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某二ツ目勉強会 [落語]

某二ツ目勉強会
於:都内某所

某二ツ目さんのシークレット勉強会。その人のブログとか見れば情報は出てるけど、かわら版などには掲載させてない。「この会の存在がSNSなどに上がったらやめる」とのことなので、年末の集計用に行ったという記録として。

しかし明日も有給をとったので今年のGWは7連休なのだが、予定はこれですべておしまい。
予約していた会とかすべて中止になってしまった。
明日の「一蔵ひとりの会」や兼好萬橘一之輔小せんという大好物の顔付のノラや「五月猫同窓会」とか。五月猫は昼夜でとってたというのに。
毎年のGWのお楽しみ「大日本橋亭」も昨年に引き続き行われないようだし。
頼みの寄席も4軒すべて休業って。
こらホントに家にこもって掃除でもしてるしかない……。
ちなみに今日は猫部屋のキャットタワーとケージ、それと風呂をピカピカにしてやった。
明日はどこを磨いてやろうか。ケルヒャーのスチームクリーナーってホントにいいのかな。
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第二十三回 東海道神奈川宿寄席 [落語]

第二十三回 東海道神奈川宿寄席
於:桜木町 横浜にぎわい座

三遊亭しゅりけん『やかん』
三遊亭兼好『看板のピン』
柳家㐂三郎『夢八』
柳家㐂三郎『徳ちゃん』
三遊亭兼好『崇徳院』

今日は窓ガラス掃除。
これから趣味を掃除にするか。
掃除してるとココアが邪魔しにやってくるのがかわいいながらもウザい。やめて。かわいいけど!

しゅりけんさん、ここんところ毎回いってるけどホント上手くなったなあと思う。最初の頃の『味噌豆』や『八九升』でハラハラしていた頃が懐かしい。
今日もあからさまに間違えてたところがあったけど、それを「あ、間違えた」などと言わずにさらっと処理しているのを見ると感慨深い。俺は親戚のおじさんか。
や、講談のところとかちゃんとできてるのを聴くと「ああ、あの子がこんなに立派になって……」と思うって。

兼好師の一席め、政府の「まん防」はつくづく失敗だと語る。「最初に『蔓延防止〜』というのが定着してから『まんぼう』と略すならともかく、いきなり『まんぼう』にいっちゃいましたからね、この刷り込みを覆すのはもう無理でしょ。最初にふざけた名前が頭に入っちゃったらそれを追い出すには相当時間がかかりますよ」という。確かに。
「なので、『㐂三郎』というのも同じですよね」という。……ん?
「これまで『小太郎』という名前に慣れてて、しかもそれが似合っていた。それを『㐂三郎』に上書きするのは相当大変ですよ。それに『㐂三郎』には大工のきさっぺの小咄があって、それに引っ張られる。私も『小太郎、じゃなくて、きさっぺ、……㐂三郎』と時間がかかる」という。まあ確かに。落語好きで「㐂三郎」といわれたらすぐさま「きさっぺ」と出てくるだろうし。「今日も顔を合わせた時に『間違えちゃいけない』と思いながらも最終的に出てきたのが『きたろう』ですから」という。それはそれで喜びそうだけれども。
「なので今日は『さすが真打』『さすが㐂三郎』という噺をしてくれるはずです」とハードルを爆上げする。
『看板のピン』は兼好師では久しぶり。
兼好師の噺は常に進化しているものとずっと変わらないものがあるが、この噺は二ツ目の頃から変わらない。
もちろん細かい言い回しなどは変わっているだろうが、入れ事や変わったくすぐりもなし。それだけ完成された噺なのだとも言える。
毎回同じ箇所で同じように笑ってしまう。わかっていても笑えるというのが落語のすごいところだよなあ。

㐂三郎師の一席め、「顔と名前だけでも」というのが噺家の常套句だが、「㐂三郎」という特殊な名前がそれを難しくしているという。今日噺を聴いて㐂三郎師に興味を持ったとしても、とにかく「㐂」という字が変換で出てこないので検索すらできないという。ひらがなで検索しても前述の大工の小咄しか出てこないそうだ。確かに。
「なので、パソコンなどで私の名前を入れるときはコピペしてください。そのやり方さえわからないという方は、もう諦めてください」。俺ももういちいちコピペするのが面倒なので、「㐂三郎」をiPhoneとパソコンに辞書登録しました。一発で出てくるので楽ちん。
「しかしなんでしょうね、兼好師匠のあのハードルを上げる感じ。愛のないムチみたいな。私はいかにその上がったハードルをくぐっていくかってことしか考えてませんから」だそうだが、まあ㐂三郎師ならできるでしょ。
今は披露目興行の最中なのだが、「周りが気を使っているのか、私が人気がないのか」それ以外の仕事がないのだという。本来この会は昨年行われるはずだったのが延期になり、その間に真打に昇進したため「もしかしたらキャンセルされるかも」と思ったのだそうだ。二ツ目よりもギャラが上がるし、主催者が気を使うことがあるらしい。「今日はそういうことを気にしない方でした」。
披露目だと縁起を担ぐのでできない噺が多いらしい。そういや昇進前に行った会でもそんなこと言ってたな。人が死ぬ、縁起が悪い、よくわからないといった噺をすると上から怒られるとか。「なのでそれらが全て揃った噺をやります」というセリフでまあ『夢八』だろうなと予想がつく。
吉村作治氏にも大ウケだったという首吊のシーンもたっぷりと。

