうところを馬石師が継いでるのかなー。

楽一さん、梅雨入り、集団接種、東京オリンピック、猫。梅雨入りの紫陽花を見る親子が見事。

一朝師、イヤミな京都人と鯔背な江戸っ子の対比が鮮やか。
やっぱり一朝師の江戸弁の啖呵は聴いていて気持ちいい。

一之輔師の『あくび指南』大好き。
年増のいい女が師匠だと思って口説こうとして二枚目顔で「職業は……でえくです……。家……作ってます……」と決めるのがおかしい。そのいい女は師匠のおかみさんだとわかったときの「今月三度目だー」という嘆きとその後のやさぐれぶりがとにかく笑える。
「下地? あるわけねえだろそんなくだらねえもん!」「習いに来た人に面と向かって言われたのは初めてだ」というやり取りも好き。
一度手本を見せてもらったあとに心を入れ替えた八公に「おわかりいただけましたかな」とドヤ顔でキメる師匠もまたおかしい。

11時半過ぎから8時半過ぎまで約9時間。さすがにケツ痛い……。
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お江戸上野広小路亭 2021年6月13日 [落語]

お江戸上野広小路亭 2021年6月13日
於:御徒町 上野広小路亭

神田桜子『ジャンヌ・ダルク』
一矢 相撲漫談
桂歌蔵『片棒』
三遊亭圓輔『厩火事』
翁家喜楽 喜乃 太神楽
三遊亭遊馬『牡丹灯籠(お札はがし)』

遊馬師が主任なので仲入り後から。
……チラシを見ると今日の顔付けに夢丸遊雀の文字が。……えええええ、ネットにもそんな情報なかったぞ! いえよ! だったらもっと早く来たのに! つーかさー、HPあるんだからこういうのは早め早めに流さないと! 何のためのネットなんだよー。池袋とかはちゃんとやってくれてるのに……。
なんか広小路亭はあまりやる気を感じないというか。クラファンでも支援対象になってるけど、なんか違和感あるんだよなあ。今日もつばなれしてなかったけど大丈夫か。

桜子さん、……若手の女流噺家でもいるんだけどさ、こういう古典芸能にアニメ声いらんのよ。地の語りや男のセリフだと普通なのに、ジャンヌ・ダルクの声だけやたらアニメ声なのでその落差に背中がモゾッとする。俺が頭固いのか。いやでもジャンヌ・ダルクって英雄でしょ!? ロリボイスとか似合わないよ。

遊馬師、先週に引き続き『牡丹灯籠』。まあ大ネタ仕込んだんだし時期も合ってるしね。
孝助絡みのエピソードを削ってお札はがしのところだけにしても40分くらいかかる。
新三郎のお世話をしている伴蔵夫婦が幽霊にビビりながらも欲に負けてあっさりと裏切るのが恐ろしい。
それにしても最近は寄席でばかり聴いているので、遊馬師の得意ネタというか鉄板ネタばかり聴いている。『酢豆腐』とか聴きたいなあ。「遊馬百席」の復活はまだか。
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第十五回 大師匠噺 [落語]

第十五回 大師匠噺
於:両国 お江戸両国亭

三遊亭ごはんつぶ『秘密ばくろ』
蜃気楼龍玉『鰻屋』
三遊亭天どん『死神』
三遊亭天どん『熱中症対策本部』
蜃気楼龍玉『もう半分』

猫のトイレ掃除や久しぶりに洗車など。今日は日が出たり出なかったりだけど湿っぽくなくて過ごしやすい。

今回は「怪談」がテーマ。

ごはんつぶさん、酔っ払うとすぐに自分の秘密を話したくなる後輩と、口が軽くてすぐに秘密をしゃべっちゃうことを自覚しているためにあえて秘密を聞きたくない先輩の居酒屋での攻防。
先輩が「やめろ! 言うな!」といってるにも関わらず重めの秘密をペラペラと話し、「先輩もなにか秘密話してくださいよ!」と迫る後輩が面白怖い。サイコパス。

