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ピッコロ寄席・三人船番外編 入船亭二ツ目の会 [落語]

ピッコロ寄席・三人船番外編 入船亭二ツ目の会
於:日本橋 食堂ピッコロ

入船亭小辰『悋気の独楽』
入舟辰乃助『茄子娘』
入舟辰乃助『恐怖のドラフト』
入船亭小辰『野晒し』

1日に複数の会に行くってのも久々。
とはいえ結局時間が開いているので一度横浜から自宅へ戻る。
雨が降っているのでバイクも使えず、焼酎を飲みながらソファで昼寝。今日は朝早かったからね。
なんかピッコロ寄席に行くときは雨のことが多い気がする。

この会は入船亭の二ツ目である小辰さん、辰乃助さん、遊京さんの三人でローテーションを組み、3週続けて二人会を開くというもの。今日は小辰辰乃助で来週は小辰遊京、再来週は遊京辰乃助という組み合わせ。来週のも行きたかったのだが満席とのこと。
今日は扇辰一門のふたり。
兄弟弟子だからか、お互いに一席めは前座時代のそれぞれのエピソードというか暴露話というかそういうのがマクラのメインになる。
小辰さんは辰乃助さんに対しては厳しく、辰ぢろさんには甘いという。辰乃助さんはもはや弟になってしまっているので、そんなに親しく接したいとも思わないのだとか。
「兄弟弟子というのは同じ人に惚れて入ったわけですから、いってみれば恋敵のようなもの。一番弟子は本妻でそれ以降は妾……いや、本妻はおかみさんか。……じゃあ弟子はみんな妾……んん、私は何を言ってるんだろう」となかなかの混乱ぶり。
妾や嫉妬の話から『悋気の独楽』に。
いつも思うのだが定吉が食べる饅頭が美味しそう。私はあんこは絶対につぶあん派なのだが、どうもここで食べているのはこしあんのような気がする。なんというか食べている仕草とか咀嚼音とかで。考えすぎかもしれないが。

辰乃助さんも小辰さんの暴露話。小辰さんが二ツ目に昇進したときに待ち合わせをしたら彼女と手をつなぎながらやってきたとか、辰乃助さんがヘルニアで動けなくなっているときに扇辰師と一緒にアパートへやってきたときのエピソードとか。
「入船亭の噺を」といって『茄子娘』に入る。
なんかわからないが茄子の精との交わりの場面がどうも生々しい。演者が若いからなのか。
あとこれも演者の若さによるものだと思うが、茄子娘をかわいがろうと膝に乗せようとするのが単純にロリ◯ンに見えてしまう。なんというか、辰乃助さん自身が生のパワーに溢れていて、五戒を保つ僧侶の枯れた佇まいと結びつかないんだよなあ。俺だけかもしれんけど。

二席めは新作。既存の東京落語の4団体が一度解散し、さらに新規団体も3つ加わって所属の噺家をドラフト会議で自由に指名できるというもの。昨年末に聴いた『前座ラウンジ』にも通ずる、現在の落語界をもとにしたif噺。
落協、芸協、立川流のドラ1が神田伯山で落協が引き当て、芸協は外れ1位で一之輔師を指名するなどいろんなねじれが生じて面白い。
が、小辰さんも言っていたが「誰に向けた噺なんだ?」というのは確かに思った。「(登場する噺家)誰も得しない。これ喜ぶのは(ドラフトの解説として呼ばれていた)広瀬和生さんくらいじゃないですかね……」というのは的確。でもまあ私みたいな無責任な半可通には面白かったですよ。

小辰さんの二席めは久しぶりの『野晒し』。
小辰さんは唄のある噺が得意というイメージないなあ。あまり唄は得意ではないと前に言っていたような気がする。ヘタじゃないと思うんだけど。師匠が上手すぎるから比べてしまうのだろうか。そう考えると唄の上手すぎる師匠ってのは酷ですなあ。
しかし川を流れてきたおまるを拾って中身をぶちまけた後に弁当を手づかみで食べる場面で「汚ったな!」と思わせる表現力は扇辰師にも通じると思う。
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第4回すーふぁむ落語会 [落語]