二席めも披露目ではできないという廓噺を。そうなんだ。
『徳ちゃん』はあまり演る人が多くないようで、第一人者はさん喬師のようだ。てことは直伝なのかな。
㐂三郎師の軽やかな語りは主人公の噺家にピッタリ。ただその分モンスター花魁の迫力がやや弱いか。でもあんなの出てきたら嫌だろうなあ。

兼好師の二席め、相変わらず恋患いを打ち明けられたときの熊さんのリアクションが楽しい。
また、上野の山で短冊を渡すやり取りを若旦那がたっぷりと感情豊かにやって「いつまでやってんですか!」と熊さんがツッコミに回りながらも、大旦那に報告するときに自身もまた繰り返すのがおかしい。若旦那と熊さんで若干クオリティが異なるのも芸が細かい。

終演後は久しぶりに追っかけ仲間と野毛の立ち呑みでちょっと一杯。近所の子どもたちから懐かれてるという腹立たしいことを聞かされる。くっそ何それ。みんなーそのオッサンはそんな好々爺じゃねーぞー! 騙されるなー! いつも酒おごってもらってるけど!
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落語作家井上のかたち コタツヌーボー [落語]

落語作家井上のかたち コタツヌーボー
於:神保町 らくごカフェ

入船亭小辰『高砂や』『千両泥』『井戸の茶碗』

最近家の掃除をいろいろ行っている。
今日はガスレンジとダクトを。うちは揚げ物とかしないし煮物とかが多いのにやっぱり油まみれ。まあウチ建てて10年以上経ったがほとんど掃除してなかったからなあ。
午後からは久しぶりに休出。……なのだが、もう少しで会社の最寄り駅に着くというところてセキュリティカードを忘れたことに気づく。それがなけれはビルに入れない……! 運悪く今日は他に誰も出ていない。
結局一度ウチに取りに帰り、往復2時間弱を無駄にする。前にも1回やったから気をつけてたのに、久しぶりだったから忘れてた……。
せっかく休出したのに3時間しか仕事できる時間がなかった。……なーんか社長にイヤミ言われそうだなあ……。掃除は来週にしとけばよかったかな。

さてこの会は落語作家の井上新五郎正隆氏が噺家さんに当て書きで作った噺を掛けるというもの。
一度延期になり、1年越しで開かれた。1年前は予約できたのだが、今回のは早々に満席になったらしく。
一応キャンセル待ちを入れておいたら、1週間前にキャンセルが出たとの連絡が入った。
そもそも小辰さんが新作というのも珍しいし、しかも小辰さん用に書き下ろされたものなので正真正銘本邦初公演。そりゃまあ聴いておきたいよね。

とはいえ新作といっても現代物ではなく、いわゆる擬古典と呼ばれる「古典落語風の新作」。天どん師ではいくつか聴いたことがあるヤツ。なので小辰さんもとっつきやすかったという。

その噺は仲入りで演るということで、一席めは噺ができるまでのエピソードをマクラに。何度も書き直してもらったのに、延期のために時間が空いて改めて読み直したら最初のが一番よかったとか。「……私の意見なんてまるで無駄でした。……というか最近気づいたんですが、私は伝えるのが下手です。落語家になって13年経ってやっと気づくという……。私遅いんですよね、居酒屋のバイト5年やって『俺は接客向いてない』って気づいたくらいですから」だそうで。

その『千両泥』、泥棒たちが引退を決めた親分から宝の絵図面を貰い受け、それを掘り出しにいこうとするもの。
絵図面に書かれてる文字が読めないので、仲間の中で唯一字が読める主人公のところに弟分が相談に来るところから噺が始まる。
結局宝のありかは主人公の長屋の一番奥のうちで、しかしそこには乱暴者が住んでいて……というもの。
んーなんだろう、初演でこなれてないというのもあるのかもしれないが、なんとなく「薄味」。随所に笑いどころはあるのだが、それらが一気にドカン、という感じではない。
もっとも新作の場合、聴いてるこっちも初めてなので、話がどう転ぶか予想がつかずに笑い逃すということもあるのだけれど。
やはり先人たちが工夫を重ねた古典というのはよくできてるなあと改めて思わされる。

