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ひぐらし亭 夜席 21年1月31日 [落語]

ひぐらし亭 夜席 21年1月31日
於:日暮里 にっぽり館

おしゃべり 三遊亭萬橘 林家たけ平
三遊亭萬橘『雑俳』
林家たけ平『鰍沢』

だんだん30だけでは物足りなかったのでおかわり。
とはいえ2時間あまり開いているので一度家に戻る。バイクなら片道20分足らずではあるが、寒さが身に染みる。これが30分以上かかるというならどこかファミレスででも時間を潰すんだが。今日は昼メシ食いに行って戻ってきたらすぐにまた出かけて、また戻ってきたと思ったらさらにまた出かけて、と猫もなんだか落ち着かなそう。
開演時間には着席可能な席がすべて埋まった満席状態。ここまでいっぱいのにっぽり館は初めて見た。

さて落語の前のおしゃべり。新年だから猿回しを呼ぼうと思ったが、思った以上に高くて呼べない、仕方ないから自分たちでなんとかしよう、と萬橘師が猿の耳を着けて登場。
猿ということで喋れないので、太鼓に「Yes」と「No」の紙を貼り、そこで意思表示をする。あとは「クァアー!」と歯を剥き出して威嚇するか。寄席で使う小さな太鼓が「Yes」で大きな太鼓が「No」。
たけ平師が「たけ平は落語界に必要な人材である」と問うと萬橘師が大きな太鼓をドン。続けて何度ポジティブな問いを重ねても大きな太鼓が鳴る。しまいには「デテケデテケデテケデテケテンデンバラバラ」と追い出し太鼓が鳴る始末。「お前やりたいだけだろ!」とたけ平師からツッコミを受ける。萬橘師は太鼓が得意だそうで、確かにすごく上手い。逆にたけ平師は苦手だそうで、前座時分はお金を払って太鼓番を代わってもらっていたらしい。
太鼓のリズムに乗っておめでたい文句をたけ平師が唄うというネタ。……えーとオチがあったはずなんだけどどんなだったっけ……。

萬橘師の『雑俳』は初めて。
八っつぁんがご隠居からお題を出され、最初はノリノリでやっていたもののだんだん飽きてきて適当になっていく過程が面白い。

たけ平師、予め「お題目で助かった」という仕込みを何度も入れた親切な形。
扇辰師のおくまが怜悧な江戸の悪女とすれば、たけ平師のは少し泥臭いというかやや田舎に馴染んできているというか。おそらく話し手のキャラの違いもあるだろうが、イメージされる線の細さが異なるのが面白い。
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だんだん30 [落語]

だんだん30
於:日暮里 にっぽり館

林家たけ平 三遊亭萬橘 ミニおしゃべり
林家たけ平『四宿の屁』
三遊亭萬橘『寄合酒』

なんか昨日の酒が残っていて昼まで寝てしまう。宅飲みで二日酔いってなんかバカバカしいなあ。やっぱ缶のレモンサワーとか飲むと変な酔い方すんなあ。

まずはミニおしゃべりから。
今年の漢字ならぬ今月の漢字を発表、というところからなぜか新しい漢字を作るという流れに。
囗(くにがまえ)に「楽」で「にっぽり館」とか。
この会は初心者向けに30分で軽い噺を二席掛けるという趣旨なのに20分くらい時間をかける。

たけ平師、「落語会は減ったが学校寄席は減らない。だけど学校寄席だと廓噺ができない」という。まあそりゃそうでしょうね。艶笑小咄から『四宿の屁』に。初めて聞く噺。仁王の小咄は『転失気』のマクラによく聞くけれど。まあ『転失気』のマクラにしては雰囲気がかなり違うからなあ。

萬橘師、出てきたときには既に28分。「あと2分で終わらさなきゃならない」と言いながらも結構しっかりと。
「金がない」大喜利大会から狙われた乾物屋まで、どこかライトだが物足りなさは感じない。
味噌の確認場面の緊迫感が楽しい。

結局45分まで伸びる。とはいえやっぱり物足りないので、ひぐらし亭の夜席をおかわりだな。
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柳家小太郎 とうとう独り・ぢゃない [落語]

