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三遊亭小遊三落語会 [落語]

三遊亭小遊三落語会
於:ゲートシティ大崎 ゲートシティホール

春風亭かけ橋『浮世床』
桂文治『親子酒』
檜山うめ吉 俗曲
三遊亭小遊三『鮑のし』

職場が入っているゲートシティが20周年を迎えたことの特別寄席イベント。入居企業にチケットが配られ、「誰か欲しい人いるー?」と聞かれたので速攻でチケットをもらう。
え、この顔付で無料ってどんだけ太っ腹なんだよ普通に買ったら4000円くらいしちゃうよ、と周りに言ってみるも「ふーん」てくらいの反応。もー。
とはいえさすが小遊三師のネームバリュー、何人かは初めて落語に行くつもりになったらしく、服装は普通でいいのかとか事前の勉強はしなくていいのかとか。そんなもんいらないってば。

こういうときに限って定時前にメールやらなにやらたてこむのはお約束。結局開演時間を15分ほど過ぎたあたりで会社を出て会場に急ぐ。
まあ文治師までに間に合えばいいか、と思っていたらまだかけ橋さんが『浮世床』の本の部分をやっていた。その後将棋まで。
どうやら開演前に主催者挨拶が結構長々とあったらしい。ナイス主催者。
かけ橋さんの将棋のくだりは将棋盤の横に駒がくっつく型の方。今まで三三師でしか聴いたことがない。
……同僚に「知識はいらない」って言っちゃったけどコレは難しいかもなあ……。キセルのすげ替えとかあるし。

文治師、顔だけで笑わせる。卑怯っちゃあ卑怯だけど、それで落語に馴染みのない人でも笑わせるんだからすごい。
酒を出せ出さないの攻防は短く、大旦那のひとり酒盛りが大部分を占める。
ここでも酒を呑む、塩辛をつまむという仕草だけでも笑いを取る。
帰ってきた息子は外回りで行ってきたお店の旦那の名を挙げるが、それが歴代の都知事。ちょいちょい現代ギャグというか風刺を挟んでくる。

仲入りが入るかと思ったがそのままうめ吉さんに。
小唄や新内について「こういう内容のこういう歌詞を歌います」と事前に説明してくれるのでわかりやすい。
最後に『奴さん』『姐さん』を踊る。

小遊三師、かなり久しぶり。遊馬師の独演会のゲスト以来か。
『笑点』の成り立ちや歴代司会者などについてひとしきり話す。やはりこういう落語ファンがメインではない会では鉄板の話題なのだろう。とはいえ長々と続けるのではなく、ほどよいところで噺に入っていく。この塩梅かホントに絶妙。
『鮑のし』のストーリー自体は他の人たちと変わらないのだが、それぞれの人たちとの会話内容がかなり違っていて新鮮。人から50銭借りてお祝いの尾頭付きを買って大家から1円もらうというカラクリを得意げに会う人全員に触れてまわるのがおかしい。
でもこの噺も1回聴いただけじゃあまり意味がわからないかもなあ……。
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第13回 小辰の寸法 [落語]

第13回 小辰の寸法
於:人形町 日本橋社会教育会館

入船亭小辰『たらちね』『締め込み』『明烏』

世話になっていた伯父が亡くなり、急遽岩手まで。
火曜に有給とって行こうかと思っていたのだが、今日ならば彼女も一緒に行けるというので朝から新幹線で向かう。明日の仕事に備えるために夕方までに帰りたいという彼女に合わせて私も一緒に帰ってくる。納棺してお別れという強行軍。
ホントは落語って気分でもないのだが、予約しちゃったし間に合うんだから行くかあということで人形町に。

最初はいつものようにご挨拶かと思いきや、「最近物忘れが激しくなった。高座に手拭いを忘れたり。今日は手拭いは持ってきてるんですが……前座さんを頼むのを忘れておりまして、今日は最初から最後まで私ひとりです」とのこと。
一席めのマクラというかいつもならご挨拶での話題は、先日出演したさるハゲロックフェスティバルの一部始終。
新宿のロフトで行われている漫画家のしりあがり寿主催のフェスで、最初は仲間内の新年会だったらしい。二年前には兼好師も出たらしい。そういやそんなこともあったような……。行ってないけど。
なぜ小辰さんにオファーが行ったのかは結局は謎のまま。小辰さんの前にはたまのメンバーがいるバンドが出演していたそうで、扇辰師は知り合いだとか。
色んなジャンルの人が出演していたそうで、歌人の枡野浩一さんと楽屋で隣だったらしい。すごい人らしいのだが、そのすごさがわからないので、結構失礼なことを言ってしまったそうだ。まあ俺もわからないのだけれど。
その他これまでの普通の落語会と客層から何からまったく違うので、笑わせてるんだか笑われているんだかわからなくなったという。それで持ち時間20分のところ30分もやってしまい、「寄席芸人として時間も守れない」と凹んだそうな。
「まあそういうお仕事に呼ばれたのも縁ですよ」と無理くり古典っぽいつなぎの言葉を言って噺に入る。