龍玉師の一席め、「呑みに行こうよ」と誘うも「銭は全然ねえんだ」と笑う男の表情が実に悪くて小憎らしいのがたまらない。こういう表情はホントに龍玉師は上手いと思う。
「鰻裂きの職人がいなくて……」と苦り切っている主に「じゃあおめえがやればいいじゃねえか」とニヤリと笑いながら迫る男の圧で追い込んでいくさまが実に自然で有無を言わせない感じがさすが。

天どん師の一席め、「ネタ出ししてますけどね、ネタおろしなんであっさりといきますよ」とどこか達観したかのような感じ。まあいつもの通りといえばいつも通りなんだけど。
主人公の男が明るくてまったく悲壮感がないというのが新鮮。
死神に対しても「おじさん、首くくるから帯貸してよ! 大丈夫、終わったら返すから」ととんでもないことを言い出す。
その死神、「お前、俺が見えるのか?」と主人公との出会いはまったくの偶然というのも初めて聴いた。
「お前は寿命がまだあるから死なねえよ。この松で首をくくっても枝が折れる……」「(ドサッ)いってえ、枝、折れるね!」「試すな! ……たとえば崖から落ちても……やめろ試すなバカ」というやりとりもバカバカしくて楽しい。
アジャラカモクレンの呪文は変えずにそのまま。「……呪文変えないんだ」「『誰はどうやってた』とかさあ……そういうのは立川流とかがやればいいんだ」などとバッサリ。
女房子供と別れないというのも初めて聴く型だし、ろうそくを継ぐときも「そうなの? 貸して。はいできたー」と何も恐れずにすぐできるというのも初めてという何から何まで新しい。それが天どん師らしくて面白い。もちろんサゲもこれまでの型とはまったく異なり、男の軽率な行動であっさりとろうそくが消えてしまうのだがそれがやや理屈っぽいのがいかにも天どん師っぽい。

天どん師の二席め、前に聞いたときもお江戸両国亭だったなーと思ったらちょうど二年前のこの会じゃないですか。
ホントに田舎の役場だったらこういうことありそう……いやさすがにないか? いずれにしてもこんな環境だったらストレスなさそうで羨ましい。

龍玉師の二席め、爺さんの金を見たときに最初こそ「届けてやらにゃあ……」と言ったものの、女房の「いいよ、そんなことしなくても」という一言であっさりと「それもそうか」と翻してしまう夫婦の酷薄さがなんとも。そっちのほうが後の生まれ変わりよりもよっぽど恐ろしい。またその時の表情が見事なんだ。
これまでに聴いた型だと爺さんは金を失くしたことに絶望して自ら大川に身を投げ、夫婦は後でそれを聞くというものだったが、龍玉師は出刃を持って爺さんを追いかけ、大川の橋の上で突き殺してしまう。さすが「殺しの龍玉」の異名は伊達じゃない。
全編を通して、昭和初期のノイズの多い白黒映画を見ているような光景が頭の中に浮かび上がる。世界観にブレがなく、精緻な語りをしているからなのだろう。
最後に「……もう半分」といったあとの一拍の余韻がとてもいい。

昼飯を食いはぐれたまま行ったので、終演後に弁当を買って早めの晩飯と晩酌をして昼寝というか夕寝をし、夜中に起きて酒を飲みながらこれを書いている。なんかメチャクチャな生活してるなあ。
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三遊亭遊馬独演会 2021年6月5日 [落語]