柳家小太郎 とうとう独り・ぢゃない
於:両国 江戸東京博物館・小ホール

入船亭小辰『高砂や』
柳亭市弥『湯屋番』
春風亭一蔵『鷺とり』
翁家和助 太神楽
柳家小太郎『しげる』
みんなでおはなし

江戸東京博物館は初めて。HPを見たら駐輪場があるそうなのでバイクで向かう。開演の10分前には会場の周りにはついていたのだが、駐輪場の場所がわからない。オロオロしていたら開演時間ギリギリになってしまい、仕方なく受付まで行って聞いてみたらもう閉まっているとのこと。なんじゃそら。仕方ないので近くで停める場所を場所を探して駆け込む。やっぱり初回の会場には気をつけなきゃならんなあ……。
で、3分ほど遅れて入場。小辰さんが八っつぁんが大家さんに仲人をやることを告げたところだった。マクラの部分をまるまる飛ばしてしまった。今年初小辰さんなのに悔しいなあ。しかもその前には小太郎さんのご挨拶もあったようだ。

で、その初小辰さん。最近よく『高砂や』聴くなあ。今日は小太郎さんの真打昇進お祝いの会のようなものだからおめでたい噺を掛けたのだろう。
豆腐屋の売り声を真似するというときに「はいはいはい、秀じいの豆腐屋が参りましたよ」というひとことが追加されていた。これが毎回高砂やの前に差し挟まれる。面白いが、あまりに何回もやると長いと感じてしまうかも……。今回はギリギリのところで納まってる感じ。婚礼当日にも同じように豆腐屋の登場から始めてしまうのがおかしい。

市弥さん、どうやら小辰さんのマクラでこの会について「仲間たちが集まった」みたいなことを言ったらしい。「『仲間』って……。我々仲間かあ? お前後輩だろ!? いや上の立場の者から下の者も含めて『仲間』っていうのはいいけど、後輩から言うのは違うんじゃ……」といったところで小辰さんが袖から登場して土下座して帰る。
その後に小太郎さんとの思い出を話す。前座時分に美るくさんと3人で飲み歩き、夜中に「あたし市弥の家に行きたーい」となったらしい。市弥さんは実家ぐらしだそうで、両親を叩き起こして寝室をかたしてもらい迎え入れたら夜中に大騒ぎするわ、朝起きたら小太郎さんと父親がディープ・パープルの話題で盛り上がってるわ大変だったらしい。……といったところで襦袢姿の小太郎さんが袖から登場して土下座。
噺の中に登場するポジティブすぎる若旦那がよく似合う。

一蔵さんはあラやしきでのギャラをプールして熊本や長崎を回っているという話を。また、一蔵さんが入門志願に池袋演芸場へ行ったときに「入門志願?」と声を掛けてきたのが小太郎さんだったいうエピソードも。
噺は雀とりの部分をカットして鷺とりの方法論のところから。ガサツな男の適当なところも面白いが、手を上に上げて手首を曲げて鷺を表現する仕草がいい。なぜかそのときに前歯が出るのがおかしい。

和助さん、五階茶碗と土瓶の曲芸をメインに。
最後に纏のようなものを額に乗せて縁起の良い数え歌を唄い、十まで唄いきったら神社に1万回お参りしたのと同じくらいのご利益があるというものを。これは初めて見る。見事十まで唄いきると、最後に纏が開いて扇や吹き流しが中から現れる。見た目にもおめでたい。

小太郎さん、自分がいかに妖怪好きかを語る。昔さん喬師がNHKで落語を4分半にまとめてそこにクリエイターたちが絵をつけるという企画があったのだが、『死神』を掛けたときはイラストが水木しげる先生だったそうで、大興奮だったとか。
真打昇進を目前に「初心に戻った気持ちで」と噺に入る。「子どもが産まれたので名付け親に」とご隠居を訪ねるところから始まったので『寿限無』かと思ったが、「食う寝るところに住むところ」あたりでご隠居が殴られる。
「そんなものを望んでるんじゃない。あっしとご隠居は町内でも鼻つまみ者の妖怪好き。そういう名前をつけて欲しい」とイカれた注文をつける。
まずは水木しげる先生の「しげる」からいろんな妖怪の名前が並べられる。しかも妖怪の解説つき。すべての名前を並べて言い立てると『寿限無』のテンポになるのがすごい。
アフタートークによれば、妖怪噺がやりたすぎて前座時代に自分で作ったのだとか。だから「初心に戻って」なのか。