それは小辰さんも思ったようで、「落語というのは毎日『再演』ですから。毎日どこかで同じネタがリバイバルされている。『発展がない』と言われてしまうかもしれませんが……。私もいずれあのネタを寄席でできればいいなと思います。思うだけで演るかどうかはわかりません」とのこと。
小辰さんによれば、寄席芸人はどうしても噺を寄席ナイズして考えるのだという。
時間もそうだが、『千両泥』はいろいろな要素が多いのだそうだ。「泥棒」「乱暴者」「たくさんの人物が出てくる」など。あとは「無筆」もだな。そうすると、それだけ「つく」噺が増えるので、寄席で後の人を考えるとやりづらいのだそうだ。なるほどなあ。
寄席では各師匠方はつくことを気にするそうだ。ネタ帳を見て、知らない新作があると「これ、なにがつくの?」と必ず確認するのだそうだ。そうすると前座さんは「コレとコレがつきます」と答えるのだそうだ。自分が前座の頃、それが面倒だったので後輩に同じ思いをさせるのは申し訳ないという。
「そう考えるとやっぱり古典はすごい。『高砂や』なんて『高砂やが上手くできない』ってだけで内容がなくて何もつきませんから」。確かにそういう噺は残りやすいのかな。
柳勢師が前座の頃はその受け答えが上手かったらしく、ある師匠が前座のしくじりエピソードの漫談で降りたときに他の師匠から「これ何がつくの?」と聞かれたら「与太郎がつきます」と答えたそうな。
そんな古典礼賛のマクラが並んだ後の扇辰師仕込みの『井戸の茶碗』は誠に端正で大変結構でございました。
やっぱり千代田卜斎の凛とした佇まいと高木作左衛門の爽やかさがいいですねえ。
タグ:入船亭小辰
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みずほ笑ホール寄席 兼好たけ平二人会 [落語]

みずほ笑ホール寄席 兼好たけ平二人会
於:箱根ケ崎 瑞穂ビューパーク スカイホール大ホール

三遊亭兼好『孝行糖』
林家たけ平『源平盛衰記』
林家たけ平『鷺とり』
三遊亭兼好『竹の水仙』

いやはやこの1週間でどんだけ落語行ってんだってハナシですよ。
池袋はギッチリでヤバそうな感じがしたけど、この会場はだいふ広くて余裕があるので大丈夫。何が大丈夫かわからんけど。
この会に行くときはいつも車だったのだが、今日はバイクで。いつも新青梅街道が混んでて時間通りに着かないので、小回りのきくバイクの方が都合がいい。
やっぱり今日も道が混んでる。途中でメシを食おうとするも、ロードサイドの店はどこも家族連れで激混み。うーむ。
結局開演5分前に滑り込む。どうやら予約していた人の中で最後だったらしく、「今電話しようかと思ってた」と言われてしまう。危なかった。そういやこの会前座いないことも多いんだよな。
北千住在住コンビの会に北千住民が東京の端っこまで聴きに行くという。

兼好師の一席め、次に緊急事態宣言をする場合は栃木を外すように、とともに、ワクチンについては若者の方を優先した方がいいと提案する。
このままだと医療従事者と高齢者に接種するだけでかなり時間がかかってしまう。それならば若者を優先して接種して経済を回した方がいいのでは、とのこと。そりゃ一理ある。ただそうなると若者とも高齢者ともいえない我々世代がまたワリを食いそうだなあ……。就職氷河期、昭和49年生まれは常にワリを食わされた世代だからな! いずれなんか世の中に報復してやるから覚えてろよな! などとテロリストのような思考になりながら噺を聴くが、まったくもって与太郎は偉いね。
自分の境遇を嘆くことなく楽しく生きてるもんなあ。バカなだけかもしれないけど。俺も今後歳を聞かれたらとりあえず「お向かいの金ちゃんと同い年」と答えてみっか。

たけ平師、『源平盛衰記』の『扇の的』部分。やっぱり地噺好きなんだなあ。
というかこの口調を聴いていると講釈師の方が向いていたのでは……? と思ってしまう。まあ余計なお世話なのですが。
二席めの『鷺とり』も結局は地噺になってるし。まあここまでくれば個性だよなあ。

兼好師の二席め、最近は旅の仕事もようやく少し増えてきたが、車両内はガラガラなのになぜか指定席は席を固められると不平を漏らす。へえ。そういや新幹線も乗ってないなー。乗りたいなー。
「昔は歩いて旅をするしかなかった」と『竹の水仙』に。一言めが「許せよ」と武家言葉だったので『抜け雀』かと思ったが。
ん、なんで甚五郎が武家言葉使うんだろ。今度機会があれば聞いてみよう。
相変わらず甚五郎に上手いこと丸め込まれる宿の主人夫婦のチョロさが楽しい。

昼間も陽が出てる割には肌寒かったが、陽が暮れたらホント寒い。
いつものように会場近くの温泉に行って久しぶりの温泉を味わったが、すっかり冷えてしまった。冬と同じくらいの格好で行ったんだけどなあ。
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池袋演芸場 四月上席 四月十日 [落語]

池袋演芸場 四月上席 四月十日
於:池袋演芸場

昼席
三遊亭歌彦『初天神』
アサダ二世 奇術
三遊亭窓輝『武助馬』
古今亭駒治『十時打ち』
風藤松原 漫才
神田茜『あちらかしら』
三遊亭白鳥『実録鶴の恩返し』
ストレート松浦 ジャグリング
柳家小ゑん『焼きそば』
三遊亭ふう丈『新作(配信物件)』
入船亭扇辰『三方一両損』
林家楽一 紙切り
三遊亭天どん『新作(寄席案内)』

