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第9回 三遊亭兼好 噺の会 [落語]

第9回 三遊亭兼好 噺の会
於:浅草 ことぶ季亭

三遊亭けろよん『桃太郎』
三遊亭兼矢『鈴ヶ森』
三遊亭好二郎『代書屋』
三遊亭兼太郎『北区』
三遊亭兼好『紀州』
桂小すみ 三味線と唄
三遊亭兼好『富久』

毎年恒例の年末兼好一門会。
昨年はゴッド長渕剛とのライブと重なってしまい来られなかったので2年振りとなる。
昨日まで仕事だったのだが、仕事は早めに上がって高校時代の友人と新橋で飲む。そして泥酔。やや二日酔い気味のなか浅草に。割といつもこの会は二日酔い気味で来ているような気がする。

けろよんさん、兼好師直伝であろう『桃太郎』。
鬼は鬼門である丑寅を表し、桃太郎はその反対の未、そのお供だから申酉戌になるという理屈っぽいのは兼好師でしか聞いたことがない。

兼矢さん、さすがにここで新作は掛けないかー。
子分の天真爛漫な間抜けっぷりが兼矢さんのキャラに合っていて楽しい。「口移しで教えてやる」といわれて割とすんなり受け入れるのもなんかおかしい。

好二郎さんはスタンダードな型。「れれきしょ」を書いてもらうために飛び込んできた軽薄なオッサンとのやり取りが楽しい。代書屋のイヤミな感じが似合っている。噺が進んでいくとツッコミも冴え、イヤミっぽさも薄れていく。

兼太郎さん、格闘技つながりで彦いち師からかわいがられているらしい。「新作やらないの?」「はい、やりません!」「そうか!」でしぶらくの新作の会に呼ばれたらしい。そういやこないだ天どん師の会に勉強にきていたのはこれのためだったのか。
「もうすごい滑りまして。もうその時だけでやめようと思ったんですが、ここでお焚き上げをしたいと思います」と初の新作を披露。
会社で寒いオヤジギャグを飛ばす課長と若い部下たちのやりとりで、課長がなぜそうなったのかを語るもの。「亡き妻との約束」みたいな流れになり、客席の中には涙する人も。

兼好師の一席め、「この会も恒例になってきて嬉しい。……お客さんも(高齢に)……。このコロナ禍で弟子がひとりくらい脱落するかと思いましたけど、全員残りましたね。大したもんじゃないですか。岸田総理が任命した大臣より残ってますから。昔は『末は博士か大臣か』といわれるような立場だったんですけどね。しかしリーダーというのは岸田さんみたいに目立たないほうが恐ろしい。いつの間にか大胆なことをやってたりしますから。アメリカが攻撃されたら日本が反撃していいなんて、安倍さんが何年もかかったことを1年でやったんですよ。恐ろしいですねえ」とリーダー論から昔のリーダー、将軍を決める噺の『紀州』に。
脱線しながら着実に大きな笑いをかっさらう。

小すみ先生は相変わらず何度聴いてもお見事。
今日は三味線ばかりではなく尺八まで。いろんなことできんだね。

兼好師の二席めは年末にピッタリの『富久』。
火事見舞いの熱燗をチラチラみているときの顔つきがまた素晴らしい。気になって仕方がないという表現がすごい。それをようやく飲めて徐々に酔っていきながら明るくなっていくのも楽しい。
また富くじに当たって札がない、となり、五百両でいい、三百両……と値段交渉しているときの顔もまた。一応笑っているんだけど、目が全然笑わずに逆に鬼気迫る感じ。それがどうしようもないと悟っていくときの表情の切なさがすごい。
喜怒哀楽がたっぷりと詰まり、聴き応えのある一席で今年の落語締め。

今年は3年ぶりに打ち上げも復活。兼太郎さんは諸事情により参加されなかったが、好二郎さんや兼矢さんとも久しぶりにたくさん話せた。もちろん兼好師とも。けろよんさんとも初めて話した。二松学舎大で兼好師の後輩なんだそうだ。以前にあった「二松落研創部50周年記念寄席」で兼好師を初めて聴き、それが入門のきっかけだったそうだ。

さて自己満以外の何物でもない一年の集計ー!
今年はジャスト900席!
披露目興行があり、寄席通いが多かったこともあるけれど、我ながら頭おかしい。でもなあ、披露目に毎日行ってる人もいるようだし、その他にも「この人この会にもきてるのかよ」と思うほど顔を見かける人もいる。それでも話したことはないのでその人たちはもっと聴いてるかもしれない。上には上がいるもんだし。
とはいえさすがに今後はこれ以上行くことはないだろうなー。

一位はもちろん兼好師で102席(50会)。
二位は入船亭小辰 改メ 入船亭扇橋師で65席(45会)。ちなみに小辰40席、扇橋で25席。聴きまくった気がするけどやはり兼好師には届かなかったか。
三位は一蔵師で42席(28会)。
四位は入船亭扇辰師で29席(21会)。
五位は柳亭市弥 改メ 柳亭小燕枝師で21席(21会)。市弥3席、小燕枝18席。
六位に三遊亭天どん師20席(13会)と三遊亭萬橘20席(12会)。このふたりは披露目とは全然関係なくいつもの通りよく聴くってことかな。

以下10席以上聴いた人たち。
8位:柳亭市馬14席(14会)
9位:三遊亭遊馬13席(8会)
10位:林家正楽12席(12会)
11位:桃月庵白酒10席(6会)
11位:三遊亭圓歌10席(8会)
11位:鈴々舎馬風10席(10会)
11位:三遊亭わん丈10席(8会)
11位:ロケット団10席(10会)

次点で林家彦いち師、桂宮治師、三遊亭兼矢さん、すず風にゃん子金魚先生が各9席。
参考記録としてけろよんさん22席、辰ぢろさん14席。

今年は十席以上聞いた人がたくさんいるけど、まあ披露目興行があったからってのが大きい。
さすがに今年はカネ使いすぎた。来年はもう少し控えます。
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