出演者全員が並んでアフタートークをするも、残り10分弱なのであまり詰まった話は出ず。
途中で市弥さんがふらっとスマホを取りに袖に戻り、自撮りで舞台上を写し出す。「自由だなあ」と周りに言われながらも「じゃあ皆さんも撮っていいですよ」と撮影タイムに。市弥さんナイス。けど一眼持ってってなかったんだよなあ。せめてGR IIで撮る。
小太郎さんの活躍を願って三本締め。
真打披露興行のチケットも売っていたが、落語協会は日付指定なんだな……。土日の㐂三郎の都合の合う日のチケットが売り切れ。なんかちょこちょこうまくいかんなあ……。
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兼好集 [落語]

兼好集
於:水天宮前 日本橋劇場

三遊亭しゅりけん『金明竹』
三遊亭兼好『夢金』
三遊亭兼好『二番煎じ』

本来は19時開演で、まあちょっと早めに会社上がるだけでいいからと思ってチケットを取ったのだが、この事態で開演が30分早まる。仕事も詰まってきはじめたのでキャンセル払い戻しもチラッと頭をかすめたのだが、それもなんか悔しいので無理くり早めに上がってしまう。でも時間ギリギリ。しかしまあこの事態になってもまったくもって仕事が減らない。そういうことをいうと「仕事があるってありがたいことじゃない」とか言われるけど、そういう問題じゃない。仕事的にもリモートしづらい内容でもあるし……。春のリモートで懲りた。

しゅりけんさん、演目は『金明竹』となっているが『骨皮』の部分まで。
「落語の方にはいろんな人物が出てまいりまして、熊さんに八っつぁんに横丁のご隠居、人のいいのが甚兵衛さん、バカで与太郎なんてのが出てくると噺の方の幕が開くようで……」とお決まりの口上から入るが、いきなり「松公、おい松公や」となる。そういやこの噺は与太郎じゃなかった。
茫洋としたバカのキャラがなんともおかしい。

兼好師の一席め、まずは急な模様替えになったことについてのお詫びから。「今日の時間変更について知らない人もいると思います。もしくは知っててもこの時間に来れなかった人とか。なので実際の開演時間くらいに途中で入ってくる人もいると思いますが、『邪魔だな』みたいな目で見ないでください。『いいのよいいのよ、まだ面白いこと言ってませんから』って」。あー、これで面白いこと言っちゃったなあ。
今年は記録的な大雪だそうで、兼好師も雪国出身のため雪についてのマクラに。
雪下ろしで毎年事故のニュースが入るが、そうすると東京の人なんかは雪下ろししなければいいのにというそうだ。「雪って重いんですよ、雪質にもよるけど、これくらいの大きさで150kgとかあるんです。てことは屋根の上に象が3頭くらい乗ってるくらいなんですよ。嫌でしょ!? 『ぱおーん』つって。いや雪は『ぱおーん』て言わないけども。下ろすでしょ」。「ぱおーんつって」というのがなんだかやたら面白い。
中学時代の兼好師の冬の楽しみといえばガラス抜きだったという。学校にある安い曇りガラスなんかでは、うまい具合に固めた雪玉(かんしゃく玉と呼んでいたらしい)をうまく投げると、ガラスが割れずに雪玉の形で抜けるのだという。へえー。用務員を兼ねた教頭先生との攻防なども。
そんな雪の話から大雪の日の噺である『夢金』に。
舟の艪を漕ぐときの軋む音まで表現しているのが細かい。
浪人者が悪事の相談を打ち明けた後の「欲張りの熊」の悪党ぶりが潔く、侍相手に一歩も引かないふてぶてしさに筋が通っている。

二席め、これまた厳しい寒さつながりで『二番煎じ』。
町内の仲良しおじいさんたちが寒空の中をただただ練り歩いているのがたまらない。しかしその中で繰り広げられる火の用心の声出しの上手いこと。……というかコレ兼好師がやりたいだけじゃないの……。とはいえ黒川先生の謡風とかカシラの吉原で鍛えた声などは本当に見事。
番小屋に戻ってきてからの宴会の場面も楽しい。酒を持ってきた黒川先生に「何を考えてるんですか!」と脅かした後に「いつも初めての人はこうやって騙すの」と月番が嬉しそうに話したり、近江屋と月番は幼なじみで、「この人(月番)が口説いて振られた女がアタシの女房なの」と暴露したり。こういう細かいネタがとにかく素晴らしい。

8時ぴったりに終演。
開いてる店ないかなーとちょっと探してみるも、やはりなし。まあ開いててもあまりそこで飲んでいこうとも思わないかな……。早く終息してほしい。
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人形町噺し問屋 コロナの4 [落語]