夜席
入船亭扇ぱい『饅頭こわい』
春風亭㐂いち『熊の皮』
春風亭与いち『のめる』
笑組 漫才
春風亭一左『堪忍袋』
柳家はん治『妻の旅行』
立花家橘之助 浮世節
古今亭志ん輔『宮戸川』
春風亭一朝『芝居の喧嘩』
春風亭朝之助『ぐつぐつ』
柳家三三『しの字嫌い』
林家二楽 紙切り
春風亭一之輔『粗忽の釘』

さすがに同じ芝居を3回、しかも昼夜、しかも2日続けてというのは初めて。ホント「他に行くとこねーのか」って言われそう。ブログの更新も滞る。まあ千穐楽なんで。

駒治師、昨日のマクラで『十時打ち』について話していて、聴きたいと思っていたので嬉しい。

白鳥師、高座の上に持ち込んで座布団の前に置いてる箱なんだろう……。

ふう丈さん、自分で企画して撮影した噺家が出演した配信ドラマについて話す。「苦労の割に再生回数が全然伸びない。配信に夢なんか持っちゃダメです。噺家がバンド組むとかやっちゃダメです」。一蔵さんが話してるのしか聞いてないけどそんな内容だっけ。
噺も天どん師の弟子のごはんつぶさんが私生活を定点カメラで配信する代わりに格安で住めるというもの。実在のごはんつぶさんの名前出す必要ある?

この顔ぶれの中の扇辰師が嬉しい。一度ピシッと締めてくれる感じがする。
ただ、「ふう丈、なんだあの野郎。喧嘩売ってんのか?」とおかんむり。そりゃ三K辰文舎の活動をしている師匠からすれば「噺家がバンド組むとか」っていうセリフはカチンときたんだろう。
「寄席の持ち時間は短いんだよ。でもまあ江戸っ子のお噂でも……」と噺に入る。
トントンと軽やかに語られる江戸弁の啖呵が気持ちいい。
大岡様が出てくる前にサゲ。

天どん師、ふう丈さんの配信動画についてさんざんこすりまくっていたらふう丈さんが乱入。構わずその後にも続けていたらもう一度乱入される。一回でいいよ……。「噺家がバンド組むってね……」と話したら今度は扇辰師が乱入。これには天どん師もちょっと驚いていたっぽい。「バンドを否定したわけじゃないんですけどね……。これで楽屋にも誰も味方がいなくなった」。
噺は若いカップルが末廣亭にやってきて、男が寄席を案内するというもの。いろんな寄席の裏話や暴露話が盛り込まれていて最高。天どん師のあの飄々としたシニカルな口ぶりで語られるとほんと面白い。

㐂いちさん、さすが一之輔師の総領弟子というか。前座で聴いていた頃よりだいぶ上手になってるなーと思う。

与いちさん、濃い顔がこういう滑稽噺によく似合う。

志ん輔師、叔父夫婦の昔話の場面でサゲ。
家に入ってきたお花を見たときの叔父さんのニヤ~っとした表情がたまらない。

一朝師、トントンとした江戸弁が飛び交うのが心地よい。
一之輔師も「前座の頃習ったんですけど、演ってないですね……。ああいうの聴くといいなあと思うんですけどね」。

朝之助さん、本家小ゑん師の『ぐつぐつ』は一度しか聴いたことがないが、なんとなく小ゑん師っぽい感じがする。
久しぶりに聴く噺だが面白い。主人公のイカ巻のなんとなく情けないようないい人っぽい感じが朝之助さんに合っているように思う。

三三師、いやーこの木戸銭でこんな顔ぶれを一度に聴けるとかホントお得な芝居ですよ。
『しの字嫌い』も久しぶりに聴くが、清三と旦那のバチバチのやりとりが楽しい。

一之輔師、この間客席からの声掛けで気づいたのだが、今年で芸歴20年なのだという。◯周年記念の興行とかはしない方がいいと師匠にも言われたそうで、「そういうのはやりません。……決めました、今日が20周年記念興行です!」と宣言して大きな拍手。
入門願いに行ったのが20年前の4月下旬で、噺家になると客席に入れなくなるため、最後に寄席に行こうと通ったのがこの池袋だそうだ。
「4月上席でしたね。昼が真打昇進したばかりの喬太郎師匠で、夜が志ん朝師匠だったんですよ。その月の29日に亡くなった右朝師匠も出ててね。思えばあれが最後の高座だったんじゃないですかね。志ん朝師匠がトリとるなんて年に二度くらいしかないから超満員で、昼夜入れ替えなしなので昼から入って。そしたら4日めくらいから入れ替えにしやがったんですよ!」と思い出を語る。
「最終日にも来ました。だからちょうど20年前の今日ここが客として最後の寄席だったんですよ。そう思うと感慨深いというか」。今日の高座を聴いた人がまた弟子入り志願にきて、その人もまた大人気芸人になったらすごいだろうなあ。
久しぶりの『粗忽の釘』をたっぷりと堪能。新居に張ってあった蜘蛛の巣のクモが「天どんに似てる。殺しちゃえ」といって釘を打つ。イチャイチャしてんなあ。
隣の人に「どこに釘打ったんですか」と聞かれて「天どんの上」と答えるのがおかしい。ちゃんと伏線を回収している。

