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第九十三回 一蔵ひとりの会 [落語]

第九十三回 一蔵ひとりの会
於:神保町 らくごカフェ

春風亭一蔵『洒落番頭』『夢の酒』『らくだ』

中野から高円寺に飯食いに行き、そこから神保町へ。
ちょっと早めに着いたので公園で少し時間を潰してかららくごカフェに向かう。相変わらずボンデイは「ソーシャルディタンス上等」って感じで密着して並んでますなあ。
らくごカフェは現在30席限定にしているそうで、今日は満員だそうだ。

一蔵さんも「今日は『小太郎の真打昇進を祝う会』がさん喬喬太郎がゲストで開かれているのでこっちはガラガラだと思っていた」とのこと。うん、もう私の席にはチラシなかったからね。チラシほとんど持ってこなかったらしい。その代わり小太郎さんとの連名手ぬぐいは持ってきているようで、「女性のお客さん! 知り合いの男性のお客さんに久しぶりに今日会って、何もチョコを用意してなかったんなら手ぬぐいをあげればいいんです!」だそうだ。
今日はバレンタインということでバレンタインの思い出をマクラに。小学校3~4年生の頃の近所の女の子との初恋の話も飛び出す。バレンタインにはいい思い出がないそうで、それを聞きながら同じくい思い出なんてない私も嫌な思い出を思い出す。バレンタインなんて滅べばいいのに。まあ今は彼女というかまあほぼ嫁がいろいろくれるからまだいいけど、若い頃はホントなんもいいことなかったからなあ。
閑話休題、ホワイトデーに初恋の女の子が言ったダジャレから『洒落番頭』(庭蟹)に。一蔵さん曰く最近は寄席でもよく掛かっていて、ちょっとした流行りなのだそうだ。そういや私も最近何度か聴いたな。それまではほとんど聞いたことなかったが。一蔵さんが前座の頃はほとんど演る人がいなかったに、といっていたが、流行りに乗り遅れないためか今日がネタおろしだそうだ。

二席め、最近ようやくTwitterを始めたそうで、「つながるという感じがいいですね」とのこと。「これ楽しいですね、いろんな情報がどんどん入ってくる。『宮治の真打昇進披露興行に徹夜組が○人いて、始発組が○人、それに宮治が使い捨てカイロを差し入れた』とか出てくる。ダマサれるな!」だそうだ。
一花馬久夫婦のも見ているそうで、馬久さんが料理を作ったというツイートを一花さんがしているのを見て「そりゃ馬久の方がヒマだからね! 料理くらいしろって話ですよ!」と理不尽な八つ当たりから「仲がよすぎるのも……」と噺に入る。

夢の話とはいえ浮気する内容を嬉しそうに大はしゃぎしながら話す若旦那と、無表情ながらも初手から怒り心頭のお花の温度差というかコントラストが楽しい。入船亭だとお花は最初は弱々しいというか線の細い感じがするが、さすが一蔵さんはどストレートというかどっか骨太な感じがする。
大旦那も大旦那で若旦那の夢の話を聞いて「羨ましい!」と大声で放つという清々しいまでの正直者。なるほどこの大旦那ならすぐに酒の催促をするわ、と納得できる。

三席めは年末にも聴いた『らくだ』。兄貴分との力関係が一瞬で入れ替わり、「わからないことがあればこのアニイに聞きなさーい!」となる屑屋の豹変ぶりが楽しい。これまでずっと抑えつけられていた分、カタルシス感があるようだ。

日もまだ明るく温かいのでどこかに寄ってもよかったのだが特に思いつかず。スーパーでサバを買って数年ぶりにさば味噌煮なんぞを作って自分で食すという健全な休日を過ごす。
タグ:春風亭一蔵
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実力派二ツ目独演会 らくご長屋 小辰独演会 [落語]

実力派二ツ目独演会 らくご長屋 小辰独演会
於:中野 なかの芸能小劇場

入船亭小辰『子ほめ』『干物箱』『宿屋の仇討』

昨日の地震はびっくり。揺れる前にテレビや携帯からあのヴイッヴイッという警報が鳴り、寝ていた猫たちもパニックに。幸いパニックはすぐ収まったが、トイレに持っていこうと思って出していたトイレットペーパー床に落ち、ココアに狩られる被害が出た。ウチはその程度で済んだが、被災地の方にはお見舞い申し上げます。
しかしテレビ各局が地震ニュースに差し替えられる中、淡々といつもの番組を流すテレ東さんさすがです。土曜深夜はいつもほぼテレ東ばかり見ているのでいつもとあまり変わらない感じに。途中まで観てた『マツコ会議』、一番面白くなりそうなところで終わっちゃったけどどうなるんだろ。まあネットで見りゃいいんだろうけど。

小辰さんも「ああいう出し抜けはいけません。嫁は子どもを抱き抱えようとしてぬいぐるみを抱えてた」と話す。
「落語を聴きにくるお客様というのは、楽しみを知っているお方。その中でもこんな朝早くからくるというのは……、ちょっと斜め上を行っている」とか。「……私だってお世辞くらい言うんです。でもそれですごいなと思うのは桂宮治と春風亭一蔵ですよ。あのふたりは身体全体を使ってヨイショする。私はどちらかといえば性悪ですからそんなにできない。でもあそこまでやらなくても上手な人もいる。私の師匠も実は上手いんですよ。あんな感じでぶっきらぼうかと思わせてちょっと褒めたりして。ツンデレっぽいところがある」そうで。
お世辞の話からそのまま『子ほめ』へ。
やはり前座さんのものより聴いていて噺がわかりやすい。頭に情景が浮かびやすいというか。多分こういうのが聴きやすさってことなのかもしれない。
大人の褒めようを聴くときに、「50歳の人が来たら?」という問いに「55、6とでもいえばいいだろう」とより老けていってしまうというらしくないミスを犯す。が、「なるほど上に言えばいいんですね!」と多少強引ながらも自らネタにして消化していたのはさすが。
5年ぶりくらいに掛けたそうで、涼しい顔で「意外とできるもんですね」といっていたが、落語家の記憶力すげえな。いやまあ確かに毎日どこかしらで掛かっているだろうから、いつも耳にしているんだろうけども。

二席め、貸本屋の善公のちょっと足りない感じが楽しい。落語にはこうやって自分で役を作ってひとりで演じるといういわゆる「ひとり気狂い」みたいな噺がよくあるが、こんなのが周りにいたのだろうか……?

三席め、江戸の三人連れがとにかくうるさくて派手。『鋳掛けや』の悪ガキ共がそのまま大人になった感じ。
「源ちゃんは色事師」「色事師の源兵衛」と囃されているときに「お前らそんなのよさねえか」とちゃんとリズムに乗りながら自ら手拍子をとっている源兵衛が楽しい。

終演後はいつものように高円寺まで行ってタイ料理ランチを。今日はいつもよりも混んでいて店に入るまで待つほど。自分を棚に上げていうが、非常事態宣言どこに行った。
高円寺では恒例の演芸まつりも始まっているようで、街に流れているBGMも出囃子の三味線が鳴っている。HACOの前を通りがかったら、だるま食堂の特徴的な声が聞こえてきた。今年もいくつか行きたい会があるから調整しなければ。
タグ:入船亭小辰
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