人形町噺し問屋 コロナの4
於:人形町 日本橋社会教育会館

三遊亭兼好 ご挨拶
三遊亭しゅりけん『真田小僧』
三遊亭兼好『陸奥間違い』

久しぶりに噺し問屋の夜席に。
休みを取れるほどの暇さでもなくなってきており、まあ今日も早く帰れるような状況でもないんだけど、もういろんなものを中途半端にほったらかして上がってしまう。
もうこれでしばらく噺し問屋は行けなそうだし、次の開催もどうなるかわからないしなあ……。
20時までに終わらせるために、と一席のみ。しゃーない。その代わり木戸銭は千円。お得といえばお得だけど。

まずはご挨拶。
急な模様替えに対してのお詫びなど。
「でも緊急事態宣言といっても、前回よりも確実に緩んでますよね。前回は『ええっ、緊急事態!?』って怯えてたけど、今回は『あ゛ぁー、緊急事態宣言ー?』って『不味いお土産をまたもらった』みたいな感じですもんね」というのは言い得て妙。
「菅さんが何か言うと二階さんが火に油を注ぐ。ステーキ会食の『集まっただけで会食はしてない』とかどう考えたって嘘でしょ。居酒屋でだって龍玉兄ちゃんとふたりで酒だけ呑んでたら店の人に『なんか食べてください』って怒られたのに」とのこと。龍玉師も兼好師も酒の席ではまったく食べないタイプらしい。龍玉師とは10年くらい前の打ち上げで一度一緒になったことがあるが、確かに何も手を付けてなかったような。兼好師もせいぜい漬物をちょっとつまむくらいだしなあ。
「でもだからってアメリカのように『俺についてこい』ってタイプのリーダーも怖いですね。トランプさんもこんな事になって晩節を汚したというか」とリーダー論に。
昨年亡くなったノムさんの「自分の代打で出た選手に対して『三振しろ』と願ってしまったことに気づいて引退を決意した」というエピソードを引き合いに出し、「私も袖で先輩後輩弟子関係なく『スベれ!』と願うことをやめます」と誓っていた。兼好師なら周りがウケててもそれと同等以上にウケるだろうに、と考えるのは贔屓のし過ぎだろうか。

しゅりけんさん、時間の都合があるので短めに、といいつついろいろ仕込みに時間のかかる噺を掛ける。終盤は時間が気になったのかややぞんざいな感じになってしまったのが残念。
あと金坊が話を切るときに「一部はここまで」「二部はここまで」と言っていたが、「いちぶ、にぶ」は落語ではお金の単位の「一分、二分」のように聞こえるので他の言い方にしたほうがいいと思う。「さっき『一銭二銭』って言ってなかった!?」といらぬ間違い探しが起こってしまいそう。

兼好師、時間が30分しかないのでマクラも振らずに「正月のめでたい噺」として『陸奥間違い』に入る。噺の端緒は借金の依頼だから年末なのか。確かに最後は新年会の場面も出てくる。
兼好師が描く権助のチャーミングさは『権助魚』のような商家でも。『陸奥間違い』のような武家でも変わらない。その純朴な権助に振り回される主の姿がまた愛おしい。

正直なところもう少し聞きたいところだが、1時間とは思えぬほどの濃い会だった。
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第九十一回 一蔵ひとりの会 [落語]

第九十一回 一蔵ひとりの会
於:神保町 らくごカフェ

春風亭一蔵『鮑のし』『花筏』『火焔太鼓』

寒いなー。
らくごカフェまではバイクで20分ほどだが、体の芯まで冷える。こんな事態でも2階のカレー屋ボンデイはぎゅうぎゅうに列を作って並んでいる。まあこっちも外出してるので文句は言えないが。