さすがに落語聴きすぎたか。
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池袋演芸場 四月上席 四月九日 [落語]

池袋演芸場 四月上席 四月九日
於:池袋演芸場

昼席
三遊亭ぐんま『赤ちゃんハイハイ』
三遊亭歌彦『魚根問』
アサダ二世 奇術
三遊亭窓輝『権兵衛狸』
古今亭駒治『生徒の作文』
米粒写経 漫才
神田茜『でもね』
三遊亭白鳥『マキシム・ド・呑兵衛』
ストレート松浦 ジャグリング
柳家小ゑん『レプリカント』
柳家花いち『アニバーサリー』
橘家文蔵『千早振る』
林家楽一 紙切り
三遊亭天どん『私をそば屋に連れてって』

夜席
入船亭扇ぱい『子ほめ』
春風一刀『最後の晩餐』
春風亭与いち『家見舞』
笑組 漫才
春風亭一左『そば清』
橘家圓太郎『棒鱈』
立花家橘之助 浮世節
古今亭志ん輔『元犬』
春風亭一朝『湯屋番』
春風亭朝之助『だくだく』
古今亭菊太楼『猫と金魚』
林家二楽 紙切り
春風亭一之輔『鰻の幇間』

有給。
法務局に書類を取りに行ったり掃除したり。

え、なんか人多くない? 平日の昼間なのに。

駒治師、骨組みは『生徒の作文』だが、肝心の生徒の作文は駒治師らしく鉄道のことがメインになっている。『恋の山手線』のように作文の中に地下鉄の駅を盛り込むのはお見事。さすが。

米粒写経の漫才は初めて聴いた。韓国語や他の言語のように日本語を話すネタ。サンキュータツオさんと居島一平さんの頭身差が気になる。

白鳥師、ネタの中でちょいちょいスベり、「このネタの賞味期限も切れてきてる」「そんこというな、いろんな人がやってくれてるんだ」「そんなこといったって誰もお金くれないんだぜ……」「やめなさい!」とメタ発言がおかしい。

花いちさん、以前にも聴いたことがあるが、売れない噺家が記念日の食事するのに扇子と手ぬぐいで見立てるというもの。
これもまたメタっぽくて楽しい。

文蔵師、前座さんがまだ高座返しをしている間に登場。「急いでるもんでね」。なんかいつも何かしら前座さんと絡んでる気がする。そういうの好きなんだろうな。
噺は先生と愚者ではなく、兄貴分に弟分が聞きにくるという型。
兄弟分だけにツッコミやこじつけの押し付けも容赦ない。「『とは』って何? 『千早の本名』とかダメだかんね!」とかものすごくおかしい。今まで聴いた『千早振る』の中で一番かもしれない。
「『とは』とは!?  ……トリの天どん任せよう」でサゲ。キラーパス出すなあ。

天どん師、いつもながらぼやき節が止まらない。「もしかしたら今日初めて寄席に来たっていう人もいるかもしれないですけどね。そんなの知らないですよ。入口に『天どん』って書かれてるのに入ってくるほうが悪い」って。
「毎日言ってますけどね、皆さん8時になったら帰ってくださいね。最後までいちゃダメですよ」と仲良しアピール。
「トリは大変なんですよ。ああいうことされるの困るんですよね。……全盛の花魁が乞食になったらフジテレビの『ザ・ノンフィクション』あたりが密着するんですよ。でー、ディレクターがいうんですよ。井戸に『とーっ』と飛び込んでくださいって。で、『わー』ってなるんですよ。……こんなんでいいですかね」。おおー。なるほど!? いや文蔵師の噺のテイストには合っていると思います。
元から一之輔師と比べられるという『私をそば屋に連れてって』、今回の芝居にまったくぴったりじゃないですか。そんな空気も相まってひとつひとつがとても面白い。いろいろと暴露話もちょいちょい挟まるのがたまらない。

今日も半分以上が夜席に残るっぽい。

一刀さん、現代の男子高校生はずなのに熊さん八っつぁんの口調なのが面白い。……けどネタの体感時間は40分。話の展開が読めてしまうのが結構キツいかなー。

与いちさん、最近『家見舞』聴いてないなー。
やや大げさだけど、それが噺と合っていて面白い。

一左師、こないだ三朝師が同じ出番で同じネタをやっていたねえ。いやそれだけ。

圓太郎師、薩摩の田舎侍が唄っているところで「そろそろ橘之助師匠の三味線が聴きてえや」でサゲ。上手いなあ。

一朝師、軽薄な若旦那の雰囲気もいいですねえ。

朝之助さん、以前はクセのある語り口がちょっと苦手だったのだけど、今ではそのクセが好ましい。
なんかね、ちょっと落ち着くんですよ。人柄がにじむというか。

一之輔師、鰻の焼き加減を表すオノマトペが「ばいーん。ばいんばいーん」というのがおかしい。箸で切るのを苦労した上に、怪訝な顔をしながらずっと噛み続けた上で「美味い!」といわなければならない悲哀が切ない。
サゲも通常のものよりももう一捻りしてあってそれが楽しい。