三遊亭遊馬独演会 怪談・牡丹灯籠 2021年6月5日
於:国立演芸場

三遊亭遊馬『牡丹灯籠(刀屋)』『牡丹灯籠(お露と新三郎)』『牡丹灯籠(お札はがし)』

圓朝師の牡丹灯籠を全編通しで行うという企画の独演会。今日は前半で、12月に後半を語るというもの。12月のチケットも取っている。
牡丹燈籠全編を聴くのは初めて。『お札はがし』を何度か聴いたことぐらいかな。
マクラも振らずすぐに噺に入る。二時間半たっぷりと牡丹灯籠。
いやあ複雑。パンフレットに人物の相関図を書いてくれているが、それでも場面が頻繁に変わって人物もどんどん入れ替わるので着いていくだけで精一杯。これ12月まで覚えていられるかな……。
『牡丹灯籠』といえばお露が女中のお米とともに新三郎のところを訪れてくるところだと思うが、これは前半部にあるのね。最後の話のオチなんだと思ってた……。
ところで幽霊のお露とお米が訪ねてくる場面にハメモノが入っていたのだが、それが『さんげさんげ』だった。幽霊よりも兼好師が出てきそう? まあよく考えてみれば『さんげさんげ』はもとが念仏だからなあ。
タグ:三遊亭遊馬
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特撰落語会 白酒・兼好 二人会 [落語]

特撰落語会 白酒・兼好 二人会
於:王子 北とぴあつつじホール

三遊亭しゅりけん『やかん』
三遊亭兼好『祇園会』
桃月庵白酒『犬の災難』
桃月庵白酒『茗荷宿』
三遊亭兼好『愛宕山』

今日は久しぶりに兼太郎さんの会へ行こうと思い、早起きして神楽坂までバイクで向かう。……がしかし、バイクを停める場所が見つからない。いや、バイク用の駐輪場がないことは事前に調べてたからわかってた。しゃーねえ路駐すっか、と思っていたのだが、……どうもどこも道が狭すぎるし住宅が密集していてバイクを置いておける雰囲気にない。それに路駐のお仲間のバイクがないとどうも不安なのだがそれも見当たらない。駐車禁止の表示は出てないからキップ切られることはないのかもしれないが……とウロウロしていたら開演時間が過ぎてしまった。これ以上探しても見つかりそうもないので諦めて帰る。つーか神楽坂近辺にバイクで行きたかったらどうすりゃいいんだ? というか東京はバイクに厳しすぎる。

王子もあんまり駐輪場ないんだよなあ……と思っていたら、北とぴあにはちゃんとバイク用の駐輪場が7台分用意されていた。初めて知った。とはいえバイクを停めたら警備員室にナンバーを申請し、帰りも申告するというシステムでちょっと面倒。それでもないよりは全然マシだけど。これまで北とぴあに行ったときは駐輪場に金払って停めたり、公園脇に路駐したりしていたのだがそんなことしなくてよかったんだなあ。

しゅりけんさんはこのところよく聴く『やかん』。なぜか「あれは観音ではない、聖くゎんのん菩薩だ」と話す「くゎんのん」が甲高く早口なのがおかしい。文字に書くと「クヮンノンッ !」って感じ。

兼好師の一席め、最近は日本も東南アジアのような気候になってきて四季折々というよりは「雨季」と「乾季」に分けたほうがいいのではないか、という。「さらにこの梅雨があけると今度は殺人的な暑さがくる。しかも今年はみんなが『やめたほうがいい』といっているのにオリンピックまでやるんですよ」。ねえ。正気かしら。
「私が一番心配しているのは、実際のところ特に何もなくオリンピックが終わってしまうこと。特に感染者が増えることもない代わりにイマイチ盛り上がらない、というのが一番つまらない」という。実は私もそうなるんじゃないかなーと思っている。「全国が盛り上がって『やっぱりオリンピックやってよかったね』となるか、パンデミックが広がって『そらみたことか』となるか、極端なことにならないと祭りとしては面白くない」という。
オリンピックをやるなら、地方の祭などもやらせたほうがいい、その地方の人たちはその祭を楽しみに一年過ごしているのだから、という。特に祇園祭などは疫病を鎮めるために行われたものなのに、コロナで中止になるというのは本末転倒だというところから『祇園会』に。
下手な人だと京都人の煽りがただただ不愉快なだけだが、兼好師がやるとなぜかそのイヤミさえ面白い。イヤミを言ったあとの笑い方が奇妙なのが強烈で、それで中和されるのかもしれない。