と思っていたら一蔵さんがマクラで不平をこぼす。
らくごカフェに行くには行列の横でエレベーターに乗るのだが、そこで行列に並んでいる人から「割り込むんじゃねーよ」という視線を感じるという。超わかる。ヤツらはこのビルにボンデイしかないと思ってるから、他のフロアに用がある人がいるということをわかってない(人が多いような気がする)。一蔵さんも逆クレーム。「2階からエレベーター使って降りてくるな」。スーパーわかる。開演時間ギリギリに着いたときに限ってエレベーターがなかなかこない上に2階から乗り込んで1階に降りてくるヤツいるんだ。
「……こんなこと言うつもりなかったんですけど、なんか溜まってたんですかね」とのこと。
いつもは年越しは近所の神社のボランティアで甘酒配りをしているのだが、今年はコロナの影響でなくなって久しぶりに家でのんびり年越しをしたそうだ。さらに師匠宅への挨拶もなし。その結果、マクラで何度も話されている「味なし雑煮」もなしだったとか。
毎回面白おかしく話しているが、味がなかったのは1回きりだったそうだ。その後は毎年「一蔵、今年は味があるから」と嫌味を言われながら振る舞われるのだとか。「年の初めにそんな気を使う辛さがわかりますか!?」っていうけど、完全に自業自得のような……。
おめでたい噺として掛けたようだが「覚えてからそれっきり全然演ってない」とのこと。確かにちょいちょい抜けてそうなところがあったかも。しかし数年放置していた噺を思い出しながらでもできるってのが噺家はすごい。

いつもなら一席めと二席めは一度楽屋に引っ込むのだが、今日は紋付袴姿なので引っ込むのも面倒とそのまま二席めに。
今日から初場所なので相撲の噺をしようと思っていたのだが、『阿武松』も『佐野山』もつい最近掛けたばかりなので一番自信がないものしか残っていないといいながら『花筏』に。俺『花筏』は八割方兼好師で、あとは遊馬師と一蔵さんで1〜2回ずつくらいしか聞いたことがない。あまり掛ける人が多くないのだろうか。
親方から「土俵の上では絶対に目を合わせないで他のことを考えろ」と言われて土俵に無理やり上げられた提灯屋が、「今年は春風亭柳枝が誕生するから一門として応援しなきゃ。……でも俺のマブダチは㐂三郎、きさっぺなんだよなあ!」といろいろとお悩みを吐露するのがおかしい。

三席め、これまで聴いたときは甚兵衛さんもおかみさんも常にハイテンションで聴いていて疲れたのだが、現在はだいぶ落ち着いている感じ。特に甚兵衛さんが気弱な感じになっていておかみさんとのメリハリが効いているように思えた。一席めの『鮑のし』とついている気もするけどそれはまあご愛嬌。

たまたま楽屋から顔を出していた一蔵さんと久しぶりに言葉を交わす。一言だけだけどね。
タグ:春風亭一蔵
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第三十三回 三遊亭兼好 横浜ひとり会 [落語]

第三十三回 三遊亭兼好 横浜ひとり会
於:桜木町 横浜にぎわい座

三遊亭しゅりけん『弥次郎』
三遊亭好二郎『星野屋』
三遊亭兼好『三方一両損』
桂小すみ 唄と三味線
三遊亭兼好『藪入り』

落語を聴くために越境するとか百合子に怒られそうだなあ。
不急ではあるけど不要ではないんだよ。

しゅりけんさん、あの去年一昨年あたりの危なっかさはどこへやら、すらすらと滑らかに話す話す。
あの盛大につっかえたところが最大の笑いだった頃からすると感慨深い。ちゃんと噺でウケてるし。

好二郎さん、二ツ目に昇進して名前が変わった途端にコロナで仕事がなくなってしまい、未だに「じゃんけん」と呼ばれてしまうとこぼす。会の主催者ならともかくしゅりけんさんや師匠にもいわれてしまうとか。
昨日歌舞伎を観に行ったそうで、今は大向こうから声も掛けられないとか。落語はまだ客の反応があるだけありがたいという。
「しかし『星野屋』が掛かっていたんですが、心中の場面になってもなかなか飛び込まない。あそこだけで30分くらいやってる。私だと全部で15分なのに。歌舞伎というのは無駄な芸能……」とポロッと毒が漏れて自分で慌てる。言いたかったことはなんとなく伝わるが、言い方よ。
そのまま『星野屋』に入る。マクラがどストレートですな。そんでホントに心中の部分はあっという間。『小言幸兵衛』での「念仏とお題目」のくすぐりが入っていたが、旦那はすぐに飛び込むし、お玉はさっさと帰ってしまう。
その後の重吉との騙し合いもとにかくあっさりしていて全体的に軽い。まああまり後味の良い噺じゃないし、これくらいライトな方が落語らしくていいのかも。