まだやっぱり夜のバイクは冷える。
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両国寄席令和3年 4月8日 [落語]

両国寄席令和3年 4月8日
於:お江戸両国亭

三遊亭道楽『鼓ヶ滝』
ステファニー 奇術
三遊亭兼好『お見立て』

今はちょうど仕事の谷間。帰れる時に早く帰らなければ。ホントは今日有給取って久しぶりに梅屋敷寄席にも行きたかったのだが、急遽打ち合わせが入る。しかもこのご時世リモート打ち合わせではなく直接来いという。もー。
なので有給は明日明日に持ち越し。明日はまた池袋に昼夜籠ろうかな。

受付で兼好師の名前を言って割引1200円で中に入る。
……ん、仲入り過ぎてるんだから割引してもらわなくても1000円だったのでは? やりやがったな西村。
まあもしかしたら今は仲入り後割引はないのかもしれないししょうがないか。

道楽師、真打で絶句って初めて見た。しかも2回。
レアっちゃレアだけど。

今日のステファニーはポロン先生。
定番のハンカチやトランプをいくつか披露した後に「タネがショボすぎる」「作りが雑」などの理由で買ったはいいけれども舞台でやらない「積みマジ(ック)」をいくつか。なるほどショボい。チープすぎて笑える。

兼好師、客席に若い人がいるのを見つけたようで、「高校生? じゃあ廓の噺を……」とマクラもほぼ振らずに噺に入る。
いつもながら杢兵衛お大尽の能天気ぶりが楽しい。
そしてそれに対する喜助のにじみ出る苦悩がおかしい。お大尽に「見舞いぶつべ。実の兄貴ってことにすれば問題なかんべ。よう見たら面差しもよう似とる」という発言に対する冷笑の表情が絶妙。
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池袋演芸場 四月上席 四月四日 [落語]

池袋演芸場 四月上席 四月四日
於:池袋演芸場

昼席
アサダ二世 奇術
蜃気楼龍玉『道灌』
古今亭志ん五『トイレの死神』
風藤松原 漫才
神田茜『今座の恋の物語』
三遊亭白鳥『座席なき戦い』
ジキジキ 音楽漫談
柳家小ゑん『フイッ』
三遊亭美るく『洒落番頭』
柳家甚五楼『町内の若い衆』
林家楽一 紙切り
三遊亭天どん『新作(普通の一日)』

夜席
鈴々舎美馬『子ほめ』
春風亭㐂いち『金明竹』
春風亭与いち『幇間腹』
笑組 漫才
春風亭三朝『そば清』
橘家圓太郎『締め込み』
立花家橘之助 浮世節
古今亭志ん輔『紙入れ』
春風亭一朝『花見酒』
春風亭一蔵『佐野山』
古今亭菊之丞『親子酒』
鏡味仙志郎 仙成 太神楽
春風亭一之輔『千早振る』

いろいろと納得のいかないままぐるぐると考えてしまうが、結局最後には「もうどうでもいーわ、好きにしろ」となってしまう自分の気性が近頃なんだか気に入らない。
そうはいってもこの状況のもやもやを解消できる考えも思いつかない。いっそすべてをリセットしてしまうか。でも猫いるしなあ。

などとぐるぐる考えているが、池袋の芝居がアツい。
昼席天どん夜席一之輔、天どん師からの営業ハガキで2000円に割引で入替なしってこりゃあ一日籠るしかなかろう。
夜は雨が降るということなので電車で。
最近駅近にオールタイム生ビール1杯150円で、食べ物が皆100円、300円、500円の店ができた。300円メニューが多く、メニューやコックによって当たり外れが大きいのだが、どれも「これが300円!?」というボリューム。特に唐揚げなど大きなもも肉が6つという超お得。味も美味い。これでもう俺は理想の唐揚げを求めていろんな店を巡る必要がなくなった。
で何がいいたいのかというと、この店24時間営業なので昼でも普通に呑める。チャーハンなどの飯物も300円で揃っているため、千円あればビール2杯に飯とおかずが揃ってしまう。ということで今日もここで昼からビールを呑んでから池袋へ向かう。バイクじゃないとこういう事ができるのがいね。

開演時間を少し過ぎてから入ったのでアサダ先生がすでに高座に上がっていた。「いらっしゃーい」と「今日はちゃんとやります」が聞けなかったのが残念。でもそこ以外はほとんど見られた。

龍玉師の『道灌』を聴くのは初めてかも。
余計なところをギリギリまで削ぎ落として、寄席サイズでもちゃんと面白いところだけを膨らませている感じがする。

志ん五師、尿意と戦う噺。途中からなぜかトイレの死神が現れてなかなかトイレに行けないという「あるある」+ファンタジー。尿意がろうそくで表現されるというのは面白いが、オチは「まあそうなるだろうなあ」と思ってしまう。

白鳥師は久しぶり……と思っていたら一年ちょっとぶりだった。そんなに久しぶりでもなかった。
アメ横には魚屋と並んでゴルフ用品屋がたくさんあり、そこでは「5番アイアン1本500円、お一人様3本限り」というセールがよくあるらしい。
「私ゴルフしないんでよくわからないんですが、5番アイアンってそんなに必要なんですか?」という至極ごもっともな疑問から産まれた一席で、山手線内のBBAたちとの座席をめぐる争いの噺。そこにマグロの頭が絡んできてカオス。多分文章では伝わってないと思うけど。

