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両国寄席令和5年6月12日 [落語]

両国寄席令和5年6月12日
於:お江戸両国亭

丸一花仙 太神楽
三遊亭兼好『ちりとてちん』

いかん、兼好分が足りない。
最近の兼好師の土日のスケジュールといったら、大物噺家が何人も出る大きなホール落語ばかり。そういうのだと浅い出番で軽いネタばかりなんだよなあ。……もう正直に言うと俺ぁさん権とかいらんのよ。そらあ聴けば「ああ面白いなあ」と思うけど、でもその程度なのよ。高い金払ってまで聴こうとは思わんのです。それで4000円なんて安い方で下手すりゃ6000円とかするからなあ。コロナ禍や最近のいろんなものの値上げもあるけど、さすがにちょっと趣味の2時間に4000円は出せない。
ということで兼好不足分を補うべく、リーズナブルな両国寄席へ。仕事をものすごく中途半端な状態でほっぽりだして仲入り後割引で1000円。両国寄席も今月から値上げしたのに仲入り後は同じ値段なんだ。
すでにクイツキの好の助師が中盤に差し掛かっており、噺が終わるまで受付で待っているように念を押される。『柳の馬場』という聴いたことのない噺を掛けていたようで、聴きたかったなあ。

さて兼好師、「とむくんが真打に昇進するそうで、今日も受付でチケットを売っている。余裕があれば買ってやってください、買わないと彼のことだから家の前で待ってるなんてことが……。でも偉いですね、ああやって手売りしている。私はそんなことできなかった。……マ、そんなことしなくても人望があるんでお客がどんどん入った……そんなことはありませんが」すみません俺1回しか行ってないや。
「私にできないことは他にもあって、政治家の朝の駅前での活動とかアレよくできますよね。噺家なんだからできるだろうっていわれますけど、私はお客さんがこっちを見ているから話せるのです。あんな誰も聞いてないところでできない。……それも全然面白くない話を」。兼好師が駅前で面白い話してたら会社遅れてでも聞きます。
「元官房長官の青木さんが亡くなったと今朝のニュースになっていましたが、政治家は皆長生きですね。そりゃあ駅前で話をできるほど図々しくて、リーダーシップがあって、それで責任は取らない、これは長生きしますよ」と痛快な政治家斬り。
政治家の二面性の話から世辞が言える人言えない人の話になり『ちりとてちん』に。
正直ちょうどひと月ほど前に聴いた噺であり、兼好師の自らのノルマである「同じ噺はひと月あける」のほぼ最短スパンではあるが、やっぱりこの時期で雨の降っている今日はこの噺がピッタリ。
世辞のいい金さんの、なにかをご馳走になる前のシャドウボクシングのような前後左右に動く仕草もキレキレでおかしい。
さらに「ちりとてちん」製造中に旦那もダメージを受けているのも説得力があるし、そのちりとてちんの瓶を開けた後の六さんが小声でずっと「はっ、すっごーい」としか言っていないのもとにかく楽しい。理屈抜きに「ああ面白かった」と満足させる一席だった。

さて明日は朝一でネット会議で1時間早く出社しなくちゃなんないんだよな……。ダルー。
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