兼好師の一席め、「先ほど出てきたじゃんけんは……」とちゃんと弟子の言葉を拾う。「3月に昇進披露の会があった直後に緊急事態宣言が出て、今日のこの会があるとこんな状況に。日本のことを考えたらあまり会わない方がいいんじゃないか」と黒い笑みを見せる。
落語には江戸っ子がよく出てくるが、「よく出てくるってことは、実際には違ったんでしょうね。だからこそ『ああいう人がいたらいいな』と落語や講談、浪曲などでウケたんでしょう」と語る。なるほど一理ある。そしてこれでもかと江戸っ子成分を煮詰めたような『三方一両損』に。
兼好師の場合、金太郎の大家だけは江戸っ子に憧れを抱く信州人という設定なので、それがアクセントとなってより江戸っ子感が際立つ。

小すみさん、というか兼好一門との組み合わせって年末の会で見たばっかりだな。
三味線にオペラのような歌い方をミックスさせる。歌声の伸び方がすごい。

兼好師の二席め、実際の藪入りの時期に合わせて。
夫婦ふたりで夜通し話している場面も、亀吉が戻ってきてからの場面もなんというか説明が丁寧な感じ。他の人では「わかってるでしょ?」という感じでさらっと流しているようなところもしっかりと話しているのでディテールがしっかりと伝わる。たとえば父親も子どもの頃に奉公をしたことがあるので奉公事情をわかってるというのも兼好師以外では聴いたことがない。
その一方で「二つ折れになっている納豆売りのババア」とか「家の前を掃きすぎて落とし穴になっている」とかのギャグも面白い。
サゲも「チュウのおかげ」と異なる形。なのでマクラにネズミの懸賞の仕込みもない。

さすがにどこにも寄らずにさっさと帰ります。
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横浜にぎわい座 正月興行 新春特選演芸会3 [落語]

横浜にぎわい座 正月興行 新春特選演芸会3
於:桜木町 横浜にぎわい座

三遊亭兼好『孝行糖』
マギー司郎 奇術
三遊亭圓橘『稲川』

落語初めは兼好師から。
……本当は昨日の両国寄席にも行くはずだったのだが、番組表をみて「これくらいの出番なら6時くらいか……。余裕持って5時半くらいに行っておくか」と思って行ってみたらすでに降りた後。マジか。つーかさー、なんで圓楽一門の番組表は時間一切書いてないの? このご時世、狭い寄席の空間にそんな長くいたくないのよ。スッと行ってお目当てだけ聴いてサッと帰るためには目安の時間書いといてよ。特に初席は長いんだから。……ということをやや八つ当たり気味に公式のメールにお願いを入れる。寄席だってニューノーマルにしていかないと。
まあ正直に言ってしまえば圓楽党に数多いるクソ真打聴きたくないってのが一番なのだが。素人よりもヘタクソな落語モドキを聴くのは苦行だからな。
さてやや逆ギレ気味の毒を吐き散らかしたところで横浜に向かう。
いつもなら売り切れていることが多いのだが、今年はさすがにかなりガラガラ。しかも一席おきじゃないので余計に空席が目立つ。
さらに仲入り後割引があったので、それを利用する。

受付でややもたついていたら「もう始まりますよ」と言われて慌てて会場に入る。
正月らしく袴姿。兼好師の袴姿はあまり見ないなあ。
「落語は馬鹿じゃ楽しめない」というマクラの後に与太郎噺に入る。
こういうおめでたいバカの噺は正月にふさわしい気がする。なんか雰囲気がパーッと明るくなるし。
……昨日は『粗忽の釘』だったらしいんだよなあ。兼好師の面白いんだよなあ……。クソッ。うーむ初落語なのだがいろいろな負の感情というか悔しさが出てしまう。

マギー司郎先生はいつものように。だがそれがいい。
一緒に出てきたお弟子さんも手品を披露する機会を与えられたのだが、「手品をやると見せかけてやらない」というスカしで終わり。 ……は? え、そういうのってその後でちゃんと手品やるから面白いんであって、そんなのなら俺にもできるんですけど。せっかくの機会を自分で潰しちゃうって。マギー先生にも「楽して生きようとするから……」と言われてしまうが、それがツッコミではなく本当に呆れているように聞こえたのは気のせいか。まあ余計なお世話だけどね。けどあれでいいと思ってんなら客ナメ過ぎだろ。

圓橘師は毎年恒例の『稲川』。「恒例」とか「定番」とか言ってしまえば聞こえはいいけどね。

明日から仕事なのでさっさと帰る。
今年もよろしくお願いします。
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