小ゑん師の『フィッ』は初めて聴く。演目としてはよく目にしていたので聴けて嬉しい。しかしまあよくこういう発想が出るよなあ。

今年初天どん師。最近東京近郊での土日の会が少ないような。
終演後に受付でCDを売っているというので見に行ったところ、やっぱり全部持っていた。天どん師からも「久しぶりだねー、全部持ってるでしょ? 今日バイク?」といわれてちょっと嬉しい。我ながらチョロい。
噺は最近できたもののようで、「演目名はまだないんだけど」と他の人と話しているのが聞こえてきた。
急に胸の痛みを覚えた主人公が、神様に子どもの頃に戻してもらって一緒に料理をしたりするというもの。主人公は「これは明晰夢だ」と思っており、実際のところはどうなのかはハッキリしない。ほのぼのファンタジーのような、ちょっといい話のような。
テイストでいえば『公園の悪いおじさん』とか『カベ抜け』が近いか。

結構な人数が夜席にも残っていた。まあこの組み合わせは食い合わせ的にちょうどいいような気がする。あくまで個人的な感想です。

㐂いちさん、ちょっと旦那がガミガミ叱りすぎかなあ。あんまり松公に対する愛情が感じられない。
噺は無駄がなくて上手いと思うんだけど。

与いちさん、大げさというかクサいというか、微妙に大味な気もするんだけど、若くて元気な感じと相まっていてそれもまた楽しい。

笑組、ツッコミのかずお先生が舞台衣装を忘れた時の話をボケのゆたか先生が滔々と語る。ちょうど9年前の4月4日、末廣亭での一之輔師の真打昇進披露興行のときだったそうで。私服のジーンズで舞台に上がるというかずお先生に、先代の圓歌師が「歌武蔵の衣装着たらどうだ」となったとか。さすがにそんなわけには行かず、当時前座だった一蔵さん(朝呂久だったので「チョロQ」と呼ばれていたとか)に着物を借りたそうな。

志ん輔師、いつも『紙入れ』を聴くときに新吉が旦那に「見つけましたか?」とか「読みましたか?」と尋ねる場面に違和感を覚える(そんな聞き方したら自白してるようなもんじゃん、と思う)のだが、志ん輔師の尋ね方だとその違和感はなかった。

一朝師、『花見酒』は久しぶりに聴いた噺だがやっぱり面白い。
兄貴分が酒屋をうまく丸め込むところの口上などはスルスルっと耳に飛び込んできて心地よい。
一朝師の心地よさってのはまた別格な気がします。

一蔵さん、普段は独演会や二人会などばかりなので、寄席で聴くのはなんか新鮮。
寄席サイズでコンパクトにまとめながらも爆笑をさらっているのを見るのは贔屓としてなんか嬉しい。
いろんな人が高座で一蔵さんのことをいじっているのを聴くと、周りから愛されてるんだなあと思ってこれも嬉しい。

菊之丞師はもう文句もつけようのない本寸法。
所作も美しく、駄々っ子になる大旦那もキモかわいい。

一之輔師、明日は長男の高校の入学式らしい。「行きたくないんですよ。もう高校一年生男子なんてこの世からいなくなればいい」。
どうやら仕事について生意気な口をきかれたらしく、「ドラマとかでよく言ってるのを見てうわーって思ってたんですけどね……。まさか自分がホントに言っちゃうなんて思ってもみなかったんですけど言っちゃったんですよね……。『誰のおかげで飯が喰えてるんだ!』って」。あらー。
「そしたら『別に悪いなんて言ってませんけど?』みたいに返されて」と苦虫を噛み潰したような顔がおかしい。
「多分明日いろいろあると思うんで、それを明日のマクラにします」マジか行きてえー。
「昼席は新作ばかりで。最近新作派が増えてきて芸協と逆転してるような気がします。夜席はね、圓太郎師匠、志ん輔師匠、うちの師匠に菊之丞師匠と古典の本格派ばかりですから。……一蔵は違うけど。私も古典の保守本流をやっていきます」と噺に入る。
「横丁のご隠居のところに熊八なるものが飛び込んでくるところから噺が始まるようで……」という入り方こそ保守本流だが、そこでご隠居がやっているのは録画した『麒麟がくる』の消去作業。
そこからは入れ事と悪ふざけのオンパレード。ホンモノの保守本流好きには眉を顰められるだろうが、そんなもんどうでもいいぐらいの大爆笑の連続。こんなに噺を崩していながらも、大筋は古典のままなのがいいのかもしれない。

満足。
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三遊亭兼好独演会けんこう一番!春スペシャル [落語]