第4回すーふぁむ落語会
於:関内 横浜市開港記念会館

三遊亭兼好『蛇含草』『天災』

約3週間ぶりの落語。ずいぶん久しぶりのように思ってしまう。
結局GW中は初日に某二ツ目さんの会に行ったっきりで、それ以外はせいぜいバイクで都内をちょっと流してみたり近所を散歩したりする程度。あとはずっと家の中を掃除してた。
今の家に越してきて10年ちょっとだが、こんなに掃除したのは初めてじゃなかろうか。棚などもニトリで買い込み、引っ越し依頼片付いておらずブラックボックスとなっていたところにも手を入れた。やースッキリ。
猫の毛すごかった……。至るところに毛毛毛。こら獣毛アレルギーの人は呼べんわ。今はもう大丈夫。

さて。
しかし10時から関内はさすがに早い。
普段の仕事の日よりも早起きして会場に向かう。
まあ久しぶりに兼好師を聴くためだから仕方ない。

このコロナ禍で楽しみを見つけることが大切だといい、最近では横浜方面にきた時は行方不明になっているニシキヘビを見つけようとすることを楽しみにしているらしい。
「3.5mもあるものが見つからないってあります? 家の中で3.5mのものが見つからなかったことないでしょ? ……聞いてる?」。だって家の中に3.5mのものって言われても思いつかないもの。
「先代と当代の圓楽師匠を足したくらいの長さあるんですよ。見つかるでしょう。……どうも今日は同意を得られない」。
「今は豚を餌にしておびきよせようとしてるんですってね。……近所の奥さんとか呑まれちゃったらイヤですよね。『そっちじゃない!』って」。相変わらず黒い。
「3.5m程度でも人を呑めるそうですから、ホントにウワバミみたいなものはいたのかもしれませんね」と噺に入る。
なんと自然なマクラ。時期も合っている。
『蛇含草』久しぶりだなあ。約4年ぶり。
ご隠居を訪ねてきた男の落ち着きのなさが楽しい。その会話に巻き込まれて目を白黒させながらも冷静に対応するご隠居との温度差が笑いを誘う。
その落ち着きのなさが餅を食う場面でも表されており、焼いた餅を手にとって熱いのでパタパタ持ち替えたりするのだが、その慌ただしさがおかしい。兼好師自身も「どっちの手に餅を持ってるかわからなくなる」ほど。
餅の伸びる具合を表す仕草や目線の動きは相変わらず見事。

二席め、今年は猛暑になるという予報か出たそうで、昨年のような豪雨がなければいいが、と『天災』に。
これまた久しぶり。3年近く聴いていない。一時期よく聴いていた気がするんだけど。
乱暴者の八五郎が大家に「心学の先生のところに行け」と言われたときに「実はこの乱暴者の性格がちょっとイヤだった」と素直に従う。なるほどそう考えればちょっと話を聞いただけでガラリと趣旨替えをしてしまうのも納得できる。
紅羅坊名丸のところで「広い原なか」の例え話をされたときに「そんなところある?」と素直すぎる感想が素朴におかしい。
「じゃあ30凸凹の乙な年増が……」とさんざん盛り上がったところで紅羅坊に「という女は通らない!」とバッサリやられるのも面白い。

落語の後はピアノとストリングバスのジャズステージ。ピアノの方は以前にクルーズ船の仕事に兼好師と一緒に行った仲だとか。
ジャズは好きなのでステージ自体は楽しめたのだが、ちょいちょい司会が前に前に出てくるのがイヤだった。まあ身内の発表会のノリなのかもしれないけどさ……。
タグ:三遊亭兼好
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