SSブログ

紀尾井らくご 三遊亭兼好独演会 [落語]

紀尾井らくご 三遊亭兼好独演会
於:四ツ谷 紀尾井ホール

三遊亭兼好『真田小僧』
三遊亭けろよん『金明竹』
三遊亭兼好『だくだく』
三遊亭兼好『崇徳院』

なんか季節はずれに暖かい。
昨日行った落語会についてのブログなぞを書いていると14時ぐらいになってしまう。うーむ時間がもったいないなあと思いながらもなんちゅーか辞め時がわからないというか。
もっとシンプルに書けばいいって何度も自分に言い聞かせてるのだけれども、それもまたうまくいっていないっつーか。
せめて昼飯を食いに出るときにバイクではなく散歩で。今日はあったけえなあ。

一席め、「今日のように暖かいといろいろ失敗する。今日は何を失敗したかというと、今日は17時開演の高円寺の会に出ることになっていた」。うん知ってる。さすがにその会はチケット取らなかったので。いやーどうするんだろうと思ってたんだ。
「いや、その高円寺の会って昼開演っていうイメージがあったんですよ」。えー? いつも夜だったような気が……。「で、この会は19時開演というイメージがあった。15時開演の会と19時開演の会なら間に合うと思うじゃないですか。そしたらこの会は18時開演だって。で、高円寺の会の私の出番は2番目なんですよ。前座さんが15分やって、吉坊さんが30分、それで私が30分。そうすると、私の出番が終わったときにはもう18時15分なワケです。これじゃいかんと出番を変わってもらって、それで時間を前座さんを10分、私の高座を20分で勘弁してもらえば17時半、高円寺から四谷までは電車一本で20分ですから、よし行ける、と思ったんですけど、今日は休日だから高円寺に中央線が止まらないの。それに座・高円寺2から駅まで少しありますし、この会場も四谷の駅からちょっとある。コレは無理だなと。仕方ないので開口ゼロ番として前座の前に上がってきた」そうだ。どんな高座になったのかちょっと興味がある。しかもうるさ型の志ん輔師も一緒だから、はたしてどう思われたのか……。
「でもまあこちらは間に合いましたから」というが、ホントどうやったんだろ。
「私は高座に間に合わないということはほとんどしたことがなくて。前座の頃に飛行機で佐賀に行ったときに飛行機トラブルで羽田に引き返したときくらいですかねえ。主催の方も『飛行機が遅れてて』と言ってくれればいいのに、そういうフォローが一切なかったんですって。で、私が前座ですからタクシーの中で着替えて、会場についたらそのまま高座に上がって『ようこそおいでくださいまして誠にありがとうございます』とやったら大ブーイングを受けたくらいですかねえ」だそうで。
その後、北九州は子どもまで怖いとか、子どもから褒められることが多いという噺から『真田小僧』に。一時期よく聴いていたような気がするが、今日は3年以上開いている。
おっかさんと男の人が家の中で何やら親しげに話しているが、障子が閉まっていてよく聞こえないという再現がさすがの兼好師の芸の細かさ。

二席め、確定申告の時期がきたことに触れて「国会議員があんなに裏金作ってるなら、税金なんて払いたくないですよねえ」。どうにかしてサラリーマンが脱税する方法はないものか。
「私は脱税してないです。というより女房がそういうの嫌いで。落語会の主催者が『うちはそういうの裏で大丈夫ですから』っていうのを『そういうの嫌いです!』って電話ガチャッて切っちゃうくらい。弟子にも『いい? 師匠の帯を靴で踏んでもいいけど、脱税はしちゃダメ』って全員を集めて言っているくらいで」。私は脱税したいです。できるものなら。
「脱税で携帯電話の買取会社が摘発されてましたけど、その会社の名前が『富久』なんです。もう落語ファンにはたまらないですよね。それと、葛飾の露天商でルイ・ヴィトンの偽物を売っていた店も捕まった。……えー? 葛飾区ですよ? で露天商ですよ? そんなもん偽物に決まってるじゃないですか。しかも3500円て。買う方だってわかって買ってるでしょ。葛飾区の露天商ですよ? そりゃ伊勢丹とか三越で売ってたらダメですよ。でも葛飾区で本物売ってたらそっちが逮捕ですよ。……しかも全部手作りしてたってんだから。『本物より使いやすいわ』なんてことになってたんじゃないですか」と楽しそう。まあ葛飾で露天商といえば寅さんがいるしなあ。
そんな「偽物でも楽しめる」マインドで『だくだく』に。
「帰ってくるのが遅くなったときにふてくされて先に寝てしまった女房」を描いてくれ、と頼み、絵を描くご隠居の前でそのイマジナリー女房と痴話喧嘩でたわむれる様子を延々と続けて「……ていう女を描いてください」と急に真顔になるのがおかしい。


三席め、「最近のマッチングアプリとかでは、顔が写真ではなくアバターで登録するところもあるんですってね。声だけは本人のそのままの声で話して、お互いに話が合えば実際に会うんだそうで。これがマッチング率は意外と高いんですって。声や話し方が生理的に合わないという人はどんなに顔がよく立ってダメですが、声や話し方が好みに合うと顔がイマイチでも大丈夫なんですって。……これは噺家でも同じで、どんなに顔が良くても声がダメならダメでしょ。でもどうですか、白酒師匠なんてあんな顔なのにあの美声であんなに面白いんですから」。白酒師を出すのはちょっと反則だなあ。
「だから見た目だけで一目惚れをさせるというのはする方もさせる方もたいしたもんですよね」と『崇徳院』に。約2年ぶり。
毎回書くことだが、熊さんが若旦那から恋煩いを告白されて、「笑わない」と約束した手前どうにかしてこらえようとしながらもどうしても笑いが漏れ出てしまうシーンは本当に面白い。この場面だけでもカネを払って聴く価値があると思う。
サゲのセリフを言うのは熊さんでも相手のカシラでもなく、床屋の大将。確かに「買わんとぞ思う」といわせるなら床屋だよなあ。
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:芸能

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。