『たらちね』の言い立ては「丹頂の夢を見て妾を孕めしが」じゃない方。
念仏や火事のシミュレーションも含みつつ、「よって件の如し」までのフルバージョンを演じる。やっぱりキッチリしてるねえ。
寄席ではよく聴くが、実はフルバージョンをやろうとすると時間もそうだがいろいろと要素がありすぎて後ろが大変なのだという。大家さんとの根問部分があり、言い立てがあり、ひとり気違いもあり、なにかがツきやすいんだとか。なるほどなあ。
「でも今日はやりたかった部分をうっかりバッサリ飛ばしちゃいました」とのこと。ひとり気違いの部分がメシの食い方の稽古しかなかったから、そこかな。俺あそこの夫婦喧嘩の稽古の場面好きなんだけど、そこをやる人はほとんどいない。

一席めが終わってそのまま二席めに入る。
亭主は口下手な感じだが、その分女房はよくしゃべる。昔亭主に結婚を迫られた場面については言い立てのように一気にまくし立てる。
夫婦喧嘩の場面がメインで、泥棒と呑むシーンはなし。「酒呑むか」となったところで「おいもう心張り掛っとけ」となり、サゲに。

三席め、「今日は前座さんがいないので四席演ろうかと思ったんですが、雑談が長すぎて結局いつもと時間変わらないんでやっぱり三席で」とのこと。
「皆さん明日から仕事でしょうから」。そうなんだよなあ。仕事行きたくねえー。
噺家は土日はなんとなくわかるんだけれども平日の感覚が曖昧になるそうで、小辰さんはマンガ雑誌の発売日で曜日を感じるのだそうだ。たしかにマンガ雑誌買ってた頃はそうだったなー。しかし最近は立ち読みできるコンビニが少なくなったと憤る。一時期は「コンビニの立ち読みは防犯対策にもなっているから見逃されている」と言われていたが、最近はそうでもないようで。
四席はやらない代わりなのか、三席めは長めの噺に。
途中、「源兵衛さん、太助さん! ここはお稲荷様じゃありませんね!」というセリフのところで「ここは吉原じゃありませんね!」と大きな声で言い、会場中から「え?」と声が上がった。やり直すかと思ったら「ええここは吉原じゃありませんよ」とそのまま進めてなんとか無理くり軌道修正するも、さすがに強引過ぎたか。
その後は特に動揺した様子も見せずに最後までキッチリと。終演後にはあちこちから「珍しいねえ」との声が聞こえた。
タグ:入船亭小辰
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六本木伊〜菜亭 第45回 桂宮治 [落語]

六本木伊〜菜亭 第45回 桂宮治
於:六本木 伊菜

桂宮治『風呂敷』『唐茄子屋政談』


ドリトスをつまみに酒を飲んで寝ると自分の吐息がドリトス臭くて大変気分が悪くなる、ということがわかった。2回めだから間違いない。もうドリトス食わない。

ということで午前中はずっとぐったりして過ごす。
午後になってようやく調子を戻すも、1日を割と棒に振った感じ。

会場に着いてみると、いつもは満席なのに今日は割と余裕がある。どうやらインフルで当日7人もキャンセルが出たらしい。

一席めのマクラもインフルについて。
宮治家も長男と次女がインフルにかかったそうだ。次の日にも地方で仕事があり、万が一にもインフルにかかりたくない宮治さんはホテルを取ろうとしたらしい。しかしどこも1泊1万5千円から2万もするそうで、「せっかく神戸からLCC使って8千円で帰ってこれたのに、1泊に2万はもったいない」と家に帰ったそうだ。
家に帰ってきた宮治さんに喜んで駆け寄ってくる息子さんを見て思わず「パパじゃありません」。さらにいつもしているように「チューしよー」といわれ、「息子が悪魔に見えたのは初めて」だそう。
その他にも小学校、高校の母校に呼ばれて仕事しにいったのにどちらも卒業生だと思われてなかった話や、戸越銀座に安倍首相が来ていた話、BS12の落語番組の話など相変わらず縦横無尽に話題が飛ぶ。

家族の話から奥さんに触れ、「そんなカミさんでもいるだけありがたい」と夫婦の噺に。
女房の言い分と亭主の言い分がまったく違うのがおかしい。というよりだいぶ女房の迫力がすごい。
しかも結局新吉とすることはしていたというとんでもない展開に。
最後のサゲは「亭主のツラが見てえや」ではなく、「兄貴はやっぱりすげえや。兄貴じゃなかったら……俺あ新吉の野郎をただじゃあおかねえ」と全部バレてるパターン。これはいい。最後の一言で全部ひっくり返るというのは阿刀田高みたいですごく好き。

二席め、「噺家の時知らずと申しまして……」と季節外れの噺をするという前フリから夏の噺の『唐茄子屋政談』に。
若旦那の軽薄な感じがよく出ている。
個人的にはかぼちゃを売り歩くのは嫌だと言った若旦那に優しい言葉をかけながら怒りを爆発させる叔父さんのセリフが聴かせどころのひとつだと思うのだが、この怒りのスイッチが入るのがちょっと唐突な感じだったかな。いきなりオンになるというか。グラフでいうと直角な感じ。反比例のグラフみたいに少しずつ上がって最後は加速度的に大爆発、という感じが好き。
「今日は押してるし短い噺をやる」と言いながら1時間近い熱演。高座を降りるときは足が痛そうだった。
タグ:桂宮治
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