白酒師の一席め、現在池袋と新宿の寄席に出ているのだが、寄席が元気がないという。なのにその周りはというと緊急事態宣言もどこ吹く風で開いている居酒屋が大繁盛だとか。「もうあそこらへんは仕方ない。行くほうが悪いんだとと思うしかない。高田馬場なんかも路上飲みがひどいので駅前のロータリーを閉鎖したそうだが、逆にしないと。あそこで飲んでる奴らを集めといて、『お前らは出るな!』と閉じ込めないとダメですよ。あいつらバカばっかりなんだから」と過激なことをいう。「あそこにいるのはほとんど浪人生とか専門学校生とかバカばっかり。早稲田もいるけど早稲田は田舎モンのバカばかり。慶応は金持ってるバカ。法政は絵に書いたようなバカ。そもそも大学生はみんなバカ」と全方位に喧嘩をふっかける。「別に法政をそんなに悪く言うことはないんですが……でもD大とかいっちゃうと本当のことを言っちゃうんで」と特大の毒を吐く。
「でもやっぱりこういうときには楽しみを残しておかないと」と酒を呑むことについては理解を示す。「本来、酒の味はみんな好きではないそうです。酔いたいから飲む。川柳川柳師匠も酒好きで有名ですが、つまみがないときはお茶を飲みながら酒を飲んでる。『お茶がつまみになるんですか』と聞いたら酒の味を消すために飲んでると言っていました」とか。へえ。でも確かに実は私もアルコールの匂いってあまり好きじゃない。ウィスキーとか焼酎とか、アルコール度数の高い酒を飲めるようになったのもここ数年だしなあ。
「酒の味が好き、という本当の酒飲みは少ない」としながらいきなり「酒が飲みてえなあ」と始める。『犬の災難』は志ん生師が『猫の災難』をアレンジして作った噺、というのは知識としては知っていたが、実際に聴くのは初めて。そういや白酒師は古今亭か。
『猫の災難』では兄貴分に遠慮しいしい盗み飲みをしているが、この噺ではかなり堂々と飲んでいる。「ちょっとね、ちょっと」などと言いながら「一杯になっちゃったー、っと」全然悪びれていないところがおかしい。

白酒師の二席め、ウーバ○イーツに触れ、「絶対に頼みたくない。……だって街中で見かけるアレですよ? あんなのに運んでもらいたくない。アイツら絶対途中でペロッとやって『うーん、イマイチ』とかいってますよ」と偏見全開のことを言い放つがすっげえよく分かる。なんで責任も取らないでいい人が運んだものを信用して口にできるんだろう。
デリバリーの話から昔の物流の飛脚に話題が移り、『茗荷宿』に。
茗荷同様さっぱりとした一席。「茗荷の刺し身です」「生の茗荷だろ?」「刺し身です。わさび醤油でどうぞ」「退かねえな……」「茗荷の開きです」「切っただけだろ?」「開きです。大根おろしを添えて」「ホント退かねえな」というトンデモ料理のやり取りが面白い。

兼好師の二席め、「白酒師匠はあんなに毒吐いてよく暗殺されませんね」ってあなたも相当だと思うんですが。「さっき飛鳥山を見たら紫陽花がキレイに咲いてるみたいですね。昔は飛鳥山にもかわらけ投げがあったそうで……」とかわらけ投げが出てくる『愛宕山』に。一席めに引き続き、今日は兼好師の登場人物は京都にいるようだ。
山に登りながら一八がどんどん疲れていく様子があからさまでたまらない。
傘を手に崖から飛び降りようとしながら躊躇している一八に対して、「重蔵、お前背中を押してやれ」と命じながら実際に突き落とされると「お前ホントにやったの?」と裏切る旦那もおかしい。

終演後兼好追っかけ仲間と「どっか呑みに行くか?」と誘われるもバイクだし夜に遊馬師の会もあるのでパス。というか酒出すところあるのかな……。もうそろそろ酒解禁してほしいところ。
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