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第百十四回 一蔵ひとりの会 [落語]

第百十四回 一蔵ひとりの会
於:神保町 らくごカフェ

春風亭一蔵『鷺とり』『天災』『御神酒徳利』

社長まで流行病にやられてやんの。
とりあえずこれで年内はガリ喰らうこともなくなった。けど1個小言のタネ抱えてんだよな。今日さっさと済ませたかったのになあ。週末はもやもやを抱えながら過ごしたのに、このもやもやを抱えて年を越すのかよ。やだなあ。

今回で114回を迎えた一蔵ひとりの会も、らくごカフェでの開催は今日で最終回とのこと。次のステップに挑戦するためにもう少し広い会場に移すという。私は今日も含めて58回行っているので、ちょうど半分てところか。前座の頃は落語協会の2階で行っていた勉強会がらくごカフェに移り、また他の場所へと移るということで感慨深い。……とはいえ半分か。もっと来てたように思うんだけど……。
一蔵師も「この会が私のホームでした」と感慨深げ。「ここでまず新しいマクラをネタおろしして、反応が良ければ地方に持っていく。それで反応が良ければようやく寄席で使える鉄板のマクラに育てていくんです。今だいだい10本くらいあってそれで回してる」。てことは年に1本てところか……。あれだけ話してるのにそれしか残らないとは。
「この会はだいたい同じお客で固定されてる。ここの客はもう全然笑わないの」。そんなことないよ……。
一席めではやはり披露目での思い出をマクラに。鈴本の2日めで某師がブチ切れ、一蔵師が『夏泥』で「コ□せー……!、コ□せぇー!」とやっている裏で「コ□すぞ!」という怒号が聞こえてきた話とか。あの日そんなことになってたんだ。しかしこれ扇橋師も同じこと言ってたなあ。
それを受けて今回の新真打は馬風師のために弁当を張り込んだとか。値段聞いてびっくりした。それを前座や出演者全員に振る舞わなくてはならないそうで、そらあ弁当代だけでとんでもない額になるんだな……。弁当係の市童さんはそのへんの塩梅が上手かったらしく、常にギリギリの数を発注していたそうな。毎日ネタを変えてた裏話も交え、「今日はこんなに長くマクラ振ってる場合じゃないんだけど」といいつつたっぷり引っ張って『鷺とり』に。
常連客が多数を占めるこの会で擦り切れるほど掛けた『鷺とり』? 案の定反応はイマイチ、というか「うん、知ってる」という感じ。
なんでこの噺にしたのかなーと思っていたら、サゲで落ちのセリフに合わせて嬉しい報告を。まだ発表はできないということで会場にいた客だけにこっそりという感じらしいが、いやーそうかー。やったなあーと嬉しくなる。

そのまま二席めに。「ここの客を『鷺とり』で笑わせようなんて思ってない」だそうで。
以前は飽きっぽくて本が読めなかったそうだが、噺家になってようやく読めるようになったとのこと。そんな「噺家になったからこそできるようになったこと」もありつつも、字を書くことはいまでも苦手らしい。「『蒟蒻問答』なんてみんな『蒟蒻』が書けない。私は『問答』さえも書けませんでしたから」。楽屋には文字を書けない前座のために辞書が用意されているとか。いろいろ難しい字の名前の師匠とか演目もあるからなあ。
「落語には字の読めない書けない乱暴者なんて出てくるのが嬉しい」と『天災』に。
八五郎にも負けない鉄火な大家に言われるまま三光新道を訪れ、タバコ屋で「べらぼうになまけるってヤツはどこだ」と尋ねると隣のものすごい怠け者を教えられるのがおかしい。
途中でなぜか女房を気遣うセリフが出てきて「仲いいですな」と呆れられるの本末転倒ぶりも楽しい。

ラストは大ネタ。
鴻池の支配人のコテコテの関西弁圧がすごい。……なんかモデルにしてる師匠とかいそう……。
新羽屋から貰ったお礼の金を孝行女中のおうめにすべて与え、諭すところなどは父親っぽい優しさがある。

再開は5月頃だという。どこでやるのかはわからないが楽しみにしていよう。
平日だったが最終回に来られてよかった。
タグ:春風亭一蔵
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