三遊亭兼好独演会けんこう一番!春スペシャル
於:大手町 よみうり大手町ホール

三遊亭兼好『粗忽長屋』
三遊亭しゅりけん『元犬』
三遊亭兼好『磯のあわび』
田ノ岡三郎 アコーディオン
伊澤陽一 スティールパン
三遊亭兼好『抜け雀』

女は怖いわ。結局俺がガマンしなきゃならんのか。

兼好師の一席め、「まん防だって。萬橘の弟子かって話ですよねえ」となぜか嬉しそう。「非常事態宣言の後にマンボウって。絶対順番間違えてますよね。まず『マンボウ』で柔らかいところから徐々に怖い印象にしていって、最後に『非常事態宣言』にするべきだった」と言いながら、「マンボウ」のところで必ず小脇で手をピロピロとやるのがおかしい。
「みずほ銀行もねえ。あれだけミスが続いたらどうしようもないですね。いっそ悪い印象を逆手にとって、ATMが止まってしまったらたまに指定金額より多く出てくるってしたら誰も怒らないのでは」という。それはいいなあ。口座に1千万入っていても利息なんか100円もつかないのに、時間外に金下ろすだけで220円とか取るからなあ。俺の口座も間違えて残高3倍とかにならないものか。
「今の世の中に足りないのはそういう間違いなどを許す余裕」といって間違いばかりを引き起こす人々を描いた噺に入る。いやホント同感。テクニカルライターなんぞをしていると、「え、それを『間違い』扱いするの? いや確かにムリヤリそう取ろうと思えば取れるけど。ええー。別によくない?」というような内容でやり直しさせられたり、下手するとこちらの有責で再納品とかよくあるんだ。もちろんこちらの有責なので請求もできない。ものすごく納得いかないけどクライアントや社長からやいやいいわれるから収めてるけど。あんまりバカにすんじゃねーよクソが! と声を張り上げたいときも多々あるのです。あとはそれがいつ爆発するかだけだよなあ……。
と閑話休題。
相変わらず兼好師の突き抜けた明るさで、まるで人が死んだという内容には程遠い楽しさ。
メチャクチャなことを言っている兄貴分が、「死んだ気がしねえ? 人が死ぬっていうのはそういうもんだ、俺だって大好きだった婆さんが死んだときは悲しくなかったんだ。でも何日か経って『ああもう会えないんだなあ』と思ったときに悲しくなるんだ。そうやって時間が経たねえと実感なんて湧かねえんだ」とかたまに妙に理屈っぽいことをいって周りを(ムリヤリに)納得させるのがおかしい。

しゅりけんさん、まだテレがあるか。兼好師の型の『元犬』はどれだけ突き抜けてできるかがポイントだと思う。

兼好師の二席め、入社2年目の若手が元気がないというところから話が膨らむ。というのも今年はコロナ禍にも多少慣れてそれなりにできることが増えたが、去年はでいろんなものが中止にされて経験できなかったことが多かったためだとか。
そこから急に馬の話になったのだが、どうやら藁にはある一定の条件が揃うと気分を高揚させる成分が分泌されるのだとか(それでドーピングに引っかかることがあったそうだ)。「ハイジがあんなに前向きなのは藁のベッドで寝ているからなのでは。なので2年目の若手の机の下に藁を敷いておけばいい」という。俺のデスクの対面の2年目にやってみるか。パワハラで訴えられたらどうしよう。
「新人はルールがわからないから不安になる。昔も吉原に行くのにルールを勉強していったようで……」と『磯のあわび』に。こないだ小痴楽師で聴いたばかりで、この噺が被るのは珍しい。まあ単にタイミングだけの話だけれども。
天真爛漫なバカの与太郎の暴走が面白いのはもちろんだが、「女郎買いのお師匠」を押し付けられたご隠居の夫婦関係にヒビが入りそうな空気がまた楽しい。兼好師っぽいなあ。

久しぶりのゲストはアコーディオンとスティールパンのおふたり。アコーディオンはともかく、スティールパンは珍しい。この音色好き。
演者の伊澤さんは本場のトリニダード・トバゴでも演奏しているのだとか。
途中でスティールパンの演奏面も見せてくれたが、特定の位置を叩くとそこの場所に合わせた音が出るようだ。しかしそれがドレミの順に並んでるわけではなさそうで、それを覚えるのがまずは大変そう。
「舞台の上だけでもGoToトラベル」と世界の音楽をデュオで。スティールパン、やってみたいなあ。

兼好師の三席め、最近は旅もしにくいが、この間は文菊師といっしょに名古屋の方に行ったそうだ。終演後に会場の最寄り駅から名古屋に向かう電車に乗ったところ、気づいていなかったのだがそこが女性専用車で……という失敗談をマクラに。なおなぜ周りの女性からジロジロ見られているのかという疑問についての文菊師の予想解答がなかなかに面白い。
兼好師の一文無しは最初の時点からもう酔っ払っている。宿の主人の説教によって心を入れ替えるというのは兼好師でしか聞かない。
この噺もまた宿の主の夫婦関係が出てくるのだが、この尻に敷かれ方というか女房にうまくコントロールされている感がまた恐妻家キャラの兼好師の真骨頂のひとつではないだろうか。「ちょいとお前さん!」と声が上がるだけで笑いが起きるというのはすごいことだと思う。
でも兼好師の描く夫婦像はなんだかんだいいつつ結構幸せそう。……いいなあー。
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